いぬの生活 作:アスラン
「先日のお礼に伺いました」
インターホンを鳴らすと少し時間が経ってから目的の相手が出てきた
流石に家を知っているとは思ってなかったのでしょう、驚いていましたね
「そうなんだ、で…どうしてって日菜ちゃんか」
日菜からまさとさんの家の場所を教えてもらった…日菜曰く「おねーちゃんが昔に戻ったぁぁ」と泣いたとか泣かせたとか
…助手席事件にお家訪問事件とか『あなたの罪を数えなさい』をしてしまいました
車庫を通り、住居スペースに…まさとさんの部屋にあげていただいた
「いつも本当に申し訳ありません、今回もお世話になりました…」
持参した袋から箱とラッピングした…
「紗夜さんのクッキー♪」
日菜の言っていたことは本当だったのね…クッキー缶(だと思う)より、私のクッキーを喜んでくれている
「紅茶とコーヒーどっちがいい?」
キッチンに向かいながら声がかかる…キッチン対面式なのですね
部屋にお邪魔して最初の印象は…
変わった家とは聞きましたけど…男の人が好きそうな家ですよね
車庫の上に部屋とか好きそうですね…女性の観点から言わせると…階段の上り下りとか無駄が多いです、でも対面キッチンはポイント高いですね…
なにより…無駄に綺麗です?整頓されすぎていませんか??
これはご友人が掃除に来るのですね?通い妻状態なのですか!!??
「紗夜さん?」
「すみませんコーヒーをお願いします」
インスタントだろうと思っていたら…いい香りがしてくる
フィルターで淹れるペーパードリップでした…結構凝るタイプですよね?
紅茶だったら…Fortnum & Masonとか用意してきそうねと思ったら…Wedgwoodが棚にあった
知らないメーカーも…紅茶党なのかしら?…クッキー好きだからかしら?なんて考えていたら
「はいどうぞ」
青いマグカップとスティックシュガーと…コーヒーミルクに粉ミルクにミルクポッドを出された
「…?」
この乳製品(一部植物性)は…?
「ブラック派だった?」
「いえ、こんなにミルクが出てくると思わなくて」
人によっては植物性の油に色々足していて体に悪いとコーヒーミルクを嫌う人もいるし、粉より液体のほうがいい人もいるからと…
なんですその気遣い?普段空気読まない、人の気も知らない、恋心さえダイレクトに告白しても気づかないのに??
「まぁ、紗夜さんのクッキーがあるから砂糖はいいかなぁ~」
言いながら、いただきますと私に言うと早速クッキーを食べ…目を細めて美味しそうに食べている
…一気に毒気が抜かれた、何この可愛い生き物?なんなの??歳上なのに
「そういえば、思ったより片付いてますよね?」
部屋を見渡す、学生のひとり暮らしにしては広い、今はソファーとローテーブルと大きなテレビが置かれてる窓際にいるけど
キッチンには小さな1人用のテーブルが置かれて、小さなノートPCが置かれている普段はあそこがライフスペースなのだろう
…その証拠に二頭身フィギュアの充電台や何かが置かれている
こちらは、ローボードの上に小さいフィギュアやカプセルトイ、バイクとかが置かれている、ハードボイルダーとメモリーも並んでいて気になってしまう
「あ、全然触っていいからね」
…気になっていることがバレバレでした
「
並んでいるメモリーを見ると…端子の色が…T2メモリー??
「まさとさん…こ、これって…」
「流石紗夜さん気づいた?」
「プレミア価格ついてる『J』のT2メモリですよね??」
テンションが上がってしまった…
でも一番は…『C』と『疾風』が♪触っていいと言われているので…
『しっぷぅ!』…あぁ…『しっぷぅ!』『きぃりふぅだぁ!』…『さぁいくろんっ!!』『さぁいくろんっ!』
「右派なんだね」
恥ずかしながら堪能しました…
「結局二人きりという恥ずかしさからRグッズに気を取られてしまったと…」
【CiRCLE】のロビーで作ってきたクッキーとお礼の…バームクーヘンを食べながらの結果報告
「はい…」
「
「…友希那、両手に猫型クッキー持ってると格好つかないよ♪」
そういえば湊さんもまさとさんには多少縁がありましたね
「……」
宇田川さんが何か言いたそうにこっちを見ている
「なんですか?宇田川さん」
「いえ、紗夜さんもR好きなんだなぁって♪あこは魔法使いのRが好きなんです♪」
なんとなくそんな気はしていました、吸血鬼のRはどうなのでしょう?
