このような作品を評価、お気に入り登録していただき、ありがとうございます。これからもラスボス理不尽系主人公、浩介君の活躍をご期待ください。
あれ、ラスボス系残念主人公かもしれない。
今回は、フェイトちゃん回になってほしいなということで。
皆さん大変です、佐藤・浩介です。
「フェイト逃げるよ!」
「うん!」
なんだか、引っ張られてテレポートしたら女の子と女の人から、攻撃されました。あれぇ~最近ではテレポートして敵の前に立って、『ふっふっふ、何処を見ている』が主流なのでは?
『貴様ぁぁぁ!!』とかギルさんが怒っています、どうしたのか解りません。だってなんだか、『こっち行け』って天啓があったのですから。
『こいつ、自然と『目』を使いやがったぞ』とか、古城さんは何を言っているのやら。
何時までも三人にお世話になっている僕ではないのだ!
「時空管理局の魔導師風情が!」
「あ、そこは僕とは関係ないので」
ラキシスさんが色々とお話していたけど、関係ない気がします。
お互いに不干渉なら関係ないであっている、かな。
「じゃあなんだい?! フェイト行こう!」
「うん、ごめんなさい」
あ、魔法だ。これが魔法、魔法?
あれなんだろ、僕の中の魔法と違っているような、あっているような。
「通じてない?」
「フェイトの攻撃だよ?! なんて硬い防御なんだい!」
「それなら」
また魔法の攻撃が来ました。でも、あの杖いいな。なんだか音声で答えているみたいだけど、僕は英語ができないので解りません。
『・・・・・・』ギルさん、なんで白目をむいているのかな。
『いやマジかおまえ、本当にマジか』って古城さん、失礼な。
『むう』っておじいさんまで。僕は英語なんて話せないよ。
「フォトン・ランサー、ファランクス・シフト」
あ、女の子の魔力が高まった。これは来るってことかな。
よし彼女も本気なら僕も本気でやろう。
まずは鎧を。
「ちょっと、人のマスターに何してるのよ?」
あ、リーナさんだ。
「見過ごせませんね」
深雪さんまで来てくれた。あれ、でもこれっていじめにならないかな。
「二人とも! 僕のターンだからやめて!」
三人で二人を囲むなんていじめだと思います!
だから僕に任せて。
「いやマスターが出たら、不味いから」
「ええ、確実にいじめになりますね」
「どういうこと?! 一対二だからいじめにならないと思います!」
あれ、なんでか二人が『え』って顔しているよ。
『貴様はいいかげん、自分のことを理解せよ』ってギルさん、復活してくれたんだね。じゃあ、武器をブッパで行こうかな。
『止めぬか貴様ぁ!』って叫んでも、遅いのです。
「ちょ?!」
「マスター」
あれぇ、なんでか武器が外れたけど。きちんと狙ったのに、僕はまだまだギルさんの宝物庫みたいにできないようです。
『よくやった! よくやったギル!』って古城さん、何を喜んでいるのさ。『見事じゃ、さすが英雄王』っておじいさんまで。
『亜光速ではなく光速だとぉ』ってギルさん、凄い消耗している。何があったのかな。
「あ~~~ねえ、そっちの二人、マスターと戦うのと私たちに捕まるの、どっちがいい?」
「脅迫したいなら素直にそう言いな!」
「ですよね~~」
ム、リーナさん、なんで呆れているのかな。深雪さんも、その納得の仕方はちょっと怒りたい。
「仕方ないよ、アルフ。ここで何かがあったら、母さんが悲しむから」
「フェイトぉ」
「投降します」
両手を上げたフェイトちゃんに、僕は両腕を組んで答えて見た。
「ウム!! 我が城へ招待しよう!」
よっし決まった。
「ま、マスターが」
あれ、リーナさん、どうしたの?
