気弱な同僚の護衛役 作:名無しの盾役好き
あの日から私とミィ君は会社とゲーム、双方のコミュニケーションを取り、気付けば言葉無くやり取りをしている事に、昼食の時に気付いた
「そう言えば最近、会話をしてないな」
「そう言えば…そうですね」
「「(えっ、今さら!? と言うかここ数日ずっとなんだけど、仲が良いのか悪いのかわからなかったし)」」
「だがまあ、会話は楽しむべきか」
「えぇ、そうですね」
その後、今日のゲーム予定を話した後、なぜか同期から付き合っているのかを聞かれたのだが
「いや、付き合ってはいないが、どうしてだ?」
「いや、あそこまで仲がいい、と言うか会話無しで仕事のやり取りしてましたからね? 最近」
「そうか、だがどうしてそこまで」
「どうしてって、いや、もういいです、諦めました」
「なにか釈然としないが、すまない、これのチェックを頼む」
「あぁ、はいは…い」
ミィ君が隣に来たので、左手で書類を渡して、代わりに届けに来た書類を確認、異常が無いので判子を押して返す、ミィ君は一礼して下がる、なにやらミィ君も同期に言われて慌てている様なのだが、仕事に差し支え無い様に頼みたいな、顔が少し赤く見えるのだが
「…そう言うとこなのですが」
「どうかしたか?」
「いいえ、なんでも! チェック終わりです!」
「? ありがとう」
ふむ、今度ミィ君にお礼をしなくてはな、仕事の充実、趣味の発見、特技…にしては見栄を張れないが、彼女も最近、笑顔が増えた様に思う、中々話していなかった同期とも話せる様になったと聞く、1つ、肩の荷が降りたな、しかし寂しさもあるのだが、これが父離れをした娘を見る気持ちだろうか?
「違うと思いますよ…それ」
「ふむ、どうにも表現が難解だな、感じた事が無いのは確かなのだが」
まあ、構わないか、モヤモヤしてもいない、こういう時は、深く考えないのが一番だ、さて、仕事が終わればゲーム、それも今日はソロプレイでスキル取得イベントをしなくてはな、主に防御系ばかりだが、どうやってクリアしたものか
「それで、一体これはどういう事だ?」
「そ…それが」
なにやらミィ君はモンスターに追われたプレイヤーを見かけたので助け、見かけたので助けを繰り返したらしい、ちょうど範囲魔法を覚えたのもあり、助けることは問題なかったのだが、なぜかプレイヤーが着いてくる様になった…と
「ふむ、ならばギルドシステムとやらを待たねばならないか、ならばこうしよう、入団試験…とは行かないが」
1つ、手合わせ願おうか
「ミィ君、君はファイアボールのみ、私はカバームーブのみ、作戦は前にやった通り、1人ずつ」
「わかりました」
「それでは、5人以上でパーティを組んでくれ、私とミィ君のパーティが相手をするので、それで見極めさせてほしい」
ーーー私が居ない間も、ミィ君を預けるに足る人物かを
「では、開始!」
ただ全力で相手の矢を、魔法を、剣を、槍を、全ての攻撃を一撃足りともミィ君に届かせはしない、その一心で連戦を戦い抜いた、その結果…盾魔法と言うスキルを覚えた
「む、スキル…防御系だな」
「えっ、更にですか?」
「あぁ、敵が3体以上の戦闘で、味方への攻撃に対しての防御を、カバーを使わず1万回連続で成功させる、中々厳しいな」
「こ…効果は?」
「MP、またはHPを消費して、空間に盾を構築する魔法の様だな、名前は…盾魔法? 本当にそのままだな」
「やっとMPの消費先が出来ましたね」
「あぁ、消費に応じた呼称設定も可能な様だからな、ファンブル等と言うヘマはしない」
形も自由か、それに応じて消費が増減、可能な限り絞り混むか、自分に一番合った形を…いや、私が嘗て憧れた彼らの様になれるのだ、多少のデメリットに目を瞑り、技の1つ1つを再現するしかないな、それを場面場面で最適解を持ってくれば…憧れをそのまま最強へと押し上げることが出来る
「それにしても、中々居たな」
「はい、あの罠使いと、回復役、分解する剣を使う剣士」
「特に分解する剣を使う剣士には驚かされた、まさか剣がバラけて飛んでくるとは」
だが、ギルドが出来て、対抗戦イベント等があれば、心強いな、特にあぁいった物はシステムアシストが少ないと聞く、それを、あぁまで操れるとなると
「すまないミィ君、暫くこの盾魔法…練習したいのだが」
「はい、先輩のやりたい様に、それが叶うなら、私も嬉しいですから」
「ありがとう、君をたまに蔑ろにしているのではないかと思うのだが、大丈夫だろうか?」
「いいえ、そんなことは」
「そうか、ならば今回の様な事があれば直ぐに言ってくれ、可能な限り、護らせて貰おう、こんな不器用な事しか出来ないが」
「いいえ、とても嬉しいです」
良かった、本当に気になって仕方なかったからな、だがこれで心置きなく
「護る手段を増やせる」
その日から数日、私はイベントが開始されるまで、盾魔法を使いこなす事に終始した、最終的にはミィ君をカバームーブで護りながら盾魔法を空間設置して、三次元防御を可能に出来た、あの時のミィ君の呆然としながらも、安心感のある笑みを見て、やって良かったと心からそう思った、そして迎えた第1回イベント、私では入賞出来ないだろう…だが
「君の邪魔はさせん」
今まで通り…否、今まで以上に護ってみせる