浩介の転生特典、転生してないけど、転生特典。
ギルガメッシュの能力、第四真祖の能力、死神の能力、これが彼だけの能力って多すぎる気がする。
削るか、いや増やしてあたふたとさせてみよう。
その日、女神様は浩介を見ていた。
「ああ、ごめんなさい、ごめんなさい」
なんだか壊滅しそうな街並みの中で、色々と慌てている少年の姿に、思わずモニター越しに土下座した。
「女神様、それ」
「いいじゃないですか! だって私の責任でこの子は苦労しているんですよ?! 見守るくらいいじゃないですか?!」
「いえ、それって『転生能力付与実行ボタン』ですよね?」
「え?」
そして女神様は、下界に降りたのでした。
こんにちは! 佐藤・浩介です! もうね、もうね、聞いてくださいよ! 誰でもいいから!
「ダメでしょうが! なんで暴れるの?!」
今、お説教中です。お説教って、習ったっけ? まあ、いいや、たぶんギルさんかだるそうなお兄さんか、白ひげのおじいちゃんからの知識が流入? しているらしいし。
今はこのピカピカ光っているライオンさんにお説教中。
『いやおまえな、無理だろうが』とかお兄さんが呆れているけど、僕はやる。やる時はやる男なのです。
「ちょっと出てピカっと光って悪者たちをコテンって倒せばいいのに、吹き飛んじゃったじゃないの?」
あ、首を傾げてる。うんうん、そうやって騙そうったって、僕は許さないからね。
「力加減は大切だって習いませんでしたか?!」
『無茶言うなよ、お前』とかお兄さんがライオンさんをかばおうとしていますが、僕は騙されません。絶対にこのライオンさんは力加減できる子だから。
「解った?!」
「がぉ」
「よぉぉし! じゃ、もう一度!」
『おい、止めろ。本当に止めろ。第四真祖の眷獣だぞ、戦争そのものって奴らなんだぞ?!』とかお兄さんが絶叫していますが、訓練は繰り返しやるからこそ意味がある? って、ギルさんも言っていました。
『我の責任だと?!』とかギルさんが叫んでいましたが、気にしません。僕はやる時はやる男なのです。
「行け、レグルム!」
「がぉぉぉぉぉ!!」
うん、前足でコテンってできるじゃないですか。ちょっと周りの建物が崩れたらしいけど。
え、崩れたの? だって、コテンって前足で壁だけ倒したじゃないの。かみなりだって出てないのに、どうして?
「もっと頑張ろうか! よぉぉぉし! 僕もがんばろ!」
「がぉぉぉ!!」
きあいが入ります。入るって何がしないとだめかな。後でラキシスさんに聞いてみようっと。
後は、と振り返った僕は固まった。
あ、すずかちゃんとアリサちゃんのこと忘れていた。あ~~二人とも寝ているのかな?
「気絶していますね」
「あ、ラキシスさん。リーナさんと深雪さんはどこいったの?」
「悪者さんたちの背後関係を洗っていますね」
背後かんけいって何? 背中を洗ってどうするんだろう。
「うん、そっか。それで暴れたことについて、説明を要求します。この壊れた街並みどうするの?」
「・・・・・」
あ、凄い汗をかいて顔を反らした。暑くはないから、なんの汗だろう、病気かな。
「つ・・・」
「つ?」
「作っておいて良かった、『カーペンターズ』」
ラキシスさんが小さな声で言った後、空をロボットたちが埋め尽くして、街並みが戻っていきました。
「カナヤゴだけでも作っておこうって私の判断は間違ってなかった。『最初に勇者王でしょう!』って言われても曲げなかった私は偉い」
「すっごぉぉぉい!! あれロボット!? 違うロボットだぁ!!」
「はい、マスター。あれこそ壊れた街も一瞬で再生してくれる、凄いロボットさん達ですよ」
「何処で売っているの?!」
「え?」
あれ、ラキシスさんが固まった。あれ、僕は変なことを言ったかな?
