ソードアート・オンライン 全プレイヤーの裏切り者   作:眠猫の玉手箱

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 彼は始まりの街で、
 悲鳴。怒号。絶叫。罵声。懇願。咆哮を上げる人々をただ眺めていた。端から見れば冷徹な目で。

 けれども、彼の内心は確かに激しい怒りでみち溢れていた。


第1章 SAO正式サービス開始
デスゲーム宣言


「ここは、始まりの街……だよな」

 

ソード・アート・オンラインに置いて一番大きいかつ、一番最初のリスボーン地点。ついでに一番作るのに苦労した街。

 

辺りを見渡せば、俺と同じように転移させられたと思わしきプレイヤー達が困惑した表情で、辺りを見回していた。

 先程まで一緒にいたキバオウさんたちはいるかな?と思ったがどこにもいなかった。

 

 「おい、上になんか出てきたぞ!」

 

誰かが発した声に釣られて上を見上げる。

 

 そこにいたのは

 

「あの時の不気味アバター?」

 

 瞬時に思い出したのは、開発中に茅場先輩が、『うっかり』ログアウトボタンをメニューから消してしまい、その事をメールではなく、わざわざログインしていた管理者全員を呼び寄せて、その事を説明した出来事。まるであの時の再現。

 

あの時、はじまりの街に転移してほんの一瞬だけでも思わなかったか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

得体の知れない予感は

 

『私の名前は茅場 晶彦。いまやこの世界をコントロールできる()()()()()人間だ』

 

最低最悪の形で的中した。

 


 

茅場が消え去るまで俺はただ呆然と噴水の上に座ったままだった。

 

あの人が言ったことが理解できなかった。デスゲーム?脱出不可能?アーガスは何をしている?そんな言葉が頭の中をぐるぐる回って一歩も思考が進まない。だって、俺がアーガスに入ったのは、あの夢を叶えるためであって、()()()()()自由に駆け回れる...そんなもう一つの世界。誰かが渇望した世界。誰かが夢見た世界。

 

 俺の目指した世界。

 

 その世界を創造したいからであって。

 

 ただ、周りの混沌とした光景を眺める。ある女は口をポカンと開けたまま止まっていた。ある男は、地面に穴を掘ろうとしていた。ある老人は、悲鳴を上げていた。ある中学生位の少年は連れと共にいずれどこかに立ち去っていった。ある青年は、空に向かって石を投げていた。ある女性は……

 

皆、絶望していた。それか、現状を正しく理解できていなかった。

 

これはなんだ?理想郷か?これが自由な世界か?これが現実か?

 

「おいなんだよコレ」

 

 短く声を漏らす。手から『手鏡』がこぼれ落ち……地面に落ちる前にポリゴンの欠片になって散る。

 

この世界は茅場センパイの理想だ。それ同時に俺の理想への足掛かり立った筈だ。茅場センパイもそれを理解していた筈だ。

 

 それがどうした?

 

 どうしてこうなった?

 この世界の創造主たる茅場センパイへの……そして、販売元であるアーガスへの怒号の声はますます大きくなっていく。

 

騙されていたのだ。俺は、ひいてはアーガス全体が。

なぜか俺は茅場センパイの言葉がが真であれ、偽であれ茅場の独断であることを確信していた。そしてまたこの騒動の後のアーガスの命運も理解してしまった。

 

轟く絶叫。左手を動かし、メニュー画面を開き、そこから非表示にしてから、ノロノロとした動き……しかし正確な動作でスキル画面へと、移る。

 

 出てきたのは先程とったばかりの片手剣スキル

 

 それと、欄外にある管理者権限

 

これをフルに使えば俺一人___もしくはもう一人か二人くらいならログアウトできるかもしれない。茅場の目を掻い潜り、このクソゲーから逃げれるかもしれない。

 

だか、それは、今ここにいる一万人をそのまま見捨てるということ。

 

 罵声をあげる目の前の人々を見据える。今の俺にはその全ての人が、もう一人の管理者である俺に向かって懇願しているように感じる。見捨てないでくれと、助けてくれと、逃げないでくれと、

 

「ならいいだろう」

俺は管理者だ。たった三回、しかも一回ごとに15分しか使えなかったとしても管理者権限は管理者権限だ。ならば、管理者を名乗っても問題はない。

 

今から俺はあの夢を()()()()諦める。

 

「首を洗って待っていろ」

 

そして、アーガスの社員として、SAOの管理者の一人としてこの件の鎮圧に全力を尽くそう。

「必ず落とし前はつけてやる、()()

 

短く機械的にそう__呟いた。




・PN(プレイヤーネーム):マクラギ
本名 白澤 直樹(しらさわ なおき)

レベル1

スキル
・片手剣:片手剣ソードスキルが使えるようになる。

・管理者スキル(中):一回につき15分間管理者権限を使える。三回限定。バク修正の為だけに使え。一回でも使ったら必ず報告書をあげること。なお、このスキルはスキル習得可能数にカウントされない
(以後欄外まで延々と不正利用したらどうなるかわかってるんだろうな?という脅し文句がかかれている。)




茅場のデスゲーム宣言はほぼカット 是非もないよね!
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