気弱な同僚の護衛役 作:名無しの盾役好き
光の中を走る、目の前には馴染みのある物が攻撃を受け止めているーーーこれは
「もっと…いい場面で使いたかったんですけど」
光が収まり、後ろを見た時、ミィには馴染みのある籠手が装備されていた、つまり
「なるほど、そういうことか、納得した、そして」
ーーー心強い!
少しずつ出力が落ちる盾魔法、だが私ほどではなく、今は私以上に防御力がある、あぁ、ミィは何時も…こんな気持ちだったのか、ならばそれはーーー私の救いだ
「ーーー君の“嫉妬”を、封印させてもらう」
最初に起動した嫉妬に狙いを定めて封盾を当てる、恐らくそれが核、外れていれば負けだが、装備が1つ1つと落ちて…消える、後に残ったのは、少女ただ1人、どうやらこれが正解か
「ーーーエラー」
倒れた少女を支える、冷たい、機械か?
「報酬は、この子…なのか?」
「…運営に抗議文を送っておきます」
「…今回はそうした方がいいだろう、しかしこれでメダルも揃った、どこかでイベント終了まで立て籠りたいな」
「一番安全なのは宿、次点で洞窟ですね」
「そうだな、では…行くとしよう」
数歩歩いて気付く…そう言えば
「ミィ、今回の盾魔法、良かったぞ」
「はい! ありがとうございます!」
連れたって歩く、この中で気になるのは、やはり背負った少女、ステータスを見る限り、ステータスオール10、HP、MP共に100、どうやらここからレベルアップで先ほどの戦闘で見せた武装を使える様になっていく様だ、ただプレイヤーレベルには効果を下げる…当たり前だな、そして…名前か
「名前ですか」
「あぁ、暫く悩むことになりそうだ、どうやら自動人形と言う種類で、種族名は“焦がれの地平線”、レベルアップ毎にアップデートされる、と言う説明通りなら、成長するごとに戦略に幅が出るキャラクターだな、さっきのを見る限り、固定砲台が正当路線みたいだな」
「…正反対ですね」
「まったくもってその通りだ、ただなにかしらのクエストを踏んだ様でな、メイプル君やサリー君の様な絆の架け橋と言う装備が出てきたので、サポートモンスター…と言う扱いなのだろうな」
「では、残りのイベントは」
「この子のレベルを上げながら、防御しやすい所を探す」
「かしこまりました」
しかし、これは他のプレイヤーから勘違いされそうだな、明らかに事案だと思うのだが、いや、そちらは今考えるべきではないな
「ミィ、なにか良い名前はないだろうか、どうにも苦手でな」
「名前…ですか、シルト…ミィ…シルフィはどうでしょうか」
「………なぜそこで私とミィの名前を捩ったのかは敢えて聞かない、だが他に案もない、シルフィ…か」
「認証コード確認、シルフィ・ホライゾン…起動」
「「ファミリーネームがあったのか」」
「おはようございます、お父様」
いきなり爆弾を投げつけられた気分なのだが、正直隣を見るのが怖い、私がそうさせた訳ではないのだが
「あ…あぁ、おはよう、もう夜だが」
「…お父様?」
「違いましたか? ログからはお父様が名付けしてくださったと、いえ、もう1人…女性が案を出したと…では、お母様?」
「ッ!! ワンモア!」
「お母様」
「シルト! 娘を認知してほしい!」
「いや待つんだミィ、気が早い、この事はじっくり話を…して」
むぅ、どうにも気弱な目には弱い、そしてシルフィ、なぜ君もその目で見てくるんだ…そう言えば、あの友人はこんな時に…なんと「おい、認めてやれ、きちんとした繋がりがあるんだから」いや自分が関係無い娘の認知の話からは程遠いものだ、いや…だがしかし
「………わかった、好きに呼んでくれ」
「ありがとうございます、お父様」
「これで晴れて夫婦ですね」
なにか…大事な物を護る為に、なにかを犠牲にした気がするのだが…今度、彼に相談してみよう、こういった類いは得意分野だと言っていたはずだからな
「しかし、装備が無いのは不便だな、レベルアップをどうするか」
「適度に弱らせて拘束するしかないかと」
「そうだな、幸いにもやりようはある」
シルフィはその後、モンスターを相手に殴る、殴るを繰り返したが、一向にレベルが上がらない、経験値テーブルが狂っている様だな
「少しも成長した感じがありませんね」
「これから…と言うことだろうな」
なんにしろ、認めたからには、娘の様に愛情を注ぐべきだな、目標は定まった、やることも確認した、後は進むだけだな
「これからよろしく頼む」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします、お父様、お母様」
しかし、ミィが凄く気に入っているようだから、関係はこのままで経緯だけ運営に連絡しておこうか
や…やりきった、そしてこれで良かったのか悩みものです
タグは本日の夜変更いたします、それまではネタバレ防止だと思ってください