ソードアート・オンライン 全プレイヤーの裏切り者 作:眠猫の玉手箱
バクダン案件
突然だが、新年を記念してカウントダウン・パーティをすることとなった。
今日は12/29。攻略組は第三層のフロアボスを討伐し、第四層の攻略を開始した。
「もう新年か。なんだかんだ早かったな」
「ラサキさん。来年の話をすると鬼が笑いますよ」
ようやく最後の一人が着席したことを確認し、黒板を取り出す。
「皆さまお忙しいところお集まりいただき誠にありがとうございます。
それでは、
こうなったきっかけは、ALSの穏健派とDKBの融和派のプレイヤー達が
その過程で、一番大きな生産職の集団として、俺達生産部に協力が要請された。そこまではいいのだが、あれやこれやと手を貸していたら、気がつけば色々と仕事を押し付け……任せられていた。
今やっている会議の司会進行はその一環である。
今回の参加者は、DKB側は、あのリンドに、サブリーダーであるハフナー、そして提案者のシヴァタ。
ALS側は、リーダーのキバオウ、それに加えてオコタンというリクルート班の班長。そしてもう一人の提案者であるリーテン。
生産部は、俺こと部隊長であるマクラギ、書記のラサキ、そして雑用の技マシン20。
以上の9名である。
正確にいえば俺達はALSのメンバーなのだが、別々に紹介した方が説明しやすいので、このように表記した。
改めて確認すると、そうそうたるメンバーである。攻略会議以外で攻略組二大ギルドの長が顔を合わせる機会はそうそうないだろう。司会役として中々の緊張感だ。間違ってもリンドさん*1に対して抱いている悪感情を表に出さないようにしなければならない。
「最初に開催の目的を、シヴァタさんとリーテンさん、お話しいただけますか?」
「はい、私達は
「せっかくの機会なので、大規模なものにしたいと考え、色々な人に助けていただき、二大ギルド共同開催となったこと、誠に感謝します」
二人とも、生産部を巻き込んだ時の積極性はどこへやら、すっかりと緊張した面持ちである。二大ギルドのお陰とか言っているが、シヴァタとリーテン。この二人が積極的に動かなければ開催は不可能だっただろう。
特に、キバオウとリンドさん。この2人がリーダーなのだから。
「せやな、
「そうだな、
そう言ってリーダー二人はメンチを切りあった。
現在の攻略組が抱えている問題は数多くあるが、その中でも一番の問題は、DKBとALSの仲がすっごく悪いことにある。
フィールドで出会えば、足引っ張り合いの泥沼の徒競走。
協力せざるを得ないフロアボス攻略の際も、全体のバランスは二の次三の次。同ギルド内部でパーティを組み、ラストヒットの取り合いも日常茶飯事だ。不思議とラストヒットに関しては最終的にキリト君にかっさらわれるらしいけど。
当然ここまで露骨にやっていれば、攻略組二大ギルドの醜聞は皆の知るところ。
最近生産部に入ってきた桜雪丼という新人に、DKB相手にも鍛冶業をしていることを伝えたら、「なんでライバルに資源供給してるんですか?」と、本心から不思議そうに言われた時は、流石に頭を抱えたものである。
さきほど、シヴァタとリーテンはカウントダウン・パーティの開催の目的を
真の目的は“二大ギルドの親睦”にある。
同じ釜の飯を食えば仲間。と、いうほど物事は単純ではないが、それでも同じパーティに参加すれば、個人個人で仲が良いものも出てくるだろう。
全員もともとは現実世界で生活していた一個人であるのだし、少なくとも互いのギルドに対して抱いている悪感情はかなり減少するはずだ。
「チンピラ上がり」
「ディアベルはんのコスプレ」
……多分。醜い言い争いをしている二人を、全員呆れた目で見据えている。
信じられるか? この2人が攻略組二大ギルドのリーダーなんだぜ?
ゴホンゴホンとわざとらしい咳払いで、言い争いを中断させて、会議を再開させる。
「とりあえず企画としては、今のところ食事を振る舞うことを提案されていたと思うんですが───」
黒板がチョークで書かれた文字でびっしり埋まった頃、ようやく話が纏まってきた。参加者は人の意見を尊重するタイプだったのが幸いした。
「しかし、プレイヤー全員を対象にして炊き出しを用意するとなると、人員はともかく、予算は想定を大幅に超えますよ」
「分かった。せっかくの御祝い事だ。DKBとして、10Kコルを寄付しよう」
「なんやて?! ならALSは12Kコルや!」
もちろんリーダー二人を除く。予算が増える分には俺としては文句はないが、他の案件で揉めるのは本当にやめてほしい。粒あんとこしあんで対立し、たこ焼きにチーズを入れるか入れないかで喧嘩する。正直どっちでもいいことでマジで議論(という名の貶しあい)をするな。
ラーメンの味以外の食べ物討論なんてどうでもいいだろ!
