念能力者(?)なひかりちゃん(?)   作:シチシチ

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 こんな妄想垂れ流してるだけのところにきてお気に入りまでしてくださってる人が70人もいるという現実に耐え切れず昼夜逆転しました。 


原作開始 ~北欧行くってなったら何もってく?泊まるのは中世石造りの城だけど~

 梅雨が明け、夏が始まり、佐世保も暑くなってきた頃。

 放課後教練のため、体育館へと来た。

 

 「ああ、雁淵来たか」

 「はい、今日は校長の剣術でしたかと」

 「うん、その通りなんだが、その前に伝えておこうと思ってな」

 「なんでしょうか?」

 「南方から三航戦が戻ってくるらしい」

 「!、インド方面の航空支援にあたっていた?」

 「そうだ、君の姉も乗っていたな」

 

 

 三航戦

 

 皇国海軍第三航空戦隊の略で翔鶴、瑞鶴を軸にした航空戦隊。

 なお、ストパン世界では蒼龍飛龍は翔鶴型の船体で建造されたらしく、4隻まとめて蒼龍型らしい。

 

 

 

 「いつ、入港ですか?」

 「今朝、シンガポールからの入電があったそうだ。となると遅くとも2週間以内には上陸するだろう」

 「では校長3、いや4日の外泊許可をお願いできますか?」

 「いいだろう。やっぱり君も姉には会いたいのか」

 「いや、私が家に居なければ姉のほうが拗ねるでしょうから」

 「佐世保の英雄も人の子、いや姉というわけか!しかしわかるぞ、私も会えるなら妹には会っておきたいからな…」

 

 

 校長の家族話に口をはさみながら、頭の中は姉の帰還を聞いた事で混乱の中にあった。

 

 (は、はやい、早いよ孝美さん!?予定では9月と思ってあと一月二月あると思っていたのに!?)

 

 (だ、だが、現状は少し予定が早まっただけのこと。欧州に行った後の影響まではわからんが扶桑で今やることは変わらん!)

 

 

 

 「今日はずいぶん話し込んでしまったな…、うん、雁淵」

 「はい、なんでしょう!」

 

 「そろそろ空戦での型も覚えてもらおうと思ってな?今日からはこの時間もストライカーを履いてもらう」

 

 「!」

 

 何となくだが気づいた。今までそんなそぶりはなかったのに急に剣の型を仕込もうとしてきたことで。

 

 「…随分急ですね?もっと陸の上で振ってからだと思ってましたよ」

 

 「ああ、いや、そろそろ覚えておいたほうがいいかもと思っただけさ」

 

 確信した。"覚えておいたほうがいい"なんて言葉はこんな場面じゃなきゃ使わない。

 

 欧州派遣の話が来ているのだと。

 

 「わかりました。でも、どなたが指導してくださるのですか?」

 「ん?何を言っている?」

 

 「お前には私の剣を写させるといっただろう?」

 

 

 校長まだ飛べるんですか!?

 

 

 

 

 

 「確かに私は扶桑海事変での負傷で引退したが、あくまで負傷であってあとに残るようなケガではない」

 「それに、少し下の年では今でも飛んでいる奴がいる。まぁ、妹なんだが」

 

 「陸さんで教官をされているとか?」

 「ああ、あいつももう、実戦は無理があるようでな」

 

 「で、飛ぶんですか?」

 「当たり前だろう。さっきっからそう言っているじゃないか」

 

 「後ろで教官方が顔青くしてらっしゃいますけど」

 「なんだそろって風邪か?情けない」

 

 「首横に振ってますけど」

 「じゃあ、二日酔いあたりか。教職ともあろうものが」

 

 「いや、あn「いいから行くぞ!上がれェ!」え、ちょ」

 

 教官たちの静止の声を振り切るようにして急上昇した校長はこちらを置き去りにし、空に模様を描くように飛んだ。

 

 ≪はは、これが"零"か!95、96とはえらい違いじゃないか!もっと早く乗っておくんだった!≫

 

 「待ってください校長。もしかして零式初乗りですか」

 ≪なかなか機会がなくてな。周りが乗せてくれん≫

 

 さっきの教官たちも必死だったもんな、と思った。すでに発動機を吹かしてしまっているから止められなかっただけで。

 

 「さぁ、行くぞ雁淵!」

 「待ってください。見て写す前は普通のウィッチと変わらないって、ヴぁ!、ちょ、あっぶぇ!」

 

 

 

 

 

 

