気弱な同僚の護衛役 作:名無しの盾役好き
と言う訳でイベント後の話です
イベントは何事も無く終了した、スキルは無難に【フォートレス】を取得、そしてイベント外の事だが
「すまない、君に1つ依頼をしたい」
『君にしては随分急だな、どうした?』
「私の懐中時計を1つ、作って貰えないだろうか」
『アレ壊れたのか? 早々壊れる様な素材じゃ無いんだが』
「いや、壊れたのではなくてな、贈り物なのだ」
『贈り物? 君が? 本気過ぎないか?』
「あぁ、彼女を護る、そう決めた」
『わかった、ただお前のことだ、意味を言わず渡しそうだから、お揃いだとか、色々添えて渡すように、贈り物の意味くらいわかるだろう』
贈り物の意味…あぁ、そうだ、確かに時計の意味は少し複雑だったな、中国では告別が近い語源であった筈だ、それを考慮していなかった
「………そうか、それがあったか、すまない」
『…何時に無くテンパってるな、まあ幸い、ボクの作った懐中時計で、ペア仕様なんて無いから、本当に世界で1つの物になる、そこはよーく説明するように』
「すまない…いや、ありがとう」
『後、写真でも良いから紹介してくれ、ちょっと…いや、かなり気になる』
「わかった、彼女に確認次第送る」
『そうしてくれ、完成したら郵送する、結婚したから住所が変わったとか言うなよ?』
「そこは安心してくれ、少し先だ」
『そう言えば、君はそういう慎重な男だったな、じゃあまた』
「あぁ…また」
さて、依頼はした、後は場所のセッティングと、贈るタイミングだな、前にこの時計を依頼した時は…1ヶ月だったか? それを目安に立てるか
「会社で…平常心で居られるだろうか」
ーーー
「あぁ、漸くか…おめでとうさん」
「………」
「どうした?」
「いや、驚かれると思っていたのだが」
「いやいや、他の子ならまだしも、あの子なら驚かねぇよ、寧ろ漸くなのか? 熟年夫婦のソレだったんだが」
「そう…なのか?」
「そーなの、そんで、あぁやってテンパってるのが正解なの」
言われた方向を見てみれば、彼女が同期の女性になにやら言われたらしく、こちらを見て赤面している…ふむ
「お前…今和んだろう」
「………否定はしない」
「まあいいか、変な事にはならないだろうからな」
その日は普通に終わった、ゲームでも普通だ、シルフィとなにやら話してはいたが…普通だ
「よっ、旦那…どうしたんだ?」
「いや、少しな…そうだシン、少し相談に乗ってくれないだろうか」
「………それは他に誰か居た方が良い話か?」
「そうだな、ミザリーを頼む」
「わかった、ちょっと雑学にも詳しいらしいから、マルクスも呼んどく」
「頼む」
そうやってミィにプレゼントを渡す場所などを色々考えた、シンにマルクス、ミザリーはなにやら嬉しそうだったのだが…どういう事だろうか
「まあ…色々な人に手伝って貰ったのだが」
「なるほど、これが貴方の全力…ですか」
かつての思い出の場所、今はアスレチック扱い…いや、あれから更に改良されたらしく、最早テーマパーク扱いとなっている公園、そこで私はあらましを話し…
「そしてこれがプレゼントだ、まだ結婚式は出来なそうだからな、先ずはお揃いから…と思ってな」
「これは…懐中時計…ですか?」
「あぁ、イギリスの友人が時計職人でな、学生の時に作ってもらった物と同じ物だ、デザインは友人曰く、彼と私をモチーフにしたと言っていたな」
「十字架に…盾…ですか?」
「あぁ、その友人はキリスト教徒でな、私を盾、彼を十字架、それを依頼した時計の装飾に選んだ、事実…一度コレは私の命を救ってくれた、まさに…命の恩人となる時計だ」
「それを…私に?」
「あぁ、私が護れない時、必ずその時計が護ってくれる、そしてそうならない様に、私が護る、だからどうか…護らせてはくれないだろうか」
「………あの時も…言ったじゃないですか」
ーーーお願いします、十司郎さん
「あぁ、ありがとう…美月」
良かった、彼には…いや、彼だけではない、知恵を貸してくれたギルドの面々に報いねばな
「………所で、このロゴにあるS・A・Sって、私の記憶違いで無ければ」
「彼の会社の物だが」
「こっ…こここコレ…作ったのはまさか! なんて人と友達なんですか!?」
「そう言えば、彼の職業を言っていなかったな、すまない」
「なにか…凄く疲れました」
「送っていこう」
「………そこは嘘でも、家に寄らないか…くらいは言ってもいいと思います」
「………申し訳ない」
「良いです…でも」
「わかった…良ければ私の家で…休んでくれ」
「ありがとうございます」
今のうちに…理性の壁を厚くしなければ…む、メール?
『そう言えば言い忘れていた、ボクから彼女宛の手紙を時計に同封させてもらった』
「ッ!!」
「………と…十司郎…さん? こ…これ」
細かく畳まれた手紙…内容は…最早小さなアルバムの様だった、彼との出会い…祝辞、なるほどこれは
「彼を結婚式のスピーチに、呼ばなくてはならない様だな」
「そ…そのようですね」
まったく、この手紙を忘れていたくだりは嘘だろうな、彼なりの脅迫の仕方だ、言外に結婚式に呼べと圧力を掛けてきた、一会社の社長がそれで良いのだろうか
「後は…彼が自己紹介で職業を名乗らない様に祈りましょう」
「いや、彼ならやる」
結婚式は騒がしくなりそうだ
考えてる間砂糖吐きながら書いてました、そして登場予定をしていなかったウワサの友人…いったい何ーブンなんだ(棒読み)
後…やはり更新はどうしても遅れてしまいます…気分屋で申し訳ありません