公務員な石動惣一(偽)   作:完龍卞

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CHAPTER 5

 

 

 「翼…………」

 

 

 リディアン音楽院の地下深くにある、【特異災害対策機動部二課】の本部。集中治療室の近くにあるソファーで、天羽奏は俯いていた。

 

 雪音クリスと名乗る少女との激戦。絶唱と呼ばれる最後の決め手を使い、何とか倒した彼女だったが、このように集中治療室送りとされていた。

 

 しかし彼女──────天羽奏は、自身が見ているだけだったことに関して、自分への怒りと情けなさに襲われていた。

 

 

 「な〜に、暗い顔して俯いているんだよ嬢ちゃん」

 

 「…………信さん」

 

 

 そんな彼女に近付いてきたのは、片手にミルクコーヒーが入ったアルミ缶を持ち、顔にサングラスを掛け、髪は七三、黒の蝶ネクタイに赤のベストを着用し、ヨレヨレの白衣を肩掛けする男──────────影山信彦だった。

 

 「よっ!元気にしてたか?」

 

 「…………そう言えば、スタークと何か関係があるかで疑われて…………結局どうなんだ?信さん」

 

 「…………そのことも合わして…………少し話でもするか嬢ちゃん」

 

 「だから!あたしを嬢ちゃんっt「俺はな…………ブラッドスタークと一緒にライダーシステムを作ってたんだよ」…………は?ど、どういう事だよ…………」

 

 「…………元々ライダーシステムってのは、ブラッドスタークが開発したものなんだ。ブラッドスターク…………本名は知らねえが、あいつは自分のことをスターク博士って名乗っててな?スターク博士と初めて出会ったのが、四年前…………しがない大学卒業生だった俺は、あの人に拾われたんだ」

 

 「拾われた…………」

 

 「そう、拾われたんだ。国大理系出身だった俺は、就職もろくに出来ず、途方に暮れてた所をスターク博士に拾われて、一緒にライダーシステムを開発したんだ。始めは怪しい人だな〜って思ってたんだが、結構優しくてな…………」

 

 「優しい…………」

 

 「今のスターク博士とは、全く別モンだよ。…………それで、突然スターク博士がノイズを倒せるライダーシステムを作ろうって言い出して、早速一番初めに作ったのが【エボルドライバー】…………」

 

 「…………確か、あたしが使ってるビルドライバーってそのエボルドライバーの海賊版なんだっけか?」

 

 「そう、スターク博士が目標として掲げる何かを防ぐ為に、俺が開発した新たなライダーシステムが仮面ライダービルド──────────」

 

 

 

 

 

 ──────────Evolution(進化)に対抗する為にBuild(形成)した物だ。

 

 

 

 ──────────…………だが、俺達人間はあの人の進化(Evolution)に対抗出来ない。

 

 

 

 ──────────だからこそ、それに対抗出来る物、対抗出来る者を形成(Build)した。

 

 

 

 ──────────つまり、何が言いたいかと言うとな?

 

 

 

 ──────────天羽奏、お前が唯一ライダーシステムの中であの人に…………

 

 

 

 ──────────スターク博士に対抗出来るって事だよ。

 

 

 

 

 

 「そう、だったのか…………」

 

 「それと俺は虫けらのように人を殺すスターク博士が許せない…………だから嬢ちゃん』

 

 「…………」

 

 「頼んだぞ?」

 

 

 呪いの言葉を残し、影山信彦は手に持っていたミルクコーヒーを飲み干して去っていく。

 

 彼女はそんな彼の背中を、居なくなるまで見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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