いぬの生活 作:アスラン
レオンさんと入れ替わって初めての週末を迎えようとしているんだけど
何にもない
驚くどころというか流石に泣きたくなるくらい何にもない
なんか違うなーと思うのは
朝必ず僕の身体のレオンさんと会う
知らなかったけど散歩コースが同じだったらしい
気付かなかったよ・・・
それと、千聖さんが面白い子だということがわかった
いろいろな表情を見せてくれる
友人さん並に親密になってるかもしれない
しかし、僕本当に小さいよね
千聖さんと10cmくらいしか違わない気がする
ちなみに、友人さん・・・僕より高いんだよね
悔しい・・・牛乳ちゃんと飲めば良かった
煮干とかも今からでも食べようかな?
レオンさんに食べるように頼んでおこう(自分で食べるとは言ってない)
そして、初の問題が今週末に併せて起きたというか
飼い主が芸能人なんだから起きても不思議じゃなかったんだけど
結構早くにその問題は起こったよ
「どうしよう、お母さん達も出かけるなんて・・・」
週末に私個人の仕事とパスパレの仕事で家を空けることになった
普段は妹と母にレオンをまかせていたけど、
(元々レオンの飼い主は妹でもある)
妹の用事で母と妹も家を空けることになった
会社勤めをしている父に頼むのは申し訳なくて頼んだことがないの
いつもそういう時は彩ちゃんを頼るようにしてたけど…
今回はパスパレの皆も一緒で、流石にご家族には迷惑はかけられない
(彩ちゃんのご家族は本人と同じくいい人なので快く預かってくれるのはわかってはいるのだけど)
と悩んでいると
「ねぇねぇ千里ちゃん、レオンくんの預け先ってうちじゃだめなのかなぁ?」
ペットホテルには心配があるため、やはり花音か、最悪お母さん経由で薫にお願いするしかないと答えを出したところに日菜ちゃんのこの一言
「え?ご迷惑にならないの?」
日菜ちゃんも撮影ということは、紗夜ちゃんが面倒を…
紗夜ちゃんなら凄く安心かも
なんて考えていたけど
「うん、レオンくんの散歩コースってケントくんと会えるんだよねっ♪」
この子、紗夜ちゃんの為なら人の家の飼い犬も利用する気ね
「会えるというか、向こうが認識してくれればね」
そう、あの人は周りを…
あれ?最近見てるわね?
「最近のケントくん、なんか、るんっ♪としないんだよねー」
おねーちゃん趣味悪いよねー、なんて言い出してる
お姉ちゃん子な日菜ちゃんとしては複雑なのかなと愚痴?を聞いててあげてるうちに、レオンを氷川家に預けることになった
あれ?日菜ちゃん家マンションじゃなかったかしら?
・・・分譲というのを知らなかったわ…
更に賃貸でもペット可能も増えているらしい
子役の時、子犬を拾う役をした時にどうやら勘違いして記憶してしまったらしい
日菜ちゃんに笑われたのが恥ずかしくて悔しい
彩ちゃんが慌てていたけどどうしてかしら?
「本当に、日菜ったら勝手にきめてくるなんて…」
なんて朝からため息をつかれた元凶の僕です。
日菜ちゃんはご両親には許可取ってるんだよね
かなり事後承諾に感じるんだけど・・・
そんなこんなで週末撮影に先に出た千聖さんに代わり、お母さんと妹ちゃんに連れられてきたのは
氷川さんの家(マンション)
流石に玄関に間借りすることになったけど
大きい…普通の戸建ての玄関より広いよここ
もともと外飼いペット用のスペースも考慮されてるのかな?
そんな広い玄関脇のスペースに白鷺家のリビングに引いてもらってるマットを引いてもらいそこに落ち着いている
なんか人の家ってわくわくするよね
日菜ちゃんが慌ただしく世話をしてくれる
よく日菜ちゃんの事を天才であるがゆえに人の心がわからないとか言う人いるけど、そうなのかな?と身近で見てみて思った
感性的、直感的、それが目立つからかな?
