僕と君とのIN MY LIFE!   作:来真らむぷ

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#7 Ticket to Live

 

 

 

 

「お断りします!!」

 

「いや、そこをなんとか……」

「なんで、私がそんなことをしなくちゃいけないんですか」

 

 ――偶然の再会の後、軽い自己紹介を兼ねたやりとりの中で目の前のCDをゆずってくれたツリ目の子こそ、例の西木野真姫さんだということが判明した。

 

 このスピリチュアルと言ってもいいぐらいツイてる今日の俺の運勢、割とやばいんじゃない。反動で明日は我が家に小惑星でも降ってくるんじゃないのか。そしたら責任取ってアルマゲドンしに行くしかないな。

 

 穂乃果の知人ということを彼女に告げた俺は、事情を話し強引とわかっていても作曲の件を頼み込んだ。

 

 その返答はやはりというか、にべもなかった。

 頭を下げた程度で首を縦に振ってくれるなら、いくらでも下げるがそう単純にはいかない。あくまで無理を言っているのはこちらだ。仮に彼女と俺が逆の立場だったとしても、同じ反応をしただろう。

 だが、諦めるわけにもいかない。再び頭を下げて、

 

「頼むよ。穂乃果から君はオリジナルの歌を歌ってたってのを聞かせてもらったんだ。どうか力を貸してもらえないかな」

「出来ません、そんな無謀なこと成功するわけない」

 

 手痛く、そして正しい言葉だ。反論を許さないそれに、俺は下げた顔の唇を噛む。

 

「大体、なんで、関係のないアナタがそこまであの人たちのためにするの? 意味わかんない」

「それは……」

 

 思わず言いよどんでしまった俺を助けるように、それまで成り行きを見守っていた東條が動いた。

 

「ふ~ん、だいたいの話は聞かせてもらったけど、」

 

 一拍置いて、小首を傾げる。

 

「じゃあ、西木野さんは、なんでここまで来たん? たしかこっちは通学路じゃなかったよなぁ」

「そ、それは……」

 

 ふふ、と東條は顔をほころばせ、

 

「同じ反応。二人とも素直じゃないな~」

 

 からからと笑う東條をよそに俺と西木野さんは目を合わせられなかった。

 

「と、とにかく!! 諦めた方がいいし、私はお断りしますから!! それじゃ」

 

 勢いよく踵を返すと、振り返ることもなく西木野さんは行ってしまった。

 

 遠くの電線にとまったカラスたちがカアカアと鳴いている。夕日は地平線の彼方へ沈む手前で、直視できないほど赤がまぶしかった。まるで原色だけに世界がなってしまったかのような錯覚を覚える。

 

 そんな赤い世界に黒い影を落とす二人には、無言の間が漂っていた。

 

「いやぁ~ハッハッハ、手厳しいなぁ、なかなかやりおるよ、あの小娘おっと西木野さんは。うんうん」

 

 お兄さん答えに窮しちまったよ。うん、まったくもって正し――、

 

「少なくとも、日高くんが間違ってることをしてるとは思わないけどなぁ」

「……なんで?」

 

 心の内を読んだかのような東條に俺は思わず問いかける。

 

「カードがウチにそう告げてるんや」

 

 袖口から得意げに取り出したカードはタロットで、巫女さんにはどうにも似合わなかった。

 つい失笑してしまう。

 

「もぉ~、ここは笑うとこやないよ?」

「いや今のギャグはなかなか良かった。ピンでも充分やってける。保証するよ」

 

 俺は腹筋がヒクつくのを感じながら、顔を膨らます彼女に、

 

「ありがとう」

「少し元気出たみたいやね」

「ああ、今ならどうにか家まで帰れそうだ」

「ええんよ? 別にここに泊まっていったって」

「泊まってったら祭ってくれる? なら、それも悪かない。というかむしろ非常に前向きに検討させて頂くんだけど」

「こら」

 

