役者は揃いました、舞台も整いました。
さて、ではではやってみましょう。
原作をよく思い出して、あれ。ジュエル・シード、探すのって難しくないかなぁ?
こんにちは! 佐藤・浩介です!
『・・・・・・・・』
絶賛! ギルさんが気絶中です、あ魂が抜けています!
『傷は浅いぞギル! 頼むから起きてくれ!』
『ふざけるな第四真祖! 何時から我をギルと呼んでいいと許可した?!』
『いや、もういいかなって』
『貴様、不敬ではないか?! 王のことを』
『同じ苦労を味わう者として』
『・・・・・・・フ、我も丸くなったものだな。納得してしまった』
『山本のじいさん、なんでそこでお茶を飲んでんだよ』
『ほっほっほ、儂も大人しくなったものじゃと思ってのぅ』
なんだか縁側があって、崩れ落ちているギルさんと、疲れた顔のこじょうさんと、お茶を飲んでいるおじいさんがいます。
あれ、今日は訓練しないのかな。じゃ、自主練だ。確か、サッカーしている子が『裏でこっそり自主練して、頑張るのかっこいいだろ』って言っていたから、僕も頑張って練習しないと。
「まず鎧を着ます!」
『おい、笑っていいぞ。あれは我の鎧だそうだ』
『落ち着けよ、英雄王。大丈夫だ、まだ大丈夫だ』
「そしてマントをつけます!」
『昔の儂なら確実に殴っておったのぅ』
『じいさんもっとしっかりしようぜ! 俺一人に突っ込みさせるなよ!』
「そして! レグルスゴー!」
『止めろおまえはぁぁぁ!!』
なんだろう、こじょうさんが凄い顔で止めてくるけど。金色の鎧を着て白いマントをつけたら、後はライオンを纏って突撃じゃないのかな。
『なんで第四真祖の眷獣を身に纏っているんだよ?! どっからきたその発想は?!』
「雷はファッションらしいです!」
あれ、こじょうさんが崩れ落ちた。なんでだろう、確かそんなことを誰かが言っていたのに。
えっと、魔法をギュッと圧縮して体の中に入れるって、技法?
「め、女神様、何してんですか?」
「え~~と、その。つい」
「本当に何してんですか?! なんで佐藤・浩介のステータス画面を開いてんですか?!」
「いや、だって、ねぇ。その、あれよ、ほら」
「なんですか?!」
「ま、魔法を使って乗り物を操れるって、魔法を『乗りこなす』ことも必要かなぁって」
「誰からそんなことを?」
「使命感!」
グッと親指を突き出す女神に、天使一同は深くため息をついた。
佐藤・浩介、『ネギま』の『闇の魔法』を習得す。ただし、内包できるのは魔法だけに限らない。
「女神様」
「ごめんなさい、ちょっと土下座に行ってきます」
神様の世界は今日も残業らしいです。
夜の街を走る。人目のない場所をかけぬけ、目的のものを探しても見つからない。何度も、何回でも諦めずに根気よく。
「フェイト、今日はもう」
「もう少しだけ。まだ見つけられてないから」
「でも、フェイト」
「必ず見つけないと、そうじゃないと母さんが、『アリシア』が」
小さく呟く少女の背中を、女性が悲しそうに見つめていた。
「艦長、この世界って魔法がないんですよね?」
「確かそうよ。どうしたの?」
「いえ、ミッドチルダ式魔法の反応があるんですけど」
「調べてみましょう」
という、夢を見ました!
なんだか複雑そうな夢です、誰もが必死な顔をしていたので、夢とはいえ皆が幸せになればいいなぁって考えます。
『こ、こやつ』とかギルさんが凄い顔しています。どうしたんだろう、僕だって人の幸せを願うことがるのに。
『いや、マジか』とか古城さんが言っています。あ、きちんと発音ができました。よっし、これで僕も素晴らしい大人に近づいた。
『ラスボスじゃな』っておじいさんが言っています。
あ、そういえばラスボスについて調べました。
ラスボス、つまり最後のボスって意味らしいです。
ということは、やはり僕はもっと鍛えないと。今のままだと、中盤のボスで終わりそうです。
あ、RPGって苦手だった。
「健~~」
「どうした浩介?」
「RPGでのラスボスってどのくらい強いの? 確かゲームしていたよね?」
「ああ、ラスボスか」
あれ、どうしたんだろう。健の顔が青くなっていくけど、病気かな。
「そうだなぁ、誰よりも平和を愛し、自由を尊重して、他者を慈しみ、余計な混乱を起こさない。度量の広い男がラスボスだ」
健が凄い顔で親指を立てています。強さを聞いたのに、そんなことを言ってくるなんて。つまり、ラスボスはそんな存在ってことか。
そっか、そっか。
『でかしたぞ雑種ぅ!』とかギルさんが喜んでいます。
『よくやった健!』とか、古城さんも喜んでいます。
『見事じゃ』っておじいさんも絶賛です。
「解ったよ、健。ラスボスが何なのか解った」
「そっか、良かったな。なら、俺は少し寝るぜ」
「体調が悪いなら早退したら? 今日はなのはちゃんもすずかちゃんも、アリサちゃんも顔色悪いね」
「ちょっと探し物でな。ふわぁ眠い」
眠いって夜更かしでもしたのかな。そんな、夜にきっちり寝ないなんて悪い子たちだ。悪い子? あれ、なんだろうちょっとだけ憧れるものがあるけど、僕が夜更かしすると深雪さんが、『ダメですよ、マスター』って穏やかに怒ってくるから、したくてもできないんだよね。
ちょっとこっそりと出かけようとしたら、『添い寝』とか言いだすし。
僕はもう子供じゃないから一人で眠れるのです!
