公務員な石動惣一(偽)   作:完龍卞

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CHAPTER 2

 

 

 【私立リディアン音楽院】で、小中高一貫校で中等科、高等科への切り替え時に外部の生徒の編入を受け入れることもあり、高等科のみ別の敷地にある。

 

 その名の通り音楽教育を中心としたカリキュラムで、私立芸術系ながら学費は安価。制服は襟なしのジャケットにチェックのスカートで女子にも人気が高い高校だ。また、人気アイドル【ツヴァイウィング】の一人【風鳴翼】も通っているということもあり、まあまあ倍率も高い。

 

 そんな【私立リディアン音楽院】に一人のスクールカウンセラーが新しく職員と入った。しかし、このスクールカウンセラーには少し秘密があり…………

 

 

 

 

 

 スクールカウンセラーに出会った少女達は、何を思うのか。

 

 少女達は何を感じさせられるのか。

 

 スクールカウンセラーは、何を仕出かすのか。

 

 それは、まだ誰も知らないことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□

 

 

 「石動先生〜!」

 

 

 石動先生、そう呼ばれた彼は後ろを向く。そこには複数人の女子高生の集まりがおり、やれやれと言わんばかりに彼は頭を欠くと、笑みを浮かべながらその集団へと向かう。

 

 

 「おう、どうした?」

 

 「石動先生って、スクールカウンセラー?なんですよね」

 

 「そうだが…………何か相談事か?」

 

 「いえ、それなのにどうして化学と物理の教師をしているんですか?」

 

 

 今年からリディアン音楽院のスクールカウンセラーとして入った彼、石動惣一。しかし彼を呼び止めた女子高生の一人は石動惣一が化学と物理の代役として教師を行っていたことに疑問を持っていた。

 

 それはつい先日のこと。

 

 彼を呼び止めた一人の女子高生が所属するクラスの化学と物理の担当教師が休みだったので、代役として教育免許を持っていた石動惣一が授業を行ったのだ。これに対して、スクールカウンセラーとして入った筈の彼が授業を行っていることに、彼女は疑問を抱いたという事だ。

 

 しかし、スクールカウンセラーとしてこのリディアン音楽院に来た彼だったが、あまりそういう事に興味を持たない彼女のような女子高生は突然代役として教師を行っていた石動惣一に驚愕。

 

 容姿から初めて石動惣一を見た女子高生らは「胡散臭い」やら「何か黒幕みたい」やら「何かヤバい組織に所属してそう」、「アニメみたい」、「珈琲が不味そう」などと裏で言われていた彼がまさか優しく丁寧に生徒に教えていたことに更に驚愕したという(と言うかどうして珈琲が不味いこと知っているのだろうか?彼が作るオリジナルブランドの珈琲は誰しもが不味いと答えるほど)。

 

 これにより、彼の人気は鰻登り。結構「胡散臭い」やらと酷評だった彼は「なんか優しい」やら「胡散臭そうで実は優しいオジサン」やら「でも絶対あの人が作った珈琲は不味い」と言われるように(ねえ、なんで不味いこと知ってるの?)。

 

 更に石動惣一は顔も整っているため、現在のスーツの上に白衣と言う謎の格好ではなく、ちゃんとした服装にすれば誰しもが振り向くイケメンに。そのため現在の彼は女子高生の人気を鷲掴みにしていたのだ。

 

 

 「確かに俺はスクールカウンセラーだ…………まあ、一応教員免許を持ってたからかな」

 

 「そうですか…………それで、石動先生。お昼休みはお暇でしょうか?」

 

 「あ?ん〜…………一応暇っちゃ暇だな」

 

 「でしたら、私たちと一緒にご飯食べませんか?色々と石動先生とはお話したいので」

 

 「おぅ、良いぞ…………と言いたいが、先に先客が居てな?すまないがまた、誘ってくれないか?」

 

 「そう、ですか…………それでは、また今度」

 

 「ああ、また今度な」

 

 

