いぬの生活 作:アスラン
いや、無いことなんですけどね
氷川家でお世話になった翌日朝
紗夜さんの撫でや日菜ちゃんのブラシとかレオンさんの体じゃなかったら、
魔性だよこの姉妹は…なんて思ってたら
「レオンくんにはちゃんと話さないとね」
散歩には日菜ちゃんもついてきた、二人共軽く私服なんだよね
千聖さんのスポフラに慣れちゃうと、着替えないの??と思っちゃう
「何かこういうのもるんっ♪だよね」
日菜ちゃんは鼻歌まで出てきそ…歌いだしたね
それを苦笑いしながらも優しく見てる紗夜さん
本当仲睦まじくていいよね~
実家たまには帰ろうかなぁ…杏子にも声かけとこ
って犬の姿なんだけどね
「おねーちゃんケントく…!え?あれ携帯の
日菜ちゃんははじめてだっけ、加速フォームぽいジャージ見つけたんだよね♪
「10秒だけ本気出すフォームとか皮肉が効いてるわね」
あ、呆れてる?格好いいよね??入ってる反射ラインがあれっぽくて
「たいむあーっぷとか聞こえてきそう♪」
日菜ちゃんが急加速して行ってしまった…あ、先に事情を知ってることを話すのか
「ケントく~~~ん」
日菜さんとは珍しいですね、子犬というよりは猫なのに走り寄ってきます
朝から元気ですね、お嬢に何かあったのかと紗夜さんに連れられてる柴田様を見て身構えてしまいましたけど
「おっはよ~~~レオンくん」
近くに来るとそんなことを言われました!?この身体になって一番驚かされましたね
「なんのこと?」
より一層柴田様らしく振舞わなくてはいけません
「うん♪レオンくんも天才なんだね?」
「ひどいよ日菜ちゃん、犬っぽいっていじるにしてもレオン君呼びはレオン君にわるいよ」
千聖ちゃんの教育の賜物なのかな?と言われて、話聞いてないですね
「うん、確証した♪るんっとはするけどちょっと違うんだよね。レオンくんも天才なのはピーンとくるよ」
…天才には誤魔化せなかったということですかね
「違うよ…私はケントくんに関しては誰にも負けないからだよ」
私を通してその向こうのお嬢に挑むかのような強気な微笑み
「まさとくんはおねーちゃんのなんだけどね」
少し困惑することを言う
「まぁ協力者ということで覚えておいてね」
紗夜さんを連れた柴田様が声の聞こえる範囲に入ってきた
「おはようございます、まさとさん」
日菜さんを威嚇するような目をしますねこのお姉さんは
「おはようございます」
サービスとばかりにお嬢もイチコロにする柴田様のスマイルを向けましたが
「…?何朝から何してるんです?」
はい、効果ないですよね、少し自惚れていました
「……」
レオンさんを放してベンチに腰掛ける
「おねーちゃんギュンギュン来てたでしょ?」
レオンさんを追ってのんびり川原に向かうまさとさんを見ていたら
日菜がそんな事を言ってくる
「…少しよ」
なにあの反則な笑顔は…目覚めたのかしら?不味いわあんな武器手にしたら大量
「まぁケントくんは意識してはああいうのしないよね」
無意識なんてもっとダメよ、あんなの
「それにしてもケントくんって犬好きなのかな?」
「…人よりは好きなんじゃないかしら?」
あの人見知りはパーソナルスペースが極端だから
私は日菜との事でぶち切れられて気付いたら距離が一気に無くなった
日菜は同じ天才だからか、日菜の特性なのかすんなり入り込んでいたのよね
「日菜?」
今日は何か引っかかっていたので、訊いてみましょう
「うーん、前から言ってるけど、なんかケントくんるんっ♪ってこないんだよね」
前にも言っていたわね
「でも、なんかピーンというかピンポーンというか来るんだよね」
波長が合うのは変わらないということかしら?
