いぬの生活   作:アスラン

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今回もよろしくお願いいたします。


十二話:教育実習編「「「七深(ちゃん)!?」」」

―6日目

 

隔週土曜休みというのはゆとりだけだった!!

まぁゆとりじゃないんでうらやましかったけど何か?

「もともと月ノ森(うち)はずっと土曜は半日でしたよ?」

月ノ森(ここ)出身のOGな人も教育実習ではもちろん来るわけで、昔は男性の実習生の受け入れなんかも無かった話をしてくれた

 

一週間もすると多少は話せる人も増えてくる。向こうが大人なので話してくれてるんだろうね

そう考えるとバンドの子達はみんな大人だよね?やっぱり人生経験が違うのか…

 

しかし羽沢珈琲の珈琲で情報がもらえるんだよ!

マスターがなにか危険な薬物入れてないといいけど!

いや、僕が常飲してないと落ち着かないから勝手に言ってるだけだけど

 

「でも、柴田くんみたいな人は絶対前例は無かったと思うよ?」

この人は大学行って気安く(軽く)なったのかな?月ノ森(ここ)のOGだよね?

「そんなことはないと…」

「駐車場でソロキャンしだす人は普通はいないよ?」

うっ、珈琲が切れたから駐車場でコンパクトバーナーにケトルのせてお湯沸かして珈琲淹れてたら教頭先生が飛んできた…煙なんか出てないしロードスター(愛車)の影でしてたのに何故気づかれたんだろう?ゆるふ…広町さんが興味深げに見てただけなんだけどなぁ?

僕的には理科室のアルコールランプは駄目だろうなと気を利かせたつもりだったのに…(高校時代よくやったよね?インスタントラーメン作るために?)

まぁお陰で給湯室の使用許可貰えたのは良かったけど…先生達にまで珈琲を振る舞うことになってしまったのは解せないけど羽沢珈琲の宣伝になるからまぁいいか

 

…しかし翌日また数名の生徒が駐車場に出没していたのはなんだったのだろう?

 

「柴田くんは人気取りの仕方が奇抜というか汚いよね?」

草加(仮称)さんはもう仮称なしでいいかもしれない、でも、根はいい人なんだよな…

しかし回りに非難するような視線を向けられて僕のせいだとばかりに睨んでくるのは心が強いなぁと感心する

「せめてあざといにしといた方がよくない?」

あざといって…

「それはなんというか、女性に向ける言葉のような気がするのだけど?」

そこら辺を気にしてくれる辺り根は悪い人ではない

「柴田くんなら可愛いしいいんじゃない?」

よくないよ?

ここの生徒さん(元を含む)は、どうして僕を可愛いと認識したがるのだろうか?

…身長かな…

泣くよ?

「柴田さん?生徒さんが質問があるそうですよ?」

丁度帰ってきたマヤさんが生徒の来訪を教えてくれる。

土曜の昼過ぎ、まだ残っている生徒がいるとはみんな真面目だよね、生徒さんは二人、入り口に急ぎ声をかける

「二年の津田さんと風間さんですね、入りますか?」

確かに受け持っているクラスの子なので、中に通して入り口に近い席を勧める

「本当に全員覚えてるのね?」

なんて声が聞こえる

「初質問訪問は柴田くんだったかー」

競争でもしてたのかな?また草加(仮)さんの支線が刺さるんだけど

 

で、生徒さんがその視線を見て黄色い声をあげてるんだけど?

草加(仮)さん人気あるよね?

 

質問はそんな大したものではなかったので案外早く終わってしまった

「ありがとうございました」

「いえ、またなにかありましたら」

「はい!是非また!」

質問に満足してくれたのか生徒さん達はにこやかに帰っていく

「帰り道お気を付けて」

と背を見送ると、悲鳴をあげられた…泣ける

「柴田くんは人気だね?」

今悲鳴あげられたんだけど?

