いぬの生活 作:アスラン
「やっとついた…」
白金さんの家の門にたどり着く
部屋からは少し距離があったので車を出そうとしたら
「日菜も私もいますよ?」
助手席に紗夜さん日菜ちゃん、トランクにレオンさん白金さんと…は行けるわけもなく。
皆でお散歩になった。
「普段からバイクや車に頼っているからですよ」
紗夜さんに軽く注意をされる、ごもっともです
「燐子ちゃん家も大きいねー」
日菜ちゃんが感心している、白金さんお嬢様ぽいもんね。
裁縫が得意で自分の服もステージ衣装も縫うお嬢様?
…趣味の人なんだなぁ
「今なら本人しかいないはずです」
紗夜さんが黒猫の白金さんを抱き直しインターホンに近付けて呼鈴をおす。
…一回で出るかな?
状況的に居留守するよね??
と思っていたら…
ばーんっ!!
いきなり玄関が開け放たれ、長い黒髪と存在感のあるものを振り乱し門まで一直線…裸足って…
「燐子ぉ、りんこぉぉぉぉぉぉ」
白金燐子さんがすごいかぉ(あんな顔出来るんだ…)で飛び出してきた。
つくづく入れ代わりがレオンさんで良かったと思う一瞬だった。
「ちょっ!」
白金さんが門を開けるどころか飛び越そうとする
慌てて止めにはいる日菜ちゃん、いや、日菜ちゃん?君もどういう運動神経かな??
いつ門から中に入ったの??
そのまま紗夜さんが門を開けて…あれ?開いてたの??
「まずは家に入りましょう」
慣れてるの?
あれ?慣れてるのこういうこと?
面倒起こしそうな孤高の薔薇がふと頭をよぎったが違うよね?
「りんこ、りんこぉぉぉぉ、心配したのじゃぁぁぁぁ」
…じゃ?
白金さんの姿な猫『黒』が、黒猫姿の白金さんを抱き締めて泣いている、ん、あれ?
「ちょ、窒息しかけてるからっ!」
慌てて黒猫な白金さんをを引き剥がす、ぐったりしている。
口数が少ない子だけど、なにも話さないからおかしいと思ったら…
「本当に凶器なのね」
「あれは犯罪だよね」
氷川姉妹が何を思ったのかそんな言葉を洩らしていた、触れないようにしておこう
(…思い…出しました)
意識を取り戻した白金さんが、ぐったりしたまま話し出した
(入れ替わった…ことに…驚いた黒に…今みたいに失神させられて…気づいたら友希那さんに…)
どういった経由で湊さんに預けられたの?
「友希那さんに預けられたのは偶然みたいですよ」
紗夜さんが湊さんから聞いたというか、RoseliaのグループLINEに駄々流されたトークを教えてくれた
…あの人、猫絡むとネタの宝庫だな
『あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!』ネタから始まって気を失っている猫をどれだけ写メして、目を覚まして怯えてる写メまで流してるし、リサちゃんが止めるまで続いてた
紗夜さんによると、部屋に乗り込んでの制止とかどんだけなの?
その後でうちに預けに来たらしい
…うちに預けにこさせたのは紗夜さんの手引きだって
ふと気になって
「あれ?あのちっちゃい娘は?」
中二病のあの元気な娘、LINEとかでも一番喋ってそうじゃない?
「宇田川さんは、ある意味白金さんの反対で…」
オンラインは静からしい
「まぁ、Roseliaでは一番年下ですからね」
それもあるよね、NFOでは元気だもんね
「あと、燐子にやっと伝えられるのじゃが」
膝にのせた
「妾な、野良じゃなくて、
黒猫が凄い顔をしていた、猫も人間ぽい表情できるんだと感心していたら
「賢人さんもレオンさんの時あんなでしたよ?」
と、紗夜さんに嗜められた
そうなのか…
「御母堂様が幼少の燐子の為に妾を飼っていたのじゃが、庭で一人居た燐子のところに妾がひとりで勝手にいってしまい、燐子が野良と勘違いをしてしまったのじゃよ」
…お母さん?飼い猫ってなぜ教えなかった??
(そ、そんな…おかしいとは思ってはいたんです、予防接種もしてなかったし、毛並みはいつも艶々だし、飼い猫だとしたら私が首輪の代わりにつけたリボンとかそのままだったし、おかしいとはおもっていたんですよ)
…ポンコツか?
Roseliaはポンコツの集まりか??
(…なにより、予防接種とか…動物病院に連れていっても、…お代請求されたことありませんでした…)
気づこうよ!!
こんな娘がよく生徒会長してるな
(…ラッキー、得しました。…と思っていたので…)
ちゃっかりしてるし
ん?もしかして…
「もしかして、『黒』と読んでるのは?」
「燐子だけじゃ?親御さんもご近所のかたも、宅配のかたも『ノワール』でのわちゃんと呼ぶぞ?」
……日菜ちゃん、紗夜さんに止められなかったら大爆笑してたな
そんな紗夜さんも堪えてるし
笑えないよ…これは…
(…え、…えぇ?)
呆然としてしまった白金さんを見てる手前こらえる以前に気の毒で仕方なくなる
「猫の身では伝えることも出来ず、本当伝えたくて伝えたくてなぁ」
(黒、いえ、ノワールは悪くないわ)
…うん、誰が悪いと言えば…でも、飼われてたんだよね?
誰が悪いと…
(ご両親と気づかない白金さんですよね)
だよねぇ、ノワールは被害者?だよね
これも人間のエゴだよね
「燐子ぉぉぉぉぉ」
感極まってまた
本当は少しは意趣返ししてない?
「と、言うことで賢人さん、早くもとに戻してあげてください」
繰り返される
「戻れるのか??」
「まぁ、戻った見本だからね」
レオンさんも同意で一言吠えた
(でも、…どうやったら…もどれるのですか?)
「それを今から考えるよ」
うん、猫でも胡散臭い顔って出来るんだね。
「私達はどうしましょう?」
紗夜さんが察して訊いてくれる
この人のこういうところ凄いよね
周りを全然見てる、前は周りが見えててあの態度をしていたのだから本当追い詰められていたんだね。
「おねーちゃん、のわちゃんの部屋あったんだけど荷物はこぼうか?」
…部屋まであったの?
「こらっ、日菜は他所様のおうちでまた」
紗夜さんが嗜めるけど、あまり聞いてないよね。
…うちの未開封のCMS開けてくれたよね…うん、保存用までね(遠い目)
「妾の部屋というか、トイレと寝床と玩具がおいてあるだけぞ?」
それ、部屋と言わない?
「勝手に動かして良いのかしら?」
確かに難しい
(…氷川さんは…NFOでもして待ってていただいても…)
そのまま紗夜さんに伝えると
変な顔をされた、なんで?
「いえ、仕組みがまたわからなくなってしまっただけです」
「ケントくんは受信チャンネルが広いんだよ♪」
日菜ちゃんはそう捉えたんだね
入れ替わった者同士の会話(意思疏通)と思われてたのかな?
黒猫の白金さんと会話が成り立ったので少し混乱しているのかな?
結局、居てもいいし、家を見ててもいいとなり、紗夜さんは残り、日菜ちゃんは家を見て回ってる
さて、じゃぁ
「話をしようか」
なんだかんだで同席する紗夜さん
ちょっと愚痴混ざりの過去話になりそうです。
またよろしくお願いします。