少年とオッサンの幻想郷冒険記   作:てんしのてんこ盛り

5 / 7
私の好きな曲のうちの一つです。もっと評価されるべき。

初めのほうは金髪の子かわいそうになりそうだけど許してくだしあ。でも、魔理沙にはきっとこんな苦悩があるはず。

今回の内容は一段と自信がない。

(一応)本編だぞー(バリバリー


魔法使いの憂鬱

 幻想郷には箒に跨り、空を駆ける人間の魔法使いがいる。家族を捨ててまで魔導に身を捧げた彼女が固い信念を持っていることは自明である。しかしなぜ、彼女は人間と妖怪のどっちつかずな状況であり続けるのだろうか。人間が完全な魔法使いになるには捨食の法と呼ばれる食事の代わりに魔力を吸収する術と捨虫の法と呼ばれる不老になる術を取得する必要がある。

 彼女は非才の身でありながら、人を大きく超える力を持つ。その気になれば、死ぬまでに努力で身に付けることができるだろう。しかし、不老に興味のある素振りを見せるだけで一向に研究し、身に付けようとはしない。

 

 なにやら彼女は人間として成し遂げたいことがあるようで…

 

-魔理沙視点-

 

 

「くそっ!」

 

 声に出したことで少しだけ…ほんの少しだけ落ち着いた。

 

「異変のせいか妖精が多いな…」

 

 見かけた妖精は片っ端から撃ち落した。これから親玉と戦うかもしれないっていうのに無駄撃ちなんてしてられない。…でも、それでも撃たずにはいられなかった。

 

「くそっ、チクショウ!」

 

 通常弾幕で妖精を撃ち落しているだけにも拘らず魔力の減りを感じた。分かっている、これが普通(にんげん)の魔法使いの限界だってことを。

 悔しくて、悔しくて、やりきれない思いが募っていく。

 あいつ――ライを一目見たとき『こいつは妖精のくせに素質の塊だ』って思った。アリスもそれを見抜いているようだった。だから、茶化したとき満更でもなかったのだろう。…もちろん、魔導書に興味があったのは間違いない。けど、ライに興味を持っていることも同じくらい間違いなかったんだ。

 嫉妬した…んだと思う。非才の自分が堪らなく情けなかった。それで不意に、天才に勝ちたいって思って弾幕勝負を仕掛けちまった。

 

 

『んあ? 地上でか?普通に飛べばいいのに』

―才能がある妖精なのに飛べないのか?

 

 

『私には弾幕すら撃てない妖精未満にしか見えないぜ』

――私より魔力があるのに、飛ぶことだけじゃなくて弾幕すらも撃てないのかよ…。

 

 

『さっくりその魔道書をもらってくからな』

―――いくら才能があったって使いこなせないなら宝の持ち腐れだよな!

 

 

『私にも用事があるんでな』

 微塵も負けることを考えていなかった私はあの程度のことすら気づかなかった。舐めてたのはどっちだよって話だよな。ははっ、こんなんじゃ霊夢に合わせる顔がねえや。

 

「ハァハァ…ははっ」

 

 私はそこで止まって息を整えた。すると、乾いた声が出た。

 

 

 

 霊夢以外に負けたくなかった―そんな風にあのときの私は思った。…私は昔っから霊夢に負けっぱなしだ、いつの間にか負け癖がついてたんだろうな。

 私は強くなろうと努力した。なんでだったっけな…ああそうだ、勝ちたかったんだ、霊夢に。それでやっと私は対等な親友になれる。

 

 だけど、今のあいつは私を見て、どうして私に拘るの? とかふざけたことをぬかすんだろうよ。

 昔のあいつのおかげで私は独りぼっちじゃなくなった。それなのに、今やあいつが独りぼっちだ。

 私が、私がそんなままだからあいつは"浮いた"ままなんだ。

 

 

『今回の異変解決は私のほうが早いぜ!』

 

 

 今回はわざわざ寄り道してまで宣戦布告した。

 今はなぜか、無性に霊夢に勝ちたかった。

 でも、今の霊夢はそんなこと眼中に無い。

 

『あ~、くっそ負けた負けた。でも楽しかったからまたやろーぜ!』

 

 全力で戦って全力で笑う。今の霊夢の眼中に私がいないなら振り向かせるだけだ! 手始めに、異変解決で戦って、宴会でも開いてやる!!

 

「思いついたら、即実行っ! だぜ!」

 

 私の目標は人間のうちに霊夢に何度も勝つことだ! お前がお茶を啜ってる間にここまで強くなったぜ! どうだ見たかってな。この異変で私がいるってこと嫌になるまで分からせてやる!!

 

 

 

「ははっ、これでこそ私だ」

 

 うん、今度は自然と笑えた気がする。永い間忘れてた未来に思いを馳せて。

 

 

 そして、私はまた空を駆ける。

 

 これからは、きっと、変わっていく。

 

 私を変えたあの底なしの馬鹿(ライ)のせいでな!




追体験して、考えて、学ぶ。如何にも人間らしい行動原理を魔理沙は持っていると思うんですよねー。

-補足-

魔理沙は霊夢でない天才に勝とうと思った自分を嫌悪しています。自己満足にすぎないって気づいちゃったからですね。でも、負けて思い出したこともあるし良かったとも言えますが。

前の話のとおり霊夢も霊夢なりに魔理沙のことが心配です。きっとここからお互いに歩み寄っていくんでしょうね。

あ、ちなみに昔の出来事はまだ考えてないです。(投げやり

-あとがき-

短かったorz
でも、ライ視点まで書くには時間が足りなかった。反省はしている、後悔はしていない。
どうでもいいけど、人間の感情ってのは難しいですなー。なんだか雑に仕上がっちゃったわ。
それはそうと、東方で魔理沙と霊夢のW主人公は不滅だよね。投票2位と1位おめでとう!!
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