 久しぶりの空にテンションがバカ高い校長の猛攻は続き、あたりが暗くなってからしばらくして、ようやく下に降りた。

 

 「ハァーッ、ゴホッゴホッ、ちょっと、詰め込みすぎではありませんか…」

 

 「次飛べるかはわからないからな、今回で私の培った実践剣術は仕込んでおく必要があったんだ。許せ」

 

 「言いたいことはわかりますけど…」

 

 打ち込まれたり、後ろについて飛んだりと延々連れまわされたが、多くの技を見るだけでなく、実戦での使用タイミングとその際の注意まで学べたのは大きく、頭の中で空戦をイメージした際、よりリアルに想像できるようになった。  

 

 「ま、今日の講義はこれで終了だ。帰って今日のことを思い出しながら眠るように」

 

 「ご指導ありがとうございました…」

 

 

 

 

 

 数日して、三航戦の帰投は町中に知れ渡ることになったようで、港には人が詰めかけ、横断幕まであったらしい。

 

 あったらしいというのは今日も兵学校は変わらず講義を行っており、展示飛行なども見られなかったためだ。当然生徒からは不満が噴出したが、校長や教官たちは譲らなかった。

 

 「"扶桑海の閃光"の時のようなことをされても困る」

 

 と、信頼度ゼロのお言葉をいただいては、黙るほかなかったともいう。

 

 

 

 「あれ、ひかり今日は寮じゃないの?」

 「うん、多分お姉ちゃん家に来ると思うから」

 「そっか!孝美中尉もお家のほうに帰ってるのよね!」

 

 「ねね!遊びに行ってもいい?」「私も私も!」

 

 「今から外出許可取れたらいいよ?理由的に許されるかどうか知らないけど」

 「「「うぐっ」」」

 

 そう言いくるめて、自宅への帰途に就く。

 

 

 

 変に寄り道もせず自宅への道を歩いていれば、比較的開けた田んぼの中の道では遠くからの音がよく聞こえた。

 振り返ってみれば、空で真っ白な第二種軍装が光を反射して輝いていた。

 

 「ひかりーーっ!」

 「お、お姉ちゃ、…孝美姉さん!おかえりなさい!」

 

 「孝美姉さん!?あっ」

 

 

 

 目の前で、佐世保のエースが田んぼにハードランディングするのを見てしまった。

 

 

 

 

 「た、孝美あんたなんでそんな泥まみれなの…」

 「うぅ…、第二種軍装が…結構するのに…」

 

 田んぼに突っ込んでしまい立ち往生していたところに、孝美の荷物を積んで追いかけていた車が追い付いてきたため、ストライカーを無理やり荷台に詰め込みそのまま家まで乗せてもらった。

 荷物を家に置いた後、車はストライカーを載せ基地へ戻るらしい。

 

 

 

 

 

 「騒がしくして悪かったわね、みんな孝美のこと一目見たいって。まぁその孝美が泥んこの軍服で帰ってくればああも騒ぐわよ」

 

 「気にしないで、私の未熟もあるから…」

 

 家の前には、近所や周囲の家から姉を幼いころから知っている人らが詰めかけ、小さな宴会のようなものが催されていた。

 が、泥にまみれて帰ってきた姉をそのままにするわけにもいかず、宴会は次の日に持ち越された。

 "俺"達は居間で姉が風呂から上がるのを待っていたのだが、姉が帰ってくる前から、商工会のジジババと盛り上がっていた父はすでに酔いつぶれていた。

 

 

 「あ、そうだ。これ見てちょうだい!」

 「アルバム?やだ、全部私の記事!?恥ずかしい…」

 「恥ずかしいもんかい!ウィッチとして立派にお仕事を果たしてきた。その証拠だよ?」

 

 「…あぁ、そうだ今日の新聞も見ておかないと」

 

 今日の記事には、記憶の通りなら重大人物が映っているはずだ。

 

 「あら、ウィッチの記事?"坂本少佐、第501統合戦闘航空団にて獅子奮迅の活躍をす"」

 「ねぇ、孝美姉さん知ってる人?」

 

 「ま、また孝美姉さんって…」

 「知らない人なの?」

 「あぁ、うん、リバウでの撤退戦でご一緒したわよ?厳しかったけど尊敬できる人だった。あの、それよりひかり私の呼び方…」

 「へーすごい人なんだぁ…」

 

 孝美姉さんの話を聞きながら、私の視線は写真の隅に映っている人物に向いていた。

 

 (これが主人公!そんなヤベー奴には見えない顔してるけどもうすぐガリア解放すんだよな…)

