盲目のヒーローアカデミア   作:酸度

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タイトルどおりです。



女体化、下ネタ、キャラ崩壊、下品、性行為の匂わせ等あります。
それらが苦手な方は。プラウザバックをお願いします。
時系列的には体育祭終了後、職場体験開始前となります。











注意書きは読みましたね?
それではくだらない話ですがよろしくお願いします。


10万UA記念短編「かっちゃんがもし女の子だったら」

 爆豪勝希ちゃんは、凄く目立つ生徒だった。

 入試2位。体育祭でも2位。金髪に赤目の美人。あの八百万さんを超えるダイナマイトボディ。大胆に開けられた胸元。

 頭脳は明晰で、壊滅的に口が悪く、狂暴。戦闘能力も高く、戦闘訓練ではほとんど一人で轟くんと八百万さん相手に圧勝した。

 そんな彼女は、入学当初から、というか本人たちの言では小学4年生から、緑谷出久君と付き合っている。

「おい、デク、あんまり早く歩くんじゃねえ」

「かっちゃん。遅刻しちゃうよ」

「何だよ、あたしと手をつないでいたくねえってのか」

「そういう訳じゃないけど、相澤先生に怒られちゃうから。ね?」

「……わかったよ」

 そんな会話を私の目の前でされる。

「おう、お茶子おはよう。元気か?」

「おはよう! 緑谷君も! 相変わらず仲ええね」

「へへへ」

 勝希ちゃんはそう笑うと、緑谷君にしなだれかかった。

「かっちゃん。あんま人前では」

「ケチくせえこと言うんじゃねえよ。……不満か?」

「あんまいちゃつくと、周りの目に毒だからさ」

「ぶー」

「あんまむくれないでよ。かわいいから」

 そう言って笑いあう二人、その緑谷君の目には、バンダナが巻かれていた。

 入試1位。体育祭でも1位。緑髪にもさもさ頭。鍛え上げられた肉体。勝希ちゃんとお揃いで開けられた胸元。

 そんな彼らは、いつも仲良く、二人の世界を築いていた。

 

「おはよう」

「おはよう緑谷くん爆豪くん麗日くん、君らいつも遅いぞ」

「間に合ってるからいいじゃねえかメガネ」

「雄英生徒たるもの10分前行動が基本だ」

「決まってねえよ。なあデク」

「おはよう勝希ー! 相変わらず蜜月ー!」

 そういうと芦戸さんは、勝希ちゃんに抱き着いた。

 むにょん。とかいう音がする。

「だあ三奈! 抱き着くんじゃねえ! 私に抱き着いていいのはこいつだけなんだよ!」

「勝希ちゃんって、その恰好で身持ち固いよねえ」

 葉隠さんが言う。

「私が薄着なのはいざって時すぐに体温を上昇させる訓練のためだ! それに、好きな恰好して何が悪いんだよ」

「ケロ、でも、あんまり胸元を開けすぎると男子の目に毒よ」

「梅雨ちゃんまで、んなもん見てえやつには見さしときゃいいんだよ。ブドウやアホ面に百回見られようがどうにもなんねえよ」

「何で名指し! 止めてくれる!? 流石にダチの彼女に手を出すほど落ちぶれてねえから!」

「おおーん! じゃあ接視してやろおうかおおーん!」

「やめろ峰田俺を巻き込むな! 緑谷怒らすとやべーから!」

 やいのやいのしながら席に着く。

 さあ、今日もいつもどおりの日々が始まる。

 でもなんや、胸が痛いな。

 

 午前中の授業、出久くんは全盲なのに、中間はクラスで4位と頭がいい。

 そして時々、上鳴くんや切島くんに勉強を教えている。

 すると時折勝希ちゃんが嫉妬して、その勉強風景に突っ込んでくる。

「デク、かまえ」

「わりい爆豪! 彼氏借りてるぜ」

「うお、爆豪の面倒くさいモードだ」

「誰が面倒くせえだアホ面! 人の彼氏を占有してんじゃねえ!」

「かっちゃんステイ。勉強してるから、ね」

「……私もわかんねえ」

「ないでしょ、あの程度の内容で、ていうかかっちゃんの方が成績いいし」

「「ごめんなさい」」

「ああ、ごめんそうじゃないんだ。かっちゃんならって意味で」

「わかんないもん!」

「面倒くさいモードだ」

「むー」

 勝希ちゃんはむくれると、緑谷くんの頭におっぱいを乗せる。

 むにょん。

「かっちゃん、そういうことする子はキライです」

「……うそ、うそです」

「いや、やったじゃん」

 乗るんや、すげえ。

「緑谷の頭とおんなじ大きさってなんだよ、やべえよ」

 峰田くんがエロい目で見るどころか慄いている。

 やっぱり何か私、胸が痛いな。

 

