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さて、本編どぞ
アリス イン ワンダーランド
此処はとある森にある洋風の家の居間。
そこには、羽の生えた少年と人形を操るの少女がいた。
一方は髪は金髪で赤のカチューシャがよく似合う。水色を基調としたワンピースに腰回りに大きなピンクのリボン、さらに白のストールを留めるように小さなピンクのリボンが首回りにもう一つ。全体的にヒラヒラとした服装は少女の白磁のような素肌によく映える。加えて、無表情な顔から正しく人形のような美少女という印象を受ける。
その少女の双眸は静かにもう一方の少年を捉えている。
その彼はというとあどけなさが残る幼い顔立ちに黒色の虹彩の瞳と薄紫色の髪という容姿である。だが、紺色のロングコートを羽織り、肩甲骨辺りから黒色の羽が生えている姿はただの少年というには違和感を感じる。しかし、態度は少年のように忙しないようだ。
さて、彼と彼女が話している内容はというと…
-Side Alice-
私の名前は、アリス・マーガトロイド。魔法の森に住む七色の人形遣い。
今は人里の帰りに魔法の森で倒れていた少年と話をしているところ。
見たところ妖精のようだけど巻物の形をした魔導書と思しきものに強大な魔力を持っているところを見るに魔法使いであると推測できる。言ってはなんだが、妖精は基本的に知能的能力が人間の子供程度から成長しない。にも関わらず、彼は研究を生業とする魔法使いであるのだ。好奇心が疼かない訳がない。
さらに、彼の持つ巻物は根本的に私たちの使う術式とは似て非なるものであることか。通常、魔法とは師弟で相伝され、独自の進化を遂げるものだ。それはさながら木の枝の如く枝分かれしていくもの、それでも必ず共通の基礎がある。それが異なるということは、大昔に枝分かれしたものだろう。魔法を模した秘術ではないことはわかる。私はかつてアレに似た術式を見たことがある。ならこの少年は…。
「おーい、アリスー聞いてんのかー。そろそろ俺でも泣いちゃうぞ! 無視、ダメ、絶対!」
少年が両腕をクロスさせて目の前を飛び跳ねている。集中しすぎて話を聞かなくなるのは私の悪癖なのか、魔法使いとしての性なのか。
「つまり、あなたは記憶喪失だと。あなたの近くに落ちていた呪われた巻物にも見覚えがないと。そういうわけね」
「さっきからそう言ってるだろ! まあ、アリスは可愛いから許すけどな!」
彼が本気で褒めていることぐらい人と関わり合いの少ない私でもわかる。まあ、この程度でどうこう思うほどではないが、少しだけ、気恥ずかしい。
「そ。 急に質問責めにしてごめんなさいね」
少し素っ気なくしてしまった。少年相手でも恥ずかしいものは恥ずかしいものだ。
「ああ、全くだ!」
まあ、彼はそんな些末なことは気にしないでしょうね。
少しの間だが、彼と話してみてわかったことがある。彼は素直だ、感情的すぎるほどに。おおよそ、魔法使いらしからぬ性格だ。おそらく、あの巻物は彼の師が書いたものね。彼自身に巻物と同様の体系の術式がかけられていることからもわかる。…双方とも解析はできそうもないが。
「ふぅ…わかったわ。私が気づいたことはあなたが単に自然発生した妖精ではなくおそらくは妖精の魔法使いであるということ。もっといえば、保有魔力量が異常だということね。それと、あなた自身になんらかの術式がかけられていると、いったところよ」
「何で魔法使いだとか、どんな術式だとか教えてくれねえのか?」
妖精にしては理解力はあるみたいね。素のステータスも高いみたいだし、磨けば光るかもしれない。妖精に魔法使いの素質だなんて無駄以外の何物でもないと思わなくもないが。
「魔法使いであるかはこれから証明するわ。術式に関しては根底から微妙に私の知る基礎と異なることと高度な隠匿性から解析は無理ね」
「なんだダメじゃん。まあいいや! で、証明って?」
「そうね、この巻物はおそらく師から弟子に伝える魔導書の一種。それも、持ち主を選ぶ所謂『呪われている』巻物。これにかけられた術式とあなたにかけられた術式が酷似していることから、あなたの魔導書のはずよ。あなたがこれを開くことができれば、その推測を証明できるってわけ」
こんなものを作るための素材が手に入る場所なんて私の知るところじゃ一つしかないわね…久々に戻ろうかしら。
…魔道書が力を持つことはよくあることだけどやっぱり特殊ね。これは…神力?
