盲目のヒーローアカデミア   作:酸度

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番外編より本編のが描きやすい。
掲示板後編は明日です。

あと前話で空を飛んでたシーン。修正というか変更しました。
やっぱお師匠様の個性的に飛べるのはナシだろうと思ったので
まあでもオーバーホール戦で100%デクは空中跳ねてるし良かったか?
でも今後の展開的に……。難しいですな


期末試験編
救助訓練レース


 学校。

「緑谷! お前ミルコの所どうだった」

 マウントレディの所に言っていたらしい峰田くんが、僕に問いかける。

「うん、とっても有意義だったよ。どうしたの急に?」

「いやあ、Mt.レディの所で俺は女性の暗部を見ちまったからよ。他のヤツがどうだったか知りたくて」

 女性の暗部て。

「別に、すごく元気のいいお姉さんって感じで、結構優しくされて、良かったよ」

「そっかー、ミルコみてえなドエロい姉ちゃんに優しくされるなんて羨ましいぜ」

 あんま伝わってないな。

「いいよなあミルコ、うさ耳できわどいスーツで足技得意でバニーで褐色で巨乳で属性盛りすぎだろ」 

「……先生をそんな目で見るならブドウジュースにするよ?」

「ヒェ」

 全くもう。ミルコ先生をそんな目で見るなんて、僕は峰田くんの肩を掴む。

「ヒーローミルコは凄いヒーローだったよその格闘技術や身体能力個性の練度もそうだけど何よりその敵を絶対逃さない意志弱きものを助ける優しさそれをおくびにもださない凛々しい姿勢が何より素晴らしく……」

「おい、緑谷、やめてくれ顔が近いしガッチリ肩が掴まれて抜けられねえ」

「そんな彼女の鍛えられた身体は全て強くなるというただ一点に注がれておりそれが美しいというのは分かるけれどそれは決して性的なものてなくもっと神格化神聖化すべきものであり……」

 

ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ……

 

「こえーよ! 誰か助けて!」

 

「久しぶりにでたなクソデクのクソナードモード」

「爆豪あれ何だ?」

「あいつ、自分が好きなものを違う捉え方されるの異常に嫌がるんだ」

 瀬呂くんが突っ込む。

「限界オタクかよ」

 

 5分後

 

「ミルコカッコいい、ヤラシイノハオノレジシン」

 そこには虚な表情で言葉を垂れ流す峰田くんが。

「分かってくれてうれしいよ」

「「「「「洗脳されてるー!!」」」」」

 僕がいい汗をかいていると、扉が開く。この心音は、麗日さんだ。

「麗日さん、おはよ……ヒェッ」

 麗日さんは、呼吸音がおかしいことになっていた。

 空手の息吹って普段使いするようなものじゃないんだけど……。

「う、麗日白目むいてどうした?」

「……上鳴殿、とても有意義な一週間だったよ」

「かみなりどの!?」

 白目むいてんの!?

「ど、どうしちゃったの麗日さん? ガンヘッドの所で何をしたの?」

「ちょっと訓練をね、フフフ」

 そう言って軽く放った麗日さんの正拳突きは恐ろしい速さだった。かっこいい。

「デクくんも、ミルコの所で有意義だったみたいだね」

「わかる? ちょっと肉体改造をね、してる途中なんだけど。あと個性の使い方をちょっと」

「ふふ、今度手合わせしようか! 今なら……やれる!」

 やられんの? 僕。

 

 瞬間、チャイムが鳴る。同時に相澤先生が入ってくる。

「おう、お前ら席に……、なんだこの状況」

 何でしょうね。

「まあ、いいか。職場体験ご苦労さん。

 ……緑谷、爆豪、轟、飯田。大変だったな。だが、それを乗り切ったお前らは一歩壁を越えられたはずだ。それをこれからの授業でも発揮してくれるとありがたい」

 僕はその言葉に背筋を伸ばす。

「ほかのやつらもだ。職場体験の一週間で学んだことを活かせ、それを周りに伝える努力をしろ。そうすれば、お前らはもっと互いに強くなれる。

 ……じゃ、早速午後はオールマイト先生の授業だ。気合入れて行けよ」

「「「はい!!」」」

 皆の気合が教室を揺らした。

 そうだ、オールマイトに見せてあげなきゃ、安心してくださいって。

 僕はさらにもう一つ気合をいれ、授業に臨む。

「ヤラシイノハオノレジシン……」

 頑張っていこう!

