菜月スバルに直死の魔眼とか色々組み込んでみた。 作:繭原杏(繭原安理)
ので、大変短いです。その内加筆するかもしれません。
これは葬られたループの、まだ平穏な月の夜の物語。
それはなんて事の無い一言から始まった。
「なあ、エミリアたん」
「なに? スバル。あっ、別に勉強はさぼらないわよ」
「違う違う、そうじゃなくてさ。そういやエミリアたんって、ダンス踊れんのかなって」
「ダンス?」
「そ」
「うーん、基本は習ったけど……」
「お、じゃあ見せて見てくんね? 故郷のと同じか気に成る」
「そ、そう?」
それから、エミリアはその場で反時計回りに動きながら三拍子のリズムで踊り始めた。
俺の知っているものに当てはめるなら、ワルツが一番近いのだろうか。
左手はバスケットボールを抱えるように胸の前、右手は右前方に緩く突き出し、誰かの手を握るようにしている。
123のリズムでステップを踏み、膝のバネを使い、横に踊りながら緩く上下に揺れる。弾みのついた銀髪が月明りを反射し、波の様な軌跡を部屋に浮かべる。胸を張っているからか、その動きは普段の物より幾段と激しい。一歩前に出て、そしてそこから右にずれる動き。アウトサイドチェンジだ。
ワルツの中でも初心者向けのステップで、俺も数種類のステップをちょっと練習したことがある。
それに続いて、部屋の隅から背くように体をねじりながら、最後のステップは小さく立つだけのように体勢を直す。ナチュラルターンだ。
エミリアは、この基本的な二つの技を組み合わせて部屋を一周する。
そして、再び俺の前まで戻ってきたときには軽く息が上がっていて、頬がピンクに染まっていた。
「どう? まだ習ったばかりだけど……頑張ったのよ?」
軽く不均等に吊り上がった笑み。ドヤ顔だろうか。そんな、習い事の成果を自慢げに報告する子供のようなほほえましさに、つい笑ってしまう。
「あっ、何よもう。折角スバルが見たいっていうから踊ったのに、私、怒ってるんだからね!」
立ち上がってごめんごめんと謝りつつ、がさつに頭を撫で繰り回して褒めたたえる。
凄い、エミリアたんマジ天使。まるで月女神みてぇ。部屋中を踊る銀髪が月光みたいだった。天才。キレッキレだったな。等々。
とにかく思いついた限りの語彙で褒めたたえ、照れ顔を浮かべさせる。
「え、えっと、そうかしら? ま、まぁ、その、ありがとう……」
俯いて、前髪に隠れた顔から表情を読み取ることはできない。
そんなエミリアに手を差し出して、一言。
――――――それでは、どうぞ、お手を拝借しても? マイディア。
「え、スバル、これ、割と難しいのよ?」
大丈夫。故郷にあったのと似てるから。
「えっと、さっきはああいったけど、私、そんなに上手くないし、足踏んじゃうかも……」
リードさせてくれるってことでOK?
「そ、その、私、ハーフエルフよ?」
エミリアたんだからこそ、一緒に踊りたいんだ。
「~~っ……じゃ、じゃあ、一回だけ、ね?」
光栄です、我が姫様。
「もっ、もう! そんな恥ずかしいこと言わないの!」
ワン、ツー、スリー。ワン、ツー、スリー。
リズムに合わせ、胸元のつむじを見下ろして、その先の足の動きを頭に思い描く。
万が一にも足を踏まないよう、すり足に近い歩き方で、膝のバネで上下への揺れに対応する。
ワン、ツー、スリー。ワン、ツー、スリー。
部屋の隅まで付き、次はターンして壁から離れるように。
隣り合った壁に向かって、ステップを続ける。
ワン、ツー、スリー。ワン、ツー、スリー。
窓から差し込む光が、眼前を照らす。
きらきらと舞う銀髪は、今宵のステージの舞う雪のように。
軽妙に、緩やかに。
ただ、もっとこの時間が続けと、そう願いながら。
ワン、ツー、スリー。ワン、ツー、スリー。
どんな踊りでも、終わりは必ず来るものだ。
それを名残惜しく思いながら、再び部屋の中心に立つ。
いかがでしたか?
「ほんとに、踊れたのね」
まぁ、いつか役に立つんじゃないかなーって思って軽く身に着けたんだよね。
「うーん、いつもの感じからは分からないけど、スバルって意外と良い所で生まれたの?」
ん、まあ、格だけならそこそこだったかな。
育ったのは普通の平民家庭だけどな。
「あ、そう、その、ごめんなさい……」
ちょいちょいちょい。そんな落ち込まないで。
いや別にエミリアたんが想像してるようなことは無いから。親に嫌われているということもなかったし、家を追い出されたわけでもなかったから。
ただちょっと、その、そりが合わなくって家出しただけで、ね。
「ふふっ、スバルって意外とやんちゃなのね」
やんちゃって今日日聞かねーよな。
「もう、またそうやって茶化すんだから」
そう言って、拗ねるように笑うエミリアに先ほどまでの影は無く。
父からは愛されなかった。いや、正確には愛されていたのかもしれないが、俺はそれを感じ取ることができなかった。
唯一母だけが俺に構ってくれて、それすらも同情の産物なのではないかと察してしまうくらい、俺は無関心を向けられすぎていた。
あそこで拾われなければ、菜月家にいなければ。きっと俺は空っぽだっただろう。ズレた世界を見て生きていたはずだ。
だから、そんな俺に愛を与えてくれた父さんと母さんは大好きだ。
勿論のこと、マヨネーズも、だが。
月の照らす窓辺に二人。
微笑みあう姿に悲劇など無く。
ただ、迫る終末にも気付かずに幸せに浸っていた。
作者はにわかです。間違っていたら教えてください。お願いします。
最後に。
すうぅぅぅぅ……
ハーウェイでもFGOWできるようにしてください運営ぃぃぃぃぃぃぃ!!!
PS.てかなんでインタールードに概念礼装クエスト入って無いの?
追記
2020/08/25 20:30の再配布でもインストールできなかった作者が通りますよっと。
追追記
2020/09/09 やっぱり作者の機種ではインストールできなかったZE……ぜ……