「悪くなったね、健」
「いやどうしてそうなる。いいから寝かせてくれよ、ジュエル・シード探しで眠くてさ」
「ジュエル・シード? あの危ない宝石のこと?」
探しているってそれなんだ。
「・・・・・ちょっと待て、なんで浩介が知っているんだよ?」
「え? 知っているから?」
「まさか、おまえ。まさかだよな」
どうしたんだろう、健。なんか震えているけど、本当に体調が悪いのかな。
あ、先生が来た。
放課後、何時も通りにジュエル・シードを探しに行こうとしたなのはを健は呼びとめた。
「厄介事になった」
健はそう言って、すずかとアリサも連れて何時もの公園に向かう。
「浩介がジュエル・シードを知っていた」
「こーすけ君が?」
なのはにとって、それはあり得ないこと。浩介の持っているものを考えたら、真っ先に協力してもらうのが一番なのだが、彼女が断固ととして拒否した。
『こーすけ君が関わったら、もっと厄介なことになりそうなの』。
それにはアリサとすずかも同意して、健も頷いた。唯一、その浩介を知らないユーノ・スクライアだけは首をかしげていたが。
「あいつなら、あり得るわね」
「こーすけ君なら知っていてもおかしくないよ」
アリサも頷き、すずかは微塵も疑っていない。
「ねえ、前から聞こうと思っていたけど、『こーすけ』ってどんな子なの?」
聞こうとしても聞けなかった質問を投げたユーノに、四人は間をおくことなく答えた。
『ラスボス』と。
「悪い意味じゃないよ、ユーノ君。こーすけ君って昔から、『何かあった時は中心にいる』ことが多いの」
なのは、ちょっと苦笑しながら答える。
「あいつってこう悪運が強いっていうか、問題ごとのど真ん中にいること多いのよね」
溜息交じりにアリサは告げた。
「本当にどうしてって聞きたいくらいに、何かあったらこーすけ君に話を聞けば『うん、それね』って答えてくれるよね」
すずかも何処か疲れた顔で思い出していた。
「本当に、マジかってくらいの確率で遭遇するからな。黒幕おまえじゃないかって疑ったこともあるけど、大抵が巻き込まれた結果だったから、笑い話にもならない」
健も凄まじく肩を落としていた。転生者としての記憶を思い出してから、浩介がたどった事件を思い出すと、『おまえ、本当に今までよく生きてたな』ってツッコミを入れたくなるくらい、色々なことに巻き込まれたのが浩介だ。
その最終段階が現在の『転生者でもないのに転生特典』とは、健も気づけずにいたりする。
「え、待って。でもそうすると、今回の事件って『そのこーすけ』が引き起こした可能性はないの?」
ユーノが思いついたことに、四人はちょっとだけ呆けてしまった。
否定したい、誰もがそんなことはないと言いたいのだが、否定できない前科が彼にはある。
黒幕ではない、すべてを裏側から操っていることもない。けれど、引き金を引いたり、誰かの暗躍した結果だけ『作動させる』ことはしてきたのが、佐藤・浩介だ。
「・・・・・あいつの両親の遺産、親族に奪われたよな?」
「あ、それね! パパにも『どうにかして』って言ったんだけど」
「私もお姉ちゃんにお願いしたよ」
「なのはもお父さんたちに言ったよ」
あの時の事件は三人の中で、暗い思い出として残っていた。
浩介の両親が亡くなった時、その貯金額は浩介が大人になるまで十分に持つだけはあった。それが一瞬で親族達の取り合いの結果、ゼロになって家も奪われて浩介は路頭の迷うことになったのだが。
「その親族、全員が『破産』してんだよ」
「うわぁ」
声を出したのは誰だったのかは解らないが、全員が思ったことだった。
「待って、あいつってそんな『性質』を持ったの?」
「アリサちゃん、性質じゃなくて、『技能』?」
「酷いの、すずかちゃん。私達みたいな魔法のスキルとか?」
「自分に敵対したものを不幸にするスキルって、どんだけだよ。なのはちゃんさ」
「待って、皆、おかしい話になってない? 今はその『こーすけ』がジュエル・シードを知っていたって話だよね?」
話の内容が酷いものになりそうだったので、ユーノは戻すことにした。その先にいったら、何故か『苦しみ』になりそうと思ったからではない。
「・・・・・・・あいつのスキルを考えると、ありえない話じゃない」
「じゃあこーすけ君はもう?」
「こっち側だろうな」
健の言葉に、誰もが反論できないでいた。
「あいつがこの事件にかかわっているって・・・・・どうしよう、凄く普通に思えてきた」
