前話は色々とご意見がありましたが、まぁ言い訳は前話の前書きに書いておきました。言い訳して良い訳です。はい。
(上弦を再編成する為に、下弦の中で精鋭を作ろうとしているのかもな)
自身の屋敷の庭で
現在、上弦の鬼は
(原作開始までおおよそ二五〇年……と、いくつだ? 四、五年くらいか)
これまでの行動から、どのような流れになるのか全く分からない。自分が直接関わる訳ではないから当然だが、どうせなら明治時代に生まれていればと思う日がなかった訳ではない。だが、後悔はしていない。
「つくり」
「創里さん」
「創里お兄ちゃん!」
呼ばれてゆっくりと目を開け、声のした方へ振り向く。すると、縁側から
ゆき、
ゆき。現在数えで一八歳となり、立派な女性へとなっていた。相変わらず目を隠す程の長い前髪。後ろも腰を超える程のストレートの長い髪。以前までは閉じられた目は髪の向こう側にあって、素顔を見ることはほとんどなかったが、去年の出会いの記念日に髪留めを渡したら、それで右目だけ見せるような感じで留めている。誕生日を祝う概念はまだまだ
身長は
この二年で、鬼狩りとしても急成長を果たし、遂に柱へと就任することとなった。
他にも柱に変化はあった。
だが、ゆきは創里の屋敷を出て行くことはなく、今も一緒に暮らしている。
「つくり。大好き」
「あーはいはい」
「むー……」
勢い良く飛び掛かり、そのまま
創里とゆきは、交際を始めている。何故か結婚する話も進んでいるらしい。らしいというのは、そこの所全てをゆきが取り仕切っているからだ。あの戦いから積極的に、所か強引にアプローチを仕掛けるようになり、断る理由を探そうとしても、
(まぁこんな可愛い嫁さんもらえるんだから、幸せっちゃ幸せだが……)
だが……時々怖いくらいに愛情を感じる時がある。今はまだ創里は自身の
(まさか、これがヤンデレって奴か……? いや、違うだろ。うん。彼女に限ってそれはない……と思う。うん。そう思うしかない)
重症である。
ちなみに、ゆきの
「相変わらず仲良いな二人共」
(俺としては、
脳天気に言うのは、太郎。元々
だが、妹想いの優しい少年で、義妹のゆきが初任務で命の危険に
炎の呼吸の派生として毒の呼吸を用いているが、毒だったら水の派生ではとツッコんだら、炎の派生だと言い切られてしまった。
その名の通り、毒を染み込ませた片手鎌を使用し戦う。明らかに原作の上弦の陸の一人、
毒の開発には創里も噛んでおり、適当にそれっぽいものを放り込んで煮詰めて
藤の花の
とりあえず人体に影響のある毒をかき集めてまとめたものなので、中には互いに効果を打ち消し合うものが含まれているかもしれないが、毒の知識のない二人はアッサリ
毒草や薬草、その他に毒が含まれるもの等を一つの資料としてまとめ、
ちなみに、トリカブトはご禁制の植物である為、産屋敷の力を用いてコッソリ用意してもらった。だが栽培はしていない。知識がないので仕方ない。また、本来ならそれに加えて
「私、お腹空いたんだけど」
創里達のやり取りを見飽きたのか、慣れた様子で空腹を訴えるのは梅。身長は創里と同じ
太郎と同じ遊郭出身の、太郎の実の妹。原作では太郎の相方である上弦の陸の一人。兄妹とも鬼になることも死ぬこともなく、元気に過ごしている。
梅も、太郎と同時期に鬼殺隊を目指す覚悟を示し、無事に入隊。しかし、修行は創里の
マイペースな性格で、出撃直前まで
兄妹揃って出撃することが多く、動の梅と静の太郎で上手く連携している。また、二人共痣や
そもそも、十二鬼月がほとんど現れない現状で、痣を出すことは戦力過多である。下弦であれば痣などなくとも瞬殺出来る実力はあると思っているので問題ない。
「ゆき、今日は昼から出掛けるから」
「私も行く」
「分かってるよ」
