私は彼と温もりを半分こにした────
思えば中学校の頃から、彼の事が気になっていた
友達になって一緒に帰ったり、外や家で一緒に遊んだりして彼と仲良くなるにつれ、もっと彼の事が知りたいと思えた
そして同時に彼が私以外の友達や、部活の女性と話しているのを見る度にモヤモヤとした気持ちが沸いてくる。
最初はこの気持ちに困惑した、彼以外ではこんな気持ちにはならなかったが、やはり彼が私以外の人と喋っていたりするとこの気持ちが沸いてくるのだ
これのせいで何事にも集中出来ず、困っていたのでお父さんのパソコンを借りて調べることにした。
私の今の状況を打ち込んで、検索をかけるとそこには
もしかして : 恋
と表示された。それを見た私はこの気持ちが、これが恋をするということなのかと理解する事ができた
そこからの私の行動は早かった。まずは、彼を他の人に盗られないように学校では休み時間や昼食時間もできるだけ一緒に過ごした。
休日には彼の家に自転車で行き、彼を遊びに連れて行ったり彼の家で遊んだりもした。そして遊びに行く度に彼の両親に差し入れを持っていったり等して親睦を深めて行くことも忘れなかった
ちなみに夏とかにちょっと暑いね、なんて言いながら服を少し脱いだりして彼の意識をこっちに向けたりなんかもやった
そうして中学3年生で受験勉強が始まる。無論私は彼と同じ高校に行くことにした。彼の行く高校をご両親から聞いた後、彼に
「同じ学校志望だから、二人合格するために一緒に勉強しよ?」
と言って、家や図書館で彼と一緒に勉強した。こうすることにより他の人の邪魔が入らなくて済むし、もっと彼との距離を縮ませることもできた
そうして晴れて二人とも試験に合格し、高校生活が始まるのだ。
高校では、私は極力目立ちすぎず、かと言ってクラスに浮かないように頑張ってきた
目立ちすぎると私が彼と付き合った時に虐められたり、影で何か言われたりするかもしれないからだ。逆に浮いていても同じことになるかもしれない
彼の身に何かあるかと思うと、私はとても耐えきれないから……普通でいることに努力した
幸い彼も目立ちたがり屋ではなかった為、クラス内でも普通に過ごしていたので安心していた────のだが
ある日、彼と一緒に帰ろうとしていると彼のロッカーから一枚の手紙が入っていた
彼はそれを開けてから中身を見ると、少し驚いた顔をしていた。気になったので
「その手紙、どんな内容だったの?」
私がそう聞くと彼は教えてくれた。中身はラブレターだ、
と。しかも今日の放課後らしいから、今日は一緒に帰れないと言われた
その時、私はなんて返したか覚えていない。気が付くと彼はもういなかった
彼が付き合ったらどうしよう、私の方が彼の事よく知っているのにいきなり出てきた女に盗られるの? そんなの嫌だよ……
今、私の中には物凄く嫌な気持ちが渦巻いていた。この気持ちを抑えながら、自分の家に帰った
家に帰るとすぐさま部屋に入り、布団にこもり声を押し殺して泣いた
初恋は実らない。そうは書いてあったがまさか本当にそうなるとは。否定したかった、だけどダメだった。
私は彼とよく分からない女が一緒に仲良くしているのなんて見てられない、そんなの見るぐらいなら死んだ方がいい……
───死ぬ?
そんなことを考えていると、ふと思いつく。あぁ、簡単な方法があるじゃないか。女に取られずに、彼といつまでも一緒にいられる方法が
そうと決まれば今日、決行しよう。早い方がいいからね。
夜の9時頃、両親には彼の家に泊まりに行ってくると話した。
お泊まりセットもちゃんと持ってきた。そしてアレもちゃんと入れてきた
そうして私は、彼の家のインターホンを鳴らす。すると、少しして彼が出てきた
なんの用か聞かれたので私はバッグを見せてから彼に泊めてくれるようにお願いする。彼はそれを見て、仕方ないなぁと言いながら私を家にあげてくれた。
今日は彼の御家族は出掛けていて家にいないそうだ
私は彼に
「ご飯、一緒に食べよう?」
と言って、買ってきたお弁当を一緒に食べていく。仲良く談笑したり、からかったりなんかもした
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、気付けば夜の12時を過ぎていた。
二人で一緒に寝室へ向かいつつ、私は持ってきたバッグの中身を漁っていた
それにしてもこうやって一緒に過ごしていたのは楽しかったし、これからもそうして行きたかった
でも、もう明日からは……彼と一緒にいれない、そんなのは嫌だ、彼は私のモノだッ!!
そう思ったら、行動は早かった。バッグから包丁を取り出して、彼のお腹にグサリ、と突き刺していた。彼の服にはじんわりと血が滲んでいた
彼は、刺されて弱りながらも私の身体に寄りかかり
「ま、真那……こんな状態だから、いうけど……さ」
何だろう、こんな時に────
「俺は……お前の事が、すきだ……」
ふぇ? い、今……なんて? 私の事が、好き……?
「今日の、告白だって……断ってきたんだけどさ……」
「どうやら心配させた、みたいだな……っ」
そう言いながら彼は口から血反吐を吐く
「ごめんな……ま、や」
そう最後に言い残して、彼はバタリと倒れていった
う、嘘……全ては私の早とちり? 彼は私のことが好きで、私も彼のことが好きだった……
もっと彼と一緒に居れたんだ、まだまだずっと居れた。もしかしたら結婚して子供を作って幸せに暮らせたかもしれない
「は、ははは……私がそれを壊したっ! 私が……私が……っ」
目から涙を流しながら、彼の血のついた包丁を握りしめ───
自分のお腹に思いっきり突き刺した。痛い、痛い痛い痛い痛い────
とても痛いけど、彼と同じ痛みを味わっている。それだけでも嬉しい
そして同時に私への罰だ。早とちりで彼を殺してしまった私の……
どんどん血の気が引いていくと同時に意識も無くなっていく
「ごめんなさい……てつ、や……来世では一緒になれるといい、な」
彼に寄りかかるように抱きしめながらその場でゆっくりと目を閉じた
────そして、私と彼は、大切なものを無くした