 お昼、勝希ちゃんはいつも、お重やらバスケットやらに目いっぱいお弁当を作ってくる。

 そして、それを二人で食べきる。実質緑谷くん一人だけど。

「デクは本当に良く食うなあ。どこに消えてんだあ」

「脳をよく使うからね、それに、体も鍛えてるから。僕の日常には常人の10倍のエネルギーが必要なんだよ」

「ちゃんと食って大きくなれよ。あ、これ自信作、つみれハンバーグ」

「ん、レンコンが軟骨みたいなアクセントになってるね。おいしいよ」

「へへ、ありがとう。次の段はなあ」

 そう言って、二人で一つ一つ食べていく。

「彼女の手作り弁当とか、伝説だろ。いいのかよ」

「もう峰田もあの二人は諦めようぜ、ほっとけよ」

「美人で弁当作ってくれる爆乳の幼なじみとか何だよどういうことだよ!」

 峰田くんが叫ぶが、とくに皆ノーコメントだった。

 でもやっぱり、胸が痛い。

 

 そしてヒーロー基礎学。

 

「今日のヒーロー基礎学はこれ、2vs2の市街戦闘訓練だ!」

「ただし、今回の演習では各所に市民人形を置いてある」

「それを壊したら減点、あまり減点が多すぎると失格だぞ」

「それと、今回は両方ともヒーロー想定だ。ゆえに、そもそも市民のいる所で戦わないようにしないといけない」

 オールマイトの宣言とともに、まずはチーム決めや。

「相変わらず爆豪のコスチュームは反則だぜ」

 確かに、アーミーな服にはちきれんばかりのダイナマイト。谷間も大胆に露出している。

 よだれを垂らす峰田くんの頭に手が置かれる。

 緑谷くんや。

「ああ、緑谷、これはちがくて」

「ワインかジュース、どっちがいい?」

 潰す気や!

「それ俺が辿る未来一緒じゃねえか?!」

「ハイハイ騒がないの。まずは緑谷少年麗日少女チーム対爆豪少女轟少年チームだ」

「うお、いきなりクラス最強格が揃い踏みだ」

「けどこのルールだと範囲攻撃できない爆豪たちが不利かな」

「はん、デク! いつも言ってるが私が愛しい彼女だからって手加減するんじゃねえぞ!」

 自分で言うんや。

「当然だよ。今は恋人同士じゃなくて、同じくナンバーワンヒーローを目指すライバルだからね」

「分かってんならいい、ぶっ殺す! いくぞ紅白饅頭!」

「ショートだ。悪い緑谷。彼女借りるぞ」

「うん、僕らも行こう、麗日さん」

「うん」

 

 結局、ほとんど緑谷くんだけで勝ってしまった。

 まず、勝希ちゃんと近接戦し、その隙に私がタッチ。轟くんを戦闘不能にし、私たちチームの勝利だった。

 

「くそ! また負けた!」

「悪い爆豪、守りきれなかった」

「んなこたいいわ気にすんなクソが! くそ、腹いてえ……」

「緑谷少年は良いボディブローだった。爆豪少女は大丈夫かい?」

「ああ、結構痛えっす」

「どのくらいだい? あんまり痛いようならリカバリーガールに」

「ごめんよかっちゃん」

「うーん……」

 

「デクに12時間ぶっ続けでされた後位痛い……」

 

 

 沈黙が下りる。

 

 

「すいません保健室連れてきます!」

 緑谷くんが勝希ちゃんを姫抱きして走り去る。

 逃げよった。

「何でここで言うの!?」

「悔しかったから社会的に殺してみた……」

「社会性すてみタックルやめてよ!」

 二人の会話が遠ざかってく。

 百戦錬磨のオールマイト先生が選んだのは、無視だった。

「……さて、じゃあ次の試合に……峰田少年?」

「すいません、トイレに」

 何となく煤けとる。

「峰田お前まさか……」

「……達した」

 

 マジか。

 

「? 爆豪は緑谷に何をされたんだ八百万?」

「さあ……。あと峰田さんは何処に達せられたのでしょうか?」

「分かんねえ」

 もう、うちの推薦組はかわいいなあ。

「しかし12時間か、あっちの方も常人の10倍なんだなあ」

 上鳴くん黙れ。

 

