いぬの生活 作:アスラン
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両親を心配させないために黙っていたけど、やる気がないというか、マニュアルをこなす人しかいなかったんだ。
家庭教師センターが発行している教材をただやるだけ、それだけの家庭教師、それって教師なのかな?
そんな人、「先生」って呼びたくないよね?
あと、私の生来の人見知りもあって、なるべく女性(花咲川のOGが良かったんだけど)の先生をお願いしていたけど、何かしら理由をつけて来なくなる人が大半で
…とうとう男の人が来ることになった。
もうどうしよう(泣)
と千聖ちゃんに相談をしたら
「流石に、家庭教師に同席はダメよね?」
それは判っているけど、本当どうしようと困ってたの
「初回は家の人と顔合わせもあるのでしょう?」
特に今回は初めての男性の先生という事で、両親も心配しているから初回はそういう話になってる。
「その時に、どうしてもダメそうなら初回の授業だけは友達と一緒はダメか訊いてみるのはどうかしら?…そう伝えてもらうのはどう?」
千聖ちゃん、私が自分で言えないの見越して言葉を付け足したよね?うん…言えないと思うけど
「うん、そうしてみる、ありがとう千聖ちゃん」
少し気が楽になった気がする
本当千聖ちゃんには頼ってばかりでごめんねって思う。
結果として、柴田さんは男性だけど小柄で大人しいタイプで今までの家庭教師の人より、真面目で優しい人だった。
なんでも、自分も家庭教師さんに助けられたから、やるならそんな家庭教師をしたいんだって、すごい人だね。
初めは指定された教材を使おうと私に学校での各授業の進み具合の確認や内容とのすりあわせをしていたけど…
「ご両親にお話があるんだけど」
人生で言われたい台詞のひとつだけど、何か違うよね?
ちょっとだけ慌てたのは忘れて欲しいな
結果、両親を交えて色々と話し合いをして…
柴田さんが「教材を使わない家庭教師」としてクビになった。
教材費の返却は請求しない(出来ない?)で、そのままその家庭教師派遣の会社との契約を断った(何回も先生が代わっているのと、今回は意に沿わない男性だったから違約金的なものも無し)
今は柴田さんに個人的に家庭教師をお願いしている。
すごいよね、確りしているのは世間の相場と自分の払われてた報酬額と家庭教師派遣会社に
お母さんが「取るとこはきちんと取って、経済観念が確りしてる」と誉めていた。
最近は事あるごとに「柴田さんが長男なのがねぇ」と溢している。
何を期待しているんだろ?
勉強中(柴田さんが)わざと開けている部屋のドアをお茶を持ってきたタイミングで閉めていったり、もう少しラフな格好にしたら?とか…
私は柴田さんはお兄ちゃんであって、
なにより
千聖ちゃんだよね
あの千聖ちゃんが柴田さんが絡むとかなり面白いことになるんだ
初めて会わせた時からおかしかったよね?
あの千聖ちゃんが動揺を隠せないの初めて見た気がする
なにかあるとは思ってるけど
千聖ちゃんはどうして私になにも言わないのかな?
いつも助けてもらってるから力になれることは力になるのに…
でもね、
そうだ♪
千聖ちゃんとは姉妹みたいなものだから、
柴田さんと千聖ちゃんをくっつければ…実質私は柴田さんの妹だよね?
うん、私は妹がいいんだ
だって、恋人や夫婦は別れたら終わりだもん
妹は違うでしょ?
確かに別れなければ、
妹は、嫌でもその関係は続くから…
弟くんも協力してくれてるし、両親はなにか勘違いしてるけど応援してくれている。
私は賢人お兄ちゃんの妹がいいんだよ?
???
「どうしたの?」
…なんか怖い思念に襲われた気がする?
昔から似たものを感じたことはあったけど、最近無かったからなんか怖いね
「なんか懐かしい??」
本日は花音ちゃんの家庭教師だったので、そのテンションのままで教えれるという事で同じ日に杏子の勉強を見ている。
と言っても、流石に専門的なことは付け焼き刃なので兎に角過去問をさせている。
昔からこの方法が杏子にはあっている、間違えたところを確り解釈させて覚えさせる。
理解力があるから結構すんなりだけど、今回の
「なんか、昔よく食らった感覚が、ゾクッときた」
読んでいた本を置き肩を回す
元々憑いたなにかを剥がす気分でやっていたけど、久々だけど身体がそう動くようになってるね
「うーん、あの馬鹿達かなぁ」
三流政治家さんの息子さんとその彼女さんは親が失脚(これまた馬鹿みたいた理由)したので今どうなってるのかは杏子任せだけど
「あれは、ちゃんと更正するとこに入れたから」
え?あれ
と言っても、全然顔とか覚えてないけどね
一通り区切りが付いたのか伸びをしながら
「そう言えばこの間紗夜ちゃん
お茶請けに出したバームクーヘンで気づいたのだろう
氷川さんのお母さんはお礼の品のセレクトが良いよね
最近はこのバームクーヘンを貰う
最近人気な外側にコーティングしてあるやつではなく
シンプルなんだけど本当美味しい
実はクッキーに次いで好きなお菓子だったりする
「お礼に来て、少し話したくらいかな」
日菜ちゃんは車庫だけだったからノーカンだね。
ふーんと興味があるのか無いのか…ってそうだ!!
「危ない、忘れるところだった」
「どうしたの?」
「その紗夜さんがなんか引き篭ってるらしくて日菜ちゃんが心配してたんだよ」
「あー」
心配じゃないというより…心当たりがある感じだよね?
「なんか知ってる?」
「うーん、まぁ大丈夫なのは間違いないから、日菜ちゃんには私からLINEしとくよ」
杏子がそう言うなら大丈夫だろうけど
「気になる?」
「まぁ、なんだかんだでね」
いつの間にやら付き合いも長くなってるし、あの姉妹はどこか波長が合う。
紗夜さんとは本当色々あったと思う、大学からのあの友人より関わってるかもしれない
「あれ?」
杏子が珍しいものを見る顔をしている
「なに?」
「シバケンにしては見えてない相手を気にしてるなぁって」
見えてない…視覚的にという意味だ、
目に入る人間が困っていたら助ける。
目に入っていない(見えてない)人間は助けることができない…だから偽善者
「流石に見えてなくても気にはするよ」
何故か杏子が嬉しそうな顔をしている。
なんかお姉さんぶってるな
まぁ実際面倒見も良くてお姉さんだけどね。
「うんうん♪いい傾向だね」
なんだそれは?
なんか勘違いされてるんだよね
こう見えてもちゃんと恋愛観はあるんだよ?
ただ…自分でも面倒くさいと思うんだけど…
子供の頃に一目惚れをしたあの子をまだ気にしてる
その影響かな、違うとわかっていても綺麗な
自分の記憶の割り振り方の潔さがこればかりは恨めしくて仕方ない。
普通の使い方なら、顔や名前をしっかり覚えてるものなんだろうけど…
覚えているのは髪が綺麗で長かった印象と、何故か惹かれ、未だに気にいている。
まぁ、そのあまりの気持ち悪さに杏子は長くしていた紙をバッサリ切ったんだよね。
あの時はなんか複雑な気分だった。
今でも、長いほうが美人なのにと言うと
「それ絶対拗らせてるよね?気持ちわるいよ」
酷い言い様だった。
ここまでくると病気か呪いなんだろうなと諦めも出てきた。
あれ?
それって…誰?
(バンドリは幼少期から髪の長い子多いからねぇ)