超強化上鳴くん   作:ライトハウス

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ドラクエ11Sを買ったことと、更新頻度が落ちたことは一切関係ありません。誓って。


雄英体育祭

 

 

 

 

 

(ヴィラン)襲撃により臨時休校となった次の日、俺は早速雄英へ向かって登校していた。いくら敵が来たとはいえ、そう何日も休みにはならないらしいな。電車の中で耳郎と合流し、挨拶を交わす。

 

「そういえば、大丈夫そうだね」

 

「ん?……ああ!昨日一日休んだらすっかり治ったぜ」

 

最初は何のことかと思ったけど、俺の体のことか。昨日も動けたっちゃあ動けたが、念の為ずっと寝ていた。そのおかげか、今日は絶好調だ。日頃から鍛えてた甲斐があったぜ。

 

適当な会話をしながら登校し、教室に着く。みんな思ったより元気っつーか、いつも通りだな。敵に襲われたってのにタフだなあ。流石ヒーロー志望。

 

「上鳴くん、無茶したんだってー?もう大丈夫なの?」

 

「おう、一日休んだらバッチシ」

 

席に座ると、葉隠から声を掛けられる。あの後は事情聴取とかでゴタゴタしてたしな。葉隠は中央広場いなかったし、色々気になるんだろう。

 

……つーか、相変わらず顔と性格のギャップがすげえ。透明だからなのか、動きがデカいのもまた、美人な顔の印象とは離れてる。

 

ちなみに、コスチュームというか、服を着ていない時以外は普通に葉隠を見ている。普段まで視覚情報を送ってなかったら、電気信号の操作が鈍るかもだし。惰性だとしても、続けてりゃ何か成長するかもしれないしな。

 

そんなこんなで、適当にクラスメイトと会話しながら先生を待つ。そういえば相澤先生は来るのか?結構ボコボコにされてたけど、アレはいくらなんでも一日休んだくらいじゃ治んねえだろ。緑谷は治ってた。流石リカバリーガール。

 

「お早う」

 

ふと声が聞こえた方へ顔を向けると、顔面まで包帯グルグルのミイラみたいな相澤先生がいた。みんな驚いてるけど、そりゃそうだ。普通はこんな状態で来るとは思わねーべ。

 

そんなミイラ状態の相澤先生が、雄英体育祭が迫っていると伝えてくる。えー、体育祭とかやってる場合か?一昨日敵に襲われたんだぜ。まあ、あれか。体制の盤石さを示すって感じか。

 

雄英の体育祭といったら、日本ではかなりの一大イベント。個性によってスポーツのルールがあやふやになった今、オリンピックの代わりとなっている。更に、生徒にとっても最大のチャンス。多くのプロヒーローが見に来るから、体育祭で活躍できればデビューにも大きく繋がる。

 

資格取得(そつぎょう)後、プロ事務所にサイドキック(相棒)入りは定石だし、ここで良い事務所に見つけてもらうことはかなり大事だ。

 

そんな感じで、ちょっとソワソワしながら一日の授業を終える。放課後になり、帰ろうと思い廊下を見ると、いつの間にかめちゃくちゃ生徒が集まっていた。ギチギチで人が通れないレベルで。

 

何だこれ、偵察か?普段の様子見たってどうしようもねえだろ。

 

流石に邪魔なので、声を掛け通ろうとする。

 

「わりぃ、ちょっと通してくれね───────」

 

「意味ねェからどけモブ共」

 

「だからそういうとこだって!」

 

俺が普通に通してもらおうとしたのに、爆豪がまた煽るようなことを言う。なんでコイツこんな感じなんだ!

 

更に、なんかクマがすげえ奴と、B組の鉄みてえな奴が突っかかってくる。爆豪があんなこと言うから。

 

みんなが慌てる中意外と冷静な爆豪が、上に上がりゃ関係ねえ、なんて言って帰っていく。みんな納得してるけど、アイツが無駄に敵増やしたんだからな?