軽く精神的負傷を負っているところに止めを刺された

普段なら気にしないけど、流石に悲鳴は…

「…もしかしてかなり鈍い?」

そんな言葉まで聞こえたような

 

 

 

「せんせー?まだ帰ってなかったんですか?」

他の教員もかなり減り、車もまばらになった駐車場でのんびり愛車のチェックをしながら時間を潰していると楽器の入ったケースを持った一団が校舎から手を振っている…

(えーと、ゆるふわちゃんに桐ヶ谷トーコに二葉さんとゆきんこか)

軽く手を振りかえすと、何故かこっちに来るとか言い出したから何の用だろう?

「今日はどうしましたか?」

ゆるふわちゃんが先頭でやってきた、そう言えばバンドしてるとか言ってたような

「桐ヶ谷さんがギターでしたよね?」

トランクからアウトドアテーブルを出しながらケースを見る…みんな色々なの使ってるよね

「せんせー、こんなの持ち歩いてんの?」

ベンチに腰掛けながら同色のテーブルをを指差す

「なんとなく要りそうですから」

シングルバーナーをテーブルにのせて大きめのケトルでお湯を沸かし始める

「この間のとは違いますね?」

ゆるふわちゃんはまた興味深げに見てるけど

「…先生?」

他の三人は若干ひきつってる?

「どうしました?」

トランクからハンドル付きの紙コップを取り出す(最近消費が激しい)

「なかなかこういう経験はできないかなーって、るいるいいたらまじやばだよね?」

るいるい?メンバーは多いのかな

「広町さんがベースかな?」

珈琲の準備は終わっている、あとは沸くのをまつだけだし、教生の先生らしく生徒さんと話をすることにしてみた

「はい!ベースしてます」

嬉しそうに先生と一緒ですよ?なんていってるからあのヘッドレスベースを使ってるのだろうか?

という事は…

「ふたりでツインボーカルなのかな?」

るいるいさんとやらががドラムだろう

…と思ったら

「先生、私はドラムでましろちゃんがボーカルです」

どうも僕の回りでは背の小さい子がドラムを叩く傾向があるようだ、あこちゃんとか花音ちゃんとか…いや、他が大きいんだみんな!

巴もますき(お嬢)も大きいよね?あれ?でも沙綾(パン屋)ちゃんと麻弥ちゃんは普通か…

「先生どうしました?」

ゆきんこがおずおずと聞いてくる

「ドラムって大変だから凄いなっていつも思うんだよ」

リズム隊の要

弦楽器が大好きすぎる僕でもあのドラムと言う要の楽器は尊敬している。

ますき(お嬢)のドラムも麻弥ちゃんのドラムも本当凄い

巴も凄いけど、その巴を一番格好いいと言うあこちゃんの凄さをこの間花音ちゃんに教えられた

「二葉さんすごいね」

ドラムを叩くだけでも凄いことだと認識している僕は、ただただ二葉さんに感心してたら、タイミング良くお湯が沸いたので慌ててサーバーの上に置いたドリッパーのフィルターに豆(羽沢珈琲ブレンド)を入れ淹れていく

「手慣れていますね?」

「珈琲店のマスターに仕込まれたからね」

外での煎れ方なんか普通教えてないと思うとは誰も突っ込まないあたりいい子達ばかりだ

サーバーから紙コップに分けて、クッキー(いつもの青いの)をつけて出す、スティックシュガーと粉クリームと植物油のクリームも出しておく

「まるでオープンテラスの喫茶店じゃん?」

桐ヶ谷トーコは口調がかなり砕けてきたみたいで少し嬉しいかも?

「シバタ珈琲月ノ森店ですね」

ゆるふわちゃんにどこかのチェーン店みたいな名前にされてしまったけど、あんトーストどころかクッキーしか出てこないよ?

「え?なにこれ?羽沢珈琲と遜色無い?先生すごすぎない?」

桐ヶ谷トーコは羽沢珈琲を知ってるみたいだ。

「バンドしてるから、羽沢珈琲知ってるのかな?」

Afterglow(アフロ)の本拠地だからね

「あたしのギターの先生が羽沢珈琲の娘さんと懇意にされてるので、よくお邪魔しています」

どこかで聞いたような?