 

 

 

 午後。

「はい、私が来たーってね。それじゃ早速やっていくぞ」

「ヌルっと入ったな」

「パターン尽きたのかしら」

「尽きてないぞ、無尽蔵だっつーの。しかし皆、気合はいってるな。

 まあ今日はそんな君らには申し訳ないが、遊びの要素を取り入れた救助訓練レース! やっていくわけだけどね」

 そう言われ、僕達は疑問に思う。

 飯田くんが挙手し、質問する。

「救助訓練ならUSJでは? それにレースとは」

「ふふふ、ここは運動場γ。入り組んだ工場地帯を模した運動場で、ここで私は救難信号を出す。

 それを受けた君達は、街外から走って近づくという訳だ。分かったかな」

 成程、だからレース。

「それでは早速。緑谷少年、芦戸少女、尾白少年、飯田少年、瀬呂少年でスタートだ」

 これは、うってつけだ。

 

 

 

 

「誰一位だ? でも体育祭からやっぱ緑谷かなあ」

「まあ確かに、あのフルカウルってのやべえ技だぜ」

「爆豪はどう思う?」

「半分野郎。まあデクだろう。……あいつが職場体験で何も掴んでなけりゃ体育祭のままだが」

「成程、お前が見てんのは緑谷がどう成長しているか。か」

「ケ」

 

 

 

 

 それでは、スタート。

 オールマイトの合図とともに、僕は音を聞く。

 信号情報はジャービスが教えてくれる。

 いた、北北東に700メートル。

 これなら。すぐだ。

 僕はワンフォーオールを20%に設定する。

 速く、速く、速く。

 レーダーセンスが多少乱れる。

 だが、これならいける。

 僕はオールマイトのもとに真っ先に到達する。

「……掴んだようだね。緑谷少年。正解だ」

「はい! ありがとうございます!」

 

「緑谷少年一位! さあ皆頑張って」

「緑谷! 何かむっちゃ速くなってない!?」

 芦戸さんの叫びが聞こえ、僕は手を振る。

 

 

 

 

 

「おい、爆豪、今のは」

「わかってんよ。半分野郎。あいつ、掴みやがったな」

 電流の量から個性の出力は下がっているのに、速度は間違いなく上がっている。

 そうこなくちゃな、そんなお前を超えてこそナンバー1だよな。

「次は俺らか。行くか、爆豪」

「……ああ、ちったあマシになったかよ」

「……やっぱ一日の長はお前にある。だが、それでも、俺なりのやり方で掴んでみせるさ」

 

 

 

 

 

 

 

『では次、爆豪少年、轟少年、八百万少女、常闇少年、蛙吹少女、行ってみよう!』

「うーん、これも機動力ある組やな」

「そうだね」

 僕は音を聞きながら、辺りの様子を探る。

 気になるのは僕が脳無に連れられた時に見たかっちゃんのあの動き。

 あれはエンデヴァーからヒントを?

 かっちゃん、君は。

 かっちゃんは飛び出すと、僕とほとんど同じ速度で、真っ先にオールマイトの所に到着した。

「凄いね! 爆豪少年! 何だいいまの出力は?」

「……俺は俺でいろいろやってんだよ」

「お、轟少年もきたな! 二人はエンデヴァーの所で何かをつかんだようだね」

「……ええ、ですが、まだまだです」

 そんな会話が聞こえてくる。

「……デクくん。嬉しそうやね」

「ほんとだーニコニコだー」

 そう言われ、僕は表情を戻す。

「え? そうかな」

「うん、でもええと思うよ」

 

 かっちゃん、やっぱり君は僕の、ライバルだ。

 

 

「だあ、白黒ついた! 何だよスリートップあの動きはよ! 一週間前と全然ちげえじゃん!」

「職場体験でヒントをな……」

 上鳴くんと轟くんが会話する。

 やっぱり轟くん、柔らかくなったなあ。

「けど、緑谷もスゲエよな! 何だよ! 動きに無駄がなくなったっていうか」

「ああ、ちょっとした発想の転換というか今まで凄く無駄なことをしていたというか」

 僕は瀬呂くんと会話する。

 やっぱり、学校は学校でいい。

「おい、緑谷! えれえもん発見した! こっちゃこい」

「峰田くん?」

「見ろよショーシャンク! おそらく諸先輩方が頑張ったんだろう! 隣はそうさ分かるだろう! 女子更衣室!」

 学校は学校で……。

「峰田くん、今の君の叫びで耳郎さんが」

「やめたまえ峰田くん、のぞきは立派なハンザイ行為だ」

「オイラのリトル峰田は立派なバンザイ行為なんだよー!!」

 聞いて?

