以前投稿させて頂いた短編同様、今回も捏造設定盛り沢山でお送りしたいと思います。
分からない所はとりあえず捏造。矛盾があれば都合が良いように捏造。矛盾がなくてもより都合良く捏造。気楽に捏造。
ということで、とりあえず主人公をテンプレ的にそこそこチート化させて無惨をガクブルさせます。
とりあえず、行ける所まで毎日投稿したいと思いますが、すぐに底を付く可能性があります。ご了承下さい。
余談ですが……
童磨に殺された胡蝶カナエが、100年後の日本に転移したと思ったら、そこは夜には吸血鬼が蠢く『月姫』の世界で、鬼とは仲良くなれなかったけど吸血鬼とは仲良くしたいと思ってアルクェイドといちゃいちゃするクロス-バーの話を思い付いたんですけど、誰か書きませんか?
私は書きません。
そんな寂しい場所を、一人の少年がトボトボと歩いていた。少年の服装は
(兄ちゃんが死んだ……)
そこで見たのは、腹を短刀のようなもので刺されて出血も止まらない、そして苦しさと痛みで息も
悲しみに打ち
(俺は、一体何の為に……本当に、俺って、
少年達の父親は元々
母親は元々病弱であったが、幼い兄弟の為にと働きに出て、野菜売りをしていた。だが、元々身体が弱かったことと、
兄と少年は、元いた家を売り払って長屋へと身を寄せた。そして、兄弟で協力して日銭を稼ぎ、日々を過ごしていた。四つ歳の違う兄は父親の意志を継いで大工見習いへ、少年は私塾へ通って文字の読み書きや算術を
少年は、幼い頃より飲み込みが早く、特に算術の才能が高いと
「これからどうしよう……」
兄を失った悲しみは、先程
その答えを出してくれる人はこの場にはいない。とにかく、今は明日からどう生きようか考えることだ。と、
(私塾に行ってみるか?)
私塾の先生は優しい人であるから、これからも教えに来てくれたら少ないながらも給金を出すと言ってくれるだろうし、何なら私塾に住まないかと
(よし)
何はともあれ、相談してみないことには始まらない。そう決めたのならばと気合いを入れて改めて前を向き、明日訪れてみようと決意する。
「おやぁ? こんな時間に子供一人で歩いていては危ないよぉ?」
突然背後から、ねっとりとした口調の男性の声がしたので振り返った。
「ひっ!」
その様相を見て、少年は思わず尻餅を付いてしまう。
月下の元に立つそれは、
「な、な……」
「
「お、お、鬼……?」
お
「そうだよぉ? そして、今から君を食べるんだけど、すぐには食べないからねぇ? まずは手足を一本一本折って、引き千切って。それを食べたら次に胴体を、それで最後に苦痛に
自身を
(コイツ……
突然頭の中に浮かんだ言葉に、自分自身で困惑する。
混乱する少年の頭の中では、これまで自身が歩んできた歴史が
「っが!」
極限状態の中で、突然の記憶の
地面に転がされ、痛みによって
息は出来る。痛い。まだ立てる。逃げなきゃ。逃げられない。怖い。痛い。死ぬ。殺される。食べられる。死んだら、兄に会えるだろうか。痛い。諦めるな。暑い。痛い。寒い。痛い。痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い……
大きく息を吸う。肺が痛い。
立ち上がる。腕が痛い。脚が痛い。
前に立つ者を見る。頭が痛い。
その時、脳内で何かがカチリとハマった気がした。
「コォォォォォォォ……」
息を吐き出し、前を向く。全身が燃えるように熱い。恐怖はあるが、
鬼が右腕を引いた。
(殴られる!)
そう思った瞬間、身体が動いた。わずか
「お前、今のをどうやって!」
相手の一瞬の動揺と痛む身体の両方を無視して、更に距離を開ける。少年は、ここで再び吐き出した分の空気を取り込んで、全身へ血を巡らせることに集中する。
(
より速く血を走らせようと、
「ふん、だがぁ、その程度では!」
「っ! はやっ……!」
(避けられない!)
これまで相手は油断していたのか、先程の不意を突く形での回避行動で距離を作ることが出来たが、本気を出したのか、その作った距離を一瞬で詰めてきて、丸太のように太い腕を振り上げているのが目に映る。
恐怖と驚きで一瞬動きが固まってしまうが、それでも目を閉じることだけはせず、相手の動きをしっかり見、何とか威力を
だが、そんな努力
―― 炎の呼吸
今ここにいる二人とはまた違う男の声がした。それと同時に、鬼の右腕が何かによって斬り飛ばされていたことに気付いた。
「なっ! おめぇは!
「貴様の相手は私だ!」
鬼と自身の間に、いつの間にか大人の人間の男性が立っていて、その手には刀が
「そこな男児、無事であるか!」
「え? う、うん」
「
「邪魔を……するなぁ!」
対する鬼は、先程までの余裕を完全になくしているのか、相手を舐め回すようなねっとりとした口調ではなく、ひたすらに怒号だけが響く。それと同時に、斬られた腕が断面から生えて元通りになった鬼が、今度は剣士へ向けて襲い掛かる。
「遅い!」
―― 炎の呼吸
鬼の動きを上回る速度で切り上げられた斬撃が、相手の動きを封じる。
―― 炎の呼吸
その
轟音響かせ、まるで虎のように相手へ食い付く攻撃は、勢い良く鬼へとその刃を届かせる。
「なっ!」
驚きを口にしたのは少年か鬼か、それとも両方か。いずれにせよ鬼の
その様子を、ただ
「男児、大丈夫か?」
刀を
「え、あ、は、はい。その、えぇと……」
「良い。
確かに少年は動揺していた。しかし、それは鬼という非科学的存在に襲われたことでも、それを助けてくれた剣士の強さのことでも、ましてや自身の怪我のことでもない。その原因は……
(ここ、『
少年の心の叫びが目の前の青年に届くはずもなく、また、ずっと気を張っていたことも事態が収まったことで緊張の糸が途切れ、その意識を
少年と青年しかいない暗闇に支配されたその通りに、青年が少年へ呼び掛ける声だけが響いていた。
江戸コソコソ話
本文に登場する飢饉とは、1642年前後に起こった(前兆はもっと前からあった)江戸四大飢饉の一つ、寛永の大飢饉のことです。このせいで、せっかく1636年に製造開始したかの有名な貨幣、寛永通宝の価値が大暴落し、全国的にてんやわんやしました。