考えずに動いているから、まず思ったことをするからそれが目立つんだよね
だって、人の心なんて誰もわからないじゃない?
日菜ちゃんは十分に思いやりはあるけど、まず自分の思ったことを言うからなんだなと納得した
「おねーちゃーん、ケントくんの餌きたよー♪」
まって、僕食べられるの?
なにその餌って??
「日菜、もう少し言い方を選びなさい、会う口実とか、その…」
部屋から出てきた紗夜さんは赤くなりながらそんな事を言っている
「おねーちゃんかわいいーー♪」
紗夜さんに抱きつく日菜ちゃん
やめなさいとか言ってるけど紗夜さんも満更ではないのは見ててもわかる、仲良いよねぇ
どこかで、氷川姉妹不仲説を聞いたことあるけど
嘘だよね?デマだねデマ
そんな仲良し姉妹を見ていたら
紗夜さんと眼があった
それと同時に紗夜さんが何故か凄く驚いた顔をしてこちらを凝視してくる
犬嫌いなのかな?
それとも大型犬がだめだったのかな?
え?どうしよう?僕どうなるの??
「なぜか無性に違和感を覚えたわ」
え?どういうこと?
「え?千聖ちゃんの妹ちゃんが連れてきたからレオンくんだよ?」
千聖さん先入りなんだよね
だからお母さんと妹ちゃんに連れてきてもらった
「そう言うことじゃなくて、なんというか、、、」
どうしたんだろ?
「あたしはレオンくん、るんっ♪てするけどなぁ?」
日菜ちゃんががしがしと撫でてくれる、結構気持ちいい
「犬よね?」
「もー、おねーちゃん何言ってるの?どうみても犬だよ?」
日菜ちゃんがブラシまでかけてくれだした、これ、本当きもちいい、なに天才ってこんな所にも活きるの??本当すごいね
犬の本能なのか、日菜ちゃんの手に頬擦りしてしまった
「よーしよしよし♪」
顔をもふもふされる、気持ちいい
なに、ビーストテイマーなの日菜ちゃん??
そんな僕と日菜ちゃんの様子を見ていた紗夜さんが
「何故かわからないけどモヤモヤするわね?」
なんて言っている
大事な日菜ちゃんが僕にかかりっきりで面白くないのかな?
「おねーちゃんも一緒にもふもふすればいいんだよっ♪」
なんて、紗夜さんを手招きする
「仕方ないわね…」
紗夜さんが傍らにしゃがんで背中を撫でてくれる
こ、これは、なに気持ちいい
ギターリストは撫でるのが上手いのかな??
まずい、もとに戻ってからも試してみたい…紗夜さんに頼めばしてくれるかな?どうかな??
「なっ、なんです??」
紗夜さんに目を向けたら
撫でていた手を引っ込められてしまった、あぁ残念
「?もしかして、良かったのかしら?」
おそるおそる手をまた背に乗せてゆっくりと撫でてくれる
これ、すごくいいなんでだろ?
日菜ちゃんとは違うなにか不思議な感じ、日菜ちゃん風に言うなら
「わうぅぅん(るるるんっ)♪」
「え?るるるんっ♪てきたの?おねーちゃんケントくん気持ちいいって♪」
…え?
「え?」
その場が固まった
「日菜?白鷺さんの犬の名前はレオンじゃなかったかしら?」
撫でる手が止まっているけど、手は離してない
「そうだよね?なんでケントくんの名前が出たんだろ?おねーちゃんわかる?」
「あなたにわからないのに私に、ちょっとまって、日菜、撫でてるときなにか考えてた?」
「んーと、なんにも?ただこうすると気持ちいいかなーとかそういうことは考えてたよ?」
「潜在意識で意識しているのかしら?」
紗夜さんから変な気が出てるよ
なに?どうしたの??
