いぬの生活 作:アスラン
頑張るのは当たり前ですが
喜んでもらえるものを書けるようにしていきます。
二話目の投稿ですよろしくおねがいします。
衝撃(笑撃?)的な事件から一晩たった朝
うん、笑うしかないよとか微妙に達観することにした僕が今いるのは
白鷺家のリビング
広くとった庭に面した窓際
窓越しに犬小屋があるから
普段は余程の天気じゃないと外に居ることを記憶から読み取って知っている
そえそう嘆いていても仕方ないので、とにかくレオンさんぽくしなくちゃとレオンさんの記憶を読み解いてみた
記憶って自分のじゃないとインデックスがないから、慣れるまでは順を追って開いていかなくてはならないみたい、感じ的には
無記名のフォルダが散乱してるのを神経衰弱よろしく開けていって、それに自分なりの記号をつけてわかりやすくしていく
それと同時に残りのフォルダの規則性を読み取っていく
ロジスティックでシステマティックに考えるとこうなるけど
僕は何故か
うん、なるほど、ならこっちと繋がって…
感覚でわかってしまう
それに規則性を上乗せしていくと大抵の事ができる
昔からこうだったからこの歳になっても治らないというか
普通のやり方がわからない
大学でも同じ実験でアプローチ方法が違うため、面倒だと敬遠されることもある
でも、大学に行ってよかったと思う、感覚だけではなんともならない事が増えた
今回の事もそうだよね
朝まで考えちゃったから
それにしても、僕って犬より体力ないのね
普段だと途中で寝落ちしてるから
徹夜したのはじめてだよ
そんな事を考えていると
リビングにつながる廊下に足音が聴こえてきた
「レオン?もう起きてるの?」
リビングに顔を見せたのは飼い主の1人白鷺千聖さん
花音ちゃんこと松原花音の親友であり、面識はある方だと思う
僕が覚えているくらいだし・・・
「大丈夫?私がわからないみたいな顔してたけど?」
寝間着姿のまま傍らにしゃがみ頭と背を撫でてくれる
これ結構気持ちいい、犬が喜ぶのがわかった
「あの天然中二病で日菜ちゃんの劣化版みたいな顔してるから心配したわよ」
撫でながらそんなことを言うけど、誰の事だろう?
多分僕の知らない人だ、千聖さんの交友関係は広いからね
「それにしても、レオンがあんなことするなんて思わなくてびっくりしたわ」
撫でてた手を止めると、僕の顔を両手で挟みじっと見つめると
「いい、あんなことは二度としないのよ。あの人がいなかったらレオンが死んでたかもしれないんだから」
昨日も怒られたけど、本当に心配してるんだなぁと人ごとになってしまう、犬ごと?
確かに、レオンさんのしたことは凄いけど、相手との大きさを考えたらあまりいい手ではない
あの場合もう少し溺れさせて弱ってから背後から引っ張ってやるか、岸まで押してやるのが最良だと思う
あの状況だとレオンさんが沈められて一緒に沈んでいくか、最悪レオンさんだけ沈められていたからね
「レオン?本当に大丈夫なの??」
千聖さんが表情を曇らせてそんなことを言ってくる
おかしいな?レオンさんはそんなに吠えないと記憶から読んだのに?
「わうっ(大丈夫ですよ、お嬢)」
形だけの言葉ではなく、意味を込めた返事に
少し安堵に表情を緩めると立ち上がり
「お散歩はやめた方が良いのかしら?」
すこしまっててねとリビングを後にする、身支度するのかな?
犬になって少しわかったこと
犬猫だからって外でおしっこは平気じゃないんだね
恥ずかしいよ、固定概念だよね電柱におしっことか
地下配電で電柱なくなったらどうすんのさ
他所のお家の壁にかけるの?
怒られるよそんなの
レオンさんは川原とか公園とか植え込みを利用していたみたい
散歩コースもそんな感じのところが多い
実際してるのは家でが多いみたいだけど
あまり馴染みのない道を歩いていてふと思ったのが
千聖さん、ジャージなのに歩いていていいの?
イメージカラーの黄色いジャージを着てきたからジョギングを兼ねた散歩だと思ったのに
心配してくれてるのかと少し駆け足をしてみようかと思ったら
基本走り回るのは川原でリードを外されたときに一人?で走り回るらしい(レオンさんの記憶より)
僕も体力の事はあまりいえないけど・・・少しはつけないと役者さんとか奏者としてどうなんだろう?
「どうしたのレオン?」
こんなことも思ったことなかったから
なんだろうレオンさんの影響かな?
「・・・居たわね」
なんとなく見覚えがある場所なのかなと思ったら
僕がいた、お気に入りの真っ黒のジャージに真っ黒のスニーカー真っ黒なスポーツタオル
うん、僕には黒がよく似合う、中身がレオンさんになってもそれは変わらないんだね
千聖さんに振り向いたときに気付いた
あ、方向が違うからわからなかったけど、いつもロードワークしてる道だった
「え?なんで?」
僕たちに気付いたレオンさんが爽やかにこちらに向かってくるけど
千聖さんが驚いていた
「おはようございます、千聖さん、レオン君」
うん、千聖さんが驚くのも分かった
僕の体なのにそんなに体力あったんだね
駆け寄ってきて、息もそんなに切らさずに爽やかに挨拶決めちゃったよこの人
「お、おはようございます柴田さん、お早いんですね」
いつもこの時間ならここにきてるんだよね
「えぇ、日課ですから」
一応体力無いのを気にして少しは、本当に少しはジョギングをしてる
・・・すぐ歩くんだけどね、よく最初から早歩きの散歩の方が良いと提案されてるんだけどね
「レオン君はまだ走らせてあげてないんですね」
リードをつけたままの僕を見てそんな言を言い出す
そうなの?ここなの?
