気弱な同僚の護衛役 作:名無しの盾役好き
第2回イベント当日、スタート地点は山岳地帯、ちょうど最初に盾を練習した時の様な場所だった
「これは幸先が良いな、戦いやすい」
「先輩が戦いやすいと言うことは、万一がない、と言うことですね、どうしましょうか、最初に山頂に?」
「そうだな、そうしよう、久しぶりに登山をしたくなった」
「では、そのように」
道中の敵は盾魔法を使うべくもなく攻撃力が低い、きっとメイプル君も、隣に居た少女同様、問題なくイベントを進めているのだろう
「しかし、ギルドが実装され、もしギルド対抗戦が行われる時、果たしてメイプル君はどの様なメンバーを集めるだろうか」
「仲間が出来たら驚異、しかし彼女自身のプレイヤースキルは」
「いや、間違いなく、同じギルドに盾役が入った場合、指南があるだろう、そうなれば」
「………突き崩すのが難しくなりますね」
「あぁ、だが今は、精進あるのみだ」
しかし、一向に伸びる傾向もないスキル達はどうしたものか、いっそ新しいスキル、いや、目ぼしいものは無かったな、仮にあっても私との相性はあまり良くは無かった、あっても不屈の守護者だ、あれは私が自傷ダメージでわざと死にかけ、ボスモンスターの攻撃をわざとクリーンヒットする荒業で入手した、あの時ミィ君が一番焦っていたが、その後怒られもしたな
「む、ボスへのポータルの様だな」
「はい、地形的に防御型…だと良いのですが」
「確かにな、では」
私とミィ君は迷いなくポータルを踏み、中へと入った、その先はコロッセオの様な場所で、立っていたのは人型、真っ黒い鎧に大盾を構えた騎士、そして身の丈ほどの杖を構えた魔法使い、この組み合わせは…
「入ったパーティによってメンバーと武器が決まる様なタイプ…だと思います」
「だろうな、ミィ君、貫通重視だ、大盾を魔法使いの所まで追いやる、だからその時は」
「範囲攻撃…ですね、わかりました、炎槍!」
「さて、推して参る!」
先ずはミィ君の魔法で牽制だが…む! あれは盾魔法!? スキルの大方も同じか、ならばどうする、ミィ君には節約を、だがそれでは…っ! 大盾、そうだ、なぜヤツは籠手ではなく、大盾を構えている! ならばここは
「ミィ君! すまないが魔法使いを頼む!」
「っ! ですが、あの防御は」
「ヤツは少し前の私だ、ならば越えられぬ道理は無い!」
特に、あの甘い盾魔法では! 私への侮辱と挑戦に他ならない! 過去の自分でも、あってはならぬ彼らへの冒涜! ならば私がアレに勝たねばならない…否、気が済まない!
「今から貴様を、完膚なきまでに叩きのめす、
肩、肘、膝、足首、あらゆる場所に盾魔法を展開して身動きを封じる、そして…これが最大出力、己が信じる絶対の一
「安らかに、眠り給え、最大出力
エリア端の境と板挟みにして、シールドアタックを掛け続ける、そしてそのまま押し潰した、紛い物の盾魔法なぞ、拙すぎて防御にならぬ…さて
「今…終わったか」
「はい、私達の勝利です」
そのまま出口用ポータル付近の宝箱を開けて、メダルとスキルスクロールを手にした、効果は…なるほど
「付与魔法か、%ではなく、固定値上昇、素晴らしいな」
「先輩、もしかしなくても、それで自分にSTR補助着けて戦うんですか?」
「む? 勿論だが」
「私が付与しますから、気にせず戦って下さい」
「それではミィ君が攻撃を」
「構いません、それより、早く行きましょう」
「あぁ、わかった」
なにかミィ君に呆れられる様なことをしただろうか、そして元の山岳地帯に戻る、どうやらタダで戻れないそうにないな
「炎帝に、城塞!?」
「マジかよ、だが入賞者、メダルがあるぞ!」
「ふむ、炎帝はミィ君のスキルから来ているとして、城塞?」
「先輩の事ですよ、前のイベント中、私の護衛中にダメージ無かったですから」
「そうか、なるほど城塞か、さながらミィ君は王女…いや、炎帝から取って女帝と言った所か、ならば君の城らしく、此度も無傷で推して参る!」
「はぁ、それ、凄い恥ずかしいですから、先輩、付与《STR》! 付与《VIT》!」
「早速か、ふん!」
「魔法を素手で砕いた!?」
「極小展開、
「がっ!?」
うむ、射出する盾魔法を限界まで小さくしてしまったので不安だったが、逆に上手くクリーンヒットしてHPを削りきってくれたか、今後も使えそうだな
「なっ!? 城塞は攻撃出来ないんじゃなかったのか!?」
「つい先ほど、まともな遠距離攻撃手段が出来てな、まぁ、ミィ君が居なければ今まで通り、ただの盾だが」
「先輩が攻撃が出来るだけでこれですからね、炎槍! ファイアボール!」
程なくしてプレイヤーを倒しきった、付与は中々だ、私もミィ君程でないにしろ、遠距離攻撃に加われるのは有難い、今まで攻撃は他人任せだったからな
「そう言えば先輩、先輩のそれって、スキルの技名じゃないですよね? たまに統一感無くなりますから」
「あぁ、これか、昔…私が憧れたキャラクター達の技でな、模倣させて貰ったのだ」
「憧れ…なるほど、場面場面で良さそうな技を出したりしているのはそう言う、てっきりその場で作っているものだと」
「流石にそこまでは出来ない、まだまだ私の浅い知恵で彼らの技をどうにか回しているが、まだまだ鍛えねばな」
「それなら今度、私も手伝います」
「そうか? それは有難い、ミィ君が居ればどんな物からも護ってみせよう」
「(あれ…これはもしや告白!? いや違うにしてもこの言い回しはそう思ってしまう!)」
1人あたふたする後輩、そしてまともな攻撃手段が出来てご満悦の先輩、このコンビの快進撃はまだまだ続く?