「もーおねーちゃん変に考えすぎだよ?それになんか最近のケントくんってさ、るんっ♪て来ないんだよね」
凄くあきれたように日菜ちゃんが言うと
「そうなの?」
「そうだよっ!おねーちゃんの好きな人だから興味はあるのは確かだけどね」
でも、この間見たけどるんっ♪
てしなかったと…
日菜ちゃんはもしかしたら
僕とレオンさんが入れ替わってるの本能的にわかったのかも
すごいなーと感心していたら
更に紗夜さんからなんか黒い気配が、ちょ、紗夜さんっ痛い、なんか痛いよ!!毛が、毛引っ張っちゃダメ!地味に痛い痛いよ
「なんであなたはそうやって賢人さんに会いに行けるの!」
え?そんなことで怒ってるの?
僕は会いたくないなんて言ってないよ?
「おねぇちゃんの気にしすぎだよ、というか、あの人絶対おねぇちゃんの告白解ってないというか、気にしてないよ?」
告白なんかされたかな?
好意は持ってくれてるよね?
好きだって言ってくれたし
「なんか思い当たって腹が立つわね」
え?なんで怒ってるの?
だって、紗夜さんと知り合ってそんなに経ってないよ??
「多分おねぇちゃんと知り合ってそんなに経ってないから、知人として好きと言われたと思ってると思うよー」
うん、ちがうの?
「貴方が言うならそうなのよね」
え?なんで??
確かに日菜ちゃんとは不思議と波長が合うというか、多分日菜ちゃんが合わせてくれてるんだろうね
「なんであんな人好きになったのかしら?」
え?だれ?だれなの??紗夜さんって好きな人いたんだ
「多分あたしに似てるからだねっ♪」
え?紗夜さん女の子好きなの??
それも妹と似た人??
なにそのシスコン、ちょっと紗夜さん見る目が変わるかも
「なにかそこの犬からすごくあの人に似た失礼なものが感じられるんだけど?」
ちょ、動物虐待はだめ、怒られちゃうから
「ホントだ、すごくケントくんぽいよね、レオンくんってケントくんの親戚かなにか?」
なにそのトンでも発想
「確かに賢人さん犬っぽいわね」
あれ?
紗夜さんも?
「おねぇちゃん?今さらだけど、そのまさとってだれ?」
僕だよ!!
「柴田さんよ?」
「えー?ケントくん柴田ケントまさとって言うの?ミドルネームなんて面白いね」
違うから
「違うわよ、柴田賢人、賢者のケンに人で、まさと、ケントと普通読む人が多いからケントと呼ばれているのよ」
その通りです
名前負けしてるんだよね
賢人(けんじん)、賢(まさる)人
ケントとしなかったのは父親のこだわりらしい
「なんか、ケントっぽいのにね」
「そうかしら?まさとの方が可愛くない?」
なんて人の名前で盛り上がってる
あまり気にしたことも無かったけど、結構気にしてくれる人っているんだなぁと思った
千聖さんも結構僕の事みてたらしい、まぁ花音ちゃんの先生だしね、花音ちゃんが心配なんだね
「それにしても、おねえちゃんが名前呼びって珍しいよね?」
「本人の前でも呼べるように普段から練習しているのよ」
そんなことまで練習しなくてもいいのに
まさとでもケントでも好きな方で読んでくれていいのに
「あー、あれだね。あたしもいるから名前で読んでってやつのだよね」
そう、基本僕は苗字に敬称で呼ぶ
なので紗夜さんも最初は氷川さんと呼んでいた、日菜ちゃん達の言葉だと結構顔は会わせてたらしいけど
病的なほどに認識できないんだよね
親戚が病気を疑って脳の検査もされたよ、異常はなかったけどね
子供心にちょっとトラウマ、サヴァン症候群まで疑われたもん
と、少し沈んでいたら
「知らないところで不安かもしれないけど・・・」
紗夜さんの触れている背中が暖かい
「日菜の大切な仲間であり、私の友人の千聖ちゃんの愛犬なんだから確りお世話するわよ」
優しい子なんだなぁと
「そうだよ、あたしも明日から撮影だけど、それまではしっかりお世話するからね♪」
日菜ちゃんは顔をもふもふしてくれる、この子も優しい子だと判るし伝わってくる
なんか
この姿になって知ることがいっぱいあるなぁ