キバオウとリンドさんの飲み物が切れたため、技マシン20が飲み物を補充する。
他の参加者がお茶であるところ、彼ら二人だけ牛乳な所に若干の悪意を感じるが、気にしない方向で行こう。カルシウムに怒りを抑える効能は俗説なのだが。
「
「あとは、ラストの締めですね」
「難しい内容だな…」
リンドさんが唸った。誰もまともな案を出さないまま数秒がすぎる。
「新年の祝いか。シヴァタ、お前は年越しの瞬間なにしてたよ」
「別に特に変わったことはしてないっすよ。テレビをぼんやりと眺めながら除夜の鐘を聞くくらいで、ハフこそどうなんです?」
「俺も似たようなもんだ──いや、去年だけはダチと河川敷の花火見にいったな」
「花火?」
ラサキが、DKBの二人の話から、しれっと黒板に花火の二文字を追加する。
「そうは言っても花火は難しいのではないでしょうか?」
ALSのオコタンさんが丁寧な声で疑問を呈する。オコタンは三十台半ばの男性だ。リクルート班の班長として、既に何人か有望な生産職を俺達に紹介してもらっている。彼無しでは生産部はここまで規模を拡大できなかっただろう。この中で恐らく一番の年長者であるため、もし進行役が情けなくても、最後には話を纏めてくれるだろうという信頼感がある。
「せやせや。火薬はあるとはいえ、そっから花火なんぞ作れるわけないやろ。もうちょっと考えて発言せんかい」
オコタンの言葉に雑に便乗するキバオウ。まさかとは思うが、花火の案を出したのがDKBだから否定しようとしてるのだろうか? いや、いくらキバオウさんが子供っぽいところがあるとはいえ、流石に否定ありきの態度はないか。
それはそれとして、生産部の長として、キバオウさんの今の発言は聞き流せない。
「作れますよ花火。ほら」
「なんでや!なんで、もう出来上がってるんや!」
ファンラが作成した花火試作品其の十三、形式:打ち上げ花火をキバオウに手渡した。
「碌に確認せずに、思い込みで否定するからそうなる。これだから───」
リンドさんがこことぞばかりに煽る。本当にいい性格をしている。
「どうしてここに花火が。ひょっとしてマクラギさん。このことを見越して作ってたんですが?!凄いですね」
「いや偶然です。部下が作成したものでして……」
オコタンが驚きながら褒めてくれるが、残念ながら意図したものではない。
在庫の火薬が減っていた調査をしていたら、無断使用していたファンラにたどり着いただけだ。あの野郎、鍛冶台と机潰した件でこっぴどく叱りつけて、しばらく大人しくなっていたと思っていたらこれだ。
とはいえだ、偶然とはいえ役にはたったから、今度レア素材でも調達してやろう。
「あの、実は私も花火を見つけていたんですが、その……」
そう言ってリーテンが、恐る恐る花火をテーブルの上に置く。
花火試作品其の十三、形式:打ち上げ花火とほぼ同じ形状のものを。
「……え?」
「……ん?」
「……なんでや!なんで生産部のと同一のデザインなんや!」
「えっとその……はじまりのまちで販売してるのを見つけてたんですが、やっぱり同じやつですよ…ね?」
リーテンが気まずそうに、言葉を選びながら言う。
つまり、ファンラの自作だと思っていた花火は、実は既存の商品だったと。なるほどなるほど。
騙しやがったなあの野郎!
「ワザマ。ファンラの身柄、会議終わるまでに抑えておいて」
「私?!」
「やれ」
とりあえず、なぜかひどく怯えている技マシン20にファンラの捕獲を命じておく。
後でゆうっくりと話を聞かせてもらうか。ファンラ?