 複数人の女子高生は石動惣一に一礼すると、そのまま去っていく。そんな彼女の後ろ姿を見ながら彼は笑みを浮かべ、自身が受け持つスクールカウンセラーの教室へと向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□

 

 

 昼休み。弁当ではない生徒らはビュッフェスタイルの食堂で食事をし、持ってきている生徒らは外や教室等で食事をする時間帯。

 

 複数人の女子高生のグループに昼飯を誘われていた石動惣一はこの時間、ある生徒を待っていた。

 

 

 「失礼しま〜す!」

 

 「失礼します」

 

 「おう、いらっしゃい。それとノックをしような、必ず」

 

 「あ、ごめ〜ん!忘れてた!」

 

 「すみません、石動先生。響にはしっかりと言っておきますので」

 

 

 彼が受け持つスクールカウンセラーの教室の扉が突如開かれ、オレンジ色の髪をした女子生徒と黒髪ショートで、後頭部の大きな白いリボンがチャームポイントの女子生徒が入ってきた。

 

 そう彼女達が彼が言っていた先客だ。オレンジ色の髪をした女子生徒の名は立花響、もう一人の黒髪ショートで、後頭部の大きな白いリボンがチャームポイントな女子生徒の名は小日向未来である。

 

 

 「はぁ、全く…………何か飲むか?珈琲?」

 

 「いえ、持ってきてます!それに石動先生の珈琲は不味いのでいりません!」

 

 「響!…………すみません、響が」

 

 「おうおうはっきり言ってくれるね…………俺だって好き好んで不味く作ってる訳でもねえからな?旦那の首輪をしっかりと繋いでとけよ?小日向」

 

 「もう、石動先生は…………冗談が過ぎますよ?」

 

 「それに旦那って…………私は女の子ですよ?」

 

 「ハイハイ…………んで?今日の要件は?」

 

 「いえ、響が」

 

 「私が石動先生とお昼ご飯が食べたかっただけで〜す!」

 

 「…………あのな」

 

 

 さて、読者の皆様方。どうして石動惣一と立花響、小日向未来がこんなに仲良さそうにしているかと言いますと、それは彼と立花響の出会いに関係している。

 

 初めて石動惣一が立花響と出会ったのはリディアン音楽院に彼女がまだ入学していない一年前、あれは突然降り出した雨の日だった。

 

 あの日は突然の雨で、石動惣一は持ち歩いていた折り畳み傘を指しては自身が趣味として営んでいた喫茶店に向かっていた時のこと。突然の雨に彼が不機嫌になっていた時、路地裏が目に入った。

 

 普通であればただの路地裏であったが、何かが横切った気がした彼は、何かに誘われるように足を踏み入れた。そしてそのまま路地裏を進んでいくと、そこには灰色のパーカーを着用する、オレンジ色の髪をした少女──────────つまり、立花響が壁に寄りかかっていたのだ。

 

 

 『はあ?』

 

 『…………貴方は、誰?』

 

 『いや、お前こそ誰だよ。ここで何してんだよ』

 

 

 これが、彼女と彼の出会いだ。後に色々とあったが、仲違いした立花響と小日向未来の関係の仲介役として話し合いの場をセッティングしたりと石動惣一は行動に起こし、遂には仲が良かった二年前の状態へと関係を戻した。

 

 そしてその後、立花響の希望により、小日向未来は二人でここリディアン音楽院に入学。スクールカウンセラーとして仕事に着く予定であった石動惣一とこの学校で再開し、今では時折三人で食事をするような関係になったのだ。

 

 

 「ったく…………それで、立花。お前またお節介焼いて遅刻したんだってな?」

 

 「そうなんですよ、石動先生。響ったらまたお節介焼いて遅刻して、怒られたんですよ?」

 

 「お節介じゃないですよ、人助けです!」

 

 「まあ、程々にしておけよ?世の中には、そう言うのを嫌う輩も居るからな?…………俺みたいに、な」

 