アリサ、ダウン。もう何時も通りすぎて、どう反応していいか解らない。
「私も違和感ないよ。こーすけ君なら、もう解決した後じゃないかなって疑っているから」
すずか、妙なところで真実を言い当てる。
「こーすけ君、奥さんに黙っているなんて許せないの」
なのは、告白のし過ぎてもうすでに『妻』の気持ちになっていたりする。
「怖いしその通りかもしれないけど、浩介に話をするしかないか」
健、一世一代の決意をした。
そして、ユーノは四人の姿を見て思う。
『そのこーすけって本当に人間?』と。
「は?! 何処かで僕が人間じゃない認定された気がする?!」
「え、マスター?」
「そんな気がします、深雪さん!」
「まぁ、それは大変ですね」
大変なんです。深雪さん、綺麗な顔で笑っているけど、目が笑っていないような気が。
「何処の誰でしょうね、私達のマスターを人外扱いした人は? フフフフ」
あれ、ちょっと寒い。なんだろう、雪でも振るのかな。ここは朱塔玉座の中なのに、エアコンが壊れたのかな。後でラキシスさんに言っておこう。
「ところでマスター、今日はどうして『宝物庫』に?」
「はい! なんだか健がジュエル・シードを探しているようなので、僕が持っている分を届けようかなって」
「え?」
深雪さん、どうして笑顔のまま固まるのかな?
「だから! マスターに言わないとだめでしょうが!」
うん、リーナさんだ。あれ、怒っているけど、どうしたのかな。
「お、怒られませんか?」
ラキシスさんもいる。
「怒られても報告はしないと」
イオナさん、怒られるって何があったのかな?
「いいじゃない、言われたからやっておきましたで」
「そ、そうですよね?!」
「報告に『何時』を入れなければいいだけ」
「そうですね! じゃあ・・・・・・あ、マスター」
あれぇ、三人が僕を見て固まっているけど、何があったのかな。
「ラキシスさん!」
「はい!」
「ジュエル・シードを友達が探しているので、ください」
「どうぞ! マスターの命令どおりにすべて集めておきました!」
お~~仕事が速いなぁ。さっすがラキシスさん。
よし、これを健に届けよう。
テレポートっと。
「健~~」
「浩介?! どっから出てきた?!」
あれ、ここって公園だ。あ、なのはちゃんとすずかちゃんと、アリサちゃんもいる。あれ、その足元にいるのってフェレット?
「はい、どうぞ」
「ああ、どうも。はい?」
「ジュエル・シード、探していたよね。はい」
「・・・・・・・おまえ、ラスボスだな」
「いや~~照れますなぁ。それ目指してます!」
グッとガッツポーズした後、僕は朱塔玉座へ戻りました。
「時空管理局だ!」
あれ、誰かの声がしたけど、誰だったのかな。見られたかな、テレポートする人間って、危ないって思われないかな。
うん、後で健に話を聞こうっと。
『我はこやつが予想できなくなってきた』。
『最初から俺には無理だったぜ』。
『まさにラスボスじゃな』
。
あれ、なんでだろう、三人が呆れた顔で見ているけど、どうして?
「そういえば、創造神様、あの子のこと知っているんですか?」
「知っているといえば知っておるが、知らないといえば知らないのぅ」
「え?」
「うむ、若気の至りじゃ。実はの、『トラブル・メーカー』を逆転させたらどうなるかと考えたことがあっての」
「はぁ?」
「で、実験していたスキルをつい、ポロリと」
「ポロリと?」
「現世に落としてしまって、その先にいたのがあやつじゃ」
「・・・・・・浩介君がこんなことになっているのって原因はあんたか?!」
「これ、女神がなんという言葉を使う。もっとお淑やかにじゃな」
「逆転させたら、トラブルが集まってくるでしょうが?!」
「見事に、トラブルホイホイになっとるのぅ」
「浩介君のために、この人を殺した方がいいかな?」
「女神様、その時は天使一同、お供します」
穏やかだった神様の世界に、『最終戦争』が起きそうな気配がしました。
はい、というわけで、ジュエル・シード事件、完!
いやだってラスボスだぜ、集めてあるんだよ。で、勇者が親友で『探している』って言ったら、『じゃあげようか』で終わるでしょ?
そんなことを考えた結果、僅か二話でジュエル・シード事件が終わりました。
今回、浩介がなんでこうなっているかの原因と、浩介の裏設定が明かされました。
うん、そんなことばっかりだから、浩介が何かしても周りの友人達は『あ、またか』で終わってしまうのです。