いぬの生活 作:アスラン
ここまでサルベージできましたw
あとは…さて書くか!!w
よろしくお願いします。
「すごいレベルだろ?友希那」
わざわざ新幹線を使ってでも、お父さんはこれを見せたかったのね
私と同年代でかなり弾けている子達が多い
コンクールかと思っていたら、ピアノスクールの発表会みたい
お父さんが手に持つプログラムを覗くとどうやらスクールの生徒のある意味順位発表の場でもあるみたい
後ろに在籍年数が書かれているのがなかなか悪趣味よね
驚いたことに、今現在でまだ中盤位らしい
どれだけ優秀な生徒が多い?と思いつつおかしな事にきづきお父さんからプログラムを貸してもらう
(なぜ在籍年数がここだけおかしいのかしら?間違いかしら?)
中盤以降の生徒の年齢と在籍年数が周りと比べて若い、若いと言っても私と変わらないのだけど…
初盤が幼小の部とすると中盤は中学生や高校生になるはず、年齢と在籍年数は同じくらいになるはず
なのに…小学生の中学年あたりの生徒が中盤以降に名を連ねている
周りに比べても在籍年数も少ない
そんな事が気になっていると、お父さんがつけたのか印がついている生徒が二人
(私より二つ上と三つ上…)
名前が
(みつふじあんこ?しばたなんとかじん?)
二人とも変な名前だ…だから印がついているのかしら?
「友希那どうした?」
印の意味が気になりお父さんを見ていると視線に気づいてくれた
「この印は何?」
プログラムのその部分を見せる
お父さんは嬉しそうに
「今日
と教えてくれたけど
(へんな名前?だからかしら?)
私は肝心なところを見落としていた
この二人の在籍年数もだけど学年がおかしいことに
プログラムは滞りなく進み
目的の二人のひとりめ
みつふじあんこの番が来た
(紅い…薔薇と言うより炎…焔ね)
え?なんでそんな漢字を知っているか?
格好いいからに決まっているわ
でも『賢』が読めないのが少し悔しい…
その後『
まるで読めなかった私が賢くないみたいだから
それに、『けん』なのになぜ『まさ』と読ませるの?
なら『人』も『ひと』と読ませて『まさひと』でいいじゃない?
『まさと』ってなんなのよ?
…今でもリサをはじめとして『ケント』の方が格好いいと言う人がいるけど
くやしいけど『まさと』ってなんか雅よね…格好いいと思うわ。
くやしいから私は『しばたまさと(ケント)』呼びをやめるつもりはない
その『柴田賢人』の姉である、
お父さんが気にしたのも少しわかった、そうなると、しばたなんとかひとはどんな演奏をするのかしら?
もう一度プログラムに目を通して私はようやく気がついた
(え?周りが…高校生?)
そう、三藤杏子で高校生と中学生が混在したグループが終わり高校生ばかりになっていた
そう、あの二人というか、あの二人と同期であろう生徒達は小学生ながらに中学生や高校生を押し退けるレベルと言うことになる
(これが見たかったの?)
この教室自体のレベルも高く思えるのに、先程の三藤杏子は異質なほどの演奏を魅せた
(なら、このなんとかひとは、、、)
出てきたのは
(私と同じくらい?)
無表情で体格的にはどこも特徴がない少年だった
緊張でと言うより、もともと無関心なのか表情がない
変な人気があるのか、舞台下に花束やらもった人達が集まっていた
それにさえ興味がないのか…クールと言えなくもないけど、いやあれは
「噂ほどじゃないのかな?」
そう、緊張を誤魔化しているのだ、視界にいれず情報量を極端に減らす
私にわかるならお父さんにはバレバレだ
「ほう」
椅子の高さ調整が終わり、鍵盤の前に座るなんとかひと
お父さんが感心をもらした、何がわかったの?
「友希那よくみておくんだよ」
そんなことを言われると私が緊張してしまう…あれ?なんとかひと緊張していない?
静かに滑らかに走り出す指先…
「なにを?」
はや、速すぎる?
早弾きというのがあるけど、その度を越している…まさに速弾
「あの早さでミスタッチなしか」
この速さは音楽への侮辱では?
