いぬの生活   作:アスラン

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今回もよろしくお願いします。



十一話:謎解き以上真実未満

「…ということなのですけど」

朝の散歩の柴田様との少し久しぶりの打合せ。

情報交換だけをして、問題が出そうなら事務所で考えるというのが最近のお決まりでしたが今回は私と柴田様の話ではないので少し込み入ってしまいそうなので、日菜さんに先にLINEを入れたのですけど…

あの天才寝起き悪いのですね。

紗夜さんは本当確りされていますよね。

しかし、紗夜さんは柴田様と話をしているとこちらを若干訝しげに見られるので本当困ります。

流石に別の事をお話しながらの意思疏通という器用なことは…柴田様は出来そうですけど私には無理ですのでなるべく離れて撫でたりしながらの会話になります。

「困りました…」

現状どう動けば良いのかわかりません

(確かに、白金さんの家にいこうにも、どう言えば良いのかわかりませんしね)

その、白金さんの身体に入っている『黒』が通学してるのかもわからないので調べたいのですが、女子高生の身辺を探るのは怪しいですよね?

(花咲川だから日菜ちゃんは頼れないし)

あの方なら学校関係なく動いてくれそうで怖いですけど…

あれ?

何か忘れているような気がしますね

 

「あの、賢人さん?」

紗夜さんの待つベンチに戻ると、なにやら思い詰めた顔をして紗夜さんが…

これは不味いかも、お嬢とうとう紗夜さんが行動に移りましたよ!

「なにかな?」

逃げる算段をしつつも露骨に逃げては柴田様に申し訳がなく…若干引き気味に応えるしかないのですが

「花咲川と羽丘の合同文化祭のことは覚えていますか?」

思い出しました、何か忘れていたのはこれです。

柴田様と再度入れ替わってしまいましたので改装中のスタジオを貸して良いものかと考えて(私では何かボロが出そうなので)配線工事のため少しの間使用できないと合同バンドの方にはお伝えしていました。

推しである丸山彩さんにもそうお伝えしました、身を切る思いでした。

嫌なことなのでどうやら記憶の隅に追いやっていたようです。

「はい、それがどうか…」

嫌な予感がしますね

「開催にそこまで瀕してはいないのですが、生徒会長である白金さんがここ最近登校していないのです…」

あの方、生徒会長でしたね。

これ、開催はなんとかなるとしても色々と問題ですよね

「連絡は…」

話を伺うと、LINEの既読もつくしスタンプは返ってくる為、病状がより判りにくく、家に行っても良いものかと判断に窮しているという。

バンドの仲間であり、同級生、同じ生徒会となれば紗夜さんが心配をしないはずがない。

NFOもログインしていない為、深刻なのではとも思っているそうです。

…猫の手でPC触ろうとしてましたね、そういえば

 

「そこで…」

(柴田賢人の体)に向けていた眼を、柴田様(レオンの体)に向けて

「賢人さん、私が手持ちの情報と今までの事で憶測としてお願いがあります」

()ではなく、柴田様()に確りと向き

「あなたの家に居る黒猫、あなた達同様に入れ替わっている、私の友人、白金燐子を元に戻してください」

迷いなくきっぱりと言い切る言葉

確信をもっての言葉です

…天才の姉は、やはり天才…

対して、犬の姿の天才(柴田様)は、興味無さそうに欠伸をしてあらぬ方向を見ています。

完璧な犬の演技…本気で興味なくしてませんか?流石にそれは人として…今は犬ですけど

「そうくるのは想定済みです、色々と指摘する点はありますが…」

そんなにあるのですか?

言葉を切った紗夜さんが次に口を開いていった言葉は…

「金輪際、撫でるのも、ブラシもなしです。それどころかうちで預かるのもお断りします」

 

…犬に人間的な表情が出来るのを知りました。

(え、なんで、そんなこと…)

もともと四つん這いなのに、何故かくずおれて見えます。

私はされたことないのですがそんなに凄いのですか?

(何でそんな酷いことを…)

凄くうちひしがれているような柴田様に更なる追い討ちが…

「賢人さん、クッキーも作りませんよ?」

あ、柴田様のメンタルが折れました…伏せなのに、土下座してるように見えます。

紗夜さん流石お強いです…って、お嬢は女神さんと氷川紗夜(この方)に勝たないとダメなのですよね??

不安しかないです。

 

 

 

「確信はしていましたけど、本当に入れ替わっているのですね」

ご友人を待たずして(話が話だけに)

白金さん(黒猫)がまつ柴田様の部屋に紗夜さんを連れてというか…気分は連行されている感じでしたが…戻り

黒猫姿の白金さんをじっと見つめると

「本当に白金さんね…」

優しく黒猫を抱き上げると子供を安心させるように背中を撫でる

安心したのか白金さん(黒猫)が紗夜さんにしがみつくように震えていました。

やはり、普通は不安ですよね。柴田様でも戻るまではかなり色々お考えでしたし

しかし、紗夜さんは慈愛にも満ちて…私の推しは丸山彩さん、丸山彩さん…丸山彩は天使…天使…、

ふう、ご友人以外も女神が現れるとは…お嬢はこの戦い乗りきれるのでしょうか?

 

「そんな簡単に戻れるものなのですか?」

あまりの事に紗夜さんの表情が崩れる。

「そだよー、仕組みはなんとなくわかってるんだよね?」

隣には先程、中々散歩から帰ってこない紗夜さんを心配して連絡を入れてきた、朝は役に立たない天才こと日菜さんが何故か出されたフレンチトーストを食べています。

「そうだね、レオンさんと僕はかなり波長があってるからだと思うけどね」

元に戻った柴田様がコーヒーのおかわりを紗夜さんと日菜さんに振る舞いながら説明されますが

感覚的というか、理解されてるのは多分日菜さんだけですね。

「るんっ♪てくるよね?ね、おねーちゃん♪」

「何をしたいのかはわかるけど、やめておきなさい」

本当仲がよろしいですね。

黒猫な白金さんは、日菜さんに湊さんと同じなにか危険なものを感じたのか紗夜さんから離れる事なく紗夜さんを挟んだ反対側から全く動きませんね。

たまに紗夜さんに撫でられて幸せそうにしてます、紗夜さんのあの手は本当に凄いのでしょう、撫でられてみたいですね。

 

 

「紗夜さんが来たことで、動くことはできるね?」

柴田様?

解決するのではなく、動ける?

「確かにそうですね、後は賢人さんとレオンさんみたいに簡単に戻れればいいのですけど」

「大丈夫じゃない?おねーちゃんが目の前で燐子ちゃん撫でればそれで何とかなるとおもうよ?」

あ、なにか解ってる方達の会話にはついていけません。白金さんは…撫でられて気持ち良さそうにしていますね、もう黒猫のままでいいのではないですか?

「しかし、どうして僕とレオンさんが入れ替わってた時期まで的確にわかったの?」

そう、確証は無かったと前置きされて話された内容は見事に私と柴田様が入れ替わっていた時期でした。

少し照れながらも

「日菜を含めて、大事な人の事ですから」

確り見ていますよ。と

 

お嬢、本当に勝てますか?

などと考えていましたら、紗夜さんがこちらを向き、小さく「負けませんよ」と、微笑まれました、宣戦布告ですか?私伝でお嬢への

…お嬢、どうしましょう、敵は女神と戦女神(ヴァルキリー)ですよ…

 

目の前の問題より頭が痛くなってきました。




もう常勝の女神感が漂ってる気もします。

次回は久々のアレです。

また宜しくお願い致します。
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