公務員な石動惣一(偽)   作:完龍卞

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CHAPTER 4

 

 

 

 

 

 ♪Gatrandis babel ziggurat edenal♪

 

 

 

 ♪Emustolronzen fine el baral zizzl♪

 

 

 

 ♪Gatrandis babel ziggurat edenal♪

 

 

 

 ♪Emustolronzen fine el zizzl♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【一閃】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「っぁ───────。があぁあああ!?」

 

 

 絶唱。命を燃やすその歌を解き放った風鳴翼の一太刀は、ネフシュタンの少女を寸分違わず斬って見せた。振るわれた一閃を影縫いで身動きがろくに取れない少女に回避する術はない。

 

 

 「ぐっ…………、ぁあ…………」

 

 

 痛い、身体中が痛い。だけど違和感を覚える。風鳴翼の絶唱で少女は自身の体が真っ二つに切り裂かれたと錯覚した。だがどういう事か。腹部の欠損、というよりも身体を食い破られた気配がない。だが異常な程鎧にダメージが加えられている。

 

 

 「…………なに、しやがった」

 

 「…………この身は、防人」

 

 

 振り抜いた剣を支えにするように、だが二つの足で立ち続ける彼女の双眼は、此方を見据え続けていた。

 

 

 「…………想いすらも、守らないといけないのよ」

 

 「…………っ!馬鹿に、しやがって」

 

 

 つまりは、そういうことだ。

 

 人を斬らずして敵を討つ剣。人を傷つける武器を壊し、人に牙向く鎧を穿つ、殺さずの太刀。人が傷つく事を防ぐ、神の剣。

 

 天羽々斬は圧縮されたエネルギーに指向性を持たせて放つ特性を持つ。それを鎧のみにつぎ込めば、その結果は語るべくもない。

 

 

 「(クソが!後ろで呆ける馬鹿の想いを汲んだとでも言うのかよ!?)」

 

 

 苛立ちだけが募る。そもこちとらネフシュタンの鎧は無限の再生。例え絶唱のダメージであろうと回復してのけることが翼にだって分かっているはずだ。今もこうしてバキバキと音を鳴らしながら再生している、はずなのに…………。

 

 

 「あっ、がはっ!何で、こんなにも再生が遅い…………!」

 

 「…………ネフシュタンの鎧は、シンフォギア同様使用者との細胞レベルでの同調がある。ネフシュタンの鎧の組織は、元より使用者の身体を支配してしまうリスクを背負っての運用が危険視されていたのを、知らぬわけではあるまい?」

 

 「て、めぇ!」

 

 「崩壊レベルのネフシュタンに、健常なお前の細胞という齟齬。…………鎧に、食われるぞ?」

 

 

 ビキビキと、傷口のない肌をネフシュタンが再生しようと食いついてくる。体のパーツは足りているのに余分に鎧が増やそうとする不快感。それは間違いなく鎧の侵食で、全身にその支配が行き渡る可能性だってあるのだ。

 

 

 「…………クソッタレ!ぶっ飛べ、アーマーパージだ!」

 

 「っ!?翼さん!」

 

 

 侵食しようとするネフシュタンの鎧をアーマーパージ、周囲に弾きとばす事でその侵食から逃れた。あわよくば翼と響を倒すことができればと思ったが、まあそう上手くもいくわけがない。立花響が盾となり風鳴翼に当たる軌道の鎧を弾き飛ばしてみせた。

 

 

 

 

 

「(…………ちっ。鎧の侵食は防げたが、まだあの鈍臭いのが残ってる。生身じゃさすがにシンフォギアからは逃げられねぇ。だがここで何も持たずに退いたらあたしがフィーネに殺される!…………くそ!くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそetc…………)」

 

 

 唇を噛み締め、アーマーパージで全裸になった少女は土煙の先の風鳴翼と立花響を無言で睨みつけた。

 

 

 「翼さん、大丈b「…………心配は、無用よ」

 

 「で、ですけど、血が…………」

 

 

 風鳴翼は絶唱後、一歩も動かずに立っていた。…いや違う。動けないのだ。目からは血涙を流し、口からは吐血。身体のアーマーはヒビ割れが走り、身体の震えは立っていることすら限界である事を如実に示している。

 

 

 「…………戦場で仲間が傷ついたとして、血が流れるたびに駆け寄るつもり?私は、まだ、倒れていないわ」

 

 「…………だけど、その傷じゃ」

 

 「覚悟を胸に、歌を歌ったわ。…………あなたの務めを、果たしなさい」

 

 「…………はい!」

 

 

 風鳴翼に向けていた視線を、目の前の少女に向け直す。人助けの力で、人間同士が戦うなんて間違ってる。誰かを傷つけるために、この拳を握るなんて間違ってる。だけど風鳴翼が歌った覚悟を、今もなお倒れることなく戦士であり続ける彼女の為にも、この場を納めなくては。彼女がその足で立っている間に。

 

 

 「…………ゴチャゴチャと」

 

 「え?」

 

 「青クセェ演劇で、この雪音クリスを馬鹿にしてんじゃねえぞ!」

 