どうにも彼女には頭が上がらない。頑固であるから、言うことを聞かせるのは骨が折れる。何故、未だに貞操を守ることが出来ているのか不思議でならない。
それはともかくとして、創里は鬼の
その人物は山奥でヒッソリと暮らしていた。道中は、ゆきに
目的地である木造の小さな家の横からは煙が立ち上り、周囲には切られた木々が綺麗に並べられていた。
「突然失礼する」
煙が出ている所に行くと、一人の赤毛っぽい中年の男性が座り込んで火の番をしていた。
「こんな山奥に人が来るとは珍しいな。どうした?」
「
「そうだが?」
「ふむ……」
創里の目の前にいる男性の耳に目をやると、
(間違いない)
「本当に突然申し訳ない。
「それは、どのようなもので?」
男性はジッと創里を見つめる。疑っているようにも見えるが、どこか心の中を見通そうとしているようにも思える。
「代々受け継いでいるものがあるはずだが、それに一つ加えてもらいたいものがある」
「何?」
そこで、男性の表情がピクリと動き、火の側であるにも関わらず、どこか冷えるような空気を感じた。だが、それに
「これを、家を継ぐ者に引き継いでもらいたい。そして出来れば肌身離さず持ち歩いて欲しい」
「理由を聞いても?」
「信じてもらえるか分からないし、俺の考えている通りになるかも分からない。だが、もし、俺の考えている未来になるとすると、それは必ずとは言えないだろうが、少なくとも貴方の子孫の力になると信じている」
「ふぅむ……よく分からぬが、相分かった。
その返事を受けて、創里はその布で
「ありがとう。そして、何も話せず申し訳ない」
「いや、良い。どうだ? せっかくこのような所まで来たのだ。お茶くらい出すが」
「ありがたいが遠慮しておく。これから行かなければならない所があるのでな」
「そうか。それは残念だ」
「では、失礼する」
「あぁ、元気でな」
「ありがとう」
挨拶としては素っ気ないものであるが、これで良い。近くで警戒に当たってもらっていたゆきと合流し、下山する。
「何を渡したの?」
「うーん……そうだな。二五〇年後くらいに、役に立つものだよ」
「?」
意味が分からず首を
「本当なら俺達の代でこの呪縛から解き放ってやりたかったが、どうにも無理だったらしい。まぁ、まだ時間は沢山ある。俺がいる。ゆきがいる。太郎も梅も、屋敷の住人がいるし、他にも多くの仲間がいる。諦めるには早い。これからも一緒に頑張るぞ?」
「うん」
竈門家に渡したのは一つの鍵。ただの鍵ではなく、創里の担当刀
毒の資料は、必要とあらば当主の許可の下で誰でも閲覧出来るようにしているが、箱は違う。竈門家の者が直接産屋敷を訪れなければ開くことはない。
(まぁ、未来がどうなるかは分からないが、少しでもマシと言えるようなものになってもらいたいな)
そう思いを
江戸……大正コソコソ話
「お館様、お呼びですか?」
「よく来たね。カナエ。少々面白いものが見つかってね」
「面白いもの……ですか?」
「これだよ」
「? それは?」
「随分と古いものだけど、様々な動植物の毒をまとめた資料のようだ。これと一緒に薬草事典の写しも納められていた」
「っ!」
「是非活用してもらいたい」
「感謝致します。妹が喜びます」
というやり取りがあったとかなかったとか。
一つ問題が……この時代からでは手鬼を何ともすることが出来ないので、錆兎や真菰を含めた鱗滝さんの弟子達を救うことが出来ないとうことです。
真菰好きなので助けたいですが……出来ることがあるとすれば、鱗滝さんに鬼補充の任務を与えないとするしかないのですが……手紙くらいしかそれを伝える手段がないですね。
ただ、それをピンポイントで伝えるのは、色々と弊害がありそうですね。
とりあえず、本編はこれにて完結となります。
一応、後日談として、柱合裁判の模様を描く予定です。それで本作は終了予定です。
※追記
次回の投稿は明後日以降になる予定です。申し訳ありません。