「ラキシス、どうも厄介な話ってどうしたの?」
「あ、リーナさん、深雪さんもお帰りなさい。あのね、あのね!」
「はいはい、どうしました?」
「あれ欲しい!」
僕がロボットたちを指差すと、二人も固まりました。
え、何で。あ、そっか、あんなに凄いロボットじゃ、売ってないのか、残念だな。一体くらい、お供にして遊びに行きたかったのに。
「ねえ、ラキシス、言わないの?」
「むしろ、言ってないことに疑問を感じますよ?」
「言って覚えてくれるかなって」
「あ~~」
「なるほど」
後ろで何か三人が言っているけど、僕は気にしない。いつか、あんなロボットを持ちたいと強く願います。
壊れた街並みは『かーぺんたーず』が直してくれました。ありがとう、ロボットさん達。また何かあったらお願いしますって言ったら、キラリと光って敬礼して戻っていきました。
かっこいいな、あれが『しごとのできる男』って奴なんだね。よっし、僕もそういう男を目指そう。
「ラキシス、説明」
リーナさん、どうしたの。
「しないといけないと思いますよ?」
深雪さんまで難しい顔しているね。
「えっと、ですね、マスター」
「はい、どうしたの、ラキシスさん?」
「あれも、マスターのロボットです」
「・・・・・・」
どうしよう、僕はもうあんなに凄いロボットを持っていました。将来の夢ってこんなに簡単に叶うんだ。
おおさわぎ? になったから戻ってきたフロート・テンプルで、僕は将来の目標を見失った。
「将来の夢、どうしよう」
「え、あの、マスター」
「世界の支配者とか?」
「次元世界の帝王とかお勧めですよ」
「帝国をつくる?」
なんか、リーナさんと深雪さんと、イオナさんが怖いことを言っている気がします。
王様ってなりたくないかな。
『いや、貴様、我の能力を得ておいて王になりたくないとは、何事だ』とかギルさんが言っているけど、僕はギルさんの力を貰っただけで、勝ち取ったわけじゃないので。
『ほう、少しは理解したようだな、雑種』ってギルさんが言っているけど、ざっしゅってなんだろう。あ、雑草のように生きろってことか!
『違うわ、たわけが』ってギルさんは冷たい。『まあ、子供だからな』ってだるそうなお兄さんは言っている。
『俺は暁・古城だ』って、こじょうさんって言えばいいのかな。『発音はもう少し後かぁ』って泣きそうな顔しているけど、仕方ない。僕はまだまだ小学生ですから。
「うん、よっし。じゃ宿題で将来の夢って出されたんだけど、なんて書こう」
「え、帝王?」
「うん、そうね、帝王」
「帝王と書いてください」
「帝王で決まり」
え、それって何、どういう意味なの。教えてくれないまま、皆に進められて僕は宿題に帝王って書きました。
漢字は教えて貰って頑張って書いたけど、これって王様って意味じゃないかな。
まあ、いいか。
あれでも待った、ラキシスさんがあれもって言った気がする。
「ラキシスさん、ひょっとしてレッド・ミラージュとかーぺんたーず以外にもロボットがあるの?」
「はい、ありますよ」
え、僕ってどのくらいのロボットを持っているんだろう。
「そうですね、最近になって出来上がったのは遺伝子工学と人工細胞による、人間に近いアンドロイドをベースとした」
ラキシスさんの説明が意味が解りません。
「マスター、付いてきてる?」
「リーナさん、助けて」
「ああ、よしよし、普段のラキシスってマスターに合わせて説明しているのに、新しい戦力が増えて興奮しているから、もうちょっと待ってね?」
ありがとう、リーナさん。あれ、向こうで深雪さんにラキシスさんが凍らされているけど、大丈夫かな。
「ファティマの
「そうですか、いい能力を持っているのですね?」
「深雪さんが容赦ない」
「マスターを困らせる貴方が悪いんでしょう?」
あ、お説教が始まった。
うん、それもいいんだけど、僕としてはロボットのことを知りたいんだけど。
「ああそれなら」
「こっちにある」
イオナさん、ありがとう。映像で見れるって素晴らしい、と僕は思っていました。でもね、見ない方が良かったかな。
「歩兵戦力」
「あ、凄いかっこいい」
「機動戦力」
「へぇ~~」
「強襲戦力」
「あ、うん」
「偵察・潜入戦力」
「はい」
「止めておく?」
「ごめんなさい」
頭がいっぱいです。なにこれ、どうしてこんなにいるの、なんでロボットだらけなの、ロボットってこんなに必要なの。
「ちなみに、人型だけを説明している」
「追い打ちじゃないの、イオナ」
「説明は大切」
リーナさん、イオナさん、僕は悟った。小学生だけど、悟りました。
僕が何かすると、世界が壊れそうです。
『では、小僧、使って見せよ』
おじいさんが言います。今日は『ざんばくとう』ってものを使う訓練だそうです。向こうでギルさんとこじょうさんが、『え、使うの』って顔をしている気がします。
「りゅうじんしゃっか?」
『流刃若火じゃ』
「りゅうじんじゃっか?」
『小童では難しいのぅ』
発音、難しいです。漢字だから、僕も言える気がする。漢字で見せてもらったら、行ける気がするのに。
「りゅうじんじゃっかりゅうじんしゃっかりゅうじんじゃか」
『試験前の学生を思い出すのう』
「よっし! 流刃若火!!!」
あ、出た。
うわぁ~~炎だ、炎の刀だ。凄いな、持っているのに熱くないや。
『ん?』
『ほう?』
『あ・・・』
あれ、三人が何かに気づいたけど、なんだろう。
あ、あれぇ~~あそこにいるのって女神様だよね。どうしたんだろう、何かあったのかな?