 

 少女が名乗ると同時に、立花響と風鳴翼へと上空から何かが放たれる。

 

 伏兵、それも少女側のだ。

 

 油断していた彼女達は、大きく目を見開く。そして彼女達へと当たる瞬間、赤い波動が何かを相殺した。

 

 

 『困るね〜…………クローン風情があいつの名を名乗ってんじゃねえよ』

 

 「て、てめぇは…………っ!?」

 

 『あんたの敵だよ、ばーか』

 

 「がっ…………!?」

 

 

 グシャ。突如現れたワインレッドの特殊スーツに身を包み、その上からパイプが二重に巻かれたアーマー───────謎の怪人【ブラッドスターク】。そして彼の接近を許してしまった雪音クリスと名乗る少女は自身の首を掴まれ…………握り潰された。

 

 

 「ひっ…………!?」

 

 「なっ…………!?」

 

 

 目の前で人が殺され、怯える立花響と少女が殺されたことに驚く風鳴翼。

 

 二人を横目に、ブラッドスタークは死んでいる雪音クリスと名乗る少女の既に折れている首根っこを持ち上げては俵のように持ち上げる。

 

 

 『回収完了』

 

 「…………ブラッド、スターク」

 

 『おっひさ〜…………一ヶ月ぶりか?』

 

 「…………その子を、どうするんですか?スタークさん」

 

 『ん?こいつか?処分するんだよ。聖遺物回収して』

 

 「お前は、そいつの仲間なのか?」

 

 『な訳ねえだろ。協力者みたいなもんだ。それに…………うおっ』

 

 

 風鳴翼と話しているブラッドスターク。

 

 そんな彼へと突如放たれるエネルギー弾。

 

 空いてる手で彼は頭を掻きながら、エネルギー弾が放たれた方向へと顔を向ける。

 

 

 『てめぇは…………』

 

 「…………久しぶりだな、スターク」

 

 『…………くく、クハハハハハハ!!折角チャンスをやったって言うのに、また俺の前に戻ってきたのか?影山先生』

 

 「影山、さん…………」

 

 「俺も居るぞ」

 

 「叔父様も…………ぐっ」

 

 

 ギャレンラウザーを構える影山信彦と、その後ろにいる風鳴弦十郎と緒川慎次。

 

 

 「翼さん!」

 

 

 体に溜まったダメージにより、その場で膝をつく風鳴翼。そんな彼女へとすぐさまに緒川慎次が駆け寄る。

 

 

 「…………緒川。お前は翼と立花を連れてけ」

 

 「っしかし!?」

 

 「影山もいる。それに天羽もこっちに向かっているようだ」

 

 「…………はよ行け。旦那、変身するなら早くしろ。置いてくぞ?」

 

 「分かっている。…………緒川、翼と立花を頼む。俺は影山とスタークをやる」

 

 

 呆然とする立花響と、その場で気絶しかける風鳴翼を緒川慎次に任せ、風鳴弦十郎は天羽奏が持つ同じもの【ビルドライバー】を、影山信彦は【ギャレンバックル】を♦Aのラウズカードを差し込んだ状態で腰に宛てがい、装着する。

 

 

 「来い、クローズドラゴン!」

 

 「ギャース!」

 

 

 風鳴弦十郎の言葉に、ドラゴンの成分を注入したフルボトル【ドラゴンフルボトル】を装填した小さなドラゴン型の機械【クローズドラゴン】が彼の元へと近寄ってくる。そしてその【クローズドラゴン】を彼はガジェット化させ、腰に宛てがい装着した【ビルドライバー】へと装填する。

 

 

 『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

 「…………行くぞ、影山」

 

 

 そして風鳴弦十郎はビルドライバーのレバーを回すことでドライバーから伸びたパイプによってスナップライドビルダーが展開、 クローズ専用のドラゴンハーフボディが前後に生成され、2つの型を地面に固定させ、その中心で構える。

 

 

 『Are you ready?』

 

 「旦那こそ、置いてかれないでくださいよ?」

 

 「…………勿論」

 

 「「変身」」

 

 『Turn Up』

 

 『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!』

 

 『Yeah!』

 

 

 仮面ライダークローズへと変身する風鳴弦十郎と、仮面ライダーギャレンへと変身する影山信彦。そんな二人を見て、ブラッドスタークは笑い出す。

 

 

 『イイねイイね最っ高だねェ!!遠くからもお前らのハザードレベルが感じられるよ…………だがよ、俺だって暇じゃねえんだよ。だ・か・ら…………こいつらの相手でもしてろよ』

 

 

 ピカーン!と右手のひらを光らせるブラッドスターク。すると何処からかバッタのような姿をした銀色の仮面ライダーと同じくバッタのような姿をした緑色の仮面ライダーが彼らの目の前に現れた。

 

 

 『…………今、誰か俺の事笑ったか?』

 

 『汚してやる、太陽なんて…………』

 

 

 仮面ライダーキックホッパーと仮面ライダーパンチホッパー。どちらも、性能は量産型のライダーシステムとは比べ物にならないほど。

 

