この物語の主人公は一応創里ですので。ガンダム種死のように、途中から主人公が変わるような事態にはならないと思います。多分。
寿命まで生きます(確定)。
ちょっとお知らせという名の言い訳。
評価、お気に入り、感想、誤字報告ありがとうございます。
評価の分布を見ると、良いか悪いかで大体二分していますね。中間がない辺り、すごく好みが別れる作品だということが分かります。
まぁ原作キャラほとんどいませんし、時代も江戸と誰得ですし、大衆受けするものではないと思っていましたが、意外と評価されて驚いています。
常にネタ切れ、時間のなさと戦っていますが、なんとか終わりまで走れるよう頑張ります。
それと誤字脱字に関してですが、毎日の投稿を目指すあまり、確認作業がおざなりになっていることは事実です。申し訳ありません。
極力なくすよう努力は致しますが、このペースを維持する為にどうしても不十分になることが多々あるかと思います。その際はご協力お願いします。
本格的な修行が始まったのは、三ヶ月後。春になってからであった。
理由は、修行に使える刀がないというもの。予備の
作ったのは、
本人もこのような注文は初めてだとブツブツ言っていたが、とりあえず模擬刀は完成した。ただ、とても長い。非常に長い。創里の日輪刀よりも長い。そもそも、刀の形をしていない。
「……糸?」
刀身の部分をツンツンと
「俺は注文通りに打っただけだ。聞きたいことがあるなら、そこの生意気な
そう言って鉄仞は屋敷を去って行った。
残されたのは、ゆきの前に鎮座する謎の模擬刀。試作品ということで鞘には入っていない。合う鞘がないというのが正しいか。その刀身は、一本
長さだけを見れば、刀身
余計な装飾もなく至ってシンプルな刀……ではない何かである。
「今日からこれで修行を始める」
「うん」
「内容はこれまでの麻紐を使ったものと同じだ。ただし、長さ、重さ、本数、細さ、危険度。どれを取っても比べものにならない。心して掛かれ」
「分かった!」
二人で庭に出る。その様子を、他の住人が縁側から眺めている。今回は、下手したらすっぽ抜けて危険があるかもしれないので、念の為、離れて見るように
「すごい、重い」
「それを、今までと同じように振るんだ」
「……こう? っ! ぐっ!」
試しに振ってみる。長い地道な基礎訓練のおかげで身に付いた筋力で、特に問題なく振れたように見えた。しかし、先端に力が行き渡った時に遠心力が働き、身長
最初の一振りで耐えられたのなら、今後も問題ないと創里は判断する。
(ワイヤーの細さは変わらないが、先端に向けて重心が集中しているっぽいな。上手く扱えば、狙った所に確実に攻撃が出来るようになるか)
そうして新たに始まった訓練。最初の頃は、まだまだ武器に振り回されている感じがしていたが、一〇日、二〇日と日を追う
そうなると次の段階へ移行する。これまではただ振るだけだったが、ここに、新体操のリボンのような、あるいは舞踊のような動きを混ぜ始める。
その舞いの一連の動作の中で、型となるものの動きが加わるようになった。型、剣技の一部は、創里が提案したもので、ゆきはそれを取り入れて自身の動きに合うように調整していく。
正しい型の動きを知る為に、透き通る世界へは中々入ることが出来ないでいるが、それも少しずつ前進している。
それから数ヶ月経ち、秋。
夜明けから日暮れまで、一切の休憩を挟むことなく一つ目の技から最後の技までの全てを通して、息切れすることなく繰り返し舞うことが出来るようになっていた。
「相変わらず飲み込みが早いな」
「そうかな?」
「少なくとも俺よりは」
「そうなんだ」
原作キャラは、どのキャラも本当に短期間で技を身に付けている。確かに単純な強さで言えば創里の方が上であろうが、長いこと熟成し、積み重ねてきたからこその強さであって、短期間では決して仕上げられるようなものではない。
「焦る必要はない。急ぐ必要もない。一歩ずつ確実に。心を乱さず、呼吸を乱さず、動きを乱さず、思考を乱さず。これをとにかく