「すみません。なにか手違いがあったようで」
「仮にも部隊長のくせに、部下の管理も出来ていないとはな」
「まぁまぁ。リンドさん、ミスは誰にでもありますから」
「そうだな、ハフ。すまない。第一打ち上げ花火なんて精細なもの、プレイヤーが作成できるわけないんだ。
打ち上げ花火の制作方法を知っているか? 江戸時代から代々続いてきた正当な花火業者が、何十年にも渡る研鑽をもって手作業で作成しているんだ。
それをいくら仮想世界だからとはいえ、ずぶのド素人にできる筈なかったか。いや、俺もALSの生産部に期待しすぎていた面もあった。大変申し訳ない」
「このたびはたいへんもうしわけございませんでした」
慇懃無礼なリンドさんの対応を前にして、青筋が走る。が、悪いのは確認を怠り、まんまと騙された俺だ。だからキバオウさん暴れないで。
こころはへいじょう。こころはへいじょう。こころは───まじぶちぎれ。
あー、
"融和のためにここは場を流すべきだ"と思う自分、
"はぁ?正当な花火業者しか作れない?アインクラッドに実装されてる時点で、不正なアーガス社員によって作成されてんだ。なら材料があれば生産部に作れないわけないだろう!"と思う自分、
"リンドはヒルコとユウキにウリエル関連で、危害加えようとした。ゼッタイブッコロ!"と思う自分。この3つの心が分離する―。
まぁ俺は大人なんで、分離した二つの心は押さえつけて、おとなしく会議を進行する。
「その店には花火の在庫どれくらいありました?」
「たしか、かなりの量あったかと」
「その辺は生産部の方で確認しておきます。リーテンさん後で、メールで店の場所教えてください」
「分かりました」
とりあえず、押収した試作品の中にどれくらい同一のものがあるのかを確かめておかなければ。
「結局、締めは花火ということでいんですか?」
オコタンさんの確認に全員が頷く。在庫はあるそうだし、ファンラが作れなくても実行はできるだろう。
「分かりました。議事録と決定案は、後ほど参加者全員に配布します。なにか間違いや気にある点があれば気軽に指摘してください。
それでは、これで会議を終わりとします。カウントダウン・パーティー絶対いいものにしましょう!」
「「「はい!」」」
この時ばかりは、全員___リンドさんやキバオウも含めて___が頷いた。
さて、ファンラの奴をとっちめにいこう。
試作品全18種の内、10種が店売りの商品であった。
「で、この件どう説明つけるつもりだ? ファンラ君?」
俺の前に正座するのは、青い顔をしてだらだらと冷や汗をかくファンラ。
見かけ上は平静な顔を装っている俺とは大違いだ。内心?ぶち切れですが? おっといけない。顔に青筋を出してしまった。まだまだ忍耐力が足りていない。
「……」
「黙っていても、理由は察せられないよ? 喋るまで開放する気はないから、諦めてとっとと話せ」
コイツの場合、優しく問い詰めても中々白状しないので、最初から厳しめにいく。気分は小学校の厳格な指導教員だ。
「…いやその、まさか生産部外の人に見せるなんて思ってなくて」
「確かに、花火を作成した君に確認を取らずにキバオウさんやリンドさんに見せたのは俺のミスだ。それについては謝罪しよう。
で、それが俺の問いの回答になっているのか?」
まぁ勢いで見せてしまったところはある。無断で大量に使用された火薬の犠牲を無駄にはしたくなかったのだ。火薬は、2層の時よりは出回るようになったとはいえ、未だに貴重品の一角だ。
「……いっいや、どうやら試作品の中に参考資料が混ざったようで。ほらよくあるミスだろ?そうだ、一度確認させてくれないか」
「分かった。事実確認は大事だ」
そう言って、既存品1種を差し出す。
「やっぱり俺が思ったとおりだ! イゴキヲツケマス」
棒読み口調で謝罪の言葉を述べて、中座しようとするファンラに、「まだ話は終わってない」といって動きを止めさせる。
「これが本当に、ファンラ君が作成に使用した既存品なんだな」
「そうだ! これも、俺が参考にしたものだ。ちゃんと覚えている!」
「本当に?」
その言葉を聞いて、嫌な予感がしたのか、一瞬口を閉ざすが、「そうだとも」と肯定の意を示すファンラ。
「なるほど。……おっとこれは、ファンラの花火を確認するために買ってきた別の商品だった」
「…え?」
「すまない。まぁ"試作品の中に、参考資料が混ざる"なんてことはよくあるミスだからな。仕方ない。
それより問題なのは、なんで参考にしたはずの資料が分からなかったんだ?」
更に冷や汗を流すファンラ。「わざとだろ」と小声が聞こえたが封殺する。
「その見間違えたんだ」
「他の参考資料とは形状が大きく違うのに?」
俺が出したのは筒状の花火、一方でファンラのオリジナルは丸形の花火球だ。
ファンラのオリジナルと店売りの既存品を区別して目の前に出す。
完全にバレていることに気がついたのか、更に青ざめるファンラ。
「……いやその、勘違いだ___です、勘違い」
「OK分かった。その件は脇に置こう」
恐らく、ファンラが騙された理由は、
ただ単に花火の試作品の数を水増ししたいがために、適当に買ってきた。そのため、既存品には注視しておらず、見破れなかったのだろう。
そこまでして、花火を水増しした理由は……
「ファンラお前、火薬何につかったんだ?」
用途のごまかしだ。
ファンラは、観念したかのように、頭を項垂れた。
俺はファンラの次の言葉を待つ。
「爆弾作ってた」
「…………………………は?」
到底信じられない言葉が聞こえた。
「なぁワザマ。爆弾ってなんだっけ」
「爆弾は、どっかーんって爆発して、爆発し、爆発する、爆発物ですよね」
話を聞かせていたワザマも、流石に動揺しているのか、文章がめちゃくちゃである。
誰だって動揺するだろこんな話!
