勢いのままに書いてみた、思い立ったが吉日とか言ってみる。
ショタ少年に世界の運命とか背負わせて愉悦愉悦とか、鬼畜にも程があるでしょう。
楽しければいいのさ、人生は。
こんにちは! 佐藤・浩介です!
僕は解った気がします。十歳ですけど、さとったと言っていい気がします。
これは夢です!
『雑種といってやろうか?』
『子供相手にムキになるなよ』
『小童、苦労しておるのう』
なんだか金髪の男の人と、だるそうなお兄さんと、すっごい長い白ひげのおじいさんが目の前にいます。
『あ~~チュートリアルって奴だ』
『我が教えるだと? ふざけた神もいたものだな』
怖いです、体中が震えてます。
な、なんでこんな目に合うんだろう? あれ、僕って寝たのかな、学校に行ったはずなのに、夢の中ってどうして?
『ふむ、どうやら間違えたようだな』
おじいさんが不思議そうに髭を撫でています。間違えってなんだろ?
「すみません、ごめんなさい」
「あ、女神様だ」
「ごめんなさい、チュートリアル・モードの誤作動です、ごめんなさい、本当にすみません」
土下座している人って初めて見たよ。
「佐藤、寝ているのか?」
あ、先生だ。あれ、ここは教室で隣でなのはちゃんがこっちを見ている。
「先生! 金髪のお兄さんとだるそうなお兄さんと白ひげのおじいさんに会いました!」
「そっか、大変だったな。おまえは今日は早退してもいいぞ、大変だろうからな」
「大丈夫です!」
帰ったら怖いことになりそうだから。
「佐藤く~~ん、保護者の方が御迎えに来てますよ」
え、誰?
僕の今の保護者って、誰だろう。あ、ラキシスさんだ。
こうして僕は、体調不良って理由でラキシスさんに手を引かれ、早退することになりました。
ズシンとものすごい音がしました。
「ロボットだぁ」
「MHといいます。出力とか武装とかは、言わなくてもいいですよね?」
「はい覚えられません!」
「マスターの手足となって動いてくれるので、覚えておいたほうが・・・私が頑張りますね」
うん、なんだかラキシスさんが両手を握ってる。あれってガッツポーズだよね、なんだか気合とか入れる時にするらしいけど。
「あれ、これをどうするの?」
「これで帰ります」
え、何それ?
「つまり、自家用車でのお出迎えではなく、自家用MHでお出迎えです」
「なにその凄い話?!」
車でお出迎えってアリサちゃんとかすずかちゃんがしてもらっているけど、僕も送ってもらったことあるけど。
ロボットでお出迎えって、そんな凄いことになるの、なんで。
「実は、マスターの家とこの世界は繋がっていなくて。どうにか座標だけ確認したのですが、車でお出迎えしようにも車での転移はまだ難しくて。どうせならテレポートできる機体ってことで、MHにしてみました」
「そうなんだ」
うん、難しい話は解らない。もっと簡単に優しく言ってくれるとありがたいなぁ。
「MHって言うんだ」
「機体名は『レッド・ミラージュ』です」
その時は僕はそうなんだと頷いていた。僕は知らなかった。これが『最強の幻影』って呼ばれる機体で、とある世界では見ただけで恐怖にかられるほどに強い機体だってことを。
「てれぽーと?」
「瞬間移動です」
「ふへぇ~~」
「ちなみに、ミラージュ系はもっと凄いのあるんですけど、これが無難かなぁって結論になりまして」
「すごいのって何?」
「百メートルくらいの大きさとか、マスターは好きですか?」
「なのその大きさ?!」
「正確には二百メートルなのですが」
「ロボットっていうより山?」
「そうですね」
なんか、遠くを見ているラキシスさんがいて、僕は子供だけど空気を読みました。きっと、これは聞いちゃいけないことなんだよ。
でもでも、きっと僕はこれは質問していいと思う。
ロボットのコクピット? はかっこいい。操作しているラキシスさんもかっこいい。初めて見た、朱塔玉座もかっこいいし、大陸が浮いているのも驚いた。フロート・テンプルって言うのかな、それもかっこいい。
でも、到着した場所からずらりとロボットが並んでお出迎えは、ちょっと僕は困ってしまいます。
「お帰りなさい、我らが主」
「・・・・・帰る」
「ですからここがマスターの家ですから」
「帰る!」
「マスター、ここがマスターの家なんです」
「だってラキシスさん! あんなの城じゃないの! 城が家って僕は王様じゃないから!」
「え、でも英雄王の技能を持っていますよね?」
「誰それ?」
「金髪の男の人ですよ」
う、会ったことあるような、ないような。
「世界のすべてを手に入れた王様ですよ」
「・・・・・僕には関係ない気がします!」
「マスターの転生特典ですから」
「転生してません!」
「あ、そこはあの女神様が間違えたので」
うん、解ってる。知っている、話は聞いたけど、信じたくないって思うんだよ。
諦めるってこんな気持ちなんだよね。あ、そっか、僕の家ってもうないんだ。あの家も全部、親戚の人が持って行っちゃったから。
「あ、ちなみにマスターの生まれた家ならあそこにありますよ」
「本当だ!! ありがと、ラキシスさん!!」
「はい、あそこを博物館にして『我がマスターの歴史』としますので」
なにを言っているんだろう、この人?