 

 写真の隅には扶桑の女学生の服を着た女の子が写っており、この人物こそが"ストライクウィッチーズ"の主人公"宮藤芳佳"だ。

 

 「ひかり、何見ているの?あら、この子も扶桑のウィッチなのかしら」

 「うーん、どうかしら。それならもっとニュースになっててもおかしくないはずだけど」

 

 そのあとは、他愛もない話をして、就寝の時間となった。

 

 

 

 「ねぇ、姉さん?」

 「やっぱりその呼び方変えない?昔みたいにおねえちゃんって…」

 「遠洋航海が終わったわけだし、またしばらくは佐世保に居られるの?」

 「意地でも変えない気なの…!?いいわ、だったらこっちから変えさせて…」

 

 「いられるの?いられないの?」

 「あ、ええとそのことなんだけど…」

 

 

 「港で新しい辞令をもらってね?」

 「欧州へ行くことになったの」

 

 それは8年間何よりも望んだ言葉だった。

 

 

 

 

 「静粛に、これより校長先生より重大な伝達事項があります。それでは」

 「生徒諸君、知っての通り欧州の戦況はいまだ厳しく一人でも多くのウィッチが必要とされている状況だ」

 「欧州からの強い要請に従い、わが校からも欧州派遣に参加する志願者を募ることとなった!」

 

 ザワザワ「欧州派遣!?」「実戦ってこと!?」「まだ学生なのに…!」

 

 「静粛に!静粛に!」

 

 「学生の身故、最前線に配属されることはないが決して楽な任務ではない!」

 「欧州行はあくまで志願制であり、また一名のみ」

 「志願者はその場で挙手!」

 

 「「志願します」」

 

 「1年主席、三隅美也!」「"雁淵"ひかり!」

 

 「私は、ここで学ぶべきことはすべて学び終えたと自負しております!」

 「自分の技量は既に欧州戦線において十分に通用しうるものだと確信しております!」

 

 

 「いいだろう、3日後にどちらが適任かを見極める"選抜試験"を行う!」

 「各々万全の態勢で臨むように!」

 

 昼休みの時間、弁当を食べる前に体育館へと集められ、こんな一幕があった。

 

 

 「欧州派遣…選抜試験?」

 

 家へと戻り、居間に家族がそろった時に、家族にもそのことを説明した。

 

 「そう。その試験で適していると判断された方、私か三隅さんが欧州へ行くことになるって」

 「そんなにウィッチが足りていないのか…」

 「あんた、卒業まであと半年近くあるっていうのに...、孝美だって欧州に行ったのは学校卒業してからだっていうのに」

 「孝美姉さんは特進してた上に扶桑海事変で学徒動員食らってるじゃん。いつもウィッチなら世の中のお役に立てって言っといてさぁ!」

 「それは…、だってあんたと孝美は違うでしょう!」

 「実技に関しちゃ校長のお墨付きじゃい!もう寝る!」

 「「ひかりっ!」」

 

 予想外の反対にあってしまい、結局家族の理解は得られなかった。相変わらずこの手のことは母が一番の発言権をもっており、姉と父が何か言うことはできなかった。

 

 「ひかり、まだ起きてる?」

 「…起きてはいるよ」

 

 布団に入り、眠るまでの間"纏"と"練"を続けていた。

 

 「ひかりは…欧州に行きたい?」

 「…うん、いろいろ理由はあるけれど。私は欧州に行きたい」

 

 死にたいわけじゃない。見殺しにできない人たちがいる。それだけじゃない、7年の間に多くの出来事があり、その中で新しい理由が見つかったりもした。

 

 「なら…、それは聞かないほうがいいかな。でも一つだけ」

 「なに…?」

 

 「夢でも目標でもいい。ひかりが行きたいんだよね?」

 「うん。私が、私の意思で行きたいんだ」

 「なら、お姉ちゃんは応援してあげます!」

 

 明確に応援してくれた唯一の味方。

 

 「ありがとう、…お姉ちゃん」

 「ひかり今なんて!?」

 

 

 

 

 

 

 

 「これより、欧州派遣選抜試験を行う!」

 

 「試験内容は実戦に即したものだ」

 

 「両名武装の上、決められたコース上の課題を時間内に処理してくること!」

 「チェックポイントを通過しなかったり規定時間に間に合わなかった場合は失格だ!」

 「両名が合格した場合はより早く戻ったほうを派遣要員とする!」

 

 「両名用意!」

 