と思っていたら一曲が終わっていた、本来4分から5分の曲のはず
(なにこれ?これは音楽でも表現でもないわ…)
音の出る倍速動画だ、ピッチを高くして遊んでるみたいなものだ
「あの歳で超絶技巧とはすごいな」
確かにミスタッチなしであの速度はすごい、けどなにか面白くない
二曲目にはいる、また更に速く弾くのかと思えば
普通に弾いている
しかし
(上手い、でも巧くはない)
譜面を間違いなくさらうだけ
まださっきの速弾の方が印象が強い
「彼は音楽には向いてないな」
お父さんの評価はそれで終わった
そして私もそれで興味が終わるはずだった…
「?」
演奏が終わると、それに合わせて
舞台袖では講師の先生達が慌てているみたいだ
「まさ、やるわよ、合わせてよね」
その言葉に無表情なしばたまさ?が嫌そうな顔をつくり意思をはっきり伝えているがおかまいなしで紅い子はバイオリンを構えると…
「あの子はバイオリンもかなりのレベルだったのか…」
お父さんは三藤杏子にかなり興味を持っているようだけど
「なによ、楽しそうに弾けるじゃない…」
私はしばたまさなんとかに興味を引かれた
お父さんにならわかると思ったけど、お父さんは変に頭が固いから自分の中の評価を変える気がないからしばたまさなんとかの演奏を無視しているのかもしれない
「…」
悪く言えば自己主張がない
良く言えば異常なほどの協調性
気持ち悪くなった
周りを気にして周りに合わせて自分を殺し、自分以外のために音を奏でている
(…偽善)
しかし、その音の中に何かが潜んでいる、私はそれが気になっていた
そして、その上っ面の演奏の中に潜むなにかとの温度差に
(…気持ち悪い)
言い知れぬ恐怖も感じていた
「あんなのに負けているなんて」
近くからそんな声が聞こえる
年齢は舞台にいる二人に近そうな年頃の子とその兄の高校生だろうか?
「あんな卑怯なやつ、やめさせてやりたいのに」
男の子が悔しそうに言う
(卑怯?)
「まぁ、譜面みただけで弾けるのはチートだわな」
(…)
「でも、それが出来る基礎があるのは本物じゃないのか?」
兄の方は比較的常識人というか…
「でも…僕たちより後に入って…」
「まぁ、大先生にたまに指導してもらってるからなぁアイツ」
「だよね!ずるいよね」
しばたまさなんとかのレッスン風景を知っているのか擁護はしないけど否定も侮蔑もしない
「お前、アイツの早弾きできるか?」
「…あんなのできるわけない」
「俺でもミスタッチ無しは多分今はできないな、でもアイツより順番は後だぞ?」
(…ここの生徒は質がいいのね)
自分の弟に諭してはいないけど、しばたまさなんとかを卑下することなく実力を評価している
「それに、大先生だからなアイツに早弾きさせてたのは」
(…大先生?あのお婆さんかしら?)
「…ずるいよね」
「それに関しては俺もちょっとは思うけどな、大先生に見てもらえるなんて羨ましいよな」
そんな話を聞きながら
傍目にはピアノ教室の発表会でバイオリンとの協奏曲を披露するというパフォーマンスを見ていた
(あの紅いの…過保護すぎよね)
技術はあるのに演奏を楽しめていないまさなんたら、長いのでシバマサと仮称する、の評価を上げようとしての奇策だろう
(逆効果だったけど…)
紅い子の評価が上がっただけよね?
私はお父さんに席をはずすことを伝えると「一緒にいかなくていいかい?」と幾つだと…いえ、デリカシーの問題よね?
私はロビーに出るとある場所に向かった…
(居た…)
来る時にもあの紅い子はみかけたのよ、多分演奏が終わって同じところにいると思ったら当たっていた、そしてシバマサもやはり居た
「まさ、あんたねぇ。もうちょっとこう溢れる
情熱だだもれのような子ね?
そして…
「え…?」
落ち着いた自然体のシバマサに目を奪われた
読了ありがとうございます。
つぎはMorfonicaの続きだと思います
またよろしくお願いします。