ソードアート・オンライン 全プレイヤーの裏切り者 作:眠猫の玉手箱
「ナニ考えてるんだ馬鹿共!」
健太もといヒルコと無事に合流できて一安心した俺、つまり
「直樹兄ちゃんが僕たちのことを思って反対するのは分かるよ。でも……」
「でももくそもあるか!いいか。このデスゲームは茅場…さんが起こした出来事だ。健太とユウキちゃんが攻略なんていうリスクを背負う必要性はどこにもないんだ」
俺は激情を抑えつつ、言い聞かせるように健太とユウキに向かって説う。
「それでも、直木兄ちゃんは攻略に参加するんでしょ?」
「そうだ。だが俺はアーガスの社員としてのけじめとしてだ。お前たちは圏内で待ってろ。幸いなことに圏内でも楽しみ方もお金の稼ぎ方も色々用意されている。攻略完了まで時間はかかるだろうが退屈することはなく安全に過ごせるはずだ。」
これだけ言っても、ヒルコは首を振る。
「僕だっていつまでも見てるだけの傍観者じゃないんだ。今僕はここにいる、もう既に当事者なんだ。」
「わからないやつだな。お前が圏内からでなきゃ傍観者のままでいられるんだ。」
なぜか、どこか懐かしさを覚えながら、それでも、ヒルコを止める。俺は止めなければならないのだ。
「直木さん。ボクからもお願い。決してヒルコは死なせない。必ずゲームクリアまで皆で生き残るから」
「だめだ。どこに、『必ず生き残る』保証があるんだ?俺は開発に関わっていた人間だ。故にユウキちゃん。君よりよっぽどこのゲームの恐怖を知っている。その上で断言しよう。このゲームを一度も死なずにクリアするなんてよっぽどの偶然と奇跡の積み重ねがなければまず不可能だ。」
ユウキが悔しそうな顔をして黙る。ちょっと言い過ぎかと思ったが、これであきらめてくれるならいい。
だが
「昔からそうだよね。直樹兄ちゃんは大事なことは抱え込んで傍観者からは見えないようにひた隠しにする。大学受験の時も、3年前のことも。直樹兄ちゃんが忘れ去ってるらしい事実を突きつけるよ。子供はいつまでも子供ののままでいると思うな。とどめておけると思うな!だから、」
ヒルコはあきらめなかった。懐かしさの理由が分かった。昔の健太、病気を発生する前のあの頃の健太とダブって見えるのだ。生意気で考えなしに突っ込み、だれよりも元気が良かったあの時とほんの少しだけ被って見えるのだ。
「僕さ、将来宇宙飛行士になるんだ!」「なんで、なんで僕なの?どうして体中がいしみたいになっていくの?もう僕はなににもなれないの?」「あの時の約束は嘘だったのか_____そうなんだねウソツキ」「なら今度は僕がこの仮想世界の発展を手伝わせてよ、直樹兄ちゃん」
脳裏に浮かぶはいつかの健太との会話
「だから、僕は挑むよこのゲームに」
俺は少しばかし見余っていたのかもしれない。ずっと変わらないかと思ってたらいつの間にか大きくなったもんだ。
「引く気はないんだな。死ぬかもしれないがいいんだな。」
最後の
「わかったよ。健太いやヒルコ。これからよろしく頼む」
遂に根負けした俺はおとなしく