いぬの生活   作:アスラン

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今回もよろしくお願いします

本編が…本編が進まない…


氷川姉妹誕生日記念4:「これは?」

 

 

「…」

賢人がだらしなく…はないけど、自慢の彼女(紗夜ちゃん)のメイド服姿にご満悦だ…、クラシックメイドにしては装飾が派手というか、メイドモチーフのステージ衣装というか

(Roseliaのステージ衣装みたいよね?)

燐子ちゃんが監修ではそうなるわよね

燐子ちゃんとお互いにサムズアップ決めて良い顔していた、二人とも黒が基調なところといい仲の良い兄妹という感じよね??

(燐子ちゃんは近すぎたのよね)

私はいまでも敗因を考えてしまうけど、そこそこには吹っ切ったつもりではある…

まぁ、彼女なんて…私もある意味元彼女いわゆる元カノだし…

元カノとよりを戻すことだって…とか考えてしまうのは仕方ない

賢人と紗夜ちゃんの事はショックではないと言えば嘘にはなる

これでも彩ちゃんや花音に物凄く心配されるくらいには落ち込んだ

 

なにより一番落ち込んだ原因が

 

レオンだった

 

(彩ちゃんも気づいていたのに…)

どれだけ本質を見ていなかったのか?

浮かれていたの?

悔やむことは多い

だから私は物凄くあっさり敗けを認めてしまった

今もどこか心配をさせる弟みたいな初恋の人を見守ることにした

 

けど

 

「賢人!なにご両親に結婚の承諾みたいになっているの?」

紗夜ちゃん日菜ちゃんの両親と賢人の会話がふと耳に入った…

日菜ちゃんが日菜ちゃんらしからぬ…表情が抜けた顔をしてるし

(…これはまたやらかしてるわね)

賢人と紗夜ちゃんが正式にお付き合いし出してから、日菜ちゃんの様子がおかしい時がある

丁度今みたいに表情が抜け落ちている時がある…

(まだ瞳に光が入って無い方がましよね?)

日菜ちゃんの中では整理が追い付かないのかも、こればかりは頭ではなく心の問題だから

賢人のように心が極端な上に他人をあまり気遣わない人間を装った心さえ頭で理解してしまった人間(天才)と同じようにはいかないのは正直友人としてほっとする

「そ、そうだよ!ケントくんはうちに入り婿かマスオさんじゃないとダメだよ♪」

いつもの少しいたずらっぽい笑顔になった…

「なにより、おねーちゃんはまだ学生なんだからね!千聖ちゃんはともかく!!」

『私(僕)も学生(だ)よっ!』

残念ながら私は賢人や紗夜ちゃんと違う大学を選んだ、外語に強い学校、賢人のおかげで海外()に目を向けることにした、あんな出鱈目な英語でもなんとかなる世界なら、ハリウッドなんかを目指しても良いかもしれない、そして何故か彩ちゃんと日菜ちゃんがついてきた

羽丘は賢人の大学の推薦枠がなく「あたし一人分でもおねーちゃんの合格率をあげるんだ♪」と他の推薦枠を使い私や彩ちゃんと同じ大学に進学を決めた。ある意味紗夜ちゃんを軽視してそうな発言だけど、日菜ちゃんはそんなつもりは全くなく、本気で紗夜ちゃんを想っての発言なのを紗夜ちゃんを含めてみんなは知っている

ちなみに私と彩ちゃんも花咲川からの推薦枠で合格している、パスパレで残るのは麻弥ちゃんだけど、麻弥ちゃんは賢人さんと同じ大学の工学部の合格発表まちだ

美波さんや文香さんというアイドルも安心して通える大学というのは麻弥ちゃんにはかなり良いイメージを与えたみたい

賢人に言わせると

「設備が随時最新に更新されるから、麻弥ちゃん好み」

文学部の賢人が工学部に入り浸る要因であり、麻弥ちゃんも音響設備だけではなく機械全般に造詣が深いからかかなり進学に意欲をもって勉強を頑張っていたわ

 

…ん?なにか引っ掛かるけどまぁ大丈夫…よね…?