「多分そうだね」
日菜にしては答えがはっきりしていない
「おねーちゃんへの援護射撃はできるから♪」
「ありがとう…?」
どこか気になる違和感が拭えないけど気にしすぎかしら?
「天才ゆえに分かってしまったと…」
前から感覚的に気づかれてたみたいなんだけどね
「敵に回すよりは味方でいて頂く方が心強くはありますね」
やっぱりそうなるよね
「なにより、これで教習ができますよね?」
結構楽しみにしてらっしゃる?
「年甲斐もなくお恥ずかしいですが」
僕もそろそろ楽器弾きたいし戻りたくなってきたけどね
「そうですね、簡単に戻れたり出来るといいですよね」
その会話の途中…急で強力な眠気に襲われた
眠気というより意識を刈られる感じだったけど…
「…?」
今のは?
「なんでしょう今のは?」
レオンさんも同時になっていた??
「戻る前兆か?」
なのかな?
「ケントくん大丈夫?レオンくんも!!」
傍目には二人共?同時に立ちくらみ(座ってたけど)を起こした様にみえたんだって
事情を知っている日菜ちゃんだからこそ気づいて走り寄ってきてくれたんだね
「大丈夫です、何故か同時に起きましたね」
…
「柴田様?」
「ケントくん??」
……
戻るれるね…どういう仕組みかはイマイチわからないけど
「そうなのですか??」
うん、多分ね
「……戻れるの?」
レオンさんの独り言にしか見えない会話と感覚で察した日菜ちゃんの驚きと嬉しさと残念さが見事に混ざっている顔
…面白がってたもんね、あたしはケントくんって知ってるんだよね♪って
「日菜どうしたの?」
遅れて紗夜さんがやってきた、僕達の変化というより、日菜さんが飛び出して慌てて追ってきたんだよね
「なんかレオンくんが変な動きしたからドキッってビュンとしちゃった」
何かあったら大変だもんね
「そうだったのね、あまりびっくりさせないで頂戴…で大丈夫なの?」
「口の中に虫が飛び込んだだけみたい」
日菜ちゃん…しれっと誤魔化すよね。女優もしてるもんね?
あれ?レオンさんがなんか不機嫌そうな顔してる…その顔あまり好きじゃないんだよね
「……まさとさん?」
ほら、紗夜さんが心配そうな顔するんだよ
「はい?」
「何かありましたか?」
この顔の僕知ってるのは杏子と紗夜さんくらいだから
あとは小さい時に励ましてくれたあの子くらいなんだよね
あー恥ずかしいから見たくないんだよね
それにしても、なんであんな顔したんだろう??
「いえ、ちょっと昨日遅かったもので…」
朝何時まで起きてたの?なんか急な用件あったっけ??
「
NFOの垢は残してあるけど、やってるのかな?
なんでも
寝ないと…友人に怒られるんだよ、あと杏子にも
今でこそ大分改善してるけど
4時間半睡眠で大丈夫って気取ってた時期が僕にもありました…
入院した時に寝てない事が判明して見回りで寝てるか必ず確認されたんだよね
…子供の頃からの習慣だったから今の6時間睡眠にするのも大変だったよ…今でも途中で起きるし
「あまりログインされてないみたいでしたので…」
紗夜さんは結構ヘビーユーザーだったよね?
「いえ、
フレンド登録してあるからログインしてないのはバレバレだもんね
…レオンさんも嘘はつかないタイプだからね
「
控えめな音量なのにしっかり耳に届くこの声音、本人の意思の強さを感じる声だ
「あれ?あなたこの間の?…ということはレオン君??」
ロードワークを終えて戻ってきた友人さんだった
なんかすごく久しぶりに見た気がする
動物好きなのも相変わらずみたいで、撫でたくて仕方ないみたい
『修羅場だ…』
本人達の思惑とは別に、レオンさんと日菜ちゃんがそんな事を呟く
なんでよ?
そろそろクライマックス?
「えー最初からクライマックスじゃなかったの?」
その言葉に僕が泣いた!