佐藤・浩介は思う。
「眠れるわけないじゃないの!」
彼は叫ぶ。見た目も巨大、中身は豪華、テレビでも見たことない城の内部の自室は、昔の家が入るほどの広さを持っていたりして。
寝室だけで二十五畳とか、必要ない気がするのだが、ラキシス曰く『これが一番、狭い部屋でした』とのこと。
「普通って尊いものだなぁ」
佐藤・浩介、十歳にして心理を悟る。
その一方で、ラキシスは難しい顔でモニターを見ていた。
「マスターの護衛役が必要じゃないの。私たちの誰かがついてないとだめじゃないの?」
アンジェリーナ・クドウ・シールズ、通称はリーナの言葉に誰もが頷いている。最もな意見だと誰もが同意を示せるのだが。
「しかし、マスターはまだ小学生。その中を護衛として入るとなると、教員か事務員しかありません」
司波・深雪の言葉に、確かにと誰もが頷いた。
「光学迷彩」
イオナが救いのようにアイディアを出すと、今度は反対側から別の意見が挟まれる。
「光学迷彩の技術は開発中です」
ラキシスが困った顔でちょっと視線を泳がせる。確実に何かした後の彼女の仕草に、他の三人が半眼になって睨む。
「正直に話せば、処罰は見送るわよ?」
「何をしたのですか?」
「白状しろ」
リーナ、深雪、イオナに問い詰められ、ラキシスは白旗を上げた。もちろん、実際に小さな白旗を右手で振りながら。
「さ、先に歩兵戦力かなって重火器を含めた歩兵火力の開発とか、装甲服の開発を命令していました」
「え、待って、それでも生産ラインと開発ラインは残るわよね?」
うろ覚えのように呟くリーナに、深雪が肯定を示す。
「フロート・テンプルではなく、デルタ・ベルンの地上開発施設のラインは全部で八十二、その内の三つだけでも一日で十個師団の装備生産が可能なはずです」
「開発ラインは二十八、どれも量子コンピュータも使っている。全部、使うことはない」
イオナも口を挟む。
女神から与えられた転生特典の技術チートは伊達ではない。本来なら持ち主が開発にかかわるところなのだが、AKDが欲しいといった転生特典が混ざり合って、独自の技術を生み出し、開発を行って、生産して現場に配備できるようになっている。
これにファティマも加わり、ガンダム系チートのGジェネの基地機能も合わさると、技術チートが頭脳集団を形成して次々に新技術を開発、あるいは新装備を開発して生産しているような、そんな凄まじいことを可能としている。
「技術検証は必要なので」
「なので何よ? 何したの?」
小さくなっていくラキシスを、さらに問い詰めるリーナ。
深雪とイオナは小さくため息をついて、端末を操作する。彼女が言うより確認したほうが早いから。
そして知る。ラキシスが何をしているか、を。
「リーナ、ちょっとその馬鹿を捕まえておいて」
「これは許せない、ギルティ」
「は? 何したのよ、ラキシス?」
「・・・・・・私じゃないんです」
仕方ないか、と彼女は真実を語る。
もう気づいた時には、システムは動きだしていた、と。
ガンダム系、マクロス系、ゾイド系、そんな種類ごとに開発をしているとか、新型技術を使っているとか、それらを複合しているとか、そう言ったものではない。
師団規模での生産を開始されているラインを見つめ、ラキシスは遠い眼をしながら語った。
「あの女神」
「今度は何したの、あの駄女神」
「最終戦争を想定した戦力を生産していきました」
溜息と共に出された答えに、誰もが小さくため息をついたのでした。
りりかるなのはってほのぼの世界なのに。
眠れない、落ち着かない、こんな広い部屋なんて嫌だって言ってたら、部屋が片付けられて、部屋の片隅に畳を敷いてもらえました。
壁もすぐに作ってくれて、六畳間ができました。
凄いなぁ、うんうん、こういう部屋がいいよ。広い部屋って落ち着かないから。よっし、後は机を貰って、僕は勉強しないと。宿題は貰っているから。
あれ、携帯電話に着信、なのはちゃん?