 甘んじて軽い手刀を受け入れる。

 うん、多少調子を取り戻せたらしい。出会って早々にこんなフォローをされてしまうなんて、恥ずかしい限りだ。

 

「でも、今のでわかったよ。いつも東條が穂乃果達にどんなことをしてくれてるのかって」

「……別に大したことはしてないんやけどね。ただ、困ってると助けたくなる、迷ってれば背中を押してあげたくなるんよ」

「あぁすっごいわかるわ」

 

 なんというかオカン気質なんだな。

 

「そういう点では、私も日高くんも似てるかもしれないね」

「俺も?」

 

 俺がオカン。いやなんか二丁目臭がしてきちゃうような……、

 

「あは、そうだね。だったら、日高くんはパパやね」

 

 パパねぇ……、やっぱりあの三人娘を抱えているのか。正直キツそうだ、四六時中面倒見ろってなったら三日目にパパは旅に出ます。探さないでください。

 

 てか待てよ、今の流れだと、東條がオカンで俺がパパで、あれれ、

 

「どうしたん? 急に黙ったりして」

「い、いや、べ、べっつにぃー!!」

 

 今が夕方でたすかったー!! 確実に顔真っ赤っかだわ、うーひー、あばばば。青空の真下だったら指摘されていたに違いないよコレ。

 

「? まぁそれならいいけど、一つだけ言いたいのは、西木野さんな? 悪い子じゃないんよ。むしろ――」

「その逆、とってもいい子。だろ?」

 

 わかってるさ。東條の発言から察するに、穂乃果達の様子が気になってわざわざここまでやってきたんだろう。だったら、そもそも見に行こうという発想が出てくる時点でとっくに優しい。

 そして何より、悪い子ならあの時CDをゆずってくれるはずがない。

 

「なぁんだ、余計な事だったみたいやね」

「いやそんなことない。感謝してる」

 

 カバンとペットボトルの入ったビニール袋を担ぎ、一休みしてるであろうあいつらの元へ一歩踏み出す。その背に、

 

「なら、もちろん?」

「ああ、」

 

「――何度でもトライだ」

 

 カードに示された星を指さしながら俺はそう言った。

 

 

 

    ◆   ◆   ◆   ◆   ◆

 

 

 

 翌日。

 土曜の学校が終わり、寄り道もせず最短コースで帰還した俺を待っていたのは、

 

「あ、ユキちゃん、おかえりー!!」

「お、お邪魔してます」

「お帰りなさいませ♪」

 

 居間で仲良く談笑していた三人の姿だった。

 いやまぁそうだろうな。昨日、俺がいなくても午前から家で練習していいと伝えたら食いつきよかったし。もっとも、暇している時間なんてないんだから当然なんだが。

 ひとまず、ただいまと返すと、お袋が湯気をくゆらせる寸胴両手に台所から顔を出す。

 

「あら、あんたちょうど良かった。昼は?」

「もしよろしければ頂いてもいいすかね? 昼時ですしね」

「じゃ、早く手洗いうがいしてきなさい。今日はイタリアンよ」

「うん、ミートソースだな。確かに」

 

 私、ミートソースだいすきー!! と騒いでいるお子ちゃまがいるが、俺とて大好きです。パスタはいい。ソースを変えるだけで味の変わる魔法の料理だ。長靴の形をした国に乾杯。

 

 自室に戻り、部屋着に着替え、さらには手洗いうがいを励行し、居間へと戻ってきて座る。そして、隣にならい俺もフォークを握ったこぶしで卓上を叩きミートソース、ミートソースとハーモニーを奏でた。

 

「子供が増えました……」

「なんだとぅ海未。俺が子供なら貴様らはなんだよ。あれか、幼児か、スタイが必要なのかな――」

「ゆー、くん?」

「はい、ごめんなさい。僕が調子に乗ってしまい園田さんをつい煽ってしまいました」

 

 さすがことりさんっすね。たった一言で他愛もないやりとりを静めてしまうなんてマジパないっす。リスペクトっす。

 

