酷悪が車をノロノロ走らせ始めてから3時間経過した。
大本営を出発したのは午後7時。目的地まで最低でも2時間はかかるだろう。本来なら三時間で着く距離を5時間で進むという遅さは同年代で見つける事は難しいだろう。
酷悪は手頃なホテルを見つけたため、駐車場に向かう。
車を止めた直後に気づいた。軍人がホテルに泊まるのは如何なものかと。そこで彼の特殊能力であるディザスターモード(艦娘化)を使って夕立改二の姿になる。
その姿は一風変わったものであった。
まず、背中にあるような艤装が無い点、髪の色と服の色がダークブルーな点、最後に瞳の色がレッドではなくエメラルドグリーンな点である。
この色は装備の内容によっては変化する。
現在の装備はこうなっている。
動力
プロトンノヴァドライブ
クリスタル・ハート
武装
ステアード
ティア・ストレーナー
エネルギー放出機構(ライトニングフィスト、ライトブレイザー用)
全方向多門ビームランチャー
SSL-9B ドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフル(以降ドラグノフと略称)
超広範囲探知レーダー
となっており、基本的な動力がヴァルザカードのものとなっているので本家の機体の色としてダークブルーになっているのだ。
クリスタル・ハートは武装の補助として運用するのでメイン動力では無い。(簡単な説明終わり)
酷悪はロビーで受付を済ませた。名前は偽名を使った。
夕立を参考にして橘 夕美とした。
案内係をつけようとしてくれそうだったが断っておいた。
鍵だけもらってエレベーターホールに向かうと先程車を止めた駐車場の方向から爆発音がした。
俺は急いで駐車場に向かう。ロビーを出て俺の視界に映った光景は予想通りのものだった。
俺の車を中心にクレーターが出来ており、車だったものから火が上がっていた。幸い止める位置を他の客の車に近く無い所を選んだので問題は無かった。
すぐさま超広範囲探知レーダーを起動するとそらにこちらから離れていく観測機を捕捉した。
さて、挨拶をされたら返さねばならない。俺は迷う事なく異次元からドラグノフを呼び出して観測機に向けて狙いをつける。それと同時に後ろにいた客はどよめき始める。
観測機が完全にケツを向けているのでドラグノフの引き金を引いた。発砲音と同時に観測機は一つの花火となり、夜の暗闇に沈んだ。すると後ろからは拍手喝采が聞こえてくる。
一体どういうことか聞いてみると、最近あの観測機がホテル周辺の地域をぐるぐるまわっていたとの事。ホテル従業員や長期滞在していた客にとって不安材料の一つだったようでそれを撃ち落としたものだからスッキリしたらしい。
これでわかったことがある。国民に被害を出す鎮守府は一度潰す必要があると再確認した。
安心し切った客を後に部屋に戻った。
客から拍手喝采をもらったがこれは失敗した。
国民に被害をもたらすものを安易に挑発してしまったのだ。
また観測機が来る可能性が出てきたので超広範囲探知レーダーを作動させたまま休眠を取った。
白ノ宮「見事な腕前だよ酷悪くん。この調子で国民の平和を守ってくれ」
酷悪「この選択はあっていたのだろうか...」
白ノ宮「そんなに心配なら空から行けばいいじゃないか。丁度車が潰れたんだし」
酷悪「それはそうだが、艦娘は空飛べないだろ?」
白ノ宮「何言っているんだ?プロトンノヴァドライブを積んでいるのだから飛べるに決まっているだろう?」
酷悪「そんなんチートじゃ無いですか!?」
白ノ宮「え...キミ、天然か?最初からキミはチート転生者だっちゅうねん。というかそんなん気にせんでええがな、キミは主人公なんだから困難を楽に吹き飛ばしてりゃええねん。いいな?ほれ、3話も楽しんでいこうや」