何か、ゆきちゃんがヤンデレ化しているような気がしますが、きっと気のせいです。あれ? 元々? 知らんな。
※追記
コメントで様々なご意見がありますが、実際に起こった出来事が全て正確に伝わっているとは限りません。事実を隠蔽されていたとしたら断片的な情報しかないでしょうし。そして、その部分だけ抜き出して攻撃というのは、現代のネット社会でもよくあることですから、あまり不思議ではないのかなと思います。やられる側(創里)は良い迷惑でしょうけどもw
「くぁー……終わった」
相変わらず舞い込む書類の量が多く、また、柱二名が
「今日の分はこれで良いとして……また明日来るだろうな……」
ほぼ一日使って行われた作業に、体力よりも精神的にグッタリしながらも、これも柱の仕事、仕方ないと割り切る。そう、彼は現在も変わらずに柱を務めていた。
あの戦いの翌日、緊急招集された
屋敷内の一室で行われた会議という名の裁判は、
一方で、
四対一と、無罪側が圧倒的不利な状況で、意外にも無罪を主張したのが
そして、最終判断は
前の当主であった
子供から大人へと移ろう微妙な時期。それでも柱達の注目を集める若き当主は、それを優しい笑みで受け止め、口を開く。
「甘いかもしれませんが、私としては今回の件は罪に問わないことにしたいです。隊律が大切なのは重々承知しております。しかし、こういう考え方は出来ませんか? 柱二名を倒す程の鬼を、撃退に追い込むだけで精一杯だったと」
それを聞いた柱達は一同に息を呑む。すぐに我に返ったのは、釋縁連であった。
「そのような
「当主様には申し訳ないですが、わたくしもそこの
「私も同じだねぇ。大切な娘のような継子を失ったんだ。これじゃぁ収まりが付かないよ」
「師に同意する」
それに続くように作吉、唄、蓮滋朗と反対意見を述べた。やはり考えは変わらないようだ。彼等の話を聞きながら、一人沈黙を守る創里は、心の中でさてさてどうしようかと
たった一人の
だから、せめて除隊させるにしても
そう考えていると、今度は有罪側に対抗して無罪側から意見が飛び出す。
「うむ、まず履き違えてはならぬのは、我々は鬼を滅する組織であって、人を裁く組織ではない」
「ぐひひ」
土柱のは反論と言って良いのかは置いといて、一通り意見は出揃った。だが、すぐさま鳴柱が声を荒げる。
「その倒すべき鬼を見逃したから問題だと言っているのだ」
「うむ、だからと言って、隊律を盾に
「そりゃ、自分の継子が殺されたんだ。感情的にもなろうさ」
「ふむ、であれば、創里は私の継子なのだがな……それに、大切な仲間であろう?」
「ですが、上の者がケジメを見せなければ、下への示しにもなりませぬぞ。事は
議論は激しくなるも平行線を保ったままだ。このままでは
「創里さんはどう思いますか?」
まさかここで意見を求められるとは思わなかった為、考えをまとめ、答えるまで少しの間が
「そうですね……柱は強さが全てだと思っています」
「と、言いますと?」
「俺を裁きたいのでしたら、そんな回りくどいことなどせず、武力で分からせれば良い……と思います」
「む……」
そこで有罪側に動揺が生まれる。今いる柱全員、それこそ有罪無罪問わず六人で掛かったとしても、創里には敵わないと理解しているからだ。
追放されてしまったとはいえ、その実力の高さ、呼吸を開発した経緯等から鬼殺隊最高の剣士が
戦闘技術だけではない。ほんの少しの
どれ一つ取っても、とてもではないが勝てる要素がない。一応医術に関しては、本人は「心得なんてものはないから、とりあえず悪そうな部分を取り除いただけ」と言っているが、それで実際に回復してしまったのだから、医療の分野でも注目されている。この時代にはまだ、鬼殺隊用の
