三ツ星カラーズ転生もの(仮) 作:紅茶タルト
「聞いたぜ。……やったってな」
「当然だ!」
「だって私たち!」
「カラーズに!」
「できないことなど」
「アブラおにぎり」
「……ななし、いまそれじゃない」
ん!? 間違ったかな……。
「驚いたぜ。話聞いて見に行ったら確かに真っ二つのでかい庭石があるじゃねえか。……どうやったんだよ! お前ら!」
「えっと、ななちゃんがねー」
結衣が説明します。
「ほー。そーいうのがあるのか。……いやいや! どうやって用意した!」
「おやじおやじ」
「ななしよお、お前は事前にそういうものを用意してるのか? それとも調達が早いのか?」
「このメガネをあげよう」
「……唐突だな!」
プラスチックのフォークなんかを魔法でぐにゃっとやって作ったメガネを手渡します。
「まあ前は見えないけど」
「こいつは……」
あちらを向いて、メガネを付け替え、振り向きます。
「どうだ?」
「ぶふっ」
琴葉だけ笑いました。
おやじの目を、提供の文字が隠しています。
「提供メガネだ」
「ていきょう?」
「ってなんだー?」
結衣も読めないか。本には提供なんて文字あんまり書いてなさそうだしそれもそうか。
「ドラマやアニメのラストで、この番組は、フロンティアワークスと、KADOKAWAの提供でお送りしました。って感じでスポンサー紹介する時に大きく提供という文字が表示されるけど、それがたまにキャラの目を隠してるよねっていうあるあるネタ」
「ありがとよ。ほとんど見えねえけどなっ! がっはっは!」
誤魔化せたかな? 誤魔化せたね。
「それでおやじー、他に事件あるかー?」
「……ねぇなあ」
「えー。ないのかよー?」
「草むしりでいいんならいくらでもあるがよ、そういうんじゃないんだろ?」
「当然」
「カラーズは子供のお手伝いじゃない!」
「だろ? だからよ、本当に困っていて、それがたまたま俺の耳に入ってくる。そうじゃねえと街の事件の紹介はできねぇからな……」
あと、大丈夫な人であることとかね。それに私がいたからなんとかなったけど、小学生は意外と岩を割れない。
現実的に可能な範囲で……とフィルターを重ねると、おやじギルドの受注可能クエストはそれはもう減ることになる。
くわえてカラーズ側も選り好みをするのだ。
新たな路線を開拓しようと頑張ってくれてたおやじには悪いが、だめそうだな。
「無かったねー事件」
結衣はちょい残念そうだけど、いつもあるものではないと理解しているのでそこまででもない。私は事件がないのは平和な証拠さ、みたいなありきたりなことを言いたいような言いたくないような気分。微妙なので飲み込んだ。
「よし! 今日は訓練日にしよう!」
おっ。
「訓練日ー?」
「アジトで待っててー!」
これは……!
去っていったさっちゃんを見て、私の聡明な頭脳は全てを理解した!
「二人とも。私もちょっと準備してくる」
「? うん」
「うん」
一旦家に帰って、持ってきたのはカメラ。ちょっと充電してた。
「あっ、ななしぃ。カメラか? そういえばさっき持ってなかったなー」
「はあ、はあ、はあ」
「すごい息だな」
ちょっと子供らしくない速度出しちゃったかもしれない。
しかし――
「はあ、はあ……間に合った」
「?」
首をかしげる結衣は、ノーマルフォーム。やったぜ! 私は勝ったんだ!
「結衣、これに着替えてー!」
「なあに? これ」
「いいからいいからー」
「う、うん」
押し切られる形で着替えようとする結衣だったが……ふと、私と目があった。
レンズ越しに。
「もー! みんな出てて!」
追い出された。
「どうして……どうして……」
失意体前屈で、あまりにも唐突に訪れた不幸を嘆く私。かわいそすぎる。
「ななしぃ……残念だったな……」
慰めてくれるさっちゃん。うれしい。
「そんなに見たかったのか」
「うう……そんなには……」
「そんなにか」
いちゃいちゃしたいって気持ちはあるんだけど、あの恥じらいも好き……。
「いや! みんなとすごいことしたいって気持ちはあるんだよ? ただ……見るだけ、ってのは優先度高くないっていうか……」
だって……お風呂の時とか、自分のを見てしまうから、どうしても慣れてしまう。
もちろんしていいって言われたらするけど。
「すごいことってなんだ」
「おっと」
うーむ。説明すると琴葉とさっちゃんの性癖がねじまがってしまう。それもいいか! いやよくない。
いやいいのか? いや……。
とりあえずソフトなやつでお茶を濁して……まあおしっこくらいはノーマルだよね?