 舎弟並にこびへつらっていると、お袋がパスタを載せた皿を持ってきた。

 

「お待たせしましたぁー、まだまだたくさんあるから、いっぱい食べてね」

「あ、でしたら、私も運ぶのお手伝いします」

「いいのよ、海未ちゃんは大事なゲストなんだから座ってて。ほら、ウェイター!!」

「はい喜んでー!!」

 

 わかる。わかっちゃいるが、なんだこの明確なひいきっぷりは。涙が出てくるわ。俺のパスタは塩入れなくても大丈夫かもしれない。

 

 くっ、気分はさながら重い石材を運びながらムチ打たれるピラミッドの建設作業員だ。だが文句は言わない。評価査定に響くからな!!

 

 シーザーサラダにコンソメスープを各自の前に並べ、鍋からそれぞれのパスタにミートソースをかけていく。俺は給食当番かよ。配膳台の前でわめくな男子。

 まったくお袋もレトルトじゃなくて、ちゃんとトマト缶から作っている辺り本気だ。うわ、ちゃんとローリエとか入ってるし、どんだけだよ。いつも俺の目の前でこのレトルト78円だったのよとかのたまいながら、チンしたパスタににぶっかけてくるのに。もう、こんなの食べたらほっぺた落ちちゃうだろ。

 

「ユキちゃんユキちゃん。私、お肉多めで!!」

「はい喜んでー」

「ゆーくん。マッシュルーム……ダメ?」

「はい喜んでー」

「えと、行人くん、私は普通で大丈夫です」

「お前はいい子だな海未……ほら特別にセロリ多めだ」

「なんでですか!?」

 

 そんな昼時だった。

 

 

 

 

 

 賑やかな昼食を終えて一休みしてから、三人は声出しをしていた。午前中は基礎練習や、楽曲がないながらも取りあえず見よう見まねで他のスクールアイドルの踊りをコピーしていたらしい。

 

 縁側でそれを眺めている俺の傍らには海未から手渡された本が置かれている。綺麗に書店でカバーがけされたのを取ってみればわかるが、内容はいわゆるボイストレーニングの本だ。ざっと読ましてもらった限り、なるほどと示唆に富んだことが書いてあった。

 

 しかし、うん、

 

「~~~た~ら~~いいよね~~……――うん、どうだったユキちゃん!?」

 

 こいつら三人とも普通に歌上手いの忘れてた。

 歌で食ってるプロと比べるわけにはいかないが、たとえば地域ののど自慢カラオケ大会とかに参加すれば相当良い所まで行けるんじゃないだろうか。

 昔から歌は好きでよく歌ってたのを聞いていたが、いやはや積み重ねって恐ろしい物があると思わずにはいられなかった。

 

「……普通にいいと思ったよ」

 軽い拍手と一緒に立ち上がると、迷いつつも口にする。

「正直、上手い。お前ら」

 

「わわわ、聞いた? 海未ちゃん、ことりちゃん!! あのユキちゃんが素直に誉めてくれたよ!!」

「うん!! やったね穂乃果ちゃん!! 海未ちゃん!!」

「どういう風の吹き回しでしょう……もしや何か悪い物でも食べたのでは……」

 

 いやいや、お前らと一緒の物食べたからね。意趣返しか園田君。

 

「うるさいうるさーい!! 多少誉めたからって図に乗るんじゃありませんよ!!」

 

 これだから一瞬言おうか言うまいか迷ったんだ。まったく、歌は問題ない。それはいいことだ。問題があるのは……と、

 俺が嘆息しながら、春の日差しをにらみつけていると、はしゃぐ穂乃果とことりから離れて海未が近づいてきた。

 

「行人くん? どうかしました、か?」

「……やっぱり問題は曲だよなって思ってさ」

「……はい」

 

 海未が二人に比べあまりはしゃいでいないのも、それを理解してだろう。

 

「西木野さん、か。実は昨日放課後の練習に合流する前に、俺も彼女に会ったんだ」

「え、そうだったんですか!? ……どう、でした?」

「一応、俺からもダメもとで頼んでみたけど、やっぱ、な」

 

