いぬの生活   作:アスラン

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今回もよろしくお願いします


十四話:他人以上友達未満

 

結果から言うと

「…助かりました。…ありがとうございます」

賢人さんが凄い苦笑いをしていますね

お礼を言う眼じゃないわよ、白金さん

黒猫ののわさんも鳴いていますけど、生憎私にはわかりません

対応しているのは賢人さんと白金さん

少し面白くありませんね

「うーん、やっぱりわからないや」

日菜でもわからないですか、って分かったら流石に引くわよ?

「おねーちゃん、ひどいっ!」

 

「一応落着ですね」

文句を言う日菜を黙止して話を進める

猫が何か言ってますが、悪意のある言葉のようなので無視しま…

「あ、白金さん、というかノワールさん」

黒猫が挑むようにこちらを見ます

「湊さんに、白金さんのお宅には黒い綺麗な猫がいます。と伝えればよろしいですよね?」

わかっていないのでしょう、挑むような眼をまだ向けていましたが

「くろっ、やめなさい。氷川さんごめんなさい、黒にそれはあまりにも過酷です!」

飼い主と本人が自覚した白金さんが庇うように抱き上げて、頭を下げさせていた

「なんか燐子ちゃんスッゴい喋るね♪」

「昔はあんなもんだった気がする…」

賢人さん何か仰ってますね

昔ですか、昔…

「貴重な資料を提供して頂いているご主人様に感謝をするように」

猫の言葉なんかわかりませんけど、人を舐めてると…湊さんを呼びますからね?

「おねーちゃん?おねーちゃんの撫でお預けもかなり効くと思うよ?具体的に言うなら、ケントくんが参るくらいには有効だよ?」

そのようですね

私には自覚がありませんけど、娜でと胃袋は掴んだようです

私より日菜が喜んでいるのはなぜなのかしら?

 

「一件落着だよね??」

賢人さんが居づらくて帰りたくて仕方がない様子です

私としても少し面白くない状況ですし帰るとしましょう

「日菜帰るわよ」

日菜はまだ黒猫と意思疏通ができないか試していたので引っ張ってきた

 

「これで学祭もなんとかなるのかな?」

帰り道賢人さんが珍しく沈黙に耐えかねたみたいで話を振ってきた

「…そうですね、白金さんも賢人さんも戻りましたしね」

合同バンドの練習スタジオも復活ですね

私も話題が多い方ではないし

なにより今は面白くない気分が強いので会話も簡素になる

日菜が言い出したとはいえ

好意を持っている女性の目の前で

他の女性を抱き締めるとは…

不覚にも羨ましく思ってしまった自分にも、そして簡単に白金さんの身体を抱き締めてしまった賢人さんにも気分が悪くなっていた

そういえば、何故か睡魔に襲われましたけど…あれはなんだったのでしょうか?日菜は何かに気づいている様子ですが

実はそれも面白くないのです

「おねーちゃん、ごめんね」

日菜は私が不機嫌になっているのにやはり気づいてる

「気にしないで、自分にも不快感を覚えているの」

「うん、でも、ごめんね」

そんな顔をされては自分が悪い気がしてしまう

そんな私達をレオンさんのリードをもった賢人さんが少し微笑ましくみていた、気恥ずかしい

「はやく帰りましょう」

…レオンさんは白鷺さんの家に帰るのですよね?

白鷺さんでふと思い出した、白金さんの提供してくれている賢人さんや杏子さん、そして白金さんの昔のコンクールやリサイタルの動画、必ず現れる白鷺さんになんとなく雰囲気が似た花束の少女のことを思い出した、何故か聞いてみたいと思ったのよね

 

 

「…凄く久しぶりに顔を見た気がするわね」

開口一番それですか

え?私ですか?

言われてみれば最近は白鷺家より氷川家や丸山家、柴田様の部屋が多いですね、感覚的にも

「そうかな?事務所によくいるけど?」

専用デスクというか、事務所待機が退屈らしく柴田様が色々なものをミーティングルームに持ち込んでいます。

気づくとweb関係の内職まで始めてましたね

事務所のサイトが一見わかりませんが誰でも更新できるように作り替えられています。難しいことはわかりませんが、かなり喜ばれて副職としてなにか頼まれていますね

「…」

お嬢がかなり不満顔をしています

「お茶でもいかがしら?」

緊張から顔が強ばってましたか

「流石に少し疲れたのでいただきます」

柴田様本気で体力ありませんね

部屋から白金さんの家からの氷川さん家途中経由の白鷺家ですよ?

