いぬの生活 作:アスラン
という事で
日菜ちゃんが(元々少しは)感づいてなんとなくで畳み込んできたから観念したんだけど…
レオンさんと違って
でもね…
「やっぱりケントくんだったんだよね♪前からおかしいな~とは思ってたんだよね。なんかこうぬーーーんと来てんんん?ってきてるのにるんっ♪てくるし…」
いつもどおり一方的にまくし立てられるかのような話は変わらなかった
読めるんだけど、それを気にしない故の
だから言葉に出さなくても多少の会話は成立するから凄いよね
僕も一度やろうと思ったけど…うんまず人の機微にもっと興味持たないとダメだよね
ちなみにここは氷川さん家だったりする
日菜ちゃんが、
「おねえーちゃんもだけど、おとーさんおかーさんが有名になったレオンくんに久々に会いたいって言うんだけどいいかな?」
こう言われては預けた手前嫌とは言えないし、紗夜さんが確りお世話してくれた実績がある
あの撫ではもう麻薬だよね
「ケントくん聞いてないよね?」
いけないいけない、ごめんね
「いいよいいよ、流石に犬と人間じゃ感覚が違って大変だもんね」
やっぱり日菜ちゃんは天使だよ、紗夜さんは天使より女神って感じだよね
昔は戦乙女って感じだったのにね
「おねーちゃんのこと考えてる?」
どこからその発想になったの?
でもその感覚当たってるから怖いよね、もう天才とかのじゃないよね?
「うーん、なんとなくかな?特におねーちゃんとかパスパレのみんなとかは特にね」
凄いね…意思疎通になってるよ
「?」
と思ったら通じてなくて可愛く小首かしげてるし、普段やんないよね?僕相手にあざとくしてどうするの??
「そうだ、ちょっとケントくん足見せて」
もうケント呼びやめる気ないよね?
足を見るとちょっと待っててと部屋に引っ込む
ものの5分くらいでA3くらいの紙をもってきたんだけど
「まずはカンタンにこんな感じかな?」
五十音が書かれた紙を目の前に置かれる
これで会話をしろということだね
大きくもなく小さすぎることもなく、文字の間隔はちょうど足の大きさより一回り大きい
『そ…(うだね)』
「でしょ?もっと早く作ればよかったね♪」
いらないでしょこれ!!
まぁ会話が異常にスムーズになったよね
『は…』
「犯人はヤス…ってなにそれ?」
発言の一文字目で会話が成立するとか、ダメ人間製造機だこの子
何も発しないで察されて対応されていくなんて、ダメな人を生み出していく以外のなんだろうね
なんて考えていたら
「そうだね、ケントくんが
その前に姉であり妹である千聖さんが立ちふさがるよ?
「そっかぁ、ブラコン小姑が立ちふさがるのかぁ」
日菜ちゃんも言うよねぇ
「その前に彩ちゃんが一番怖いんだけどね?」
そうなの?白鷺家に次ぐ飼い主だからかな?
「あーーー本当に中身ケントくんなんだね」
なにその残念そうな目は、僕なんかした??
「あ、そうか、ケントくんって教えないほうがいいのかな?」
紗夜さんには黙っておくって話しかな?
「教えても面白いと思うんだよね、でも…敢えて黙っておくのが一番だよね♪」
あれ?日菜ちゃんなんか黒い羽としっぽが見えるよ??
「びっくりしたおねーちゃんも、慌てるおねーちゃんも可愛いんだよね♪」
あ、この子もなんか拗らせてるんだね
「拗らせてないよ?みんなおねーちゃんが可愛いのが悪いんだよ?
私に負けて涙目になってるのも可愛かったし
それで無理に意固地になって私を避けてたのも可愛かったし
引っ込みがつかなくなって悩んでる時も可愛かったし
私がギター始めた時のあの焦ったような絶望したような顔なんか最高だったんだよ!♪」
…クレイジーサイコシスコンだ
怖いよこの子
「なんてね♪ケントくん、いえ。
はい…
「おねーちゃんと仲直りさせてくれて本当にありがとうございました」
…
「違うね。おねーちゃんと仲直りできる切っ掛けをおねーちゃんに教えてくれてありがとう」
うん、そうだね
「まぁこんな時じゃないと言えなかったからね」
日菜ちゃんにしては珍しく照れたような困ったような歳相応な素直な顔だった
「そうだった、ケントくん。すっごい訊きたかったんだけど…」
なんだろ、困ったことじゃなければ
「ドッグフードって人としてどうなの?」
…流石
え?人のこと言えないって?
