気弱な同僚の護衛役 作:名無しの盾役好き
サリー君が泉の底から杖を持ってきた、残念ながらまともに使える者は居ない、ミィの杖は火属性特化、水属性など使えない、そう言うことで私に来たのだが
「売るしかないな」
「きっと、2つの属性を使う人が居ます」
「そう言う人物は大抵魔法自体を強化してくると思うのだが、役に立つのだろうか」
「それ、言っちゃいけないヤツですよ、多分」
明らかにハズレなのだが、そしてついに2人の卵が孵った、亀と狐、ステータス的には2人と似た形となるのだろうな、暫くして2人と合流し、進みながらレベリングをする、どうやら隠す手段が今のところ無いらしい…なので
「打ち落とす」
「シロップ! 食らいつき!」
「朧! 狐火!」
私が、モンスターを地面に落とし、その隙に攻撃、経験値とする、どうやらプレイヤーとは経験値の幅が違う様なので、数を狩らねばならない様だ、私達のレベルがここのモンスターに比べて高過ぎる…と言うのもあるだろうな
「ふむ、今日はここまでだな、もう夜だ」
「うわ、確かに、明日に備えないと」
「では、私は護りを固める」
「わかりました」
まだ知られる訳にはいかないので、ノーアクションで
「うわ、城みたいなのもつくれるんですね」
「あぁ、私の数少ない自慢でね、これがあるからこそ、私は今まで戦ってこれたのだ」
「なんか、信頼出来る一番って良いですね」
「そうだな、君の眼ほどではないにしろ、私の中では…そうだな、2番目に信頼出来る」
「……眼…ですか」
「あぁ、道中で君が放った拳、あれは私の拳を模倣したものだな? あれ自体はスキルもなにもない、だが君が数度見た程度で模倣したと言うならば、私も流石に気付く、拳速はそちらに分がある様だが」
「あはは、シルトさんとミィさんは騙せませんか」
「なに、私は模倣を悪とは言わん、特に君は模倣しただけでなく、自分なりの次への繋げ方もあるし、その技の出し方も考えている、ならば武術家として、君のソレは称賛されるべきものだ」
そんな言葉を、サリー君は驚いた顔で見る、どうやら過去にソレで謂れの無い言葉を言われたことはあるらしいな
「気にするな、とは言わない、だがその眼も間違いなく君の一部だ、加減する必要は…この世界に限るのであれば、どこにもない」
「なんか…ミィさんが貴方を好きな理由…少しわかった気がします」
「………そうか」
「まあ、私からすればお父さんって感じですけど」
「………良く知り合った人からはそう言われるな、同年代の友人ですら…だ」
「うわぁ、業が深そうな話ですね」
「だが、それは私個人の感情…他人に向けるものではないからな」
「………ちなみになんですけど」
「なんだ」
「信頼出来る一番ってなんですか?」
明らかにわかっている顔だ、そして先ほどのミィとの会話の後の反応、大体聞きたいことの答えを知っていながら、尚も進む、その気構えは良いと思うが
「二の轍踏まずとは考えないのだな」
「鉄火場の中でなら考えます」
「そうだろうな、ならこちらも相応の態度で示さねばならない」
なにやら後ろでミィとメイプル君が聞き耳を立てているが、大人しく見張り番を任せて寝てはくれないだろうか
「私の信頼出来る一番、それはミィだ、私は不器用で、上手く表現し辛い人間だと、自分でも思っている、だがミィは私が考えていた通りの解釈をしてくれて、それに従ってくれている、ズレた道は正してくれる、だから私も迷わず、自信を持って前を見れるのだ」
「なんか、予想してましたけど、話結構ヘヴィですよね」
「一般的な恋愛観からすれば、確かに距離感がおかしい所があるだろうな、だが君はわかっていながら聞いてきた、ならば私も相応の態度で返す」
「ですよねぇ」
「人生相談であれば付き合おう、時間はまだある」
「あははっ、そっちもバレてます?」
「君の眼の話辺りからな」
少し、周りから見れば分かり辛いと言われるだろう、だがわかる時はわかる、今回は私が上手く察知しただけのこと
「……そうですね、私…ゲーム好きなんですよ、でもたまに眼で見て覚えた物を再現して、別のゲームから引っ張ったりを繰り返してたら…まあ」
「誹謗中傷とは、どこでもあるものだな」
「……はい、まあこの話はさっきので吹っ切れちゃったんですけど」
「そうか、ならばいい」
子供は大人が護らねばならない、そう彼も私も信じているし、実行してきた、しかし得意分野でないとしても、ネットの世界までは手を出せない、誰がどう言った意図でやっているのかを眼を見ず、顔も見ずに察知することは出来ない
「もし君が、私を頼ることが出来る状況であるならば、頼ってくれて構わない、子供を護るのも、大人の勤めだ」
「いや、シルトさんのソレって勤めじゃなくて性分じゃないですかね?」
「む…性分か、意外にしっくり来るな」
「自覚無かったんですね」
まさか人生相談をされていたら、していた側に回っていたとは、中々得難い経験だな
「さて、夜も長いが、どうしたものか」
「じゃあ、ミィさんのどこが好きか…で」
「まったく、懲りないな、サリー君は」
そして後ろのミィに誤爆していると思うのだが、いや、視線が後ろに向いているので、これは意図的にやっているな、中々に強かな子だ
はい、ミィに続いてシルトに行くサリー、恋愛話に餓えていたのだ、そして翌朝砂糖を吐くサリーと介護するメイプルが居たとか居なかったとか、顔真っ赤にして後ろを歩くミィが居たとか居たとか、まあミィは確定事項ですね