 空は灰色の雲が広がり、時折強い風が吹き抜ける。

 国崎教官が旗を振り下ろすと同時にエンジンを吹かし、ロックを外す。零式練習脚は地面を離れ、空へと上がる。

 

 「…負けないんだから」

 「それはどっちのセリフでもあるでしょうよ!」

 

 最初の課題は海上の塔型ブイの間を抜ける。

 ついで、沖合で停泊中の三航戦の間を規定どうりのコースで抜ける。曲がるたびに互いの体が前に出て、徹底的な差がつかない。

 空戦ではないレースでは取るコースなどさして変わらず、よほど腕に差がない限り差は出ない。

 

 雨が強くなってきた。

 

 

 雨はついに雷雨となり、あたりには稲光がほとばしっている。

 

 「雨が目に入る…、服が重い…」

 

 三隅がぼやくように、土砂降りの雨がたたきつけられ、互いに濡鼠といった有様。

 

 係留気球を利用した的を"わずかに早く"に撃ちぬき、残骸をすり抜ける。

 

 「この雨の中で速度が落ちない…!どんなスタミナしてるの!」

 

 「…魔法力の消費を抑えないと」

 

 流れは原作どうりに進むらしい。揚力を稼ぎ魔力消費を抑えることでラストスパートにかけようというのだろう。

 結果は原作どうり、

 

 「前見ろ前!危ない!」

 「えっ、きゃっ!」

 

 視界が悪い豪雨の中、低高度のしぶきに紛れて見えなかった建造物をよけきれず、弾き飛ばされる。

 原作と違うのは、

 

 「よっと」

 

 はじかれた三隅さんがこっちに突っ込んでくるのは"知って"いたので危なげなく受け取める。

 

 「ぐっ、雁淵さん!?」

 「だいじょぶ?飛べる?飛べるね。じゃ、残りも頑張ろうか。負けることはないだろうけどね」

 

 受け止めた段階で意識があったので、そのまま連れていくつもりだったのを変更し、思いっきり後ろにぶん投げる。

 悪いとは思うが負けるわけにもいかないのだ。

 

 「あ、か、かぁりぃふちぃぃぃぃっ!!」

 

 その後、ひどい形相の三隅さんに追われる形で試験は続いたが、追い越されることはなくゴールした。

 

 「試験終了!欧州行は雁淵で決定!」

 

 ゴールすると同時に沙汰が下されるのを聞き、その先の草原に降り立つ。

 

 「くっ、雁淵さん」

 「私の勝ち、悪いけど文句は言わせないよ。判断ミスって事故ったのはそっちだもの」

 「…えぇ、そこは認めるわ。欧州行にふさわしいのはそっち」

 「おお、思ったより素直だった」

 「失礼な!言っとくけど後ろにぶん投げたのは許してないからね!」

 「いやいや、元の位置に戻しただけだって不正はないよ」

 

 全身ぐっしょりさせ、ストライカーを脱ぎもせず言い合っていると、

 

 「事故ったとか後ろにぶん投げたとかちょっと聞き捨てならんなぁ…?」

 「「げ、国崎教官」」

 「その、"げっ"の部分含めて詳しく聞かせてもらおうか」

 

 

 

 

 

 「ひかり、欧州行きはどう?楽しみ?」

 「楽しみだね!わくわくが止まらないよ!」

 

 試験2日後、姉と連れ立って父へ弁当を届けに行く。試験中のごたごたは最終的に結果には影響しないと判断され、"俺"の結果はそのままだった。

 

 「「おはようございます」」

 「はい、おはよう。中尉が来るのは久しぶりだな」

 

 「お父さん、はいこれ」

 「孝美に届けてもらうのも久…、まて、まさかまた走ってきたのか?」

 「えぇ!鍛錬代わりにひかりとね」

 「うわ、ヤな予感…。ああ、やっぱり…」

 

 父の開けた弁当箱は具も米もぐちゃぐちゃにシェイクされ、見るも無残なありさまだった。恨みがましい目で"どうして止めなかった"と視線で訴えられたが知らんぷり。

 

 「水沼中尉、電信です」

 「ん?おお!ほら、ひかりちゃん」

 「海軍軍令部!合格通知だ!」

 「やったねひかり!」

 

 受け取った電信には『カリブチヒカリ ゴウカクス オウシュウハケン ジュンビセヨ』と書かれていた。




 原作突入すると、原作展開に改変入れてオリジナルを突っ込めばいいから文字数一気に楽になった。

 冷静に考えると昼夜逆転の原因はVtuber見ながら書いてるからでした。
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