 

けど、まあ。言ってることは正しい。雄英が敵に襲撃されるなんてマジで前代未聞だ。それを乗り切ったA組。色んな意味で注目されるのは当然。

 

さっきの普通科のクマすげえ奴や、B組の鉄みたいに、不満を感じる奴も出るはず。そういう輩を納得させるには、上に行くのが一番だ。

 

それに、今日の麗日もだけど、みんな気合い入ってる。上に行けば行くほど注目され、プロへの道が開ける。本気でヒーロー目指すなら当然トップを狙うんだ、みんな。

 

俺だってガチでヒーロー目指してる。それに繋がるなら、体育祭に本気出すのは当然だ。

 

体育祭まで、あと2週間。もちろん、雄英側も時間を取ってくれるだろうけど、学校がある中でどれだけ鍛えられるか。

 

一昨日の戦いで色々わかった。体育祭、新しい俺でいっちょ優勝してやるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんで、あっという間に2週間経ち、体育祭当日。1年A組の控え室で適当に体を解す。ジッとしてると落ち着かねえし、軽くストレッチでもしてると落ち着くからな。まあそもそも、そんなに緊張してないんだけど。

 

「上鳴は落ち着いてるね、アホだから?」

 

「アホ関係なくね?」

 

「でも、確かにそういう人ってあんまし考え込まなそうだよね!」

 

入場の時間を待っていると、耳郎からいきなりアホ呼ばわりされる。葉隠も、遠回しに俺の事アホって言ってね?

 

反論しようとするが、近くではしゃぐ芦戸を見て黙る。やっぱアホだから緊張しねえのかも。いや、峰田は緊張してっから関係ねえな。

 

そろそろ時間も近づいてきた。やることもなくなってきたから椅子に座ってダベってると、轟が緑谷になんか宣戦布告してた。アイツ色んな奴に因縁つけられんだな。爆豪とか、爆豪とか、爆豪とか。

 

あんまし良くない雰囲気を見かねて、切島が仲裁に入る。アイツ良い奴だな、マジで。けど緑谷も堂々と言い返す。

 

緑谷ってアレだよな。普段はナヨナヨしてっけど、こういう時は強いっつーか。意外と芯があるよな。おかげでなんかこっちも気合い入ったわ。爆豪も更に顔恐くなってる。

 

そして、いよいよ入場。アナウンスでプレゼント・マイクがA組をめちゃくちゃ煽るから、会場もすげえ盛り上がってる。1年ステージとは思えない観客数だ。そんでもって他のクラスの紹介が雑すぎる。教師として良いのか、それ?

 

選手宣誓では、相変わらず爆豪が周りを煽って生徒たちにブーイングされてた。つーかA組全体がされてんな、これ。くそ、あともうちょっとポイント取ってれば俺が入試1位で、無難な選手宣誓したのに。いや、するかな?ちょっと自信ねえわ。

 

少し周りが落ち着いたところで、主審のミッドナイトが第一種目を発表する。雄英の体育祭は予選があって、予選を勝ち抜いた奴が本戦に進めるって形式だ。学年別の完全個人戦だな。まあ協力もできるだろうけど。つーかミッドナイト、エロいな。

 

第一種目は障害物競走。ルールはわりと何でもありらしい。あんまヒーローっぽくないことはできねえけど。

 

そんなことを考えているうちに、さっさとスタートゲート前に並ばされる。なんていうか、中学の体育祭は挨拶とかで開会式長かったけど、雄英はそこんところマジでサクッとしてんな。ぶっちゃけありがたい。

 

そんでもって、早速スタート。狭いスタートゲートの中をギチギチになりながら進んでいく。

 

「よっと!」

 

前方で轟が地面を凍らせているのが見えたので、身体強化して跳ぶことで避ける。ついでに何人か跳び越えると、大きな電力を感じた。これって…………もう懐かしく感じるな。

 

『さあいきなり障害物だ!まずは手始め…………第一関門、ロボインフェルノ!!』

 

プレゼント・マイクの実況を聞きながら、轟を追う形で走っていくと、大量のロボが現れた。しかも入試の0P敵、巨大ロボもめちゃくちゃいる。金かかってんなあ!

 

轟の範囲攻撃に巻き込まれないよう、距離を取りつつ走っていると、案の定ド派手に巨大ロボを凍らせた。凍ったロボは体勢を崩し倒れる。なるほど、後続の足止めも兼ねてんのね。いいな、それ。

 

「パクらせてもらう、ぜ!」

 

倒れたロボを跳び越え、テキトーに何体かに放電する。全体に電気を流されたロボは動きを止め、バチバチと音を立てながら倒れていった。機械は電気を流すだけで壊れてくれて便利だ。

 

『そんでもって、1-A上鳴も同じように突破ぁ!アイツもアレだな、ズリィな!』

 

確かに、自分でも強い個性だと思う。最初はめちゃくちゃ弱かったけどな。

 

一番前を走る轟を追いつつ、邪魔してくるロボを捌く。後ろからは爆豪を始めとして、A組の連中が迫ってきている。コースは約4kmだったっけ……。そんなに長くもねえから、なるべく上位をキープしときたいな。

 

『落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!!ザ・フォール!!!』

 

第一関門を抜けた辺りで、第二関門が現れる。大量の岩の足場に、綱渡りか。見た感じ下けっこう深いけど、落ちても死なねえよな、これ?

