いぬの生活   作:アスラン

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少し間が開きましたが再開です。

また宜うお願いいたします。

ご意見ご感想お待ちしています。


八話:お小言以上説教未満

 

「最近なんかおかしい…」

いつもの川原での会話

 

離れたベンチでお嬢は何故か柴田様のご友人と話し込んでいる。

いつから仲がよくなったのでしょうか?

お嬢、その方は氷川様以上の敵だと判っていますか?

女神ですよその女性!

 

「レオンさん聞いてる?」

声をかけながら両手で顔を挟み自分に向ける

…お嬢と同じウザ絡みしますね?

(スタジオにしたんですよね?)

「まだ完成してないし、住み込みの人見つからないし・・・」

経営者みたいなことおっしゃる

もう柴田様がすればいいのでは?と答えたいのを堪えます。

この方、腐っても天才なので大学も院への進学、それなりに期待されているのですよね。

それなりというのは、文系学科に在籍しているのに、工学、農学と手を出しているという節操がない部分が悪いのでしょうね。

 

それはそれとして、お嬢のヒモという選択肢もあるのですよ?

 

スタジオも共同経営と言い張れば、マスコミに青年実業家として取り上げられるので

お嬢と婚約してもおおっぴらにヒモ扱いはされませんよ?陰では確実に言われるでしょうけど…

 

「なんかレオンさんもなんかおかしいよね?」

判るのですか?本当に判るならお嬢を貰ってください。静観するのもそろそろ限界ですよ?

(…そうかもしれませんね…)

「なにか凄く含みませんでした?」

こんな時だけ心情に気がつかないでください、お嬢の心情をもう少し重んじてあげてください!

って、お嬢もご友人さんと凄く楽しげに話しているし…

なんか気苦労してるのが滑稽になってきましたね…

「レオンさん気晴らししたいんじゃないです?」

(そうですね…柴田さまがうらや…)

ん?今?あれ…なんか…これは……

 

 

 

「レオン!?」

近くでお嬢の安堵する声が聞こえる…

「こっちも起きましたよ!」

よく通る声が近くでする…これは女神?…ご友人さんですね。

…記憶が混濁して、整理されて意識がはっきりしてくる

(柴田様、普通に入れ替わり出来るのですね…なんか簡単なんですね…でも)

恐ろしい…こういう事(入れ替わり)を簡単にしてしまうのが怖い事だと多分分かって…いるのですね。

記憶として読みやすいようにわざと入れ替わりのシステムを残してくれています。

…しかし、前からご自分でも仰ってましたけど、本当に説明が苦手なのですね、わかりにくいです…

なんとか、読み解けたのは

 

『一回やってるから大丈夫だよ』

 

おい、天才!!無茶苦茶だな本当に…えーと、落ち着きましょう…

 

………落ち着けません!

何ですかこの状況は?

え?その、女神って本当にいるのですね…ここはヴァルハラですか?

私には心に決めたアイドルがいましてそんな、他のアイドルに推し変とかは考えていなくてですね?

 

「賢人くん大丈夫ですか?」

顔を覗きこまれる、綺麗な髪がさらりとひとふさ顔にかかる、ごめんなさいと慌てて髪の毛を後ろに払う仕草が様になっていますね…

 

?なんか、記憶が…柴田様の記憶?が揺さぶられます

顔にかかる髪の毛?

 

『もみーがかおに…』

『その言い方なんか嫌ね』

女の子がサイドから流れた髪の束を払って指で弄っている

 

これは、お嬢?

 

「賢人くん本当に大丈夫?」

顔を覗きこまれる、近!近いです

私も柴田様と同じく一途…

「え?…」

記憶が混濁している?

柴田様の本来の記憶容量とは?

処理速度が追い付いていないのか気持ちが悪く…入れ替わるときに気を使ったつもりで裏目に出ています、おかげで普段の柴田様の処理、認識速度では分からなくなっていることもわかりました

不便なんですね本当天才って…

 

柴田様は忘れているのではなく、膨大な記憶・知識量を自覚して選り分けている他に、選り分けられた記憶がその異常な処理速度と認識の齟齬で把握しきれていないのですね、昔の記憶ほど人が思い出せないのは幼少期からの成長過程で処理や認識速度が変わってしまい、老後ほど昔を思い出すのは速度を自由に制御できるからなのでしょう。

 

しかし、お嬢がサイドを結うようになったのはこんな出来事のせいとは…

柴田様の影響力恐るべしですね

 

その柴田様はそのサイド(もみー)を含めた髪の長さの印象で記憶してるとは…確かに氷川様もご友人も綺麗に流してますものね。

…何故髪色の違いに気づかない?

あ、白金様ですね

 

柴田様の幼少期、お嬢くらいの髪の長さで綺麗な髪は、三藤様と白金様ですね、お二方ともお嬢並みに気が強かったのですね…

それは今の柴田様では余計にわからなくなりますね

 

あまり面識はありませんが、白金様は気が強いという印象がないのと、柴田様の表面的な記憶だけで判断してもやはり繋がりません

特に…いえ、私も雄ですから、まぁ…

 

あまり姿が変わらないのはお嬢なのでは?

…いえ、よく考えると、本当にあまり変わっていない、有名子役の宿命とか冗談ではないのかもしれませんね

 

私には、氷川様やご友人のように背の高いかたより、やはりお嬢が一番つりあっていると思うのですが…

 

「本当、大丈夫ですか?」

聞きなれた声、お嬢がさすがにいたたまれずに様子を見にきた、(レオン)より優先するべきか悩んだでしょうに、本当愛すべき姉で妹です。

…本来なら柴田様にさえ渡すのは吝かではないのですよ。

「はい、何故か急に眠気が…」

お礼と大丈夫ということを伝えるが、お嬢はどこか訝しげにして

「前もこんなことあった気がするわ」

そんなことをわざと言いこちらの様子を窺う

忘れるわけがないです、初めて柴田様と入れ換わった時ですよね

柴田様なら…

「あぁ、寝不足で泳いで疲れちゃったときだね」

ご友人がいるので核心は言わず

ぼかした物言いをするんですよ

でも…近しくなるほどわかってしまうものです

 

「相変わらず何してるんです?」

 

あの出来事は話してないです、その当時は私が柴田様ですから

どう話していいものかわかりませんでしたしね

「この人が偽善に偽善を重ねていたのよ」

お嬢、ご友人に少し砕けた口調ですね、年上の方ですよ?

 

…いつものことでしたね

 

柴田様は他人事のように欠伸をしていますし…私はこんなところでそんな大口開けませんよ?

以前虫が口に飛び込んでから気を付けていますからね

 

「…そうでしたか、相変わらずですね」

…お嬢とご友人が結託している気がするのですが?

 

柴田様…まさか?

 

『ごめん、なんかにげちゃった』

 

逃げちゃった…じゃないです!

後でお話しましょう!いえ、流石に文句と愚痴を聞いていただきます!

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