「うん!」
とにかくこれを口酸っぱく伝えている。大事なのはとにかく心を保つこと。そしてそれを理解しているゆきは常に平静を保ち、最初こそは
それはまるで、一つの丸太を一本の彫刻刀で少しずつ削っていくことで、仏像を掘り出すような感じである。
余分な力を抜き、無駄な部分を全て省いたことで到達することが出来る、透き通る世界。
慣れてきたら、いよいよ屋敷の周囲にある山の森の中に入っての戦闘訓練だ。障害物の多い空間で、最大
「木は極力斬るなよ? 生態系を壊すのは良くないからな」
「うん。分かってる」
「よーし、始め」
そうして向かい合った創里とゆきは訓練を開始する。
「フュォォォォォォォ」
―― 全集中
呼吸の音が響き渡り、まだ型の名前もない技を繰り出す。
自身の型だから名前は自分で付けろという創里の教えだが、知識に乏しいゆきは発想力がない。よって、屋敷の住人に相談したり知識を教えてもらったりしながら、技の名前を考えているようだ。
「随分と思い通りに動かせるようになったな」
猩々緋の金属を用いていないので鬼の
(まるで弾幕シューティングゲームのようだな)
ほんの微妙な隙間を見つけて飛び込み、木刀の間合いへ近付こうとする。しかし、嵐の中心部は更に激しさが増し、彼の接近を
それによって生み出される技は、攻防一体。彼女をワイヤーの結界で守りつつ、間合いに入ってきた獲物へ容赦なく襲い掛かる。
(巨大な積乱雲で身を守る『天空の城ラピュタ』かな?)
とはいえ、そんな
相手も
削り出した仏像は、そのままではいけない。しっかりと
とんでもなく過保護なのである。
修行がとてつもなく厳しいのでとてもそうには見えないが、しかし彼がどこまでも彼女に対して甘いことを屋敷の住人は知り尽くしている。そしてそれはゆき自身も分かっており、だからこそその期待に応えようと時折涙を流しつつも全力で打ち込んでいるのだ。
「とりあえずここまで」
「うん、いつも、ありがとう」
「また明日もやるぞ?」
「うん!」
午前中いっぱいを使った山での戦闘訓練を終えた二人は、特に呼吸が乱れることも怪我もなく、並んで屋敷まで移動する。
(最近の鬼の活動が何か妙だ……)
現在は
(多分、
単独で上弦の鬼を二体倒し、しかも全ての鬼を束ねる
そのことは
創里が雑魚鬼と言ってのける存在だが、中には元武士であったり、武道を学んでいたりと、まだ戦国時代を終えて数十年しか経っていない江戸時代初期ならではの事情から、なりたてでもそれなりに強い鬼が
ただでさえも消耗の激しい
(どちらも兵隊を揃える準備期間、まぁ内政タイムといった所か)
柱の忙しさは相変わらずだが、全体で見れば実質
鬼側が一般人を襲わず、経験の浅い隊士を狙って攻撃を仕掛けてくる例が何例か出ているのだ。一般市民に被害が出れば、例え小規模なものだったとしても柱を派遣する場合があるが、何となくそれっぽいものを見たという目撃情報だけでは柱を動かすには至らず、その確認の為に隊士を派遣したら被害に遭うという感じだ。
実戦経験が豊富な柱やその一つ下の
そういったことを踏まえると、鬼殺隊、鬼、両方の勢力は互いに小競り合いを繰り返しながら、どちらも爆発的に数を増やすこともなく、微増しているという状況に
最も、彼がいなければ普通に殺し殺されの関係で、両勢力共に増やし減らしを繰り返して原作へ突入することになるのだが、どちらが良い状況かは
(まさか鬼舞辻がこういう手に出てくるとはな……まるでモグラ叩きだ)
(こうなると、もう鬼舞辻を追うのは難しそうだ。やはり上弦に絞って捜査するしかないか……特に
こちらも簡単なことではないが、自身の寿命が尽きるまでに何としてでも尻尾を掴んでやると意気込む創里であった。
江戸コソコソ話
原作の下弦の伍のことは気にしないことにしました。
あれは糸でこちらは弦だ。と言い訳をしておけば大丈夫大丈夫。
それと、次回は時間が大きく飛びます。