「結局その後のファンラの処遇はどうしたの?」
ナナが問う。名目上は副部隊長である彼女に、ファンラについて報告という形態で愚痴った。
流石のナナも爆弾と聞いて、一瞬動揺していたが、直ぐに平静を取り戻して今はクリームパンを美味しそうに食べている。
「爆弾に関しての記録全部破棄させた。今、ワザマが隠していたものがないか再度確認中」
普通に作業スペースに爆弾の製造方法に関してのメモがおかれていたのを発見した時は、呆れるやら情けなくなるやらだった。隠す気はあるんだろうが、詰めが甘い。
「流石に悪用されたらヤバい」
「どれくらい? 」
「この一室が吹き飛ぶくらい」
「ふむふむ」
「それが3つ」
ナナはそれはそれは深いため息をついた。
「道徳0点のファンラはともかく、なんでそこまでされてマクラギは気がつかなかったの。あれなの?テストで名前書き忘れて0点になる人?」
「いや、マークシートで一行ずれて書き出す人」
「だめだこりゃ」
ナナは呆れた目線をこちらに向けた。
「でも、もしいい感じに実用化できればこの世界、ソード・
「ゲームタイトルを変えようとするな」
でも、僕の考えた理想の世界()のコンセプトをぶっ壊された茅場の顔は少し見てみたい。
「もっとも、この世界の爆弾に現状、直接的な殺傷能力をだせないけどな」
「……?」
いまいちピンときてなさそうなナナに説明する。
「武器や防具は装備しないと真価を発揮しない。では、装備することによる最大のメリットはなにか?そう、ステータスの上昇だ。特にレベルを上げれば付属して上がる防御力とは違って、攻撃力は武器カテゴリのアイテムを装備していなければ1のままだ。格闘スキルのような一部例外を除いてだがな。例えば、現実世界で俺が座っている重厚な椅子を振り回せば間違いなく人に危害を加えられるが、この世界では椅子は武器カテゴリに含まれない。故にダメージは素手と変わらない。一応リーチは変わるが、それを活かせる場面はないだろうな」
「説明が長い。30文字以内で」
「爆弾は装備できないから、ダメージ出せない。爆風で吹き飛ばせるだけだ」
俺の言葉を聞いたナナは、リピートしながら文字数を数える。
「33文字。0点」
「厳しくない?」
国語のテストを思い出す面倒くささだ。”目安”ならともかく”以内”だと大体文字数オーバーするんだよな、あの類の問題。
「でも、殺傷能力がないなら別に問題ないんじゃないの? 現実世界の論理面は無視するものとして」
ナナの疑問は最もである。俺も初めはそう思った。
「ところがどっこい。この爆風。防ぐ手段がほぼないんだ。プレイヤーを強制的に動かせる危険性は分かるよな?」
「……闇に葬って正解だと思う」
しかもナナにはあえて言わなかったが、この爆風は圏内でも発生する。条件は限定的だが、もし仮にアインクラッドの外周部にプレイヤーがいるところで使えば───圏内の安全神話が崩れてしまう。
俺がちょっと考えただけでも十以上の悪用方が見つかるんだ。もし悪意を持ったオレンジプレイヤーの手に製造法が渡れば……心の底から考えたくない事態に発展するだろう。製造に火薬を始めとして貴重な物資が必要なのがせめてもの救いだ。
マジでファンラ余計なものを開発しやがって。アーガス社も、こんなものを開発できないようにきちんと対応しておけってんだ。ごめんなさい(byアーガス社員の白澤)
自由度が高いというのも考え物である。
「まぁいいや。爆弾ってことは火薬が必要なんだろうし、ファンラの手に火薬を渡らせなければ問題ないでしょ」
「……」
ナナとしては何の気なしに言った言葉だったんだろうが、返答に窮した。
俺のその反応を見て何かを察してしまったように恐る恐る言葉を発するナナ。
「まさかとは思うけど、火薬触らせてるの? あの道徳0点に?」
「いや待て、違くは……ないな。言っとくが、爆弾を作らせてるわけじゃないからな」
「当たり前! いやホント、マジで作らせてたら、ちょっとここ辞めてアルゴ砲するから」
「まて、リークはやめろ」