 

 

(しかし、よくあの賢人が紗夜ちゃんが受験生なのに付き合い始めたわよね?)

賢人はあれでというかあれだから、一般常識に縛られやすい。

偽善者を名乗るのもその一般常識を徹すための大義名分

そんな賢人が『大学受験控えているのに…』を破ったから私や杏子さんは何事かと思った

メンタルが何気にRoselia最弱(僅差でリサちゃん友希那ちゃん)だから逆に受験のために付き合いだしたのかとも私達は思っている、とにかく賢人は甘いから

 

でも、受験結果が出る前からなにを言い出すのかしら?

 

 

 

-卒業式から数日後の某大学事務所前

 

「これで来月からは先輩後輩ですね」

受付を終えた紗夜が不満気に少し嫌味を含んだ物言いになってる

折角合格したのに、紗夜がやらかす不安から入学手続きまで確り見届けたのが不味かったらしい

いつものカフェテリアで休憩がてらお茶をしていた…いつもと違い何か寂しい感じもしている

 

「これでジブンも柴田さんの後輩です」

紗夜も麻弥ちゃんも合格していた、学力に関してはこの二人はあまり心配していなかったけど

紗夜はやらかす時があるから少し心配しただけだし…

澄子さんや誠さんは合格までは心配していなかったけど

『賢人くん、悪いけど手続きまで付き合ってね!絶対なにかやらかすから』

と頼まれてしまったのだから仕方ない

まぁ最悪合格はしてるから手続きが一日遅れても何とか出来ると思う

こう、「うちの院にすすもーかなー?、よその院にいこーかなー」とぼやくと良いらしい

うちの教授(先生)がにこやかにそんな事を吹き込んできた

なんか怖いのでやらないに越したことはないから、今日は手続きまで確り付き合った

大学の自販機なのにSAとかにある本格ドリップコーヒー販売機が置いてあったりなにかと凄いこのカフェ

合格発表で人が来ると見越して営業をしていて、お気に入りのコーヒーと紗夜のクッキーで僕はご満悦だったけど…

「これで、パスパレもRoseliaも全員進が……あれ?」

何か忘れている

…えーと…こう、友希那の保護者とか、あと他にも月とか海とか儚いとか…

「紗夜…」

折角のコーヒーが不味くなりそうなのを覚悟を決めて

「僕、多分何か忘れてるよね?」

「どれでしょうか?」

にこやかに応えてくれるけど、『どれ』と言うことは多数あるし、思い出せと言葉の外で言われてる

「まず、友希那の保護者とか、儚いとか、海とか月とか…逆か?月とか海とか??」

紗夜だけではなく麻弥ちゃんにまで盛大に溜め息をつかれた

 

「花音さんは教え子でしょう!?」

…花音ちゃんは全く心配していないから忘れていた、当日試験会場までたどり着けるかだけが心配で送っただけだ

「確か…千聖(ちさっ)ちゃんと同じ大学(ところ)だったよね?…えーと麻弥ちゃん?」

「千聖さんから花音さんも合格だったと来てますよ?」

二人で合格発表に行っているとは思ったけど正解だったようだ

花音ちゃんは推薦の締切まで迷い続けてそのまま推薦枠を逃した

ここまで迷子スキルを発揮されると本当心配になる

「僕のLINEにはなにも来てない…」

…相変わらず皆に嫌われているのだろうと悲しくなる

 

「瀬田さんは弦巻さんの伝で海外留学の準備をしていると聞いてますよ?」

流石薫のよき被害者、良く把握している

「友希那の保護者は?」

恐る恐る聞くと

何故かまた二人に溜め息をつかれた

「賢人さん?いい加減リサの名前覚えてください。青葉さんの保護者とか友希那さんの保護者じゃなく…」

「覚えてるよ?こっちの方がしっくりくるし…」

そう、本人がいればちゃんと名前呼べる、この間も呼べたし

「それに友希那さんの保護者というより友希那さんの介護人?」

紗夜も酷い…

「あれ?友希那はあれだよね燐子と同じ大学だっけ?」

確か奇跡というか、一芸推薦で音大に進む、燐子もまた始めたピアノで推薦を決めている…Roseliaすごいよね

で、介護人もといリサちゃんは?