 「──────────え?」

 

 

 小さく彼が呟いた最後の言葉に、それを聞こえてしまった小日向未来は目を軽く見開く。そして彼に彼女がかけようとすると同時にチャイムが鳴る。昼休みが終わり、授業があと少しで始まることを知らせる予鈴だ。それを聞いた石動惣一は軽く笑みを浮かべては立ち上がり、弁当箱を片し始める。

 

 

 「よし!んじゃさっさと戻りな。俺は午後の用事がねえから今日は帰るんだから」

 

 「えー!そうなんですか!?」

 

 「おう!…………おい、小日向。どうした?そんな俺をジッーと見て。顔になんか付いてるか?」

 

 「あ、い、いえ…………何でも」

 

 「それじゃあ、石動先生!また今度に!」

 

 「Ciao〜♪」

 

 

 ハッとした表情で、小日向未来は急いで空き箱と化した弁当箱を片し始める。

 

 気の所為だ。

 

 そう自身に言い聞かせ、彼女は立花響と共にスクールカウンセラーの教室を後にした。

 

 

 

 

 

 「──────────気の所為じゃねえよ」

 

 

 

 「お前が止めねえと、あの馬鹿(立花響)の心は壊れるぜ?」

 

 

 

 

 

 「小日向未来(推しキャラ)さんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数時間後。

 

 もう、空は暗くなっている時間帯。そんな時間帯に立花響は小さな少女を背負って走っていた。

 

 突如現れた、特異災害【ノイズ】。

 

 少女だけでも、彼女は走る。

 

 そして──────────

 

 

 

 

 

 「──────────生きるのを、諦めないで!」

 

 

 

 

 

 ♪〜Balwisyall Nescell gungnir tron〜♪

 

 

 

 

 

 「──────────これって…………?」

 

 

 

 

 

 突如彼女は、SF作品などに出てきそうなパワードスーツを、心に浮かんだ歌を紡ぐことで身に纏う。

 

 そんな彼女へと襲いかかるノイズ。しかし、少女を庇うため自身を盾にする立花響の軽く振った手に当たった途端、炭化する。

 

 

 「私が、ノイズを倒した?」

 

 

 またしても突然の事に、驚く立花響。そして、そんな彼女へと飛びかかるノイズ。

 

 

 「しまっ!?」

 

 

 驚きと、襲われる恐怖に目を瞑る立花響。しかしいくら経っても何も起きず、恐る恐る彼女が目を開くと、そこには真っ赤な怪人がいた。

 

 

 「──────────え?」

 

 『おうおう、どうした?そんな呆けた顔をして。今お前がいる場所は、ノイズとの戦場だ。一瞬でも油断と慢心をすれば、命はねえぜ』

 

 

 ワインレッドの特殊スーツに身を包み、その上からパイプが二重に巻かれたアーマー。更にアーマーの中心には青緑の蛇の意匠があり、顔にも蛇を模したバイザーが装着され、バイザーの中から青いツインアイが輝き、そして頭部には塔を模した煙筒…………。

 

 

 「貴方は…………」

 

 『俺の名は、ブラッドスターク。気軽にスタークとでも呼んでくれ、美しいお嬢さん。そして、以後お見知り置きを』

 

 

 そう言って低い声でブラッドスタークは右足を引き、左腕は腹部に水平に当てられ、右腕は胴体から離す。所謂貴族風の男性がする挨拶だ

 

 

 「え、えぇーと…………よ、宜しくお願いします、スタークさん」

 

 『あぁ、宜しく…………と言いたい所だが、今はそれよりもこの雑音をどうにかしないとな』

 

 「そ、そうですね…………」

 

 『とりあえず俺はこいつらを片付けるから、お前はそいつの子守りをしとけ!』

 

 「は、はい!」

 

 

 ブラッドスタークにそう言われ、少女を連れて立花響はノイズがいる場所とは逆方向に逃走。しかし…………。

 

 

 「う、嘘…………」

 

 