『こーすけ君、お家がなくなっちゃったよ?!』
あ、そっか、なのはちゃんに何も言ってない。幼馴染に何も言ってないって僕は酷い奴だなぁ。
「ごめん、引っ越した。ほら、僕のお父さんとお母さんが亡くなって、親戚の人に引き取られたから」
『そうなんだ。ごめんね。あのね、プリントを届けようと思ったの』
「ありがとう、じゃあ『あの公園』で待ってて、取りに行くよ」
『え? 家の場所を教えてくれたら届けるよ』
待って、それは駄目。僕が辛い、なのはちゃんにこの家を見られたくない。うん、かっこわるいとか嫌だってことじゃなくて、こうなんだかキラキラした眼で言われそうだから。
『王様になったの』って。
「僕が取りに行くから大丈夫だよ」
『解ったの、じゃ公園で待っているね』
「お願いね」
通話を切って、と。さてどうしよう、あそこまでどうやって行けばいいんだろう。ラキシスさんにお願いして、またロボットで行くとか。
目の前にロボットがいきなり出たら、なのはちゃんは驚くかな。うん、驚いて凄いって言って解体しそうだな。
機械好きなところあるからなぁ~~さあどうしよう。
あ、なんか目の前に金色の御船が浮かんでいる。羽根があるし、きっとこれなら『大丈夫』だよね。
なんだか、金髪の男の人が『我の財宝だが、今は貴様のものだ。特別に許してやろう』って言っている気がするけど、いいよね。
「よっし、お願い」
乗って手で叩くと御舟はすっごい速さで城から飛び立て。
あれ、部屋の中から外に出たのに、壁が壊れてない。どういう原理なんだろ?
『お前は少しは考えろよ』って、だるそうなお兄さんに言われた気がしたけど、まあいいよね。
後ろでなんか、白いおっきなザリガニみたいなものがいたような気がしたけど、気のせいだよね。
よっし、なのはちゃんがいた。
「お待たせ、なのはちゃん」
「・・・・・・こーすけ君?! その御船どうしたの?!」
「どうしたんだろうね?」
あ、この船のこと隠すの忘れてた。
一方、フロート・テンプルでは。
「マスターがいない?!」
「全騎士団は緊急警戒! マスターが拉致された可能性があるわ!」
「全師団は全装備使用可能、情報部門は近隣の調査を行いなさい」
「全艦艇、緊急出港。艦載機、すべてを起動、緊急索敵を」
「マスター不在のために権限を代行します! 非常事態宣言を発令! 全ユニットは決戦準備を!」
ガチで世界を滅ぼせる戦力が、大混乱でした。
その後、普通に戻った浩介の無事な姿に、ラキシス、リーナ、深雪、イオナが腰を抜かして泣きだしたとか、お説教をしたとか。
主人公の知らない間に戦力増強。
無自覚な主人公のために世界危機。
でも十歳なら覚悟とか責任ってないよね。
転生特典は、使おうと思えば使える設定。でも、浩介は転生者じゃないのでどうしたらいいだろうか。
あ、チュートリアルってあれば便利じゃない。
でも誤作動して、ギルガメッシュと古城と山本のじいさまがちょっと脳内にいる感じ。
ずっと今の状況が続くか解らないけどね。
さて、巻き込まれ主人公。でも巻き込まれる人って、大抵が最初の時に『きっかけ』を作っているよねって話でした。