 

強化しても跳び越えられる距離じゃねえな。素直に渡るしかねえか。

 

なんて、普通に渡ってたら轟に距離を離されるな。新しく道を造るか。

 

岩の足場から、新しく俺が通れるくらいの橋を造る。俺が通り切った後は、バラバラに崩れていく。

 

『上鳴が新たに足場を造って進んでいく……ってアイツあんなことできんの!?個性電気じゃなかったかぁ!?』

 

『磁力で地中の金属────砂鉄なんかを操作してんだろ。意外と繊細な操作も得意だからな』

 

まあ、砂鉄だけじゃさすがに橋なんて造れないんで。電流による磁力で砂鉄を操作して、塵やら土、砂を巻き込んでようやくって感じだ。

 

「てか、意外とって何すか!」

 

相澤先生の評価に若干傷つきつつも、轟を追っていく。と言っても、あんま近づきたくはねえんだよなあ。急に凍らされそう。

 

「どけクソ電気!!」

 

そんなことを考えていると、後ろから爆豪が追いついてきた。やっぱコイツ、スロースターターだな。調子上がってきてる。

 

取り敢えず、そんなに張り合うことなく先を行かせる。ここでアイツと争うより、轟と1位争いしてる時に隙をついた方が1位になれそうだし。

 

『そして早くも最終関門!かくしてその実態は─────…一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!!』

 

しばらく進むと、開けた場所に出る。一見何もないように感じるが、実況で言われた通り地雷原なんだろう。前を行く轟は、踏まないように進んでいるが、爆豪は爆破で空を飛んで進んでいく。やっぱ飛べんのズリぃよな。

 

つっても、飛べなくたって方法はある。対人地雷なんてそんな深くには埋められていない。つまり俺の電磁波で探知できる深さにあるってことだ。場所さえわかってしまえば関係ない、気にせず地雷原を進んでいく。

 

前方では轟と爆豪の1位争いが始まり、会場も盛り上がってる。……決めるならそろそろか。

 

二人の気が逸れているうちに抜いてしまおうと、少し離れて窺っていると……。

 

突然、後方で大きな爆発が起きる。その爆風によって飛ばされた緑谷が一気に追いついてきた。減速して落ちると思ったが、更に何かを地面に叩きつけ、わざと地雷を作動させ1位に躍り出る。妨害と攻略を同時に……最初に轟がやったように。

 

つーかアレだな!緑谷かよ!やっぱお前やる時はやるな!!

 

少し離れててマジで良かった。おかげで緑谷の着地(爆発)に巻き込まれず、轟と爆豪を抜くことができた。

 

緑谷には───────届かねえか。離れてたとはいえ、爆発で若干の足止めは食らっちまったし。

 

「っ……!待て……!」

 

「くそがァ!!!」

 

後ろからすげえ形相で追いかけてくる二人を振り切り、なんとか2位でゴール。1位狙ってたんだけどな。てか疲れた。4km長ぇわ、やっぱ。

 

ただ、電力はけっこう節約できた気がする。日本全国にアホ面晒すわけにはいかねえしな。

 

結果は緑谷が1位。轟は3位で爆豪が4位だった。すげえ顔してるし弄らんとこ。

 

上位42人が次の種目に出れるらしい。全体的に上位はA組が多いな。なんか雰囲気変だったし……。B組全体で様子見でもしてたか?ヒーロー科+αで40人くらい進出することは予想出来なくもないし。こりゃ個性見られたな。まあ俺の個性は対処しようと思って出来るもんでもないけど、警戒するに越したことはない。

 

続く第二種目は騎馬戦。42位は5P、41位は10P、といった感じでポイントが与えられ、それぞれ話し合ってチームをつくり、ポイントであるハチマキを奪い合うらしい。ちなみに1位は1000万P。

 

へー……、1000万か…………。1000万!?一人だけ桁おかしいだろ!

 

勝ち残った生徒全員が緑谷を見る。

 

…………これは、なかなか大変だな。1位になんなくて良かったー!

 

 

 

 

 

 






なんか原作の流れをなぞっただけになっちゃいました。騎馬戦とトーナメントのための前座ということで。

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