姉である巴さんは予想通り太鼓のRが好きとの情報もくれた…渋いわね、そういえばたまに人差し指と中指を揃えてやる『しゅっ』をやっているような…
「……柴田さんは…好意はあるのですよね?」
白金さんが根本なことを言う…あると思いたい…
「そこが問題なのです…」
なんて私だけが少し暗くなっていたら
「ねぇねぇ、誰かの知り合いかなぁ?」
ほぼ
「どうしました?」
「
今日は
皆が身に覚えがない…いや…その…
「どんな車ですか?」
今井さんがあからさまにニヤ顔でこちらを見てる
「後ろだけだとわからないけど、緑のオープンカーだからロードスター…かな?」
『!♪』
な、なんですか、その生暖かい目はっ
「ほら、紗夜ぉ?早く行ってあげないとねっ✩」
「白馬じゃなくてかぼちゃの馬車が迎えに来たわね」
「そ、そんなこと」
確かにまさとさんの家から出る時に今日は
迎えに来てもらえるなんて♪
いそいそと準備をするとまりなさんにお礼を言い、メンバーに挨拶を済ませると早足でCiRCLEを出る
『がんばってね~~♪』
何を頑張れというのですか!!
「リサ、何かしたのね」
「杏子さんに練習終わった連絡入れてみたよ♪」
閉店間近でスタッフの清掃もほぼ終わり、スタッフさんからおすそわけのお礼を言われながら
まりなさんを加えての
傍目には次のライブの構成の話し合いに見えるでしょうね、たまにこんな事もあるから…
でも内容が…
「Roseliaで最初の彼氏持ちがまさか紗夜だったとはなぁ~」
本命リサ、対抗燐子、大穴あこ、私と紗夜は色恋に縁がないというか興味がないと思われている。
実際、紗夜を見ていてもあまりわからない…
応援もしてもいいと思っている
でも…紗夜の音に何かあったら許さない
…今のところは良い影響しかないので大丈夫とは思う
「友希那~なにクッキー食べながら百面相してるの?」
それにしても…紗夜は腕を上げたわね、リサのクッキーに勝るとも劣らないわ
これで胃袋を掴んだのね、少し置いて行かれた気分になったわ…美味しいけど
「…で?何もなかったの??」
やはりまさとさんの車だった、まだ危ないからと送って頂きました
帰ってきてすぐ日菜にリビングで捕まり話をさせられた
それなのに、なにそのるんってしないのーーーーって日菜が呆れている
呆れられても困るわ、私から何かするなんてクッキー作るくらいしかないのだから
部屋でRグッズを見てきた話や、メモリーの音声が好きという話をしたら
剣のRのBD-Boxを貸していただいた話をしたら
「でも、ケントくんの部屋ってそうなってるんだね」
「え?見てないの?」
てっきり日菜のことだから上がり込んでると思っていた
「私は車庫だけだよ~、おねーちゃんも見てきた?あのバジンたん♪」
…逆に緊張して見ていなかった
「ほらこれ」
スマホを見せてくる、本当ね…何を考えてるのかしら
「そっかー部屋にまで上がっちゃったんだ、おねーちゃんがねぇ」
やめなさいそのニヤ顔
「…ところで日菜?」
どうして…まさとさんの家を知っていたのかしら??
そこら辺ちょっとお姉ちゃん教えて欲しいな♪
「おねーちゃん…怖いよ?」
そう見えるのは何かやましいことがあるのかしら?
「また、あなたの罪を数えてみる?」
あら、日菜ったら泣き顔も可愛いわね♪
次で「いぬ」が一応締めです。
「人」ではなく「ひと」に続きます
指摘いただいたように関係性の進みが遅いですからね