「みんなおまたせ!」
「早いな!」
「うん、急いだ!」
説明しかけた時、結衣が出てきた。琴葉の興味もそちらに移ったようだ。
「よしいこーう!」
「えっ!?」
走り出したさっちゃんに付いていき、やって来たのは国立科学博物館の前。あと東京国立博物館の前。二つの博物館前がクロスする地、これこそが世にいうグランドクロスである。
「それで、このかっこうなあに? さっちゃん」
リーダー鬼モード。虎柄のおへそ出しファッション。キュート! ツノもかわいいですね。
……なんでこんな服持ってたん? さっちゃん。いや似合いそうだけど。
「ヒーローはピンチの時だけ働くのではない! 今日は訓練日だ!」
――来た! ヒロピン!
やはり原作回!
これは熱が入ります。
「ヒーローは……何? かっこいい! 私も言いたい!」
「レベル上げが必要」
「それ!」
うむうむ。
……上げたところで。
「どうしたのななちゃん?」
「あ、いや。……ふさわしい敵が欲しいなと思って」
「敵か」
「確かになー。このままでは、私のエクストラバージンオイルが錆びついてしまう……!」
持て余すパワー!
私の魔法は範囲内の複数の敵を即死させ、グリフォンとかに変身し、トリケラトプスを召喚できる。多少は地形もいじれるぞ。
世界観が。
「けどそれはおやじに頼むとして! 第一回カラーズかくれんぼ訓練! あ、鬼だ! はいリーダー鬼ね」
「あ! それで……」
というわけで、これで鬼っ子コスの理由がわかりましたね。伏線回収というやつです。
「なんでかくれんぼ?」
「かくれんぼしたいから! ……そうだ、ほらかくれんぼだって、かくれるのと見つけるの訓練になるじゃん」
「今思いついたでしょ、それ」
「じゃあ結衣、三十数えたらスタートね!」
「うん」
そんなわけで、かくれんぼ。リーダーが木に顔を向け、数え始めた。
私はわりとかくれんぼが好き。なのでちゃんとやりたいけど……さっちゃんに付き合って三人で木の裏にいます。
「さーんじゅ! ……よーし、すぐに見つけてやるんだから!」
たったったと去っていく結衣。
「……行ったか」
「気づかないもんだね」
集中してたんだろうな。
「なーっはっは! 東大デモクラシーとはこのことだー!」
さっちゃんの脚をとんとんとやると、座り方を変えてくれます。するといい感じに枕ができたので、頭を預けます。
「よーしよーし」
なでなでしてくれます。勝利。
頭上で交わされる会話。琴葉は新しいゲームをやっているようだ。
「ふふー!」
いい顔で笑ってる琴葉。三脚立てといたけど、顔写ってるだろうか不安。
このへん魔法でなんとかならないものか。ないのか、タイムテレビとか。
「あらいい笑顔ですね」
「このゲームはちゃんと血が出る」
「3DSだと珍しいよね」
「任天堂はダメだな」
「お、おう。まあバイオレンス需要はあんま満たされないよね」
3DSだとバイオリベくらいが限界か。WiiUにはアサクリとかあったけど、やはり任天堂はそういう路線なのだろう。
やはりそっち方面はPCゲーが至上。Postal2はいいぞ。通行人の顔面に放尿してゲロを吐かせて首をはねると断面からゲロが飛び出すゲームだ。通行人にガソリンまいて火をつけたりするゲームだ。こんど一緒にやろうね!