仮に全員で掛かってこられたとしても、無傷で大勝する自信があるが、出来れば穏便に済ませたい。
隊律は重要である。しかし、それで失うものが大きすぎる。岩柱と雫柱の実力の高さは皆も認めている所であるが、その二人で掛かっても上弦の壱には届かなかった。創里からしても、
(まぁ、ここで俺の実力を疑うようであれば、申し訳ないがゆきを引き合いに出すことになる。柱二人でも倒す所か持ち堪えることすら出来なかった相手に、
これだけでも現役の柱よりも実力が高いことは証明出来る。そしてそれを育て上げた創里の能力も、相応に評価されることになる。
誰一人としてゆきの名を出さない。だが、そのことは周知の事実だ。現在は自宅療養を言い渡されているが、既に傷は
有罪か無罪か。そして有罪だとしてもどう処分すれば良いか。
重い沈黙が室内を
創里だけは、これ以上言うことはないと口を閉ざしている。もし口論となったとしても鬼よりも鬼らしい鬼以上の良い笑顔で、次から次へと暴言が飛んでくる。鬼の
その妙な静まりは、いつまでも続かなかった。
「結論を出しましょう。創里さんは無罪。今後も柱として鬼殺隊に
「
輝正が決定事項だと言わんばかりに話をまとめ、終わらせてしまった。これには他の柱も口を挟む余地はなく「うぅむ……」と
「ですが、何も処分がないというのも示しが付かないことは確かです。よって、しばらくの間、
「は?」
「他の柱の書類の一部と、殉職された二名の書類、そして本部からの書類を何枚か送ります。迅速な対応をお願いしますね」
ということで、ここの所、紙に
「ったく、お館様め……引き継ぎだとか未提出案件だとか、未精算ものとか、それらをまとめて解決しておきたいからって全部丸投げしやがって……」
そのおかげか、全く嬉しくないが鬼殺隊の予算の流れ何かも目を通す機会があり、
「はぁ……朝からやったっつぅのに、もう日暮れかよ……」
(これじゃあ、会社員かお役所と同じだ……公務員になったつもりはなかったんだがな……)
口でも内心でも愚痴を
部屋を出ると、丁度待ち構えていたかのようにゆきが立っていた。実際に、創里が仕事を終えるタイミングを見計らって来たのだろう。屋敷の中の構造だけでなく、その中で動く人の全てを把握している彼女からすれば、その未来予知のようなお出迎えなぞ、何ら珍しいものではなかった。
「つくり、お疲れ様」
「おう。疲れたぜ」
「
「ありがとよ」
「……」
まただ。
創里は謹慎処分。ゆきは自宅療養という形で、互いに屋敷に引き籠もっている状態であるから、顔を合わせる機会は当然ながら多い。むしろ、ゆきは変わらずよく話し掛けてくるが、時折、このように
何の能力もなければ気付かなかったそれも、透き通る世界を見ている創里からすれば、その身体の変化は手に取るように分かる。そして、その原因と答えも、何となく察することは出来ている。
「……行くぞ」
「あ、うん」
勘違いでなければ、彼女、ゆきは、創里のことを異性として好いている。ハッキリと断言出来るものではないが、そうではないかと思い始めている。切っ掛けは何だったか忘れてしまったが、ふとした時の彼女の動作、気配に疑問を
元々好意を持っていたのだろう。そこに、命
(だがな……)
ここでヘタレが顔を出す。
どう答えて上げれば良いのか分からない。創里としては、ゆきの存在は妹であり、娘であり、家族であり、継子だ。
その答えを見つけ出せないまま、彼は
余談だが、もし柱合会議にて、創里が除隊や処刑になろうものなら、ゆきが直接産屋敷を襲撃して柱を相手に戦う可能性があったことを、創里を含めて誰も知らない。
本来なら誰にも、それこそ味方にさえ本部の位置を知られないように、
江戸コソコソ話
何でもこなせる創里強い。
言動以外は意外とまともな土柱。