最近アルゴは知り合い数人と一緒に新聞を作成している。今のところ、攻略情報や、穴場スポット、有名人のインタビュー程度しか掲載されていないのだが、一部のプレイヤーからはいつ特大スキャンダルが飛び出すかびくびくしているのだ。
そうしたプレイヤーがいつしか呼びだしたのが、文〇砲ならぬアルゴ砲。アルゴがその気になればアインクラッド全土にスキャンダルが広まるのだ。腹に一物抱えているプレイヤーとしては気が気でないだろう。
俺が推測する限り、あくまで"可能"の範囲に収めて、そんなことを実行する気はさらさらないだろうが。抑止力みたいなものである。
もし仮に実行するとしたら、ウリエルの正体を掴んだ時ぐらいだろう。気をつけよ。
「話が逸れたけど、なんであの道徳0点に火薬触らせてるの?
「デカい花火を造らせたいんだ。カウントダウン・パーティの締めに使いたくてな。なんとかしてあのにっくきリンドにぎゃふんと言わせてやる!」
「呆れた。対立のためだけに悪魔に魂は売り渡さないようにね」
「ファンラを悪魔扱いしてやるな」
今までかけられた迷惑を考えればそれくらいの呼称は許されるかもしれないが。
「まぁ大丈夫だ安心しろ。火薬の量はきちんと記録して渡している。それに加えて見張りとして信用できる奴を3人配置した。爆弾なんて製造できっこないさ」
これだけやれば流石に大丈夫だろう。
ところがナナはそれを聞いて言った。
「世間一般ではそれはフラグっていうのよ」
まさかそんなわけあるまいと、ナナの忠告を笑い飛ばした。
その数時間後、黒鉄宮の一室が備品ごと消し飛んだ。
爆発に関して散々ナナに詰められた。その次の日のこと、俺はキバオウに呼び出された。どうやら緊急の会議があるらしい。
「ようやく全員揃ったな。ほな、会議を始めようか」
いつにもなく厳しい顔をしたキバオウが会議の開始を宣言する。
「皆に集まってもろてんには訳がある。今後の攻略組を左右しかねん重要な話や。このことは他言無用。決して外には出さんように頼むで」
ALSの会議は、メンバーであればだれでも参加できる。しかし今回だけは、古参の幹部級のメンバーだけしか集められていない。全員平等のお題目を抱えるALSにしてはかなり異例というか、俺が把握している限り初めてのことだ。
いや古参の幹部級のメンバーだけというのは、違った。ただ一人。古参ではあるが、幹部ではないメンバーがそこにはいた。
彼、ジョーは当然の権利であるかのように、キバオウさんからマイクを受け取り、特徴的な甲高い声を出す。
「俺知ってる! 次のフロアボスはヤバいアイテムを落とす!
だからこそ俺は、DKBを出し抜き、ALS単独でのフロアボス討伐を提案する!」
突如として出された爆弾案件を前に、俺は思わず"なんやて"と呟いた。
作中に登場した、ハフナー、シヴァタ、オコタン、リーテンは、プログレッシブ4巻に登場したキャラクターになります。すごい!この話、オリキャラより原作キャラの方が多い!
第5層はどうするか迷ったのですが、基本原作沿いとして、映画の設定は無視します。
ウソです。単純に作者が映画見る機会を逃しつつけていてミトを書けないだけです。ホントごめんなさい。
第3層とかどうしたのかって? 全カットで。ホントはクリスマスイベント書きたかったけど、カウントダウン・パーティとネタが被るのでカット
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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次回は一週間後に投稿できるように頑張ります。
キバオウは……
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つぶあん派
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こしあん派
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それ以外