 険しい顔でうつむいた海未は、

「やはり、他の誰かを探した方がいいんでしょうか」

 

「いや、その必要はない」

 

 え、と視線を上げた海未。さて、俺もちょっぴり勇気を出すか。

 

「今から話す。おい、穂乃果、ことり!! ちょっと来い」

 

 顔を見合わせた二人もすぐに側に寄ってきた。

「なになに、どうしたの?」

 

 三人の前に立って、俺はまず大きく息を吐き出す。そして、思い切り肺に空気を吸い込んで、気つけに自分の両頬をはたいた。

 

 呆気に取られている三人。そうだ、それで結構。

 

「初めに言っとくべきだったんだよな。お前達に」

 

 だから言うのだ。

 

「昨日西木野さんに曲を書いてくれないかって頼んだ時にも言われたんだ。なんで、お前達のためにそんなに頑張るんだって。そのとき、すぐ答えられなかったけどさ。ちょっと考えればそんなのすぐわかったんだよ」

 

 穂乃果、海未、ことり、それぞれを見回し、懐からそれを取り出す。

 

 思わず、穂乃果が口を開く。

「それ――」

 

「ああ、そうだ。『国立音ノ木坂学院スクールアイドル ファンクラブ 会員№01 日高(ひだか)行人(ゆきと)』。どっかの誰かさんがわざわざ俺のために作ってくれた物だ。これもらったときに、なったんだよ」

 

「――俺は、お前達のファンに」

 

 息が続く限り続ける。

 

「ファンだからだ。ファンだから、アイドルが喜んでたら嬉しい。ファンだから、アイドルが努力していたら、応援したくなる。ファンだから、アイドルが困ってたら、手を差し伸べたくなるんだ」

 

 たしかに東條が言うように俺も似た者なのかもしれない。けど、やっぱり少し違うんだ。

 

「だから、俺はお前達を手伝いたいんだよ。それを本当は最初に伝えるべきだった」

 

 言いたいことを言うと俺は瞑目し、もう一度深呼吸した。ゆっくりと目を開けたとき、

 

「ぐすっ……」

「ゆ~く~ん……」

「ありがとうございます……」

 

 三人とも瞳を潤ませていた。

 

「待て待て待て」

 

 やばい、なんだこれいつ以来だよ、おい。涙目のこいつらに囲まれるなんてガキの頃から久しい。このなんとかしなきゃと焦る感じ、俺のトラウマとなっていたようだ。

 

「あわわ、な、な、泣くなお前達。ほ、ほら、もうすぐおやつの時間だぞーぅ。ほらほら今日はなんだろなーなんだろなー」

 

 紙相撲の力士のような動きでうろたえていると、誰かが吹き出したぷっという音で我に返る。それを契機にするように、次第に全員におかしさが感染していった。

 三人に浮かんでいた涙は嬉しさとか面白さとか色々な感情でごちゃ混ぜになっていく。

 春風が笑い声をさらっていく。

 

「あははユキちゃん、あせりすぎだよぉ」

「えへ、今の動き凄い面白かった♪」

「……ぷふっ……」

 

 俺は額に手を当て、

「あー……もう、好き勝手言え、言ってしまえ!! っていうかだな、それとだ。昨日は断られた。でも、俺はあの西木野さんに曲を書いてもらいたいんだ」

 

 これは根拠のない勘だ。東條風に言えば、『勘がウチにそう告げてるんや』と言ったところだろう。

 それでも、彼女ならやってくれそうな気がするのだ。俺はそんな勘を、信じたい。

 

「それは私も同じだよ!! ぜぇーったいに、西木野さんに作ってほしい、そしてライブを成功させたい!!」

「でも、どうすれば……」

 

 そんなことりの言葉を遮るように俺は懐からまた新しいそれを取り出して、

 

「チャンスは――俺が作ってやる」

 

 

 

 

 

