気弱な同僚の護衛役 作:名無しの盾役好き
メイプル君とサリー君を疑似パーティーに加え、向かってくるモンスターをシールドアタックのみで倒し、先へ進む
「霧の中なのに、わかるんですね」
「ただの気配察知だ、君の反応を見る限り、君も持っているだろうスキルだ」
モンスターが来るとき、僅かだが反応していた、それは事前に動けるようにしていたからに他ならない、僅かな動きでも、スキルの1つや2つ、確認することは可能だ
「ふむ、段差がわかり辛いマップで、隠密系の敵モンスター、中々に姑息な手だが、有効な手段だ」
「モンスターが徹底してコウモリ型ですからね」
「2人して凄い平気で進んでるし」
「あの魔法どうやったら覚えられるかなぁ」
「メイプル君ならば、多少無茶をすれば取れるだろうな、私からは仲間を守り続けろ、としか言えないが」
「なるほど」
「良いんですか? スキルの取得方法、断片的にでも教えてしまって」
「構わない、基本となる情報がない状態で、取ろうと思って取れるほど、このスキルは安くない」
その後、メイプル君が水の音を頼りにセーフティーポイントを発見、一休みすることになったのだが
「卵か」
「まだ何の卵かわからないんですけど」
「ふむ、完全にランダムなのか、ある程度プレイヤーに合わせるのか、重要なのはその辺りか」
「プレイヤーに合わせる場合、メイプルが2人居る状態の戦闘か」
「や…やりたくない」
「だろうな、未だに有効打が得辛い状況だ、私も戦闘は遠慮したい」
「MPに限界があるから私もやりたくない」
メイプル君本人には自覚が無いまま、対メイプル君をしたくないと言う意見が一致した、特にサリー君は間近で見ている分、私達よりやりたくはないだろう
「まあ、私達が詮索するようなことではないな、共に行動している間に生まれた場合、私達は一度席を外す、その間にステータスの確認、方針などを話すといい」
「あー、その辺考えてなかった、ありがとうございます」
「いや、大人の嗜み、と言うものだ」
「多分、一般的な大人の嗜みではなく、女性に対する紳士の嗜みだと思うのですが」
「む…そうなのか、イギリスに留学した時に知り合った友人から教わったのだが」
「うわぁ、紳士の国の人だ」
「そうなの?」
「一般的に紳士と言われると真っ先に名前が出る程度には有名だな」
なるほど、どうやら意味合いが少し違った様だな、そう直すほどのものではないと思うが、どうしたものか
「直すほどのものではないかと、そのままで大丈夫です」
「そうか、ミィがそう言うのであれば、このままでいいか」
「(今、シルトさん喋ってなかったし、表情もそこまで変わってなかった、ミィさんってシルトさんの考えが読めるの? それって…)」
「(なんか、大人な会話だなー)」
勘付いたサリー君、軽く考えるメイプル君、どうやら両者には恋愛的な察知能力に明確な差があるらしいな、まあ女子学生が皆が皆、恋愛事に得意…と言うわけではないだろうからな
「ふむ、そろそろ進もうと思うが…どうか?」
「あ…はい、大丈夫です」
「わ…私も大丈夫です!」
「そうか、では出発する」
事前に方向を決めた通り、上流に向かって進む、危なそうな所に盾魔法で足場を作る、メイプル君がおっかなびっくり跳び移る中、サリー君はミィの隣まで進み、話し始めた…この距離だと聞こえるのだがな
「あの、ミィさん」
「なんだ?」
「シルトさんと仲が良いんですね、ちょっと表情が読み辛いので驚いちゃって」
「む…そうか、あの人は確かに表情にはあまり出ず、だからと言って目が泳いだりはしない、私なりの見分け方だからな、これといったものもない」
「……ぶっちゃけて聞きますけど、付き合ってます?」
「そうだが、どうした?」
「(うわぁ、臆面もなく言ったぁ)いえ、ちなみにどんな所が?」
少し驚いたサリー君、しかしそこは花の女子学生か、他人の恋愛話は大好物であるらしいな…一般的な女子学生はこうだと聞いたが…あっているのだろうか?
「そうだな、先ずはさっきや今の様な紳士な所」
「確かに、あんなに出来る人居なさそうですよねぇ」
「それと、妙に子供っぽい所」
「えっ…そんな所が?」
「あぁ、同じ盾役としてメイプルと張り合っては居るな、現状の差はわからないが」
「確かに、この足場も凄い計算して作ってますし、メイプルでも普通に跳び移れるくらいの間隔ですし」
後ろを見れば、徐々に楽しくなっているだろうメイプル君が、はしゃぎながら足場を跳び移っている、あれだけ見ていれば、この第1回イベント最大のダークホースとは…誰も思うまい
「後は…そうだな、話さずとも察してくれる所」
「へぇ」
「気まずいことは余程の事が無い限り深く聞かない所」
「察して聞かないでいてくれる感じですか」
「後で気が付く失敗を気付く前にリカバリーして、尚且つ黙っていてくれる所」
「本人に悟らせないってヤツですか」
「それと」
その瞬間、ミィの後ろからモンスターが奇襲しようとしたのを察知したサリー君が振り向く前に、盾魔法のシールドアタックでモンスターを倒す、勿論ミィには悟らせていない
「前を歩いていて、後ろを向いていないが、見守られている様に感じる所」
「へ…へぇ(今がっつり察知してましたけどぉ!? 見てないけど見てますよあの人!? モンスター呻き声上げない所を見るに気付かせずにやってますよ!?)」
「他には…」
「ま…まだあるんですか」
「まだまだあるぞ?」
「えっと…あ、シルトさん、止まったみたいなんで、次で最後に」
「む…仕方ない、最後か…やはり」
ーーー自分を一番に見てくれているとわかる所
「だな」
「うわぁ」
「む、どうかしたのか?」
「どうかしたの? サリー」
「イエ…ナンデモ」
少ししか経っていない筈なのに、げんなりしたサリー君だったが、まあ…今回は聞いた側に問題があった様だな
「(私も、そう言う相手…出来るのかなぁ)」
さて、サリー君が戻るまで見張りをしておくか
はい、ノロケ回です、最初の犠牲者はサリーです、メイプル? 色々な経験値が足りない様だ
ちなみに一連の会話はシルトは聞こえております、難聴系主人公ではありません、ただ護ると決めた相手にどんな状況であれ、真っ直ぐに向き合い、不器用でも気持ちを伝えるべし、と話に出たイギリスの友人から教わっていたため、本人もその通りに動くべきだと考えた結果が今のミィのノロケです
後イギリスの友人の登場予定はありません、人物像も自由に想像していただいて構いません