 彼女が逃走した方向には、大きなハサミを思わせるパーツを頭部に持つのが特徴的な人型をスケールアップしたかのような性質を持つ大型ノイズ【巨人型】が待ち伏せしていた。

 

 そして巨人型が、立花響へと巨腕を振るおうとしたその時、上空から斬撃が飛び、ノイズを切り裂いた。

 

 

 「つ、翼、さん?」

 

 「呆けない。貴方はその子を守りなさい」

 

 「は、はい!」

 

 『おい、翼!先に行き過ぎだ!』

 

 「…………奏か」

 

 

 上空から舞い降りるのはシンフォギアの一つである【天羽々斬】を身に纏う、風鳴翼。そして遅く合流するのは【仮面ライダービルド(ラビットタンクフォーム)】に変身した天羽奏だった。

 

 

 『お、こいつがあたしのガングニールに変身した奴か!意外に可愛いやつじゃねえか!』

 

 「…………私はノイズを狩ってくる。奏はその子をお願い」

 

 『了解!…………んじゃ、こっち来てくれよ』

 

 「は、はい!」

 

 

 天羽奏に連れられるまま前線を離れる立花響。彼女達を一目見ては風鳴翼はブラッドスタークがノイズと戦う場へと向かった。

 

 

 『ハッ!ラッ!セヤッ!』

 

 「っ!?ライダーシステム!?でも、影山さんからは何も…………まさか、仮面ライダーエボルの…………」

 

 『ラッシャ!』

 

 

 彼を見て、二年前の仮面ライダーエボルの事を思い出す風鳴翼(詳しくは【CHAPTER 0 後編】を参照)。そして最後の掛け声と共に放たれた回し蹴りにより、ノイズは全滅。

 

 それを見た彼女は上空から彼へと声をかける。

 

 

 「そこの怪しいヤツ!何処の組織の者だ?」

 

 『あ?…………シンフォギアってことは、二年前の』

 

 「やはり、お前…………仮面ライダーエボルだな?」

 

 

 ブラッドスタークが言う二年前と言う言葉に確信を持つ風鳴翼。そうなると彼女は知らないが、八年前ブラッドスタークによって助けられたソネット夫婦と雪音クリス同様天羽奏と風鳴翼も彼に助けられていた事になる。

 

 やったね、クリス。まだ再会していない恩人がこの街にいるよ!

 

 

 『正解だ。お前の相方からガングニールを奪った張本人だよ。あの後解析すると、結構面白いフルボトルが出来てよ、ほんとありがたいったらありゃしない』

 

 「…………ご同行、頂う。二年前のことも、そのライダーシステムのことを」

 

 『やなこった。こちとら明日も仕事があるんだよ。という事でさっさとてめぇらは立花響を本部にでも連れていくんだな』

 

 「…………仕方ない。なら、力ずくでも!」

 

 『はぁ、やだね〜…………最近の若いもんはすぐ力ずくで解決しようとする。まあ、俺もお前らに近い…………いや、そうでも無いな。結構離れてるしな。だがそれでもてめぇらの命令に聞く義理もねえんでね。ここいらで帰らせてもらうぜ』

 

 「っま、待て!」

 

 『Ciao〜♪』

 

 

 突如頭部に取り付けられている排熱や毒性のある気体の散布機能を備え、特殊弾を打ち上げたり煙を放出し姿をくらますことが可能な煙突型ユニット【セントラルスターク】から煙を噴射。煙幕のように噴射された煙によってブラッドスタークの姿はくらまされ、晴れる頃には既に彼の姿は無くなっていた。

 

 

 「…………チッ」

 

 

 居なくなっていることに、舌打ちをする風鳴翼。おいそれでいいのかアイドル。

 

 その後、天羽奏と合流した風鳴翼は立花響を連行。そして【特異災害対策機動部二課】の本部があるリディアン音楽院に向かった。

 

 さて、ここからは原作通りなのでカットさせてもらおう。許してくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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