「リサは…」

言い淀む紗夜が告げたのは

「無意味に大学に行くより、好きなことのために手に職をつけると調理師の専門学校に…」

なぜ言い淀んだの!?

紗夜は杏子と同じく司法の道に…

あ、僕か…好き勝手しつつ運だけで生きてるからなぁ

耳が痛い

「まぁそろそろ本当にやりたいことは見えてきたんだけどね」

それはまだ言えない

この僕でもやりたいことが見つかりそうだし、夢もなんとなく出来た

彼女たちに出会えたからだろう、それだけはわかる

 

「そうだ、紗夜。卒業祝と合格祝いね」

用意していたものを紗夜の目の前に置く

「わ!こ、これは!!」

麻弥ちゃんが真っ赤になっている、なんで??

「これは?」

皮の台座に銀の星のキーホルダーごとそれをつまみ上げる

「部屋のスペアキー、このタイプは複製するのに付け替えるくらいの金額かかるから二本のうちの一本」

大小の穴が特徴のディンプルキーに波が入っていて複製は難しいタイプ、鍵にも拘る所はあのオーナーらしい。

マンションの鍵も同じディンプルキーだけど向こうのは若干短く波もなく複製がまだ楽な汎用性が高い物だった筈だ

「私が言いたいのは、何故賢人さんが普段使っている方の鍵なのですか?という事です」

目敏い

「この場の思い付きでしたか?」

これはちゃんと理由がはっきりするまで誤魔化せない

付き合うようになり物事に対する追求は容赦がなくなった

仕方なく用意していた方のラッピングされた袋を机に乗せる

「あることに気付かなくて、こちらを用意してた」

紗夜が失礼しますと袋を開けると

真新しい同じ鍵とそれを繋ぐ短い銀鎖の先には深い青い石で作られた星がついた銀のピン

女性の鞄の中で鍵固定し、取り出すのに便利なアイテムを見つけたので用意したけど…

「気にしなくていいのに…」

紗夜がそちらを机に置くと先程渡したものを返してくる

「タイピンとは全然違いますよ?」

そう、紗夜に貰ったタイピンをふと思い出したから、なんか被ってないかなとやめようとしたけど大事そうにしてくれている

どうやらまた間違ったようだ

紗夜には間違ったら教えてもらうことを付き合う前から約束している

「もっと早く紗夜に会えたら良かったのにね」

冷めはじめたコーヒーの残りを飲みながら、今更ながらの素直な感想(気持ち)だった

その言葉に紗夜が少し考えて…

「もし、れば、たら、は私も思うことはあります。でもそれでは先を見据えることが出来ません」

紗夜でもそんなことあるんだと言いそうになったけど、思い出すと紗夜も後悔していることはある

「それに、早く賢人さんと出会っていたら、確実に毛嫌いして今のような関係はありえませんでしたよ?」

そんなことを言い出す

紗夜が言うならそうなのかも…とは流石に思わない

「それこそ、ればたらだ、僕は紗夜に会えば絶対この関係を掴み取った筈だよ」

そう思わせてくれた大事な人だから

「前にも言いましたが、私かなり面倒くさくて難しいタイプですよ?」

それは良く知っている

「紗夜だからね」

「もう…」

分かっているから言葉だけで怒る

実は素直で優しい面が強い、だからこそ人を傷つけた倍以上に傷つき、更に自分を責めるような女性だ…お互い生きるのには不器用すぎる

残りのコーヒーを飲もうと…視界に

ん?

「…」

あ、麻弥ちゃんが居たの忘れてた

顔真っ赤にして、視線が安定していないし、何かぶつぶついってる

「…」

紗夜も流石に恥ずかしくなったのか僕を睨む

 

僕が悪いの??

 

このあと花音ちゃんの分を含めて千聖ちゃんに罵られた

新しい世界の扉は生憎無かったけど

友希那といいどうして遠慮がない女子が増えてるかな?

 




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