「まえさぁ、犬用のクッキー食べちゃったんだけど、あれ本当人の食べるものじゃなくて、贔屓目入れても不味かったんだよね」
あれ本当の話だったんだ…
「犬用で味がうすくなってる話は聞いたことあるんだよね」
そういえばそうだよね、あまり意識してなかった
「そうなの?」
考えたら負けかなって
「その勝ち負けはわからないよ」
まぁこの体返す時に何かあったら申し訳ないから、何も考えずに出されるもの食べてたんだよね
「ケントくんは本当ケントくんなんだね」
なにその呆れた感じは
「なんかおねーちゃんが頑張ってお菓子作ってるの気の毒になってくる」
なんで?僕紗夜さんのクッキー大好きだよ?
「そうなの?」
僕クッキーにはうるさいよ?美味しくないとジャム塗ったり紅茶で流し込んだりするよ?
「そうなの?意外だー」
あまりクッキークッキー言うと紗夜さん嫌な顔するんだよね
「あ、それ知ってる『クッキー缶の子』って呼んでたんだよね」
今はだいぶマシになったけどね、そういう関連つけないと人が覚えてられなくてね、本当
「少しわかるかな、私は興味無くても覚えちゃって面倒くさいって…逆なんだけどね」
紗夜さんのクッキーかぁ食べたいなぁ
「ちょっと、ここ天才同士共感してって良いシーンだよ?」
シーンって…最近パスパレのみんなは役者さんでもあるんだよね
「そうだね、千聖ちゃんを筆頭に、私、みんなで映画?、今度は千聖ちゃんと彩ちゃんのダブルアクト♪」
みたいだよね
パスパレは着実に前に進んでるよね
「ケントくんはレオンくんになってからパスパレにどっぷりだもんね」
言われてみればそうだね
前は、花音ちゃんの親友の千聖さん、紗夜さんの妹の日菜ちゃん、その仲間で花音ちゃんのバイト仲間の彩ちゃん位の認識だったもんね
「それでもパスパレの半分とは面識あるとか、ファンから見たらやっかみ対象だよね」
認知ヲタに絡まれたりしちゃうよね
よく歌は耳にしてたんだけど、あれがPastel✽Palettesの曲だって知らなかったんだよね
ひどいねーなんて笑われたけど、今じゃパスオタさんと混じってイントロゲームもできる自信あるよ
ファンと混じってイントロゲームに奮戦する犬…また取材きちゃうね
「あははーやっちゃいそうだよね」
バンドみんな楽しそうだよね
戻ったらまず…やっぱりピアノ弾きたいかなぁ
左前足を見て、感覚があるのを確かめるように少し体重をかけたり浮かしたりする
まずは…紗夜さんのクッキー食べたい
「頼んであげるよ♪」
嬉しい~~
おねーちゃんが練習から帰ってきて、家に
早速撫でられてケントくんが骨抜きになっていたのが面白かった…少しイラっとしたけどね
ケントくんの事はしばらく黙っておくことにした
だっておねーちゃんだよ?
何をおいてもケントくんの為になんとかしようとするよね?
どうすればいいのかも全くわからないのに
あたし的にはおねーちゃんにはもう笑っていてもらいたいんだよね
Roseliaの事やギターの事や
度が過ぎたらあたしも黙ってるつもりはないけどね
「日菜がお願いなんて珍しいわね?」
ケントくん待望のおねーちゃんのクッキー
市販品なんて目じゃないるんっ♪るるるんっ♪な一品だよ
パスパレでも好評なんだよね、千聖ちゃんもかなりお気に入りなんだよね
ケントくんは匂いに玄関で尻尾振って喜んでるし…
ある意味胃袋掴んでるよおねーちゃん?
正直面白くなかった、全然るんともかんともなかった!
だって『私の』おねーちゃんが気にしてる天才ってなに?
でもおねーちゃんと昔みたいに…昔より仲良くなれたのは悔しいけどにこにこるんっ♪だけど…
会ってみたらもっとぬぬぬんっとなったんだよね
ただの中二病の人見知りのちびじゃん(私よりは大きいけど)
…私がかなり威嚇してたのは認めるけどさぁ
本当今でも思うよ、おねーちゃんは男の趣味が悪い
そんな双子の妹のあたしも本当に趣味が悪いんだよね
いつからかその動作を目で追ってることがあったんだよね
だからるんってきたんだ
夏でも長袖のケントくん、中二病の拘りかな?と思ってたら
左手の傷を偶然見てしまった
「こんなの見せちゃってごめんね」って慌てて隠してたけど
イヴちゃんの言葉を借りるなら
『るるるんっなブシドー』
あんな傷は事故じゃできない
血管に沿って正確にひと思いに
あまりに場違いな印象としては『高潔』だ
あたしでもできないと思う
あたしなら首か内腿の太い血管でひと思いにだろう
あたしはおねーちゃん共々そんな事はしないし出来ないけどね
なぜそんなのに、るんっ♪ときたのか?
おねーちゃんがケントくんじゃなくて闇を持った
あたしは
そうなんだよね中二病だから、何かをするのにルーティンを入れる
必ず左手が動くかの確認を大なり小なり入れる
それを
わかるよ、あたしはケントくんに関してはおねーちゃんにも負ける気はないからね
うん、