「すみませんごめんなさいすみませんごめんなさいすみませんごめんなさい」
「あのどうしたんですか?」
「そのですね、あのですね。そう!! 超能力って好きですか?!」
「え?」
なんだろう、凄い勢いで立ち上がってくるけど、何があったの?
「超能力です! そう誰にも真似できない超能力です! きちんとチュートリアル・モードは切ってありますから! 脳内に誰かいるってことないですよ!」
え、何、この焦った感じは何があったの。
「凄い能力なんですよ! もう誰もがうらやむほどの能力ですから!」
「あ、そうなんですか」
「はい! 欲しいですよね?!」
「え、もうたくさんもらっているので」
「欲しいですよ?! ね?!」
「え、あの、その。ええ~~?」
「欲しいって言ってくださいよぉ(泣)」
え、泣いているの、綺麗なお姉さんが泣いていると、ちょっと悩むな。
『おい、あれってあれか?』
『それ以外にあるか』
『困った女神じゃのう』
え、何が? う~~ん、何か嫌な予感? ってのがするけど、仕方ないか。泣いている女の人は助けてあげなさいって言われたことがあるし。
「解りました。欲しいです!!」
「ありがとうございます! おまけもつけてきますね!」
おまけって何?
『おい、あの女神、超能力って言ってなかったか?』
『今の我であるならば他世界、あるいは空想の世界の知識もあるが、これは超能力に分類してもよいものか』
『学園都市ではないのか?』
『学園都市ってあれだろ? 『とある魔術』って奴。いや、あることはあるけど、違くないか?』
『あの駄女神め、超能力を『凄い能力』といっていたな。まさか、これほどとは』
あれ、後ろで色々と会議? しているけど、僕には関係ないよね。
新しい能力かぁ、どんな形で出るんだろ。楽しいような、悲しいような?
翌朝、目が覚めて扉を開けようとしたら、扉が吹き飛びました。
あれ?
「マスター? これをつけましょうね?」
ラキシスさんに言われて、右腕と左腕にブレスレットをしたら、何とかなりました。
「ねえ、あれって宝具みたいなもの?」
「抑制の原点だそうです。所持者の能力の十割以上を封印するらしいですけど」
「封印してあれ?」
「はい」
あ、後ろで深いため息が聞こえた。
「僕の将来の夢は『世界のすべてを支配下において、誰も逆らえないような帝国を作って、天に届く城を作って、その上で高笑いする帝王』です!」
「佐藤君、後で職員室でお話しましょう。きっと貴方は疲れているのよ」
先生に心配されました。
あれ?
ピコン!!
第一級女神の権限により、以下の能力が『佐藤・浩介』に付与されました。
『太宰・治』、『櫻田・茜』、『アクセラレータ』、『サイタマ』、『超人ロック』。
佐藤・浩介に付与された能力が個人のランクを超えているため、能力の統合を自動で行います。
今後、能力の付与時には自動にて能力の改編を行います。
そのため、能力の改編時に不足と思える能力については、『能力フォルダ』から自動にて抜き取り、付与することを許可しますか?
第一級女神より許可を得ました。以後、『佐藤・浩介』の能力の付与時における負担、あるいは個人の精神的な浸食は不可とし、能力は彼個人の意思を優先し統合するものとします。
「女神様ぁぁぁぁ!!!」
「ごめんなさいぃ!!」
「あの女神も最初の頃は優秀じゃったのになぁ」
暴走し過ぎたかなぁ、小学生に世界が壊せる力って魅力的かな。
ちなみにですが、浩介の魔力量はBのままです。
では何故、転生特典が使えるかというと。
通常は魔法を使う時に術式を使い、魔力を流して、魔法を実行とするのに対して。
浩介の場合は、発動言語、それに対応した能力の発揮、となるからです。
簡単に言えば、車に例えるとして、ガソリンでエンジンを動かしてタイヤを回してハンドル操作するのが普通の場合。
対して浩介の場合は、エンジンもガソリンもないのにハンドルを回せば車が動くといったもの。
アクセルとブレーキはありますよ?
ただし、魔力量Bで制御の訓練してないので、出す時はまだまだ威力調整できないのですが。