 

「どうぞ」

リビングに通されて、柴田様は応接セットのソファーに、私は定位置であるペットシートへ

「いただきます」

出された紅茶を一口ふくみほっと頬を緩める

気持ちも少しほぐれてますね

「おいしいです」

そんな姿を見ていたお嬢は

「ストレートで飲むのね」

以外そうにいう

「まず、お茶の味を楽しまないと」

…あれ?

「コーヒーもだったかしら?」

「そうだよ?」

その言葉にお嬢が怪訝な顔をする

ん?…あ、申し訳ないです。私が柴田様の時に普通にお砂糖入れます

「そうなのね」

お茶請けでクッキーを、犬用も出してくれましたので私もお嬢の傍らでいただきます

「本当ムーンライト好きは変わらないのね」

お嬢が出したのは、既製品のお菓子、高級品ではなく一般にコンビニでも買える品です。柴田様の家にもストックがありましたね

「事務所の机(半公認)にもかくしてあるからね♪」

引き出しに詰めるほど入れるのは隠してはいませんよね?

「あれを隠しているというなら、日菜ちゃんは探し物も天才ね」

パスパレがミーティングをするときにおやつとして日菜ちゃんが出してくるそうです

「…数が減ってるから、無意識でそんなに食べたのかと家計を見直そうとしていたのに」

ムーンライト購入資金を食費と別にしようかと考えていたそうです

「相変わらず馬鹿ね」

お嬢…

「お菓子を食費にするなんて、交際費でしょう?」

そこですか!

「え?交際費?」

柴田様も…

「お菓子って一人で食べるものかしら?」

あ、お嬢、柴田様がなにか刺さってます

「あら?女の子に囲まれてる貴方なら、お菓子なんて【交際費】でしょう?それとも寂しく一人でたべてるのかしら?」

お嬢、攻めはダメです

こう見えて柴田様は耐性がないです、打たれ弱いです、メンタルがお豆腐なんです

「…そうだったのか、お菓子は【交際費】なんだね、でも僕友達いないから食費か雑費だよやっぱり」

お嬢…柴田様元がネガティブなのであまり効いてませんよ

「まぁ、うちで食べる分には気にせず食べれば良いよの」

すっと、もう一箱未開封で机におく

…お嬢…ツンデレのつもりですか?

地でやってますね…ん?

あれ?

「…ん?」

柴田様が箱を見つめてなにか考え込んでいます

ダメです、貴方の思考スピードで考えると思い出せるものも見落としますから!

「今日は、なにか引っ掛かることが多いんだよね」

思い出せないからか頭を揺らしたりしてます、そう言えば白金さんの事をなんとなく思い出せてましたね

「Roseliaのキーボードが多分子供の頃の顔見知りだったみたいなんだけど、なんか、変わってるのか変わってないのかわからなくて」

頭揺らしすぎじゃないですか?

思考がまとまらないのかお嬢いるのに思った事を羅列し始めてますよ?

「最近なんか子供の頃なのか最近なのかわからないこともあるし」

なんですかそれ?

「それにしても、あの攻撃的なおかっぱが何をこじらせたらあぁあるのかな?」

白金さんってそういう方なのですか?

「僕より身長高い宝塚なのか中二なのかわからないのに兄さん呼びされるし、最近なんかおかしいんだよなぁ、杏子の弟子にも睨まれるしぃ~」

それだけ言うと、ピタッと動きを止めて

「リラックスしすぎた、ごめん、千聖(ちさ)っちゃん」

え?…

お嬢!?

「そう、薫は私に教える気がないのね…」

そっちじゃないです!

今…あれ?聞き違いですか?

「戯れ言は終わりましたか?」

お嬢、言い方、言い方を

「なんかリラックスしすぎたみたい、紅茶ごちそうさまでした」

柴田様が流石に腰をあげ帰ろうとすると

「それ、持っていきなさいよ」

先程の青いパッケージの箱を指差す

「あ、ありがとう♪レオンさんもまたね」

…なんですか今の歳不相応な笑顔は?あれ?あれですか?お嬢の言っていた天使も堕ちる純真無垢なベイビースマイルですか??

あんなの見たことないですよ?

だって入れ替わってますしって混乱してますね私も

「…」

お嬢?

「…久しぶり…に、見れた…」

お嬢が白金さん?ではなく

これは人に見せられませんね

私も久しぶりに見ましたよ、お嬢のこんなだらしなくて気持ち悪い笑い顔、天使も堕ちるとは本当良い得て妙ですけど…お二人とも、

 

歳を考えてくださいね?




千聖さんはやっぱり人災もあると思う…

またよろしくお願いいたします。
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