この世界にはノイズと呼ばれるものがいる。
そして俺は転生者としてここ【戦姫絶唱シンフォギア】の世界に転生し、幾つかある転生特典の一つに【仮面ライダー】に関するものを選択した。
俺は仮面ライダーになれる。
つまり俺は仮面ライダーだ。
俺は仮面ライダーとなったのだ。
だがらどうした。
これは俺の人生だ。
正義の味方の力を持っているからと言って、何もかもヒーローみたいなことをしろと言われる筋合いはない。それに俺が好きなのは、仮面ライダーであって正義の味方じゃない仮面ライダーだ。
好きに生きたい。
二度目の人生だ。
例えどんな奴が俺を束縛しようとしても、俺は自分の意思で好きに生きる。
そう、自由だ!
怪力無双のキューバ系アメリカ人であるビスケット・オリバの二つ名である【ミスター・アンチェイン(繋がれざる者)】のように、俺は誰にも縛られず生きていくんだ!
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『コブラ!』
着用していたスーツの懐から小銃型のアイテム【トランスチームガン】を取り出し、コブラの成分が注入されている小さなボトルのような物【コブラロストフルボトル】を、銃口の下の【フルボトルスロット】へと装填。
「…………蒸血」
『ミストマッチ!』
その掛け声と共にトランスチームガンの引き金【ミストマッチトリガー】を彼は引いた。すると内部に搭載されているスチーム生成ユニット【ミスティックチャージャー】がコブラロストボトル内部の物質【トランジェルソリッド】を加熱、特殊蒸気【トランジェルスチーム】へと変化され、銃口から噴射。
スロット装填時にトランジェルソリッドが特殊パルスで活性化されると同時に彼の体は取り込まれ、トランジェルスチームを特殊パルスで武装に変化させ、装着。
『コ・コ・コブラ!コブラ…………!』
『ファイヤ!』
そして煙が徐々に晴れていくと、その姿が露になる。ワインレッドの特殊スーツに身を包み、その上からパイプが二重に巻かれたアーマー。
更にアーマーの中心には青緑の蛇の意匠があり、顔にも蛇を模したバイザーが装着され、バイザーの中から青いツインアイが輝き、そして頭部には塔を模した煙筒があり、その煙筒とパイプの排出口から青と赤が混ざった花火が噴出する。
この姿の名は【ブラッドスターク】こことは違う世界にて、人間を玩具のように扱う地球外生命体【エボルト】が動く時に使用していたパワードスーツのような物である。
一定時間各部の出力を強化し攻撃の威力を上昇させる特殊な蒸気にてその戦闘能力を高める装置【スチームジェネレーター】が搭載されたコブラの形状が特徴の胸部装甲【コブラチェストアーマー】に、攻撃精度を向上、また内蔵された小型プラントで有毒ガスや強化剤の生成が可能な両肩の装甲【BSサーペントショルダー】、格闘攻撃に特化した拳を覆う【BSコブラグローブ】に特殊な蒸気による麻痺効果を持つキックや、無駄のない静かで素早い動きによる相手の背後への接近が可能な足の【ハイドシーカーシューズ】。
頭部には排熱や毒性のある気体の散布機能を備え、特殊弾を打ち上げたり煙を放出し姿をくらますことが可能な煙突型ユニット【セントラルスターク】が設置されており、 内部に赤外線センサーが組み込まれている顔面を保護するコブラ型のバイザー【コブラヘッドゴーグル】。そしてそのバイザーの左から伸びる鋭い形状のものはバイザー中央にあるシグナルパーツと同じくデータ収集装置【BSサイドブレード】である。更には奥にある視覚センサー【ハイドシーカーアイ】は感度が高く動体反応や熱源反応を瞬時に察知でき、空中の化学物質を検知して痕跡を調べることも可能。
これは余談であるが、【戦姫絶唱シンフォギア】の科学力・錬金術では解読は不可能だ。何故なら解読が出来ぬよう抑止力が働くからだ。抑止力というものは、彼のような転生者などが選んだ科学関係のものを別世界に流通させ、崩壊させないためである。しかし転生者から受け取る、または譲るとうであれば可能である。
【閑話休題】
ここで一つ問題だ。
Q.どうして彼がブラッドスタークに変身したのか
A.紛争に、加入するため
この理由は転生した時期と転生する際に転送された場所に関係している。
まず転生した時期、これは原作開始の八年前だ。
そして転生する際に転送された場所が、現在進行形でテロリストとの紛争を起こしている南米小国【バル・ベルデ共和国】。つまり原作キャラでもあり、彼(と作者)の推しキャラでもある雪音クリスが家族を失い場所と時期だ。
となるとやることは一つ、この紛争を終わらせ、ソネット夫婦と雪音クリスを助けようと考えたのだ。
『んじゃ早速…………仕事と行きますか。おら、出てこいよ、ガーディアン部隊』
彼が選んだ転生特典の一つ【《平成仮面ライダー》に登場した歴代の怪人または戦闘員の召喚と変身能力】を使うことで【仮面ライダービルド】の世界で使われていた戦闘員【ガーディアン】を一個大隊に及ぶ数400機を一気に召喚。
そしてガーディアン部隊は必ずと言っていいほど銃剣型の殺傷武器【セーフガードライフル】を手に持っていた。
『仕事だ。内容は至って二つ。ソネット夫婦と雪音クリスの保護とテロリスト共の殲滅…………さあ、行ってこい』
パチンッ!と彼は指を鳴らす。
400機あるガーディアンは二手に分かれ、銃剣型の殺傷武器【セーフガードライフル】を手にテロリストを襲撃、ソネット夫婦と雪音クリスの捜索に向かっていった。