「桐ヶ谷さんはどなたかに師事されているんですね?」

すると自慢するかのように胸を反らし

「はい!凄い人達に教えてもらってます♪」

綺麗なドヤ顔は初めて見たかも

「透子ちゃんの先生は凄いですよ!」

二葉さんまで何故ドヤ顔?

「柴田先生もCiRCLE使われるんですよね?私達は主に学校の空き教室を許可をとって使用させて頂いていますけど。私達もたまにCiRCLEは利用させて頂いています、その時の縁もあって…」

二葉さんがリーダーらしい、本当に委員長体質だね

「柴田先生は『Roselia』ってご存…」

「トーコちゃんの先生の氷川紗夜さんは柴田先生と仲が良いですよね?」

その場が一瞬だけ空気がかわりかけた?

「仲が良いかと訊かれると、面識もそれなりにありますしそうですね」

ありのままに答えると

「そうなんですね、ロードスター(この子)の助手席によく乗ってるのを見た気がします?」

本当洞察力と記憶力がすごいね、でも

「それは多分…紗夜さんの妹の日菜さんですね。仕事の関係で送迎もしたりしていますから」

レオンさん絡みや、レオンさんが運転してる時じゃないかな?

「パスパレの仕事してるの本当なんだー、先生何気に業界の人?」

なんて言われるけど僕はそう思ってないし、正確には

「パスパレの仕事と言うか、パスパレの所属事務所でお仕事いただいてますよ?」

一応訂正をしておく

「先生になら無くてもいいんじゃない?」

なる選択肢は一応作りたいんだけどね?

「資格はあっても損はないですからね、みなさんも取れるものは取るといいですよ?」

少し先生らしいことを言うけど、同級生(新田さん)の受け売りだね

「でも先生はスタジオ経営も任されそうですし。特許もいくつか取るつもりですよね?最悪白鷺さんの婿の道もありますよね?」

一気にとんでもない物を投げてくる、まって?最後のなに?なんで千聖(ちさっ)ちゃんの婿なんてでてくるの??

「あとは、弦巻さんのおうちとも繋がりがあるし?…あれ?」

ゆるふわちゃん?

「「「七深(ちゃん)!?」」」

「あれ?私何か変なこと言いました?」

…怖いよゆるふわちゃん…

お陰で待ち人が来る前に閉店(解散)になったけど

その際にも

「恋人さんの新田さんが来るんですね?」

なんて言い出す

「本人の名誉のためにそこは違うとちゃんと言うよ。ゼミが一緒の同級生だよ」

 

何故かゆるふわちゃんと桐ヶ谷トーコと二葉さんに盛大にため息つかれたんだけど?

そういえば、ゆきんこは全然会話してなかったような?

人見知りされたかな?

 

 

『と言うことがありました!』

ずっと誰も何も言わないと言うか

「え?その会議室での内容って?」

賢人くんから聞いている内容と相違ないんだけど??

『ななみが調べてきましたけど?』

怖いね、怖いけど…良い子♪

『美波さん?』

気にしないでください、賢人くんに聞いてるのとほぼ間違いないですよ?

…最後のくだりは聞いてないけど♪

『で、先日の事が気になってうちのメンバー一人呼びましたから』

新しく入ったつくしのアイコンって…

『リーダーです!Morfonicaリーダーでドラム担当の二葉つくしです。よろしくおねがいします』

真面目な子みたい?

『なんだっけ?アレになにか言われたんだよね?』

みんな次の言葉に構えると

『アレ?トーコちゃん!何回も言うけど先生なんだから、村上先生って呼ばないと駄目だよ?!』

『『『「村上なんだ!!」』』』

ここ数日のみんなの疑問が解けただけでも有益だったかも

『いやー、でもふーすけもアレの言葉真に受けて柴田先生困らせたりよくするよねー』

だから先生をつけて!と注意してるけど…

『つくしちゃん(笑)アレ先生になるよ?(笑)』

みんな突っ込まなかったのに…

 

結果…

賢人くんに会いに月ノ森に行ったのはうやむやになった

けど

村上さんがつくしちゃんになにを吹き込んだのかもうやむやになった

え?村上さんって?

草加(仮)ですよ?

 




読了ありがとうございます。

あとはるいるいだけw
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