「さっきから思ってたけどよ、紙がねえのに巻物ってそれただの筒みたいなもんじゃん。 実は、アリスって…馬鹿なのか?」
こういうとこは妖精らしいわね。都会派の私はこんなことで目くじらを立てないけれど。
「とにかく、側面をつまむようにしてそのまま引いてみて」
怒ってなんてないわよ。ええ、決して。
「全くアリスはバカだな〜、そんなんで...ってなんか浮き出た! オッサンも出てきたし、すげえ!!」
『ん?ここはどこだ?私は...誰だ?』
「術式を直接封じているから紙は必要ないし、劣化もしない上に検索もできるといったところね。その人はおそらくあなたの師ね、私には見えないけれど話しかけ…」
\スゲエ/\パネエ/\ヤベエ/「…そう」
これで証明できた…彼の師が発展させたと思しき術式が使えれば、私の目標の一助になるかもしれないわね、このままうまくいけばだけど…。
「なんかオッサンも記憶がないってさ!」
『少年、君は何か知っているか?』
ままならないものね。でも、解析は時間をかければできるでしょうし、焦る必要は…。はあ、またガラスの割れる音がしたわね。いい加減に私の家のことを配慮してくれないかしら。
「こんな時に…玄関から入りなさいって言ってるでしょ、魔理沙」
ああ、この後の展開が予測できるわ。部屋に男女が二人きりってとこからとんでもない愚考を巡らせるに違いないわ。
「それはできねえ約束だぜ! で、アリスは人形じゃ飽き足らず、妖精にまで手を出し始めたのか?…いくら人肌恋しいからってそれはないんじゃない?」
ほら、ね。で、二言目には…。
「おっと、少年! アリスが欲しけりゃ私と弾幕ごっこで勝負だぜ!」
「ハァ…いい? 彼女…魔理沙の言うことは真にうけちゃだめよ」
彼女は、霧雨魔理沙。私と同じ森に住む普通の泥棒。黒色の三角帽子に白黒のエプロンドレスは紛う方無き『魔女』。
彼女が影の努力家であることは知っているけれども、人の家に突っ込むのはどうにかならないのかしらね…行動力という点に関しては称賛に値するけれど。
「おっ! 受けて立ってやるぜ! …で、弾幕ごっこってなんだ?」
『弾幕ごっことはどのようなものだ?』
こっちを見ないで欲しい。
「ハァ…教えるから待ってなさい」
全く世話の焼ける妖精だと思う。
「おいおいアリス、さっきからため息ばっかりじゃないか! そんなんじゃ幸せが逃げるぜ! なっ、少年! …そういや名前はなんつーんだ?」
「そうだぞアリス! ちなみに俺に名前はねえ! ついでに、記憶もねえ!」
『私にもないんだが…』
全く誰のせいだと...そういえば彼には名前がないのか。
\オッサンはオッサンな!/
名前は個人を示すもの。もちろん、魔術的な意味も持つ。名前はそのままその人物の個性となる。意味のある名前は人生においての
「そう、あなたの名前はここで決めましょ。どうせ必要になるものだしね」
「じゃあ、アリス! 名付けてくれ! アリスっていいやつだしさ!」
『少年、オッサンではなくせめてお兄さんぐらいに…』
「言い出しっぺの法則だぜ、アリス」
まあ、こうなるでしょうね。一応、人形を作るときに考えた候補はあるから…
「ライ、ライ・フローライトとかどうかしら?」
「ん? 幻想郷風じゃないのな」
「かっこいいじゃん! じゃあ俺はこれからライな! 『では、私はフローライトと…』よろしくな、アリス、魔理沙、オッサン!」
ふふっ、嬉しそうな顔、可愛いところもあるのね。男の子っぽくてボツになった名前だけど覚えておいて良かったわ、今の彼にピッタリ。
「おっし! それじゃあ、弾幕ごっこしようぜ! ライ!」
「その前にライには弾幕ごっこの説明する必要があるわ。説明の間は魔理沙は窓の修復してなさい」
実際に魔法を使ってみれば、記憶が蘇るキッカケになり得るかもしれないしね。
「流してくれると思ったのに、そりゃねえぜ…ところで、その魔導書とライの言ってるオッサンって誰のことだ?」
「…その説明も一緒にするわ」
「そういや、魔法って何なんだ?」
『私はいくつか知っているぞ』
前言撤回、前提が間違っているって…。
でも、意外と物分りがいいから今回は諦めて弟子にしても悪くはないわね…。これで、記憶の回復、ひいては魔導書の解析につながるかもしれないし。
「オッサンが出来るって!」
『ああ』
…そう。
「そう」
打算があるけどなんだかんだでちゃんと考えてくれてるアリス可愛いよアリス。
可愛い担当なのに苦労人なとこもさすがだよアリス!
オッサン萌えとか誰得なんでしょうかね?ちなみに見た目は壮年のオッサンなのでお兄さんと呼んでも問題ないんですけどね。子供から見ればオッサンなんだよね、悲しいね(´・ω・`)
稚拙な文章を最後まで読んでいただきありがとうござい(≧∇≦)
次回はライ視点で進みます。あと、一部の旧作キャラも出ます。もうバレてるね。
巻物は某坊さんのアレとほぼ一緒です。
感想があればきっとまた会えます。なくても泣きません。ええ、きっと。たぶん。めいびー。