超強化上鳴くん   作:ライトハウス

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一番最初の脳無、読み直したら思ってたより強かった。


新しい力

 

 

 

 

 

 

取り敢えず、八百万の個性で創造したロープで、気絶した(ヴィラン)たちを縛っておく。しばらく起きれないだろうけど、一応な。

 

「さて、ここで二人に伝えておきたいことがある」

 

「どうかされましたか?」

 

「……何、改まって」

 

俺の言葉に反応する八百万と耳郎。耳郎は急に雰囲気の変わった俺に対して訝しげだ。

 

「実は電気を使いすぎて、もう個性使えねー」

 

「…………え、まじ?」

 

「マジ」

 

「それでは、これからどうするんですか?」

 

「二人が守ってくれると助かる」

 

そう言った途端、呆れたような目で見てくる二人。いやいや、さっきまで頑張ってたぜ、俺?確かに女の子二人に頼むのは情けねえけどさ。

 

そんなことを言いつつ、これからの動きを三人で確認する。どこに誰が飛ばされたのかも知らないし、どんな敵が潜んでいるかもわからない。そんな状況だから、セントラル広場に向かうことになった。そこに行けば先生や他のみんなもいるだろうって考えだ。まあ確実に敵もいるんだけどな。

 

そして、広場に向かって歩きだそうとした瞬間。地面の中から出てきた男が俺の首に左腕を回し、頭に右手を突きつけてきた。

 

その敵は八百万と耳郎に、動いたら俺を殺すだとか言ってる。なるほど、俺を人質にしたのね。ま、隠れてるのは知ってたんだけどな。

 

俺の背後にくっついてるそいつの腹に肘打ちを入れる。怯んだところにそのまま拳を振り上げ、裏拳気味に顔面へぶち込んだ。

 

「────なっ!クソが!」

 

そいつが腕から放電するが、全部吸収する。流れで男がもってる電力も、触れることで全部奪う。まあまあ充電できたな。

 

「お前が地面の中に隠れてんのは最初から知ってたぜ。そんでお前が通信ジャミングしてんのもわかった。だから逃げさせたくなかった。それでも二人を襲われたらめんどくさいから、俺を狙ってもらったよ」

 

「────!個性使えないって、嘘か……!」

 

「当然。あんくらいじゃ俺の電気はなくなんねえよ。お前が引っかかってくれたおかげで、ようやく通信が繋がる。という訳で、寝とけ」

 

コイツが充電できるかは知らないが、一応電気は使わず、殴って気絶させた。よし、これで本当に敵がいなくなった。

 

「いや、えー……。気づいてたなら言ってよ……。マジで焦ったんだけど」

 

「心臓に悪いです!」

 

「すまん。でも気づいてること知られたら逃げるかもしれなかったし。敵を騙すならまず味方からっていうか、そんな感じ」

 

耳郎と八百万に弁明しながら、早速学校への通信を試す。ジャミングしていたのはアイツだけらしく、すぐに繋がった。

 

USJに敵が来たことを伝えると、なんともう知っているとのこと。なんでも、遅れてこちらへ向かったオールマイトと、学校へ知らせるために走っていた飯田がたまたま会ったらしい。少し前にオールマイトからそう連絡が来た、と。

 

今は教師たちがこっちに来る準備をしているらしいので、詳しい状況を伝える。と言っても俺は山岳ゾーンのことしかわかんないけど。山岳ゾーンにいた敵は全員捕獲。恐らく他のゾーンにも敵が多数。侵入はワープ系の個性。生徒たちはワープで分断された。セントラル広場で先生たちが戦ってる。通信を妨害していた敵も倒した。このくらいかな。後なんかあったっけ。

 

最後に、急いで向かうから、無理に戦わず教師たちと合流してと言われ、一旦通信が切れた。と言われてもなあ。何か嫌な予感がする。こんなチンピラだけでオールマイトを殺そうとするか?よっぽどのアホならやるかもしれないけど、コイツらは計画して来てる。バカだがアホではない。なんか作戦があるはずだ。

