0人目のアイ   作:迫真将棋部志望者

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本文中の「ひまわり」の後ろに環境依存文字で絵文字を入れようとしたけどうまく表示されなくて馬になったので初投稿です。


※代わりに猫っぽい絵文字に見えなくもない例のアレにしときました。


記憶

 

 

奨励会の三段リーグは年二回、四月から九月と十月から三月の二期に分かれている。その期ごとに十八局を戦い、一位と二位は四段に昇格しプロになる。

 

半年間の三段リーグを戦い抜いて、十八戦十八勝。

文句なしの一位通過で俺は(というよりアイは)史上初の未就学児プロになった。

 

小学生プロすら存在しないのに、なんだこれはたまげたなぁ。

(アイさん御年四歳はクッソ強いから)ま、多少はね?

 

世間も結構ニュースで取り上げてて盛り上がってる。

俺にも取材依頼とか来てるんだが、病弱を理由に師匠が必要最低限なもの以外断ってくれている。

最後の発作からはもう一年以上が経過してて、明石先生も大丈夫だろうと判断しているが、こればっかりはわかんないから仕方ないね。

 

(突然アイが進化して俺の頭が爆発するかもしれんしな)

 

『縁起でもないことを言わないでください。その時はBボタンを連打してくれれば頑張ってキャンセルしますよ』

 

(お前のBボタンどこ……? ここ……? お前が人間だったら二つ付いてたのにな)

 

『……? ……びー……二つのBボタン……むっ、それはセクハラでは?』

 

(お前が考え込むと下手なギャグ言ったなって気持ちになるわ。反省します)

 

『反省の方向性が迷子……』

 

アイが考え込むって相当分かりにくいってことだからな。精進が必要だ。

 

(しかしプロになったはいいものの、そこまで対局ってないんだな。わりと暇)

 

『三段リーグはなかなか楽しかったんですけどね。タイトル戦の予選なんかは春からやっているものが多いですし、忙しくなるのはまだ先ですね』

 

(十月からプロだと……一番近いのは十二月の竜王戦の予選かな)

 

流石にプロ入りするときに年間スケジュールとかはざっくり調べてある……というより将棋連盟の人が情報をまとめた冊子を作ってくれていた。ありがとナス!

 

(おーすげー竜王になったら対局料は……十四万!? うせやろ?)

 

『竜王戦は優勝賞金だけでも四千四百万円ですよ』

 

(……はぇーすっごく高い……)

 

『タイトル戦のなかでも一番賞金額が高いようですね』

 

(まあでもプロ野球選手の年棒とかプロゴルファーの賞金額とかに比べりゃそうぶっ飛んだ額ではないのか)

 

感覚おかしなるで。

なんなら小学校入学前に前世の生涯賃金超えるまであるな。まあ成人するまでの資産管理は師匠か両親にやってもらうことになるだろうけど。

 

(しかしマジで暇……暇すぎてひまわりになったわね

 

『なにか趣味でも見つければよろしいのでは?』

 

趣味ねえ……今の小学生未満ボディーでもできる趣味は……あっ!

 

(そうだ、配信者になろう!)

 

『配信者とは?』

 

(ばっかお前配信者って言えば……あああああああ!)

 

『ああ、ついに頭が……』

 

(今何年!? 2005年! ユーチューバーはいねえ! ニコニコもねえ! あーもうめちゃくちゃだよ)

 

『ああ、マスターが前世で好んでいた動画配信サイトですか』

 

(あっお前今俺の前世の記憶チラチラ見てただろ)

 

『いえ』

 

(嘘つけ絶対見てたゾ)

 

『別に見てはいけないとも言われてないと思いますが。現にワタシの持つ知識の九割九分はマスターの記憶によるものですし』

 

(見たけりゃ見せてやるよ)

 

『声を震わせろ』

 

うーんこの打てば響く感。

ちなみにアイは俺が覚えていない記憶すら見ることができる。生まれてから一万回目の食事の内容とか小学生のときチラッと見たことのある本のページ数とかでもポンと答えられるのだ。

見るっていうか、見ようと思って見れるもんじゃなくて常時接続してるとかなんとか。

 

うわっ……俺の記憶セキュリティ、低すぎ……?

 

しかし2005年かあ。

まだガラケー時代だしマジで時代の壁を感じる。

YouTubeがもうそろそろできる頃か?

 

(今の世の中で俺の振るネタ分かるのアイだけだもんなあ。寂しい)

 

『まあ、他の人が分かったとして乗ってくれるかは別問題でしょうが』

 

(うんうん、だからノリのいいアイはしゅき……いや、愛してるよ)

 

『…………』

 

おっとこの沈黙はアイと愛をかけた激ウマギャグに感動しているな?

 

 

 

 






投稿時間を999で割るとああ^~気持ちええんじゃ~


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