いぬの生活   作:アスラン

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今回もよろしくお願いいたします。


九話:いぬ以上ひと未満

あのあと二人がかりの小言をなぜか(レオン)が受けると言う不条理…

柴田様に鉄槌のひとつもお見舞いしたいのですが…

今は(レオン)の体であり、なら柴田様の身体(自分)を叩いても痛いのは(レオン)でしかないというジレンマ…戻ったら脚に噛み付くくらい許されますよね?

 

 

 

今回は柴田様が戻り方を理解しているお陰で不安はありませんので比較的穏やか?に過ごせています。

お陰で前回気づけなかったことに気がつけたりと収穫はあります。

まず

「柴田様?普段お嬢と話とかされてます?」

事務所で仕事(レオン担当マネージャー)をしながらクッションの上でのんびりしている柴田様に訊く

(してないよ?嫌われてるみたいだしね)

 

そう、お嬢との会話が極端に事務的なものしかない、ほかのメンバーの方が会話が多いくらいですよ。

これでお嬢は「柴田さんと会話をした」と思っているのですよ?

お陰で当の柴田様には若干の皮肉なのか…いえあれは本気で言ってますね、嫌われていると思われていると…

なにこの人達、面倒くさい

っと、いけません。お嬢も柴田様も良くも悪くも特殊な方ですから仕方ないとも言えなくはありませんよね。

 

今回も日菜さんは速攻正体を見破って来ましたが

メンバーでも若干違和感を覚えている方はいらっしゃいます。

 

丸山彩さん

 

私が推しているアイドルで、お嬢の親友の一人とも言える方です。

自意識過剰かもしれませんが、(レオン)の時と柴田様がレオンの時では接触率が違うような気がします。

私の主観なのでわかりませんし、柴田様に訊いても「そうかなぁ?」という一言です。

柴田様はなんというかあの年齢にしては女性に対して関心がないというか枯れているというか残念な方ですよね。

 

あと、これは日菜さんのせいとも言えるのですが、私と柴田様が入れ替わっている時に丸山家にお泊まりしたことはありません。

これは日菜さんが預かる話を先に纏めてしまうからなのですけど

まぁ、柴田様を丸山家にというのもどこか不安なものがあるようなないような気がしますので私的には構いませんが…

 

「あ、レオンくんは今日は事務所待機なんだね」

その丸山彩さんがスタッフルームにやって来た、学校帰りなのかお嬢と同じ花咲川の特徴のある制服が良くお似合いです。

本当に可愛らしい方です。

「柴田さんもお疲れ様です♪」

きちんと挨拶をするのが身についているお嬢さんです。

まぁ、当たり前のことなのですけどね、パスパレの皆さんは皆がそういうところは本当確りされてます。

してなさそうに思われがちな日菜さんも紗夜さんの影響と思われるくらいそういうことは確りしています。

 

「お疲れ様です、今日は練習でしたか?」

お嬢はドラマの撮影に行っています。

確か大和さんもスタジオのお仕事が入り、若宮さんは雑誌の撮影、全体練習は出来ないので個人練習ですね。

向上心があり本当素晴らしい方です。

 

「いえ、ファンレターを取りに来たついでに顔を見に来ただけですよ?」

そうでしたか、(レオン)でしょうか?それとも柴田様(中身レオン)をでしょうか?少し気になります。

 

「柴田さん?最近千聖ちゃんとお話しできてますか?」

私が柴田様にした質問ですね、気が合いますね。

「どうでしょう?あまり出来てないような気もしますね」

柴田様の答えを私風にして答えると、少し目を見開いて

「ダメですよ?もっと自分から声かけてあげないと、千聖ちゃん自分から話しかけるタイプじゃないんですから」

良くご存じです。

柴田様もそこをもう少し…無理ですね。

 

「あ?」

何かに気づいたように言葉を止めて

「ごめんなさい私ったら、柴田さんのことなのに」

慌てて頭を下げてくる、困ったとは思いましたが目に見える態度に出てしまいましたか?申し訳ない

「そんな、僕もレオンさんのマネージャーですからもう少し会話を心がけないとと思いましたので、謝らないでください」

謝らせてしまった事に罪悪感を覚える

「そうですか?なら良かったです、今言っても仕方ないですよね」

「そうですよね」

お嬢もいませんし、今の話題ではありませんね。

「私、帰りますね」

そう言うと来たときと微妙に違う雰囲気で部屋を出ていく。

申し訳ないことをしましたね。

私の推しはやはり可愛いです。

 

 

 

「ケントくん迎えに来たよー♪」

入れ違いに日菜さんが飛び込んでくる、あ、柴田様寝てましたね。すごくびくっと起きましたよ。

しかし、この状態で今のは第三者にはどう取れるのかとふと考えてから、なにか気になることがありましたが日菜さんの帰ろう催促で考えをやめてしまうほどに他愛のないことだったのでしょう。

 

 

 

「レオンくんも運転上手になったよね?」

帰り道、氷川家のあるマンションに向かいながら、柴田様()を抱っこした?日菜さんに誉めていただきました。

確かに初めての時は車酔いさせてしまいましたからね。

それに比べたら話ができるようになっただけ幾分上達…いえ、油断が事故につながりますね。

柴田様特有の何も映していないようで何かを訴えかけている(つもり)の目で注意を促されます。

あの目、私の体()でも出来るのですね。

 

「ありがとうございます」

当たり障りのない礼を述べると、やはりつまらなかったのか流れる景色を見ながら

「私も早く免許ほしいなー」

とこぼされました、日菜さんなら教習所通わずに取得してきそうで怖いですね。

紗夜さんも日菜さんも早生まれの3月、それも下旬何気にちょうど良い時期ですよね。

お嬢は4月、本来なら新学期早々に取得は可能でした、校則で禁止されていなければ…

などと他愛のない話をしていたところ、突然

「そういえば、入れ替わりの条件ってなんなの?」

と切り出されてしまいました。

入れ替わりたい!と書き文字が見えそうな感じです。

「あたしは多分猫と波長が合うと思うんだよねー」

…理解してますね多分、私もまだよくわかっていませんが柴田様と私の波長はかなり近しい様でそれが要因の一つの様子です。

「ケントくんなら見つけてきそうだよね?」

(そんな猫見つけても…連れてこれそうで嫌かも)

「と、仰ってますが?」

そのままをお伝えすると

「出来るんだよね??なんかるんって来たよ!!??」

精油前の油のプールに火炎瓶を投げ込んだ気分です。

お陰で助手席がこれだけ賑やかでも支障なく運転ができるくらいには上達できました。

 

 

 

柴田様と日菜さんを送り届け、柴田様の家のガレージに到着すると

改装業者さんがお帰りなられた隣のガレージに人影が…

「やっと帰ってきたわね」

人影は知らない顔ではありませんでしたが、なぜここにいらっしゃるのかが思い至りません。

「湊さん?」

…Roseliaのボーカル、孤高の歌姫と言われた女性、湊友希那さんがいました。

私の呼びかけに一瞬訝しげに目を細めると

「…あなたじゃないわ、柴田賢人出てきなさい」

今現在柴田様である私から視線を外し、その姿と佇まいと同じように凛とした声で呼びかけました…

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