 

オールマイトを殺せる何か…………。

 

「よし、やっぱセントラル広場に行こうぜ。俺たちにできることがないならそれが一番だし、何よりみんなと合流したい」

 

「そうですね。相澤先生のことも心配ですし……」

 

「ウチも賛成」

 

なんとなく、胸騒ぎを覚える。少なくともあの黒いモヤの奴はただのチンピラじゃなかった。少し急ぐか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セントラル広場に着くと、オールマイトが謎の敵と戦っていた。あの派手な戦闘音はオールマイトだったのか。来る途中に爆発したみたいな音が響いていたので、納得だ。

 

オールマイトは脳ミソが見えてる謎敵にバックドロップを決めているが、脳ミソ敵の上半身はワープゲートを通って、オールマイトの腹部に指を食い込ませていた。

 

更に、急にオールマイトへ向かって飛び出す緑谷。いやいやマズいだろ、それは。緑谷の正面にモヤ敵が現れたので、そいつに向かって放電する。緑谷がいるので細い電流だが、動きを止めるくらいはできる。

 

そしたらモヤ敵に爆豪も突っ込んできた。俺の電気で動きが止まったところを爆破し、地面に押さえ込む。

 

「余計なことすんなやクソ電気!」

 

「余計なことはひどくね?」

 

やっぱり、モヤ敵には本体部分があった。それには爆豪も気づいていたらしく、意外にコイツ冷静だ。

 

広場には轟と切島も来ていて、轟は脳ミソ敵を凍らせていた。切島はなんか身体中に手を付けてる奴に攻撃するも、躱されてる。良いとこねえな。

 

脳ミソ敵が凍った隙にオールマイトは脱出し、一気に形勢逆転となった。流石にこんだけいりゃあ何とかなるだろ。…………いや、向こうの方で梅雨ちゃんと峰田がボロボロの相澤先生を担いでいる。相澤先生をあんだけボコボコに出来る敵。さっきオールマイトを追い詰めてた脳ミソ敵か。だとしたらやっぱまだヤバいかも。

 

そんなことを考えていると、モヤ敵を自由にするため、手だらけの敵が脳ミソ敵に爆豪を攻撃しろと命令する。脳ミソ敵は凍ってる部分を無理やり砕いて動き出した。右手と右足がなくなるが、すぐに再生する。

 

手だらけ敵いわく、あの脳ミソ敵────脳無というらしい────は、対オールマイト用の改造人間だとか。それは、マズくないか?オールマイト用の敵だと?

 

気づいた時には、爆豪の目の前に脳無が来ていた。いつの間に?全く見えなかった─────。

 

そして、脳無が拳を振り抜く。その衝撃は凄まじく、後ろにいた耳郎、八百万の方向に吹き飛ばされる。なんだこの威力!オールマイト級のパワーじゃねえか!

 

「上鳴!」

 

「上鳴さん!」

 

耳郎と八百万が駆け寄り、体を起こしてくれる。すまん、助かる。

 

見ると、ギリギリでオールマイトが庇ったらしく、爆豪は無事だ。アレに反応するとか流石オールマイト。にしても、ガードの上から飛ばされたオールマイトは、結構ダメージを受けているっぽい。マジでヤバいぞ、早く離れないと…………!

 

すると、脳無がこちらを振り向く。マズい!モヤ敵に攻撃したからか、近くにいたからなのか。爆豪と同じく攻撃の対象にされた!

 

 

 

 

 

 

 

そう思った時には、目の前に脳無がいる。電磁波で感知はできているが……。ダメだ、間に合う距離じゃない。このままでは耳郎も八百万も、死ぬ──────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと、耳郎と八百万を両脇に抱え、遠くから脳無を見据えていた。

 

「はぁ、はぁ…………っ!」

 

呼吸が荒い、身体中が痛い。全身から電気が漏れ、バチバチと音をたてていた。髪も放電しているかのように、電気を纏っている。

 

何が、起きた?