    ◆   ◆   ◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 西木野真姫はその日、目覚ましが鳴るより早く目を覚ましてしまった。

 実に目覚めがよく、そのまま彼女は頭を起こしサイドテーブルの引き出しにしまってあった紙切れを手に取る。

 

 ――夢なんかじゃない。

 

 A-RISEのライブチケット。欲しかったのに勇気が出なくて手に入れることの出来なかった代物。それが今目の前に存在している。

 

 昨晩なかなか寝付けなかった原因だ。自然と笑みを浮かべてしまうそれを真姫は再び大切そうに引き出しに戻した。

 

 多少の寝不足は感じた物の、生来要領のいい彼女の動きはよどみなかった。自宅の広い浴場を味わい、母親には今日は新しく出来た友人の家にお邪魔させてもらうと告げ、朝食を優雅に頂き、服を選んだ。

 

 多少動きやすい方がきっといいのだろう。それを考慮に入れつつも、真姫はセンス良く本日のコーディネートを決めた。

 

 セミロングの髪の毛をブラッシングし、鏡で見た目をチェックする。化粧の心得はあるが、真姫ちゃんくらいの年齢ならばしない方がいいと母親から言われているため、これといったことはしない。が、それ以外の身だしなみで気をつけられるところは極力良くしていく。

 

 鏡の中の自分に及第点をつけて、チケットをトートバッグに入れて真姫は行ってきますと家人に告げる。

 そして彼女は解き放たれたような気分で家を出た。

 

 夢見たあのスクールアイドルのライブ。自然に足取りは軽くなり、目深に被った帽子の下でにやけそうになる顔をこらえる。

 

 会場に近づくにつれて、真姫は昨日の出来事を思い出していた。

 

 会場にはあの日高とかいう人もいるのだろう。もともと現在真姫の持っているチケットは余っているからという名目でよこしてきたのだ。いらないからという訳ではない。

 

 会ったら一体何を言ってくるのだろう。とにかく今日はライブを楽しみに来たのだ。滅多にないチャンス、余計なことなど考えたくなかった。

 

 懸念することを振り払うように真姫は頭を振り、彼女は会場であるUTX学園前にたどり着く。近未来的な校舎に備え付けられた大型ビジョンには本日A-RISEのライブが行われることを喧伝している。駅前という立地に加え休日という事もあり、行き交う人々は一様にその音と映像を見上げていた。

 

 熱心なファン達はたとえチケットが手に入らなくても、会場の外から内側の様子を映すあのビジョンを楽しむのだ。その輪の中にこそ入らないものの、ビジョンは見に来ている真姫はそんな彼氏彼女たちを横目に入場待機列へと並んだ。

 初めて味わう状況に柄にもなく緊張してしまう。

 

 しかし、人の流れに従っていくと思ったよりもあっけなく入場できてしまった。チケットをもぎられる際、本当に大丈夫なのかという疑いも鎌首をもたげたが、すぐに杞憂となった。

 

 校舎の中に入るのは学校説明会の時に来た以来だ。結局、縁がない形になってしまったものの、あの時感じた学校全体に漂う勢いのようなものを再び感じる。さすがは今もっとも女子中学生が入りたい高校の一つなだけある。

 

 ホールに入ると、音ノ木坂よりも遙かに収容人数の多い空間が広がっていた。

 

 さて席はどこだろうか。アルファベットを先頭の方へとたどっていく、ようやくチケットに指定された列に近づき、顔を上げた時、

 

「――な、なんで?」

「あ、西木野さーん、こっちだよー!!」

 

 たしか、高坂穂乃果、とかいっただろうか。

 音楽室で誰もいないと思って歌っていたらいきなり現れて、目の前でスクールアイドルで学校を救うなんて夢物語を最初に紡ぎ始めた張本人。

 

 そんな先輩が真姫に向かって大きく手を振っていた。

 

 




三本立てになったらえらく長くなってもうた……
活動報告に少しお伝えしたいことがあるので覗いてくれると嬉しいです

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