 

 『っ新手のライダーシステムか!?』

 

 『行け、仮面ライダーキックホッパー。行け、仮面ライダーパンチホッパー。叩き潰せ!!』

 

 『『ッ』』

 

 

 腕を大きく横に振り、まるで悪の組織の幹部のように言うブラッドスターク。その言葉を受け、仮面ライダーキックホッパーは飛び蹴りを、仮面ライダーパンチホッパーは飛びかかっては拳を振り落とした。

 

 

 『ふっ!』

 

 『んなっ!?』

 

 

 飛び蹴りを放つ仮面ライダーキックホッパーの足を仮面ライダークローズは難なくと掴む。そして一本背負いの流れでそのままキックホッパーを地面へと叩きつける。

 

 

 『させるか!』

 

 『バレット・ファイア』

 

 『ファイアバレット』

 

 『オラッ!』

 

 『っああああああああ!?!』

 

 

 仮面ライダーギャレンは♦の二・六のラウズカードをギャレンラウザーへと読み込み、飛びかかっては拳を振り落としてくるパンチホッパーへと銃撃能力を強化した状態での炎を付加したエネルギー弾で応戦。撃ち落とされ、そのままパンチホッパーは地面へと落下。

 

 

 『チッ、何出オチみたいな感じになってんだよお前らは。…………まあ、良い。この隙に撤退するとしますか。Ciao♪』

 

 

 その隙を狙って、ブラッドスタークはその場から姿を消す。その場に残ったのは、四人の仮面ライダーだけとなった。しかしその事に気付いていない仮面ライダークローズとギャレンは、キックホッパーとパンチホッパーと対面していた。

 

 

 『…………て、てめぇ!』

 

 『ふっ、まだまだだな』

 

 『…………よくも!』

 

 『来いよ、パンチホッパー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□

 

 

 ここは山深くにある、【フィーネの館】。かつて、永遠の刹那に存在し続けてきた先史文明期の巫女。幾たびか人類史に登場し、パラダイムシフトの起点となってきた経緯があり、『終わり』の名を持つ者【フィーネ】が隠れ家として扱う館。

 

 そんな場所に、死体とかした雪音クリスと名乗る少女を俵のように持ち上げるブラッドスタークが現れた。

 

 

 『〜♪』

 

 

 鼻歌を歌いながら館の中へと踏み入るブラッドスターク。当然彼は土足だ。

 

 

 『…………っと連れてきてやったぜ?この出来損ないを』

 

 「あら、ご苦労さま」

 

 

 素っ裸で椅子にふんぞり返るフィーネ。そんな彼女の目の前に死体と化した雪音クリスと名乗る少女を投げ捨て、近くにあった机に寄りかかるブラッドスターク。

 

 

 『それで?解析は出来たか?』

 

 「まだまだっとこね。でも分かっていることが一つあるわ」

 

 『分かってること?』

 

 「この二枚の板のようなもの…………パンドラパネル、だったかしら?とてつもない力を宿していることが分かるわ」

 

 『ハッ、当然だろ!?パンドラボックスが完成すればこの世界そのものを壊し、新たな新世界を作り出すことだって出来る!!だからお前にそれを貸してやったんだ、お前の計画の為でもあり、俺の〝計画〟の為にもな』

 

 「ええ、分かっているわ(…………だからこそ月の破壊後、貴方は私が殺す。そして、パンドラボックスをこの手に…………)」

 

 

 カチャカチャとパソコンへと振り向き、キーボードを打つフィーネ。彼女が打つパソコンに接続されたケーブルは巨大な冷蔵庫のような機械に接続され、その機械から伸びるケーブルは巨大なビーカーのような物に、そのビーカーの中には二枚の石化したパネルのような物が入っていた。

 

 【パンドラボックス】、それはいつ、誰が、何の目的のために作り出したものなのか、その一切が謎に包まれている謎の物体で、六枚のパネルに分離可能。そのうちの一枚は米国に、三枚は錬金術師ら、そして残りの二枚は彼女が現在解析しているものだ。

 

 またこれは核より強大なエネルギーがあると思われており、その全容の解析を一枚ずつ保有している組織は競走の如く進めていた。

 

 そしてフィーネがパンドラパネルを解析していたのは、とある計画の為でもあった。

 

 彼女が思惑する計画は【カ・ディンギル】とフィーネが名ずけたそれを建造し、かつて己の恋心を拒絶した、創造主への妄執を原動力に『バラルの呪詛』にて人の言語と思想を分断する監視装置たる月の破壊である。そのエネルギーをこの二枚のパンドラパネルを解析すると同時に代用出来ないかと考えていた。

 

 まあ、それを読んでいないブラッドスタークでは無いのだが…………。

 

 

 『そんじゃまあ、あとは頼んだぜ?フィーネ』

 

 「…………ああ、分かった。それと、次からはクローンを壊さないで回収してきてくれないかしら?一々作り直すのは面倒なのでな」

 

 『へいへい、Ciao〜♪』

 

 「ふん…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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