 

脳無がいる方向から俺に伸びている、電気の軌跡。何かが高速で動いたかのような地面の跡。まさか、無意識に二人を抱えて、移動したのか?自分でも気づかないうちに?

 

身体中に走る痛みに、覚えがある。これは、前に電気による身体強化の限界に試したとき、一瞬だけなれた状態。あまりの負荷に身体に激痛が走り、マトモに維持すらできなかった、神速(カンムル)────?

 

「ぐっ!」

 

突然、纏っていた電気が消え、力が抜ける。二人を下ろすと、つい蹲ってしまった。ヤバい、めちゃくちゃ痛ぇ。

 

「上鳴!大丈夫!?」

 

「何が、起きましたの……?」

 

「大丈夫、めちゃくちゃ身体が痛いだけだ」

 

それって大丈夫なの……?なんて呟く耳郎を他所に、俺らを庇うように前に立ち、敵たちと会話するオールマイトを見つめる。爆豪や轟、切島に緑谷もこちらに来る。コイツら戦う気か?さっきの見てなかったの?マジでヤバいよアイツ。

 

案の定、オールマイトに止められる。轟なんかは反論していたが、その後に始まったオールマイトと脳無の戦闘を見ると、誰も参加しようなんて言わなくなった。

 

超高速で殴り合うオールマイトと脳無。あまりの衝撃、爆風に誰も近寄れない。いや、それだけじゃない。オールマイトの迫力にビビってんだ。プロの、トップの出す迫力に。

 

脳無はショック吸収と再生の個性もあるらしいが、オールマイトが力押しでぶっ飛ばした。ヤバすぎだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後もモヤ敵と手だらけ敵が襲ってこようとしたが、飯田と共に到着した雄英の教師たちを見て、撤退していった。その時にまた緑谷が飛び出して、両脚骨折してた。真面目そうに見えて意外と衝動的だな、緑谷。

 

警察も来て、生徒が集められる。どうやら緑谷以外大した怪我はしていないらしい。やっぱ脳無にモヤ、手の三人以外はただのチンピラか。

 

俺も全身めちゃくちゃ痛いが、要は筋肉痛だ。我慢できないほどじゃない。

 

今回の件で、自分の限界がわかった。正直、当分神速(カンムル)は使いたくないが、それだといつまでもこのままだ。普通に使えるようにしなきゃな。

 

家に帰ってからそんなことを考えていると、誰かから電話がくる。スマホを見ると、相手は耳郎だった。

 

「もしもし、どしたん?」

 

『体、大丈夫かなと思って』

 

どうやら心配して掛けてくれたらしい。やっぱ良い奴だな。

 

「正直に言うと、めちゃくちゃ痛い。ベッドに寝転がったまま動けねえ」

 

『……はあ。だと思った。帰る時も動き怪しかったし、素直に肩でも借りればいいのに』

 

うるせえ。ヒーローには、というか男の子には意地があるんだよ。

 

その後は、他愛ない話をしてただけだ。今日は色んなことあったし、お互い疲れてるからすぐに通話は終わった。なんつーか、心配されてるようじゃまだまだだな。早く強くなんねえと。

 

あの時、神速(カンムル)が発動しなければ三人とも死んでいたかもしれない。敵連合────アイツらがオールマイト殺しを諦めるとは思えない。脳無は捕まったが、改造人間なら他にも造ってる可能性がある。だからこそ、悠長にはしていられなかった。

 

とか言いつつ、臨時休校となった翌日。俺は一日中寝たきりだった。いや、マジで全身痛ぇ…………。

 

慣れるにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 

 

 





神速(カンムル)。全身に電気による身体強化を行い、限界を超えた動き、反射神経を発揮させる。以前、一瞬だけ発現できたので、名前だけ考えていた。今回は、身体強化をする際に咄嗟に普段より多くの電力を使ったため、無意識に発現した。いつの間にか移動していたのは、疾風迅雷のような状態になったため。
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