「八百万のヤオヨロッパイ! 麗日のうららかボディに蛙吹の意外おっぱい!!」

 耳郎さんのイヤホンジャックが、峰田くんの眼球にささった。

「八百万。塞いどいてくれ」

「分かりましたわ轟さん!」

 峰田くんを心配する人は誰もいなかった。

 しかしうららかボディか……。

「峰田くん、麗日さんはあの明るい性格ながら実家の建設会社を助けるために……」

「追い打ちブレインウォッシュ!? やめてくれ緑谷離してくれ! 誰か!」

 みんな更衣室を出ていく。

 

「オイラがオイラじゃなくなるー!!」

 

 

 

 

「ええ、あと2カ月程で夏休みだが……。峰田は今日どうしたんだ?」

「麗らかは麗らか麗らかで麗らか麗らかの麗らかオイラは麗らか」

「さあ」

(((あいつ敵にまわすのやめよう)))

 相澤先生は無視し、話を始める。なんやかんやこの人ドライに見えて熱血に見えてやっぱりドライである。

「まあいいか、((いいんだ……))勿論君らが夏休み、30日間休める道理はない」

 僕らは相澤先生の言葉にドキリとする。

「まさか……」

「夏休み、林間合宿をやるぞ」

「知ってたよやったー!」

 その言葉に、みな一様に騒ぎ出す。

「肝だめそー!」

 芦戸さん。

「風呂!」

 峰田くん復活した。

「花火」

 蛙吹さん。

「風呂!」

 峰田くん

「カレーだな」

 飯田くん。意外と子どもっぽいところある。

「行水!」

 峰田くん。

「ただし」

 相澤先生の眼光に、僕らは一様に黙る。

 

「もしその前の期末テストで合格点に満たなかったやつは、学校で補習地獄だ」

「「みんながんばろーぜ!!」

 ふむ、じゃあ期末に向けて、勉強しなくちゃな。

「それと、期末は実技試験があるからな。勉学だけでなく訓練もしておけよ。それじゃあな」

 そういうことなら、あれをやるか。

 僕はB組の塩崎さんに連絡をとった。そして相澤先生も呼び止める。

 

 雄英には運動場が何個もあり、そこでももっとも古くて荒れ果てたところ、そこで相澤先生の監督のもと、僕と塩崎さんは対峙する。

「ヒーロー殺しの件、お疲れ様でした。……私に用とは」

 塩崎さんは相変わらず、祈る聖女のようなポーズで僕に向かう。

「いや、シンプルな用だ。……戦って欲しい。僕の75%と、君のゴリアテで」

「わかりました」

 塩崎さんはすぐさま、ツルで巨人を形成する。

「いつも言うけど、僕のお願いだからって何でも聞いてもらわなくていいからね」

 あまりに即断即決で申し訳なくなってくる。

 だが、塩崎さんはすぐにゴリアテを操作する。

「別段構いませんよ。私もシンリンカムイさんのところで学んだことを発揮したいので、では参ります」

「うん、全力でいくよ」

 最大出力を使いこなす。それも、対人相手に。

 その前段階として、フルスロットルの扱いに慣れる。

 ブレーキを、なくす。

 恐れを、なくす。

 なりたい英雄になるために。

「ゴリアテフィスト!」

「トルネイド・スマッシュ!」

 僕らは激突した。

 風が吹き荒れ、大地が割れ、レーダーセンスが乱れる。

 

 地面がひび割れ、怪獣が暴れたような状態になったグラウンドで、僕は構えを解いた。

「ありがとう、塩崎さん。ちょっとシャドーをやっていくから、また今度」

「いえ、ですが、見ていていいですか?」

「うん、75%でやっていくから、離れて見ててね」

「はい」

 組手のあとは、シャドーボクシング。

 暴風が吹き荒れ、嵐のように地面が抉れていく。

 

(……動きがよくなってる。何か掴んだか緑谷。さて、こいつは期末でどんな課題をぶつけるか。

 ……こいつの相手になるのは、もうそれこそ)

 

 個性なしでは、週三回のウェイトトレーニング、ボクシングと柔道のトレーニング。

 そして、個性ありでは、塩崎さんとのトレーニングで環境破壊の日々。

 

 こんな風景が、一カ月弱続いた。

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