「でも公園にいるとあんまりすれちがいできないんだよね」
「すれちがい?」
「同じゲームを持ってる人とすれちがうと有利になるの」
「ふーん」
あんまり生かされなかったよね。
Vitaの背面タッチパッドといい勝負してたんだけど。
「ななしぃは持ってなかったっけ?」
「私はPCゲーマーだから」
「あーパソコンなー」
「パソコン……それは、血が出るやつはあるのか?」
「あるある。すごいあるよ」
手足が取れるのとかもあるよ。そのシステムがゲーム性に影響を与える作品はデッドスペースくらいだけど。
「今度うちで遊ばない?」
「行く」
やったー。
「普段どんなのやってるんだ?」
「最近はアサクリかなあ」
「アサクリ?」
「アサシンクリード。暗殺するゲーム」
「……ほう」
もしくは海戦ゲー。
「ヒットマンシリーズもいいんだけど……最新作は別ゲーになってしまってなあ」
ファンは完全に裏切ってるけど楽しんでる人もいるし……評価が分かれるところです。
「最新のもやるけど、ちょっと昔めのが多いかな。琴葉は最新作の方が好き?」
「面白ければいい」
「だよね!」
「あっ! 見つけたー!」
あ、あれ?
――こんなはずじゃなかった。
本来……さっちゃんと琴葉はすれちがい通信のために駅に向かい、そこから悪い斎藤にそそのかされてそこそこ遠方にあるすれちがい広場へ……というシナリオだった。
それでおいてけぼりにされる結衣がかわいそうなので私は残るつもりだったが、あっちの映像も欲しいからさっちゃんに装備させる用のGoProも用意していたのに。
「こんなはずじゃ……!」
「次ななちゃん鬼ね!」
「にっげろー!」
「しくしく。いーち、にーい……」
うう。ま、楽しいからいっか!
諸説あるが、世の中で一番楽しい遊びはかくれんぼである。
「さっちゃんみっけ!」
「おおー!? 早い! 早いぞななしぃ!」
「そこだああ結衣!」
「わっ!」
「琴葉! 琴葉琴葉琴葉!」
「うるさい」
「あはははははっ!」
世の中で一番楽しい遊びはかくれんぼである。
「よーし待ってろー!」
……無心、無想。
「いない! いないぞななしぃ!」
「どこいった」
「いないねー……?」
ここだっ!
「とぅっ!」
「うわっ!?」
「上!?」
「おおおっ!」
すたっ。スーパーヒーロー着地。
「木の上か……!」
「ぜんぜん気づかなかった!」
「あはははっ! すっごいなーいつの間に登ったんだー?」
理屈はまったくわからないが、経験上無意識でいると気配が消える。私の数え切れない技の一つである。
公園遊びというくくりの中で私が一番やりたいことはといえばそれはシーソーであるが、残念ながらもう無い。近くには。
想像する。ゆーったり、ぎっこんばっこん。平和な感じだから結衣が合うかな。幸せでしょう。
乗る系だったら山伏公園にコーヒーカップはある。あれもゆったり楽しめそうだけど、確実にさっちゃんが襲撃してきてぐるんぐるん回すだろう。私も。
それもいいかも。
公園をかえたりなんやかんや遊んで、結衣と私はベンチで休憩。さっちゃんは琴葉とスプリング遊具に乗り、よくわからないルールのしりとりをしている。
結衣も膝枕の時は撫でたりしてくれる。
「ふふー」
結衣もなんか笑ってくれてる。なんかしらないけど。
「結衣ママ……!」
「よしよーし」
なでなでしてくれる。
リーダーはすでにお着替え済み。シャツのすそから手を突っ込んでお腹を触ると、
「めっ! めっだよ!」
ってしてくれます。
「……ママ!」
「よしよし」
でもそんなに怒ってないのでごまかされてくれます。
めっ!も嬉しいのでまた今度やろうと思います。
隙を見てお腹にちゅっ。
「わっ。もー」
いやがってはないけど、ほどほどにしておく。
体勢をかえて前から抱きつく。胸元にすりすりしてぎゅってしてもらう。なんとなく甘い感じの香りがして、頭の中がラブで溢れる。
「とー!」
そうこうしていると後ろから抱きついてくるさっちゃん。暖かく柔らかいものでサンドされた私は……とろけた。
「はむっ!」
ほっぺをはむはむする。
すりすりして甘えると、前後からなでなでされる。
伝わってくる体温が愛しい。幸せすぎて腰がくだけそうだ。なんとかこらえてはいるが、ちょっと気を抜けば今にも尿が漏れる。
二人の子になりたい。
私は思うのです。こんなに幸せなのだから、原作回の崩壊とか――どうでもいいことなんじゃないでしょうか。
あけそそそそそぺ
ぴょ
もぺそんそそそそそそそる
かきぇ
も
とちゃああああああ
も
https://twitter.com/katuwo___/status/1254713482299105280
れ
にかけれおあ
が
な
あ
わ
あああああああああああさ
の