気弱な同僚の護衛役 作:名無しの盾役好き
なぜかミィ君は私を戦わせたい様だ、まあ消費的に見て、ミィ君の付与と、最低限の攻撃力を持たせた盾魔法でのシールドアタック、この2つで対空攻撃も可能な上、拾ったHPリングとMPリングが無駄になりにくいからな、後は
「自動回復は欲しいな」
「イベントスキルで良いのがあると良いですね」
「確かに、あまり自動回復系統は出ていない様だ、フォレストクインビーの指輪くらいか?」
「あれ、かなり入手確率が低い筈ですが」
「そうだな、まだ新エリア探索も終わってはいないからな、そちらに期待か」
「えぇ、ですが先ずは」
「探索…だな」
それに日暮れまでに休める場所を確保しなくては、私はともかくミィ君が野宿はしてはいけないだろう
「しかし、ゴブリンが多いな」
「それに、一定方向から定期的に…まさか」
「ゴブリンが定期的に出てくる様な所があると、どうする? メダルの可能性か、確定的ではない宿探しか」
「………メダルで」
「承った、最悪出てくる所を囲って仮の宿にしよう」
「えっ、持続時間は」
「レベルがⅢになった時に、出してから一定範囲内であれば、壊れない限り残る、少し便利になったな」
「確かそれ、耐久値は使用者のVIT参照でしたよね?」
「そうだな、ゴブリン程度なら、何枚か重ねれば数時間は余裕だ」
その時はHPとMPをギリギリまで酷使すれば良いだけだからな、ポーションは貯めてあるし、HPで使う事も出来る盾魔法は有難い
「ふむ、あれが発生源か」
「明らかに村ですよ、アレ」
「では、鬼退治と行こうか、ミィ君」
「わかりました、付与《STR》」
「ォォオオッ!!」
ゴブリン…いや、最早オークと言っていい巨人が棍棒を振るう、それを左手で弾き、踏み込みと同時に小さい盾魔法を足に当てて転ばせる、取り巻きのゴブリン達は既にミィ君の魔法で燃え尽きた、後はコイツだけだが、私の攻撃はまったくと言って良いほどダメージがない
「なるほど硬い、私の攻撃は無意味だな、ミィ君!」
「はい! 貫通重視で行きます! 炎槍!」
「ゴヒャッ!?」
「さて、どの程度耐えられるかな?」
その後は起きては転ばせ、起きては転ばせてを繰り返し、取り巻きをたまに増やすが、それは一撃で燃えてなくなった、今まで戦ったボスで一番弱かったな
「メダルは1枚、少ないな、特にスキルや特殊報酬があるわけでもない」
「メダル以外はハズレですか」
「だが、メダルがある分ハズレではない、とりあえずもう少し探索出来るな、ちょうど集落だった様だから、宿も気にしなくて住む」
一時は野宿ならどうしようかと思ったが、問題無いみたいだな、中も普通、ベッドは3つ、テーブル1つ、2階に地下の類いもない、本当に宿だな
「今日はここまでだな、もう直ぐ夕暮れだ」
「そう…です……ね」
「む、どうかしたかミィ君」
「い、いえ! なんでも! (2人っきり、2人っきり、1つ屋根の下ぁぁああっ!? 先輩とぉぉおおっ!?)」
疲れたのだろうか、仕方もない、歩き詰め、戦い詰めだからな、それに、後数日分ある、無理をさせてはいけないな
「ミィ君…ミィ君?」
「きゅぅうっ」
「ふむ、そんなに疲れていたのか、しかし床で寝るのは感心しないな」
ミィ君を抱き起こし、ベッドに乗せる、幸いゲームなので服がシワになるなどもない、後は
「盾魔法で扉を固定すれば完璧だな」
破壊不能オブジェクトの内側に配置すれば問題はどこにもない、扉も内開きだから、開けられる心配は先ず無い、完全なセーフティーエリアだな
「では、お休み」
などと、1日目が終わってくれれば良かったのだが、どうやら夢の中が簡易エリアに繋がっていた様だな
「えっ、ここは」
「起きたかミィ君、どうやら宿はダミーだった様だ、簡易エリアに飛ばされた」
「そんなまさか」
「それに突発性のイベントの様だな、君の攻撃魔法でのサポートは受けられず、私が出てくる敵全てを倒さねばならない、私が倒れれば君も道連れ、悪趣味にも程がある、だが」
「はい、信じてます、先輩、付与《STR》」
「ありがとう、絶対に君を助ける」
何体来るかもわからぬ敵、敵、敵、法則としては1レベルにつき1体×レベル分、戦闘終了後に通常通りリザルトが行われる、そして10毎にボスモンスター1体、しかも時間制限で次のモンスターが来ると来た!
「悪趣味ここに極まれり…だな!」
倒す、倒す、倒す、急所を狙い続ける、自分の為ではない、後ろに居るミィ君を死なせない為だ! 後輩1人、女性1人護れず、何が先輩か! 何が男か!
「レベル30、相手は」
後ろでガシャンと音がする、嫌な予感がしたが、なんてことはない、どうやら2人で乗り越えろ、とのことらしい、だがその選択、後悔させてやろう
「ミィ君、今まで以上に集中する、全力でやって構わない」
「はい、今まで見ているしか無かった分、やらせてもらいます!」
相手も2人、此方と同じ、前衛と後衛、ただし相手は近接アタッカーとヒーラーの様だな、さて、どこまでやれるか…否!
「どちらのペアが強いか、勝負!」
「絶対に…負けません!」
絶対に私の後ろを抜けると思うな、亡霊!