「あのマスターが」
深雪さん、なんで泣きそうな顔しているのさ。
「初めて『朱塔玉座』を我が城って言った!」
「え?」
あれ、なんだろ、なんだかすごく感動しているけど、そんなに言いこと言ったかな。
その城はまさに白亜。
巨大な島の上に立つ巨大な純白の城。
並び立つ騎士たちは、機械なのに魔力を感じて、巨大な生命を持つ怪獣たちがゆっくりと頭を垂れる。
機械の騎士と巨大な兵士、屈強な戦士たち、天かける戦船、数多の異形が護る道の真ん中をフェイトの前を歩く少年が進んで行った。
「ただいまラキシスさん!」
「お帰りなさいませ、我がマスター。ミラージュ騎士団一同、心よりお待ち申し上げていました」
白きドレスを纏う女性が、恭しく頭を下げた。
フェイトから見ても実力はかなり高い、自分なんて足元にも及ばない力を持ちながらも、彼女は迷いなく目の前の少年に忠誠を示す。
怖いと初めて思った。勝てない相手は何度も見てきた、負けると思ったこともかなりあったのに。
『死ぬ』と思った相手は初めてだから。
ゆっくりと彼が振り返る、年相応な顔に笑顔を浮かべた彼は両手を大きく広げた。
「ようこそ! 僕の朱塔玉座へ!」
彼、佐藤・浩介と名乗った『王』は嬉しそうに告げたのだが、フェイトにはまったく別の姿に見えた。
闇のようにすべてを飲み込み、輝きのように人を魅了し屈服させる、そんな巨大な『何か』に。
フェイトちゃんとアルフさんをお城へご招待。
「ううう、長かった長かったです」
初めてのお客様です。
なのはちゃん達は、なんか突発的に招いたから、例外ってしておこう。
「本当に長かった、この日が来るのを待っていたのよ」
それに家族みたいなものだからね。あれ、でもアリサちゃんとすずかちゃん家は家族みたいなもの、じゃないような。
まあ、いっか。
「苦節と言ってもおかしくないほど、長かった時間が終わりました」
それにしても、なんで泣いているのかな。
「私は嬉しい。本当に喜んでいる」
あれ、なんで四人とも泣いているのかな。
「マスター! ここは何処ですか!?」
「何を言っているのさ、ラキシスさん。朱塔玉座でしょ?」
「はい! そしてここは誰の城ですか?!」
「え、僕じゃないの。だってラキシスさんがそう言っているから」
なんだろ、何かあったのかな。
ハ?! まさか、本当の持ち主が帰ってきたから、返せって言うのかな。うん、そうなったらあの家だけでも貰いたいな。
「はいありがとうございます! 私達はこれからもマスターについていきますから!」
「あ、うん、ありがと」
怖かった、なんだか泣きながら掴みかかっていたラキシスさんが、とても怖かったです。
「それで!」
あ、ラキシスさんがフェイトちゃん達に顔を向けたら、なんだか怯えた顔になったんだけど。
「お二人は何か探していたんですか? どういった要件でこうなったのか。あるいは望みがあれば言ってください。マスターに『我が城』って認めさせた御二人ですから、ご要望は叶えますよ?」
「え、あの、その」
「さあ!!」
ラキシスさん、顔が怖い。なんだか二人に迫る雰囲気がとても怖いです。
あれが噂に名高い『鬼気迫る』って顔なんだ。
「わ、私達はジュエル・シードを探して」
「フェイト、言うしかないよ。もう全部、言うしかないって」
「うん、ごめん母さん。それで」
ジュエル・シード。それって健に上げた奴じゃないかな。そっか、フェイトちゃん達もそれを探していたんだ。
あ、ラキシスさんが無言で振り返った。
「マスター、ちょっと時空管理局を滅ぼしてきますね」
「え?」
「リーナさん、深雪さん、イオナさん。準備してください。殲滅戦です」
待って、ラキシスさん、なんでそんな真顔で冗談を言うかな。
「そうね、仕方ないわね」
「この功績に見合うのはこれくらいでしょうから」
「当然の話」
あれ、なんだろ、なんで四人ともやる気なのかな。
「作戦目標はジュエル・シード。他はすべて灰燼とします」
「ちょっと待とうかラキシスさん!」
「止めないでください、マスター。今はジュエル・シードが必要なんです」
「いやだってあれは健に上げたものだから」
「ですから奪還します」
「いや暴力反対です!」
「ちょっと行って組織をぶっ壊すだけですから!」
「危ないこと禁止だと思います! 戦争反対!」
『いやおまえが言うな』ってギルさん、今はそんな冗談に構っている暇ないので!
『おまえほどじゃない』って古城さんまでのらないで!
『まずは殴る、それからじゃな』っておじいさん、それは最後の手段だと御思います。
あれ、三人がとても呆れた目で見ているけど、僕はそんなに単細胞じゃないから。
ム! 何処かで誰かが言っている気がする。
『しゅにまじわればあかくなる』? なにそれ。
「え、なにこれ、どうしたのこれ?」
「女神様、何かありましたか?」
「浩介君のところの四人がおかしいのだけれど」
「・・・・・・あれ、創造神様が何かしたんじゃないですか?」
「もう復活したのあのじじぃ! でも、こんなことして喜ぶ神じゃないでしょう。どうしたのかな」
「いや女神様、元々『浩介』がこんな感じじゃないですか」
「ああ! 違うわよ、浩介君はもっと穏便に」
ポチ!