 やっぱりなんか、胸が痛い。

 

 放課後、私が忘れ物を取りに教室に戻ると、二人が教室にいた。

 勝希ちゃんは寝ちゃってて、それを、緑谷くんは愛おしそうに撫でていた。

「麗日さん、忘れ物?」

「う、うん。水筒忘れちゃって」

 私はこの機会に、気になっていた疑問をぶつけた。

「ねえ、なんで二人は付き合い始めたの?」

「……あんまり愉快な話じゃないよ?」

 昔、緑谷くんは勝希ちゃんにいじめられていたこと。

 ある日、勝希ちゃんが個性を使ったら、ゴミ山が崩れたこと。

 それがぶつかりそうになるのを緑谷くんが庇い、結果として失明してしまったこと。

 その日から、二人の関係は密接になった。

 勝希ちゃんは、緑谷くんのために何でもするようになった。

 いじめっ子から守ったり、リハビリを手伝ったり。

 そうしているうちに、お前ら付き合ってるだろとからかわれるようになり、勝希ちゃんは、じゃあ付き合ってやるとクラスの皆の前で唇を奪ったとのこと。

「だから最初はまあ、勢い?」

「そ、そうなんや。でもそれって……」

「そうだね、正直言ってあんまり健全なカップルでは無いね」

 そう言いつつも、緑谷くんの手は、愛おしそうに彼女を撫でる。

「例え、かっちゃんが贖罪の意思で付き合ってたとしても。

 これが健全な関係で無いとしても、

 僕は、かっちゃんのことが好きだから」

 

「だから、離す気はないんだ」

 

 そう話す彼の口調があまりに暗く、私は慄く。

 その時、ノビをして勝希ちゃんが起きる。

「ん〜よく寝た、帰ろう。今日ウチ誰もいねえし! 明日は休みだしでチャンスタイムだ!」

「かっちゃん、麗日さんいるから」

「おお、お茶子おはよう!」

「おはよ……」

「さあ、帰ろうぜ」

 そう言って、また、腕を組んで二人は帰る。

 私もまた、とぼとぼと帰る。

 校門の前まで来て、二人の影が重なっている。

 唇を合わせる勝希ちゃんの横顔があまりにも綺麗で。

 

 ふと、その瞳が勝ち誇ったかのように私を見る。

「これは私んだ」

 そう目が言った気がした。

 

 ああ、そうかこの人達は、互いを貪り合う蛇なのだな。

 

 

 

 

 

 

 目覚ましが鳴る。

 私はいつもどおり教室に行く。

「む、麗日くん。今日は早いな」

 私は覚醒しきらない脳でボーっと肯く。

「でさあ、かっちゃん。昨日のヒーロービルボードだけど、」

「ああ、お前猫ババア軍団好きだよな」

「プッシーキャッツに言ったら殺されるよかっちゃん」

 私は爆豪くんに近づく。

「麗日さんおはよう」

「なんだ丸顔。丸い上にアホ面し」

 

 モミモミ。

 

 勝希ちゃんのダイナマイトは、なかった。

 

「ああ、よかったー無くて……」

 しばし沈黙。

 爆豪くんの手が私の頭に伸び、万力のように締め上げる。

「イタタタただだだ!!」

「麗日さん何を!? かっちゃんもその辺で!」

「出る出る出る出る! 中身が出ちゃう!」

「……誰かメロンパン買ってこい」

「「詰め替える気!?」」

「痛い勝希ちゃん痛い!」

「誰がカツキちゃんだこらああああ!!」

 ぎゃーぎゃーと私たちは騒ぐ。

 胸の痛みは、いつのまにか消えていた。




これは夢オチか? それとも並行世界にお茶子の精神がアクセスしたのか? 本当に出久は下の方も10人力なのか? かっちゃん(女)はあっちもタフネスなのか? それは誰にも分からない。


とりあえず最高に楽しかった(最低)


解説というか言い訳ですけど、ラブラブカップルに見えて実は双方向性ヤンデレカップル的な。
男同士であそこまでこじれる奴らが男女になってこじれないわけないやろ。
クラスの奴らも見守りモードだからいいけど下手に横槍入ると地獄と化します。

あんまりあれならチラシの裏にでも移します。

あと20万UA記念掲示板SSですが、結構難産になりそうです。今度の土曜か日曜位にはできたらええね。
一応本編は滞らないようにします。

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