「知ってたの?」
え?だってレオンさん本人がいつもここで走ってると言ってるしそうなんじゃないの?
「えぇ、よくここでおみかけしますから」
「・・・なら挨拶位しなさいよ」
なんか僕ってこんな対応?と思いながら二人を見ていると
ぼそっと千聖さんがこぼす
今レオンさん挨拶に来てくれたよね?
おかしなことを言うなぁと思っていたら
「昨日のこともありましたし、普段は声をかけてもいいものかとおもって・・・」
昨日の今日だもんね
「べ、別に挨拶位気にしないわよ」
顔を少し赤くしながら僕の首輪からリードを外すと
「れ、レオン行ってらっしゃい」
僕の頭を撫でながら・・・なんか少し痛いというか荒々しいのは気のせい?
レオンさんも僕の習慣を守ってくれて・・・いや、守らされたのかな?
まぁ人?の体だけどどこまで動けるか覚えておかないとね
四足歩行って犬の体には普通なんだよね
当たり前なんだけど
「わうっ♪(行ってきまーす)」
(しまった・・・慌ててレオン放したけど、この人と二人きりになってしまったわね)
何故か隣に並びレオンを眺めている「この人」こと、柴田賢人さん
いつもの黒い格好だった
そういつもこうなのだこの人は
タオルを首に巻いているから顔の一部の日本人にしては白い肌色以外真っ黒だ
夏は手袋はしてないけど黒の長袖シャツと代わり映えしない
気分で赤や白や青のラインが入っている時があるくらいの違いしかない
本人は格好いいつもりなのかうち(pastel*palettes)のファンに多い・・・
(黒単一とかもっと酷いわよね)
「どうかしましたか?」
「ひぇ?え?」
いきなり言葉をかけられ本気で驚いて彩ちゃんみたいな反応をしてしてしまったわ
この人(柴田さん)が声かけてくるなんて??
一拍置いて
「大丈夫です?」
首を軽く傾げて少し不安げに問いかけてくる・・・なにこの可愛い生き物?
「大丈夫です!」
大丈夫じゃないのはそっちじゃないの?
なんなの?本当どうしたのこの人??
今までろくに話しかけてこなかったじゃないの?
(レオン早く帰ってきて頂戴、もたないわ、間が持たないのよ)
川原をダッシュしてみたり止まったり急に方向を変えてみたりなんかおかしな動きしているわよね
レオンまでおかしなことしないでほしいわ、本当なんなの
「レオン君大丈夫そうですね」
(どこが大丈夫に見えるのよ!)
普段この人、無視してるの?と思いたくなるくらいこちらに気づかない
気づいてないと知ったのはあまりの対応に自尊心が傷つけられまくり
花音に恥ずかしげもなくクレームを入れてしまった時だ
性格上本人に直接言うのがいつもの私私だけど
この人はどうしても駄目、どこがとか何かとかうまく言えないのだけど駄目なの
本当調子が狂う
花音はそんな私を珍しいものを見る目で見る、それは私もそう感じているから否めない
話がそれたわね
この男、柴田賢人は、基本周りを見ていない、自分のすぐ周辺さえ見えていない
教え子の花音とさえすれ違って気づかない、花音は手を振っていたにもかかわらず
眼が悪いのかと花音が聞いたところ
「うん、悪いよ。でも見えてるから」
ふぇぇ、それ見えてないよぅ。
と花音も慌てていた…今の似てたと思う
コンタクトかと思ったけど怖くて使ってないとか言っていたらしいし
本当に理解ができない、初めて会った頃の日菜ちゃんかしら
何より
私に興味が無さすぎるのが面白いと正直思った
(それでもpastel*palettesは知ってたのよね)
興味を持ったきっかけが知りたかったから丁度いいかもと隣の柴田さんを向くと
「え?な、なにかしら」
なんでこっちを見いるの?この人
「いえ、お気になさらず」
お気になさらずって、お気になるわよ
なに、なんでこの人こんなにみてるの?
近いわけでもないけど、こんな距離で見られるのなんか別になんともないけど
なに、なんなの、どうしたのよ私
なにより
どうしたのよこの人??
か、花音助けて、あなたの先生が私を射殺そうとしてるの
視線で殺すってこういうのよ、私狙われる役したことあったわよね?
あれ?私何?どうなったの??
「わう?(どうしたの?)」
あ、レオン帰って来たのね
「あなた、その姿でもフラグ壊すんですね」
なんのこと?
レオン誰と・・・ケントさん??
あれ?え?
私本当にどうしたのかしら?
「お嬢?お嬢??大丈夫ですか?」
え?ケントさん?レオン??え?あ・・・これ夢ね
そうね夢よ
寝てしまってもいいわよね
そして私は意識を手放した