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・女神様?」
「ちょっと土下座に行ってきます」
「いやなにしたの、あんた」
ちょっと嬉しそうにスキップしながら歩きだした女神に、天使はため息交じりに告げたのでした。
「皆さん!」
あ、女神様だ。
「このたびは本当に申し訳ありませんでした!」
「今度は何をした駄女神」
「いきなりのアイアンクローはないでしょうラキシスさん!」
「おまえに『さん付け』を許した覚えはない」
あ~~容赦ないなぁ、ラキシスさん。
「で、何したのよ」
リーナさんが、ラキシスさんを蹴とばした。うん、酷いって思えない僕って冷たい奴なのかな。
「はい、今回は、その『投影』を」
「普通ね。でも、普通じゃないんでしょ」
「はい、実は『エミヤ』の投影魔術を応用発展進化させたもので」
「で?」
「はっきりいってコピーです」
あ、リーナさんが女神様を蹴とばした。
「つぶしなさいリーナ! 私が許します!」
「私もやりたい」
「あんたって駄女神はぁ! コピーって何よコピーって!」
「ごめんなさい! あ、正確には完全コピーの無制限ってものですから」
「余計に悪いじゃないの!」
「それと、後はその派生で『因果改編』が」
なんだろう、空気が固まった気がするけど。
「・・・・・あんたそれ、神様じゃないの?」
「げ、限定的ですから」
「あんたまさか、こっそり創造神の力をマスターに入れてないでしょうね?」
リーナさんが怖い顔で女神様に詰め寄ると。
「てへ」
あ、可愛い。
「あんたを殺して神様を滅ぼしてやるわよ!」
「私もやりますから!」
ラキシスさん、参戦っと。
あっちの乱闘騒ぎはこのままでいいかな。
「それでフェイトちゃん、ジュエル・シードを使って何をするの?」
「え、あの、あっちはいいの?」
「いいの! 何がしたいの?」
放っておこう、僕の第六感がそう叫んでいる気がする。
そう思いました!
「アリシアを助けてほしいの」
ちょっと泣きそうな顔のフェイトちゃんに、僕は。
「初めまして、浩介です」
「へ?」
「あ、母さん、浩介がね」
「え?」
「はい、これでアリシアは大丈夫」
「ありがとう!」
「ついでにお母さんの病気も治しておくね」
「母さん、病気だったの」
「え、あ、え?」
「じゃあねぇ~~」
そう告げて姿を消した浩介に、手を振るフェイトと、なんだか疲れた顔で座り込むアルフ。
「ねえ、リニス、私は夢を見ているのかしら?」
「間違いなく現実ですよ、プレシア」
「そうね」
いきなりの展開に呆けてしまうプレシアと、その姿を見て冷静になれたリニスだった。
テスタロッサ家の問題はこれで解決、めでたしめでたし。
「よくない!!」
病気が治って回復したアリシアは、開口一番に叫んでいた。
「私は裸だったのに!!」
その瞬間、母親の殺気が膨れ上がったという。
「浩介君! 女の子の裸を見たら責任をとるべきなの!!」
「なのはちゃんの意地悪!! 僕がお風呂に入っているところに突撃してくる君の言うことなんて聞いてやらない!」
「なのはなにしてんのよ?!」
「なのはちゃん!!」
「なんでアリサちゃんとすずかちゃんまで突撃してくるの?!」
その日、浩介は思う。
今後、高町家にお泊りするのは止めようと。
「恭也さん! 士郎さん! お宅の娘さんのじょうそうきょういく? はしっかりしたほうがいいと思います!」
「どうした浩介、いいや義弟」
「何かあったかい、浩介君。いや義理の我が息子よ」
「なんで言いなおしたか解りません! 今日は帰ります!」
お泊りに来ればなんて誘いに乗った自分の愚かさを、浩介は噛みしめながらレッド・ミラージュで朱塔玉座に戻る、浩介でした。
ジュエル・シード事件は完結。
次回、プレシア・テスタロッサ襲撃事件へ。
娘の純潔を奪うなら、魔王だろうとラスボスだろうとぶちのめす。
なんて話になればいいなぁと考えています。