ちなみにガーディアン部隊400機が動いている間、彼は近くにあった小屋の中へと入っていってはその場にて寝転がり、ぐーすかイビキを描きながら寝ているのであった。
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「パパー!ママー!」
「クリス、俺たちのことはいい!早く!逃げろ!」
「で、でも!」
「良いのよ、クリス。貴方が無事なら、それで」
「やだやだやだ!」
倒壊した瓦礫に、挟まれるソネット夫婦。娘である雪音クリスを助けるため、庇って瓦礫に挟まれた二人は必死に彼女だけでも逃がそうとしていた。
そんなとき。
ニヤニヤと笑いながら近づいて行くる、武装した兵士ら。おおよそテロリストであろう。
一人は、雪音クリスを抱え上げ。他の者は瓦礫に挟まれるソネット夫婦へとアサルトライフルの銃口を向けていた。
「っ嫌っー!パパ!ママー!」
何かを感じたのか、叫ぶ雪音クリス。
何かを悟ったのか、優しげな顔で彼女に微笑みかけるソネット夫婦。
そしてアサルトライフルの引き金を、武装した兵士らが引こうとしたそのとき、銃声が鳴り響いた。
しかしその銃声は兵士らがやった訳ではなく、ブラッドスタークが生み出したガーディアンだ。
銃剣型の【セーフガードライフル】を構えながら、マスターであるブラッドスタークの命令をこなす為、容赦なくテロリストらを射殺した。
「「「──────!?」」」
「な、何が…………」
「助、かった?」
すると遠くからまたしても聞こえる銃声と、悲鳴。銃声が止み、ソネット夫婦の元に来る三体のガーディアンの内、一体の腕の中には雪音クリスがいた。
「っクリス!…………あ、貴方たちが、助けてくれたのか?」
「あ、ありがとうございます…………あ、瓦礫が」
ガーディアンへとお礼を言うソネット夫婦。しかし喋れないガーディアンはただ二人を一目見ては、彼女達が動けない原因でもある瓦礫を持ち上げては退かし、彼女たちを抱えてはマスターであるブラッドスタークの所へと向かって行く。
何処に行くかは分からないでいたソネット夫婦と雪音クリスは疑問を抱えていたが、どうしてなのか安心感を感じていた。
するとガーディアンは、突如ボロボロになった小屋の前で止まる。そしてその内の一体は小屋の扉を開け、ソネット夫婦を中へと入れた。
「あ、貴方は?」
『…………無事、助かったようだな。良かった良かった。とりあえず、水でも飲めよ。疲れてんだろ?』
ソネット夫婦と雪音クリスへと二本の迷彩柄の水筒を投げ渡す。ちなみにこれはブラッドスタークが暇つぶしに殺したテロリストから奪った物である。
「あ、ありがとう…………」
『何、あんたらには死んでもらっちゃ困るんだよ。その子供の為にもな』
「あ、あたし?」
『そうだよ、嬢ちゃん』
「あ、貴方は何者なんです?それと、さっきのロボットはなんなんですか?」
『まあ、待てよ。落ち着いて話そうぜ…………とりあえず名前だったよな。俺の名前はブラッドスターク、気軽にスタークさんって呼んでくれよ。それとさっきのロボットだが、【ガーディアン】って俺は呼んでいるんだ。ま、そこまで高性能じゃないんだがな』
クククッ、と笑いながら答えるブラッドスターク。
『んな事より、もっと聞きたいことはないのか?ほら、あれだよ…………なんで助けたのか?とかよ』
「…………確かにそのことは一番聞きたい。だがそれよりもこれだけ言わしてもらいたい」
『あ?』
「ありがとう、君が送ってくれたガーディアンのおかげで、クリスは連れて行かれず、私たちは殺されなかった」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとう!スタークさん!」
お礼を言う、ソネット夫婦と雪音クリス。それを見てブラッドスタークは肩を上下にし、腹を抱えてて笑い出した。
『ハッーハッハッハッハ!礼なんか別にいいよ!こちとらその嬢ちゃんがグレねえようにやっただけだしよ!それに…………殺していいのは殺される覚悟があるやつだけだよ』
「それでもだ。そのおかげで、娘は助かった」
『まあいい。このまま平行線ってのは面倒だし、面倒臭い。それもお礼を言うのは、ここから脱出した時にしろ。まだ終わっていない』
そう言うとブラッドスタークは何処からか【ビルドフォン】と呼ばれる、携帯電話のような物を取り出してはガーディアンへと命令をかける。
『ソネット夫婦、雪音クリスの救出ご苦労。次の命令は引き続きテロリストの殲滅を行うと同時に移動手段を俺のところまで持ってこい』
「え?」
『うしっ、んじゃこのまま殲滅戦だな』
「貴方は、何を?」
『あ?バル・ベルデ共和国から脱出するんだよ』
「そうか…………すまない、何もかも」
『なら、一つだけお願いがあるんだ』
「お願い?」
『日本に戻ったら、一回あんたらの所に行くからよ。そしたら歌でも聞かせてくれよ』
「っあぁ!最高の音楽を聞かせてあげるよ!」
「ねえ、スタークさん」
『ん?どうした嬢ちゃん』
「行っちゃうの?」
『…………ああ、じゃあな嬢ちゃん』
その後、ソネット夫婦と雪音クリスは紛争地と化したバル・ベルデ共和国から無事脱出。その後日本に戻っていった。しかし、それ以降ソネット夫婦と雪音クリスの目の前にブラッドスタークは姿を現すことはなかった。
彼が今何をしているのか、それは誰も知らない。
しかしこれだけは言える。
ブラッドスタークは、好き勝手自由に生きているのだ。