「ONE PIECE Order of Grandline」RTA 作:メメイ
ドフラミンゴが与えてくれたヤムヤムの実の能力を使い、俺は無事に珀鉛病という呪いから解き放たれた。
ドフラミンゴは命の恩人であり、世界を壊すという目的をともにする同志でもある。
だから俺は、力の限りついていく。
コラソンの裏切り者が逃げだしたとてんやわんやな時期なのだから、余計に俺は強くドフラミンゴとファミリーへの忠誠は高まっていった。
そのためには、まず自分の力を使いこなさなくてはいけない。
病気を操るという能力は、皮肉な事にかつてやっていた医療の勉強が役に立った。
生かすのではなく、痛めつけ嬲り殺す方面での活用だけども。
ドフラミンゴにもっと能力の使い道を探りたいと言ったら、"モルモットだ”とだけ告げて人間を寄越した。
フレバンスの真実を知っていて加担していた、元政府の人間だったという。
その最初の検体は、俺の出身をどこからか知ったのか口に出し罵倒しだしたから能力を使い珀鉛病にしてやった。
お前らが広めたものだ、お前らに返してやるよ!
ヤムヤムの実は、今のところ俺の身体を媒介にして他人に病気を発生させる事ができる。
つまり触れれば、相手は病を背負う。
大規模にパンデミックを起こすのならば、血液を使用したりだとかの方法も恐らく可能だとは思うが現在は実験していない。
俺が触れるたびに身体に白色が広がるのを恐れ、触れようとするたび命乞いをする姿を見て、こんな者達に俺は、フレバンスは、全てを失ったのかと思うと消えない怒りとドス黒いものが沸いてでてきてとめられなかった。
殺したい、殺したい、殺したい!
だから、殺そうとした。
【ダメだよ】
うるさい、うるさい、アスセナお前の止める声が煩い。
随分と昔な気がするのに、否定してくる声が時折蘇る。黙ってくれ。
同じ生き残りの癖にとうとう分かり合えなかった声がこんな時に響いてくる。
それがとてつもなく嫌だったものだから、振り払うようにそのモルモットの男を殺した。
そうすると、ふっと声は二度と聞こえなくなった。
同時に、ぼんやりとした震えがしばらく続いたと思うと……がくりと足の力が抜ける。
そして、死体と目が合った。
何回も実験をしてみて分かった事といえば、ある程度なら精神病なども発生させたりできるという事だ。
例えば鬱病なんかは脳内の分泌成分の乱れなどにより発生するので、それを引き起こせば何の悩みの無い人間だったとしても鬱になる。
心も身体と同じく病気になる。その事実は、俺にとってはどことなく馴染む概念だった。
表向きにはファミリーの医者役として動く時と、こうして邪魔な奴らに病気という呪いをかける時とで自分の中の何かが切り替わる。この感覚はなんなのだろう?
今日、一つの町にアウトブレイクを起こした。
飛び去ろうとした鳥すらもソレから逃れられず、空中でくたりと力を失いそのまま落下して死んでいった。